Mom or Mum どっちのママが本物?イギリス英語とアメリカ英語のスペル違い

1月 24th, 2013 | Posted by maggy in 小ネタ - (Mom or Mum どっちのママが本物?イギリス英語とアメリカ英語のスペル違い はコメントを受け付けていません)

'Two Mothers of Two Infants' by daveynin

こんにちは、maggy です。最近、仕事上の付き合いの人とも Twitter や Facebook でつながることが増えてきました。どこまで自己開示をするか迷うことも多いのですが、共通の趣味などを見つけると、スモールトークが弾んで仕事が上手くいくことも。英語圏の人とつながると、英語の勉強にもなりますね。

先日、こうして Twitter をのぞいていて気付いたことがありました。アメリカ人の知人が、お母さんのことについて my mom とつぶやいていました。わたしはこれまで、mother の略式の英語のスペルを Mom ではなく Mum と書いていたので、「ずっとスペルを間違えていた!」と、ひとり赤面。

しかしながら、辞書で調べてみたら、大丈夫でした! どうやら、どちらでもいいようなのです。アメリカ英語では主に Mom イギリス英語では Mum と書くようです。地域によって発音が微妙に違い、それに伴ってスペルも違うようです(参考: Yahoo! 英和辞典 – mom [ mˈɑm| mˈɔm]mum [mˈʌm])。

わたしはイギリスに留学していたので、知らぬうちにイギリス英語のスペルを使っていたようでした。ということで、いずれのママでも大丈夫なのです。

なお、Mammy および Mummy は、略式というより幼児語のニュアンスになるようです。

友人・知人の英語のつぶやきから、Mom の話に始まりご家族の様子や、休日の過ごし方など、仕事以外のそれぞれの国や地域の日常の暮らしぶりが見えて面白いものです。

そういえば、どうやらわたしの実家の母は、わたしの Twitter のつぶやきやブログ更新のお知らせを常時チェックしているそうで、「どうしてスピード翻訳 の記事は書いて、わたしのメールの返事はよこさないのかしら」と家族にボヤいていたとか……。暮らしぶりが見えすぎるのも、少々困りものですね!

おまけ :ちなみに mummy には、「ミイラ」という意味も! たまたまの一致だとは思いますが、前から気になっています。Wikipedia いわく、「ミイラ」はポルトガル語からの借用語のようです。漢字では「木乃伊」と書きますが、どうがんばっても「ミイラ」とは読めないですよね。

photo : “Two Mothers of Two Infants” by daveynin


漢字を書かないフランス人留学生の中国語ノート

1月 18th, 2013 | Posted by liang in 小ネタ - (漢字を書かないフランス人留学生の中国語ノート はコメントを受け付けていません)

'Chinese learning' by rinhello

はじめまして! ライターの liang(日本人)です。わたし自身の中国語学習経験や語学関連の仕事を通じて学んだこと、気がついたことなどを中心に、中国語にまつわるあれこれを書きたいと思います。

中国語は漢字を使って表記されるので、中国語を学んだことがなくても、日本人なら中国語で書かれた新聞記事などの中から、意味を推測できる単語をたくさん見つけることができるでしょう。ふだんから漢字に親しんでいるわたしたち日本人は、中国語がとっつきやすそうに見えます。大学で第二外国語を選ぶときに、そんなイメージだけで中国語を選択する人も少なくありません。

でも、中国語を学び始めて最初に取り組むことになるのはたいてい発音で、その発音のルールを学ぶためには基本的に「ピンイン」と呼ばれるローマ字による表記法を覚えなければなりません。欧米の言語が難しそうだから中国語をやろうと思ったのに……という人はちょっぴりショックを受けることになります。

ピンインはローマ字に声調を示す符号をつけたもので、中国語の発音を表す記号として教育の場で広く利用されています。たとえばあいさつ言葉として有名な「ニーハオ!」は漢字で「你好!」と書きますが、ピンインでは Nǐ hǎo! と表記します。ちなみに「わたしたち」の意味を表す「我们」のピンインは wǒmen です。英語が得意な人は混乱しそうですね。

そういえば、わたしが北京で語学留学をしていたとき、同じクラスのフランス人留学生のノートには、ピンインだけがびっしりと書き込まれていました。彼女は時間のかかる漢字の習得をあきらめて、ピンインのみで中国語を書いていたようですが、彼女のリスニングのレベルは同じクラスの日本人留学生よりも明らかに高いのです。日本人は漢字(つまり目に見える情報)に頼って中国語を理解する傾向が強くて、耳の訓練がおろそかになりやすいのでしょうか。

欧米人にとって、漢字で書かれた文章はとんでもなくとっつきにくいものなのだと思います。以前、仕事で日本に来ていた若いイギリス人が、わたしの漢字四文字の名前を日本語で正確に読んだときは本当にびっくりして、感心してしまいました。

それにしても、フランス人によってピンインだけで書かれた中国語はまるで欧米の言語のようで、わたしが学ぶ中国語とはまったく違うものに見えました。

photo : “Chinese learning” by rinhello


アメリカには、入学式はない?

1月 16th, 2013 | Posted by maki in 小ネタ - (アメリカには、入学式はない? はコメントを受け付けていません)

'The hat toss' by David Michael Morris

こんにちは、maki です。先日、Back-To-School Sale” についての記事を書きました。この “Back-To-School” は夏休みを終えて、新学期になり、こどもたちが学校にもどってくる状況を意味しています。日本では、新しい学年ごとに大きな買い物やお祝いなどをする習慣は、進級祝いのようなイベントこそ家庭ごとにあったりするものの、そんなにフィーチャーされることはないですよね。それよりは、入学式卒業式が、大きなイベントです。”Back-To-School“ でフォーカスされているのは、すでに学校に通っているこどもが学校に帰ってくることであり、新しく学校に通いはじめるこどもについては、アメリカではあまり語られることがないようなのです。アメリカには、入学式はあるのでしょうか?

アメリカでの入学式について書かれたページをいくつか読んでみました ※ 。在米経験の長い日本人の人たちが書いた記事を読みましたが、やはりアメリカには入学式は基本的にはないようです。
学研出版サイト : 子どもの可能性を引き出す アメリカ最新教育事情 – 第23回 新たな学年の始まり / Rocket News 24 : 日本とアメリカの小学校の違い10個 / 「留年がある」 「先生への謝礼は常識」

温暖化のせいか、最近は 4 月になる前に桜が咲いてしまって、入学式のころには散ってしまっているようなこともありますが、中学の入学式では校庭に桜が咲き誇る中、親に連れ添われてクラスで写真撮影した記憶があります。アメリカだと小学校の場合、親が学校に新入生を連れていきはするようですが、学校に着いてしまったら、あとは担任の先生に引き取られておしまい……みたいな感じだそうです。なんかさびしいですね。きっと小学校から先の入学のときなどは、もう親も行かないのでしょうね。

和英辞書などには、入学式 = enrollment ceremony と記載されていますが、ウェブ検索しても日本の学校の入学式に関するページはいろいろ見つかりますが、アメリカの学校の入学式に関するページはほとんど見当たらないですね。入学式 = enrollment ceremony と翻訳した場合は、「日本では、初等教育から高等教育まで、新入生が入学するときには入学式と呼ばれる式典をおこなう。小学校・中学校では父兄も同伴し、入学を祝う」といったような補足説明を加えた方がよいのでは……と思ってしまいました。
enroll 自体には、「(リストに)登録する」といった意味がありますが、「入学する」といった意味合いは主ではないようです

入学式の代わりというわけではないでしょうが、卒業式は盛大にやるようですね。高校生の卒業式には Prom と呼ばれる正装でのダンスパーティーがおこなわれます。男女のペアで参加することになっているので、Prom までにパートナーを見つけられるかどうかで悲喜交交あるというのが、アメリカの青春ドラマの定番。大学の卒業式では、みんなガウンと頭頂部が四角にかたどられた帽子(square academic cap / graduate cap / mortarboard)をかぶって参加します。最後に写真にあるようにみんなで帽子を投げるという定番のエンディングを迎えます。このガウンや帽子はレンタルが多いので、借りたときと違う帽子を返すことになったりしないんでしょうかね。

卒業に関連する頻出語彙で Class of XX といったフレーズがあります。 XX の部分には数字(西暦)が入り、Class of 9595 年卒業の同窓生)といった使い方をします。日本だと同じ年に入学し、同じ年に卒業することが多いせいか、卒業年を基準に考えることはあまりないですね。学校制度やそこでの生活にも国によって大きな違いがあるんですね。

photo : “The hat toss” by David Michael Morris


英語の family (ファミリー) の語源は「奴隷」。中世ローマから変化した家族のカタチ

1月 10th, 2013 | Posted by maggy in 小ネタ - (英語の family (ファミリー) の語源は「奴隷」。中世ローマから変化した家族のカタチ はコメントを受け付けていません)

'(Happy) family car' by Unlisted Sightings

明けましておめでとうございます。maggy です。年末年始はどのように過ごされましたか? わたしは久しぶりに実家に帰りました。ゆっくり過ごすはずが、姉妹の愚痴を聞く相手をし、風呂掃除や皿拭きを言いつけられ……。

「家族って、遠慮がないのよね」なんてグチりながらも、こうしていると実家にいた頃と変わらなくて、まるでずっとここに住んでいたような気持ちになりました。どんなに時間や距離が隔たれても、実家に帰ればお客さんじゃなくて、いつだって家族の一員なんですよね。

不思議ですね、家族って。ふと気になって、英語の family の語源を調べてみました。すると……。

その歴史は 15 世紀に遡り、ローマ人が使っていたラテン語の famulus(奴隷、召し使い)が語源とのこと。famulusfamilia(召し使い、および親族と召し使いを含む世帯メンバー)に変わり、そして family となったそう。family が「血縁がある」「一緒に住んでいる」 の意味で使われるのは、17 世紀からのようです(詳しく知りたい方は、こちらの解説をご覧ください。Family | Define Family at Dictionary.com)。

ど、奴隷ですか……。意外なような、実家の家族のことを思うと妙に納得したような……。

ともあれ、family という言葉が示すものは、その時代や文脈によって変わってきたのですね。

そういえば、わたしにとってイギリスのホストファミリーは、「イギリスの家族」です。東京のシェアハウスに住んでいる友人は、ルームメイトたちと衣食住を共にし助け合って生きていて、彼らを「東京の家族」と呼んでいました。日本の「家族」およびその言葉の意味も、少しずつ変わっていっているのかもしれませんね。

それでは、また忙しい日々になりますが、みなさんにとっての「家族」を大切に、がんばっていきましょうね! 今年もよろしくお願いします。

photo : “(Happy) family car” by Unlisted Sightings


一年生になったーら♪ Back-To-School Sale

1月 8th, 2013 | Posted by maki in 小ネタ - (一年生になったーら♪ Back-To-School Sale はコメントを受け付けていません)

'Back To School' by Cayusa

こんにちは、maki です。みなさんはどんな年末年始をお迎えになったでしょうか。年明けに、4 月から一年生になる姪に会ったのですが、じいじに買ってもらった水色のランドセルの自慢話を延々と聞かされました……。最近のランドセルは何色でもいいんですね。アメリカのこどもたちのランドセルは、左の写真にあるようなキャラクターもののデザインのデイパックがほとんどです。男の子ならなんとかレンジャーみたいなものとかですね。

そんなことを考えているうちに “Back-To-School Sale” というのを思い出しました。アメリカのモールやスーパーなどで 8 月ごろになるとよく見かけるキャンペーンです。ご存じのようにアメリカでは新学年は、夏休みの後の 9 月に始まります。長い夏休みを終えて、こどもたちが学校に戻ってくるということで “Back-To-School Sale” を開催するのが、この時期のアメリカの風物詩でもあります。こういったデイパックや衣料品、ノートなどの文房具や書籍など学校で使うもの(高いものではパソコンまで!)を対象にしたセールです。

調べてみたところ、この時期には “Back to School Sales Tax Holiday” と称して、消費税が減免される州があるみたいです。たとえば、ミズーリ州では、州法により、8 月の第一金曜日から 3 日間の間、学用品を中心とした物品の購買に対する消費税が減免されるようです(ほとんどの地域では 0 % に!)。

Back to School” じゃない “Sales Tax Holiday” はあるのかなと思って調べてみたら、同じミズーリ州には、”Show Me Green Sales Tax Holiday” というのもあるようです。これは、Energy Star の認定を受けたエコ商品を購入した場合に消費税が減免される日のようです。Energy Star のシールは環境対策を考慮した商品だというアピール以外にもこういう実質的なメリットもあるんですね。

他の州を見てみると、”Back-To-School” や “Energy Star” に関連した Sales Tax Holidays を実施している州は多いですね。あとは、ハリケーン対策がいくつか。狩猟のシーズンに合わせてということなのか、ライフルや小銃、拳銃、弾薬の消費税減免というのもあるようです(狩猟に拳銃は使わないですよね?)。日本では、エコカー減税とかエコポイントとかで予算枠を設定して、一時的に実施されることが多いですが、アメリカみたいに毎年あってもいいのになあ……と思いました。

先ほどご紹介したミズーリ州のサイトにプロモーション動画が貼り付けられてたのですが、学校が始まることでテンションが激しく高まっている親とその逆のこどもたちの対比がなんかおもしろいです。ちなみにミズーリ州の “Back to School Sales Tax Holiday” は、ミズーリ州外の人も対象になるようです(とちゃっかり、他州民に対するアピールもしています)。
※ すべての州でこういう減免措置があるわけではないんですね。大都市を擁した州ではやってないことが多いようです

photo : “Back to School” by Cayusa


ボクシング・デーとは? イギリスでひと足早い冬のバーゲン

12月 26th, 2012 | Posted by maggy in 小ネタ - (ボクシング・デーとは? イギリスでひと足早い冬のバーゲン はコメントを受け付けていません)

'11am Boxing Day Sale' by I See Modern Britain

こんにちは、maggy です。日本では 12 月 25 日を過ぎたら一気に年末モードですが、イギリスやオーストラリアなどの国々では、クリスマスの翌日はボクシング・デーBoxing Day)という祝日です。

ボクシングといっても、スポーツではありません。ボクシング・デーは、もともとはクリスマスも仕事をしなければならなかった使用人や郵便配達員のための休日で、彼らにも箱(Box)に入れた贈り物が渡されたことに由来するとか。

ボクシング・デーは、冬のバーゲンセールが始まる日としても有名です。わたしも数年前、ロンドンのオクスフォード・ストリートでこのバーゲンに参戦したことがあります。ストリートは袋をいくつも下げた人々でごった返し、少しずつしか歩けないほど大盛況でした。

(とっても余談ですが、イギリス人の女の子2人組が、バーゲンで手に入れたといって、テカテカのマッチョな男の写真集を路上で見せ合って大興奮しているのを見たとき、ここは海外なんだな、と心から実感いたしました)

イギリスの冬の風物詩とも言えましょう、このボクシング・デーのバーゲン。しかし、今年のイギリスは例年とはちょっと違った様子のようです。

今年は、各社がネットでオンライン・セールを、しかもクリスマス・イブからスタートしたそうです。ちょっと Twitter をチェックしてみたら、聖なる夜なのに、ずっと欲しかったあのアイテムが、「最大 70 % オフのチャンス! 早い者勝ち」なんて書いてあるのを見たら、きっと気になって仕方がないですよね。

「クリスマスという家族と過ごす大切な時間が、インターネットに奪われてしまうのでは」という懸念から、「昔はラジオの前に座っていたのが、iPad やスマートフォンといったガジェットに代わっただけ。ショッピングに出かけるのとは違うので、取り立てて騒ぐほどのことじゃない」といったものまで、さまざまな議論が交わされたようです(詳しく知りたい方は、こちらのニュースをご覧ください。Retailers kickstart Boxing Day sales … on Christmas Eve | Business | guardian.co.uk)。

結局、イギリスの皆さんはどのように過ごしたのでしょうね。ここ数年、年末年始に実家に帰っても、お正月のオンライン・セールをのぞいては、マウスやタブレットをボクシングのごとく連打しているわたしにとって、これは他人事ではないニュース。もっとも、福袋を買いに出かけるより楽ですし、家族とどっちがいいかなんてワイワイ話して、なかなかいい時間が過ごせるんですけどね。

どんな風に過ごされるにしても、年末年始が皆さんにとっていい時間になりますように!

photo : “11am Boxing Day Sale” by I See Modern Britain


桁数を揃えるために数字の先頭に書いておく、あの「ゼロ」

12月 20th, 2012 | Posted by maki in 小ネタ - (桁数を揃えるために数字の先頭に書いておく、あの「ゼロ」 はコメントを受け付けていません)

'007' by Andy Polaine

こんにちは、maki です。しばらく前にあるプログラム言語の関数について書かれた説明書を読んでいたところ leading zeros というフレーズを見つけました。「あ、これはもしや、日本語でも何て呼ぶのかわかんないけど、桁数を揃えるために数字の先頭に書いておく、あのゼロ」のこと……などと思いながら調べてみたら、まさにそうでした。

123
45678

だと桁数が揃っていないので、それを整形するために、最大の数値の桁数や規定の桁数に合わせて

00123
45678

の赤字部分のように書いたりするあのゼロのことです。これを leading zeros と呼ぶのだそうです。 「先導するゼロ」ということで leading なんですね。leading zeros ついでに、日本語では何と呼ぶかも覚えました。「先行ゼロ」と言うんだそうです。

そうなると、

0.12300
0.45678

のゼロについても知りたくなります。こちらは、trailing zeros と言うんだそうです。 「追跡する(引きずる)ゼロ」で、trailing ということのようです。こちらの日本語での呼び方は、「後置ゼロ」だとのこと。

ついでに、「千の位の次など 3 桁ごとに打つカンマ」を何というかも調べてみました(興味の赴くままに言葉のつながりで調べていくのが好きなんです)。これは、thousands separators というのだそうです。まさに「1,000 単位の区切り」ということなんですね。日本語では、「桁区切り」。でも、これでは、何桁ごとに区切るのかがよくわかりませんよね。これは、日本では、万、億、兆……と 4 桁での区切りがなじみやすいため、4 桁ごとに桁区切りをするのが日常的におこなわれていたようです。3 桁区切りが主流になった現在でも 4 桁区切りは必ずしも間違いとはされていないということが背景にありそうです。

世界的に見てみると、桁区切りの , と小数点(10 進小数点 = decimal point)の . が逆になっていることもあるようです。日本と同じ「桁区切り = , 」、「小数点 = . 」の国は、アメリカ、イギリス、カナダ(英語圏)、スイス、オーストラリア、中国、台湾、香港、韓国、マカオ、インドメ、キシコ、ネパール、ボツワナ、レバノン、イスラエル……などなど。日本と逆の「桁区切り = . 」、「小数点 = , 」の国は、フランス、ドイツ、オーストリア、ベルギー、デンマーク、ロシア、ベラルーシ、カナダ(フランス語圏)、アルゼンチン、ブラジル、キューバ、インドネシア……などなど。どの国でどちらのセットになっているかについては、Wikipedia の Decimal mark の項目が参考になります。

スピード翻訳」で扱っている日本語・英語・中国語・韓国語は、すべて日本語と同じ桁区切り・小数点のシステムですが、多言語翻訳となるとこういった部分にも気をつけなければならないのですね。ちなみに国際商取引においては、「桁区切り = (空白)」、「小数点 = . または ,」なのだそうです。

おまけleading zeros は preceeding zerostrailing zerosfollowing zeros という表現もあるようですが、leading / trailing zeros の方が正式名称のようです。

photo : “Roger .. over and out.” by Niels Linneberg


ひと握りのコショウで奴隷10人分の価値!? 元気になる英語とスパイス

12月 6th, 2012 | Posted by maggy in 小ネタ - (ひと握りのコショウで奴隷10人分の価値!? 元気になる英語とスパイス はコメントを受け付けていません)

'black pepper' by jac099

こんにちは、maggy です。風邪が流行っていますね。こわいことに、ノロウィルスなんかもニュースでよく報道されています。みなさんは、ダウンしたりしていませんか? わたしも鼻やのどの調子が良くありません。そこで今日は、元気になる英語フレーズについてお話ししたいと思います。

英語で「~を元気づける、活気づかせる」という意味で、pep up という表現があります。「」の部分には、人(私、あなた、彼など)が入ることことが多いので、pep one up のように pepup の間に入れることが多いですね。実際には、こんな風に使います。

This drink will pep you up.
このドリンクを飲むと元気が出るよ。

The good news pepped us up.
いいニュースを聞いて元気が出た。

出典 : YOUR DICTIONARY IDIOMS – What does "pep someone up" mean?

ここで pep とは何のことだと思いますか? そう、コショウpepper)のことです。コショウをかけると、ピリッとした辛味が効いて、元気が出ますよね。とても似たような表現で、ショウガ(ginger)に由来する ginger up という表現もあります。

そういえば、現在ではこうしたコショウやショウガなどのスパイスは、どの家庭の食卓にも並ぶ身近な存在ですが、かつては非常に貴重な品。ヨーロッパの国々は、海を渡っての大争奪戦を繰り広げたそうですね。歴史の授業で習いましたね!

嗜好品として、食料を長期保存するために、そして医薬品としても重宝されてきたスパイス。古代ギリシア、ローマ時代では、一握り分のコショウで最高の奴隷 10 人を雇えると言われたほどの価値があったそうです。さらには、乾燥した黒コショウの実は、通貨としても使われていたとか(詳しくは Wikipedia の「コショウ」や 「Black pepper」の項目をご覧ください)。

当時の人たちにとって、スパイスは金銀財宝と同じくらい貴重なものだったんですね。きっとスパイスを見るだけで、それはそれは「元気が出た」ことでしょう!

そんなスパイスが、現代ではこんなに価格崩壊(?)しているなんて、古代ギリシャやローマの人たちは想像だにしなかったでしょう。複数のスパイスが入った「チャイ」なんて、昔だったら、金箔入りのお茶など比でない驚愕のぜいたく品? 嗚呼、この一杯のために、一体どれだけの命が犠牲になったことであろうか……!

ええと、元気になりすぎていささか暴走しましたが、I hope the story above pepped you up! 以上、わたしから皆さんへ、英語のお話という「スパイス」でした。それでは、温かくして元気にお過ごしください。

photo : “black pepper” by jac099


「ラジャー!」は何語?

11月 26th, 2012 | Posted by maki in 小ネタ - (「ラジャー!」は何語? はコメントを受け付けていません)

'Roger .. over and out.' by Niels Linneberg

こんにちは、maki です。何か指示や命令を出されたときに「ラジャー!」と返事をすることってありますが、そもそもこれは何語なのでしょう。そして、綴りは? 気になったので調べてみました。

ウェブで検索するとすぐにわかりました。Roger でした。これは人名の Roger(ロジャー)と同じ綴りです。なぜ Roger という人名なのかということなのですが、説明するのはちょっと遠回りが必要です。元々この Roger は、received(受信した)という意味の無線通信での返信なのだそうです。しかし、無線通信では受信状態がよくなかったりすると聞き取りが困難になります。通信状態が悪くても相手が聞き間違えないように文字を伝えるために、軍隊などではひとつひとつのアルファベットそれぞれに特定の単語を組み合わせた表を使っていました。その中の RRoger という単語とセットになっていて、receivedRRoger ということで、指示や命令を出されたときに受信したら Roger と答える……となるわけです。

アルファベットと単語の組み合わせは、何でもいいわけではなくて、phonetic alphabet という体系で整理された表に基づいているものなんだそうです。それで思い出したのがスタンリー・キューブリックの Dr. Strangelove: or, How I learned to stop worrying and love the bomb(『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』)に登場する B-52(冷戦時代の主力大型爆撃機)の機長 Major Kong(コング少佐)のセリフで “Target reference November Bravo X-Ray One Zero Eight” というものです。これを訳すと「目標標準、ノーベンバー、ブラボー、Xレイ、108」となります。この November は NBravo は BX-ray は X を意味します。

調べてみると、この November や Bravo、X-ray、Romeo は、NATO Phonetic Alphabet(NATOフォネティックコード)で定義されているものなんだそうです。この表は、NATO(北大西洋条約機構)以外でも、ICAO(国際民間航空機関)、ITU(国際電気通信連合)、IMO(国際海事機関)、FAA(アメリカ連邦航空局)、ANSI(米国規格協会)でも採用されているものだそうです。

きっとこの phonetic alphabet の表の中では、R = Roger と定義されているんだろうと思ったのですが、同じ映画の別のセリフでは “R for Romeo” と言っています。あれ、おかしいですね。

さらに調べてみたところ、、これは Joint Army / Navy Phonetic Alphabet という体系で RRoger と定義されたことに由来するようです。この表は、アメリカ軍によって、1941 年に開発され、1956 年まで使用された体系です。おもしろいことに、この表は以前の記事(Sandy who? Hurricane Sandy. ハリケーン・サンディは、誰が名前をつけたの?)でご紹介したハリーケーンの命名ルールとして 1947 年から 1952 年まで使われていたということもわかりました。調べてみるものですね。

先ほどご紹介した Dr. Strangelove……には、”Roger. Ready to set code prefix.” というセリフもあります。この映画は、米ソ冷戦期を舞台にしたもので、このころは R = Romeo の時代ですが、「了解」といった意味での Roger はすでに定着していたんでしょうね。作戦行動中に Romeo というのもなんだかそぐわない感じですし。

日本では、一般的に人名の Roger は「ロジャー」と綴られますが、アメリカ映画などで聞かれた「ラジャー」(rɑ́dƷər)をそのまま取り入れたんでしょうね。イギリス英語だったら「ロジャー」(rɔ́dƷə)になっていたかも?

photo : “Roger .. over and out.” by Niels Linneberg


国際的に情報と人を動かす、海外広報(プレスリリース)のお仕事と翻訳

11月 19th, 2012 | Posted by maggy in 小ネタ - (国際的に情報と人を動かす、海外広報(プレスリリース)のお仕事と翻訳 はコメントを受け付けていません)

'lück gehabt - lucky strike' by LeonArts.at

こんにちは、maggy です。前回は、日本のものづくりと海外輸出の現場で伺ったお話について書きましたが、先日は、日本で開催されるイベントを海外に告知するという、 国際的な広報(PR)のお仕事をしている方のお話を伺う機会がありました。

日本からどんな風に海外に情報を発信するのでしょう。海外向けプレスリリース配信代行サービスを使い、お金を払って依頼するという方法もありますが、お話を伺った方は、限られた予算を有効に使うために、広報活動はすべてご自身で行うことのほうが多いそうです。

その方法とは、まず 英文のプレスリリースを用意し、思い当たるところにどんどんメールを送るんだとか。興味を持ってくれそうな海外の人が、どんなところで情報に触れているのかを考えるそうです。例えば旅行雑誌や機内誌、やはり日本に来てもらうとなるとお金が必要なので、ラグジュアリー雑誌など。

さらには、 海外の無料プレスリリース配信サービス(free press release distribution service)を使うという方法も。ひと昔前は、すべて FAX で行っており、通信費がかさむので送り先は厳選しなければいけなかったそうですが、こうしてメールやウェブサービスを使えば無料です。

通称「外国人記者クラブ」と呼ばれる、社団法人日本外国特派員協会(Foreign Correspondents’ Club of Japan)などの報道関係者に連絡をすることもあるそうです。メディア関係者の知り合いとは、対面のお付き合いも欠かさないとのこと。

こうした活動を続けていくと、次第に、どんな案件ならどこにプレスリリースを送ったらいいかというリストもできていくそうです。

こうして情報を動かし、実際に海外から日本に人を動かすなんて、タフだけど大変やりがいのありそうなお仕事ですよね!

これらの一連の広報活動の要になるのは、やっぱり 英文のプレスリリース。そのイベントやサービス、商品の魅力が伝わるものを作りたいですよね。「スピード翻訳」 なら、広告・広報・IR・マーケティング・メディアの分野の翻訳にも慣れた翻訳者がお手伝いできます。

せっかくなら、質の高いプレスリリースを、自信を持って世界に発信しましょう! きっとそこから人の心が動き、行ってみたい! 使ってみたい! という行動につながるのではないでしょうか。

photo : “relaxing together” by soulfish