「北のポンペイ」発掘!ロンドン中心部でローマ時代の品々が見つかる

4月 19th, 2013 | Posted by maggy in 小ネタ - (「北のポンペイ」発掘!ロンドン中心部でローマ時代の品々が見つかる はコメントを受け付けていません)

'Roman London' by Matt From London

こんにちは、maggy です。ロンドン中心部のビル建設予定地で、古い硬貨や壺、お守りや靴などの品々が 1 万点も発掘されたそうです。場所はテムズ川に程近い Walbrook。発掘物は AD47 年頃のものだと推定され、「ロンディニウム(Londinium)」と呼ばれたローマ帝国時代に作られた都市のものだそうです。

ロンドンで一箇所からこれほど多くの発掘物が見つかったのは初めてで、調査隊はここを「北のポンペイ(Pompeii of the north)」と呼んでいるとか。

グラディエーターのヘルメットを形どった、美しい琥珀のお守りも見つかりました。大変高価なものだったはずです。また、ここはかつて川底だったため、柔らかい泥に守られて、革靴や木製品がとても良い状態で保存されていたとのこと。

さらに興味深いのが、文字が刻まれた平板が 100 以上も見つかったことです。記載内容はまだ翻訳されていませんが、当時の人たちが何を考えて、どうコミュニケーションをしていたのか、そうした日常生活が明らかになる資料として、とても重要なものであるはずです。ラブレターもあったそうですよ!

このニュースについてもっと詳しく知りたい方は、BBCロンドン歴史博物館の記事をご覧ください。

皆さんが「スピード翻訳」に翻訳をご依頼いただいているレターや資料、論文なども、数千年後に偶然こうして発掘されて、重要な歴史資料になる、なんてこともあるかもしれません。日本語の原文に加えて、英語や中国語の翻訳文もセットで見つかったら、調査隊は大助かり!?

ロンディニウムの人々の生活が早く知りたくてたまりません。早く翻訳されますように!

photo : “Roman London” by Matt From London

もう一人の「鉄の女(Iron Lady)」

4月 12th, 2013 | Posted by maggy in 小ネタ - (もう一人の「鉄の女(Iron Lady)」 はコメントを受け付けていません)

'Eiffel Tower' by idreamofdayligh

こんにちは、maggy です。先週、マーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)元英首相が 87 歳で亡くなりましたね。葬儀は 17 日に行われるそうです。

その強硬な政治姿勢から、サッチャー元英首相は「Iron Lady(鉄の女)」というあだ名で呼ばれてきましたが、民衆の支持は賛成派と反対派に大きく分かれ、イギリス現地ではその死を悼む人と、喜ぶ人に分かれている様子です。

なんでも彼女の死後、映画『オズの魔法使い(The Wizard of Oz)』に出てくる「鐘を鳴らせ!悪い魔女は死んだ(Ding Dong! The witch is dead)」という歌が、イギリスの音楽ダウンロードチャートで急上昇したというニュースまで……。好きか嫌いかが大きく分かれる人や物事を、英語で「Love or Hate」と表現しますが、「鉄の女」は「Love or Hate」といったところでしょうか。

ところでこの鉄の女というあだ名ですが、何もサッチャーさんだけのあだ名ではないようです。もともとは意志の強い女性を示す英語の表現で、これまでも他の女性の政治家などに使われており、現在、最も多く言及されるのがサッチャー元英国首相、ということ。

さらにもう一人、サッチャーさんと同じくらい有名な「鉄の女」がフランスにいるそうです。厳密に言えば人ではないのですが、それはフランス・パリのランドマーク……と言えばもうお分かりでしょうか。「エッフェル塔」です。

鉄の塊のエッフェル塔。フランス語では「La tour Eiffel」ですが、パリ市民から「La Grande Dame de Fer(鉄の女)」というあだ名で呼ばれているとか。これは「塔」のフランス語にあたる「Tour」が女性名詞であるところから来ているようです。

そういえばエッフェル塔も、建設時はその斬新な見た目から、賛成派と反対派に分かれ、ずいぶん議論されたそうですね。

Iron Ladies の後世への影響が気になりますね。

photo : “Eiffel Tower” by idreamofdaylight

中国語、漢語、普通話

4月 8th, 2013 | Posted by liang in 小ネタ - (中国語、漢語、普通話 はコメントを受け付けていません)

'葡萄沟:吐鲁番的维吾尔族姑娘在葡萄架下欢快地舞蹈' by Jinning

こんにちは!liang です。わたしたちがふだん中国語と呼んでいる言語は、中国では「中国语」とは呼びません(「」は「語」の簡体字)。また、中国語で日本語を「日语」、英語を「英语」と呼びますが、中国語は「中语」ではありません。

中国では中国語のことをふつう「汉语」(漢語)、あるいは「中国话」(中国話)、「中文」などと呼びます。

汉语 Hànyǔ」は漢民族(汉族)が使う言語という意味です。中国には 56 の民族があり、民族によって使用する言語はさまざまです。属する民族が異なっても中国の国籍があれば中国人と言えますから、中国語を「中国人が使う言語」と定義するならば、チワン族(壮族)が話すチワン語もウイグル族(「维吾尔族」。写真はウイグル族の女性)が話すウイグル語も、みな中国語になってしまいますよね

漢民族は中国の人口の 9 割以上を占めますので、彼らの使用する「汉语」が中国の代表的な言語であるのは間違いないでしょう(漢民族以外の 55 の民族は少数民族と呼ばれます)。しかし、広い国土を有する中国では、同じ漢民族でも地域によって話す言葉に違い(方言)があります。北京語、上海語、広東語などの方言はほとんど外国語のように違うともいわれています。

しかし、それでは不便だということで「普通话 pǔtōnghuà」が生まれました。これは北京語音を標準音とし、中国の北方の方言をベースに、模範的な現代口語文の著作を文法規範とした漢民族の共通語であり、中国の標準語とされています。

わたしたちが中国語と呼んでいるのは、ふつうはこの「普通话」のことです。中国における「汉语」も、狭義では「普通话」をさします。

なお、『講談社 中日辞典 第三版』(講談社刊)によれば、「中国话」は「汉语」が学術的・専門的なのに比べて通俗的な表現であり、「中文」は文字としての中国語という意味もあるとのこと。

余談ですが、中国人に「普通话」ができるかどうかをたずねたら、多くの人が「できる」と答えるでしょう。学校で「普通话」による教育を受けたことになっているのですから当然ですね。しかし、パーフェクトな「普通话」を話せるのは、おそらくアナウンサーや教育関係者など、正確な「普通话」を要求される一部の職業に従事する人だけであろうと思います。ふつうは語彙や発音などに育った地域の方言の影響が出るものです。

日本語でも同じですよね。わたしは東京都生まれの神奈川県育ちで、両親は九州出身の日本人です。「方言がある」と言われたことはありませんが、標準的とされる日本語の語彙と発音だけで会話できるかどうか、かなりあやしいものです

中国人に中国語ナレーションを依頼する場合、方言の影響に注意する必要があります。たとえば日本人向けの中国語教材の音声吹き込みなどは、発音が重要視されるため、プロのアナウンサーや北京出身のナレーターに依頼するケースが多いのです。

また、方言の影響に限りませんが、「中国人だから正確な中国語が書ける」という考えは、「日本人でさえあればきちんとした日本語が書ける」という考えと同じで、あり得ないことです。日中翻訳を専門家ではなく身近な中国人に頼む場合は、その点も念頭に置いておきたいですね。

スピード翻訳」では、標準的な中国語を専門とする中国人翻訳者が数多く揃っています。専門家による中国語翻訳は、「スピード翻訳」までご依頼いただいてみてはいかがでしょうか?

photo : “葡萄沟:吐鲁番的维吾尔族姑娘在葡萄架下欢快地舞蹈” by Jinning


海外に持って行きたい魅力ある日本のおみやげ

4月 5th, 2013 | Posted by maggy in 小ネタ - (海外に持って行きたい魅力ある日本のおみやげ はコメントを受け付けていません)

'... Cats ...' by mlle-madeleine

こんにちは、maggy です。思っていたよりも早くやってきた桜の開花を急ぎ足で楽しみ、今は夏の海外旅行の計画作りに夢中です。現地の友人・知人、元ホストファミリー、仕事の取引先と、挨拶にまわりたいところがたくさんあります。

いつも頭を悩ませるのが、日本からのおみやげは何を持って行こうかということです。そこで、観光庁が今年 2 月に主催した「魅力ある日本のおみやげコンテスト2013」の審査結果を参考に見ていました。

応募総数 636 品目の中からグランプリに選ばれたのは、京都の工房が作った和紙のランプだそうです。その他の受賞商品は、外国人が見てストレートに「日本」を感じることができる「TRADITIONAL JAPAN」賞折り紙こけしの商品、日本の文化・技術を先進的な感覚で取り入れている「COOL JAPAN」賞に蒔絵の iPhone ケースが選ばれるなど、受賞が部門に分かれているのも興味深いです。

なんでもこのコンテストでは、下記のような観点で受賞商品が選定されたそうです。

魅力ある日本のおみやげを発掘・育成し、地域ブランドの振興を図るとともに、「おみやげ」を通して日本の魅力を海外に伝え、日本への来訪を促進することを目的として、外国の方々から見た品質やデザイン等の観点から、魅力ある日本のおみやげを選定しています。

おみやげ一つを取っても、それは日本と外国の文化および経済の交流。小さな日本の親善大使として、こんな視点を持っておみやげを選ぶのもいいですね。

相手の国の文化を踏まえて、どんなおみやげが喜ばれる傾向があるかという視点も大切にしたいですよね。この「魅力ある日本のおみやげコンテスト2013」では、各国・地域の方々の思考や感覚にもっとも適したとされるものを選定した「各国・地域賞」という部門もあるそうです。例えば、アメリカ賞は先の蒔絵の iPhone ケース、中国賞は富士山の形のカラフルな石鹸だそうです。詳しくはこちらの各部門賞の審査結果ページを見てみてください。

せっかくなら、お渡しする時には、どうしてこのおみやげを選んだのか、それが、どこで作られたどんな物なのか、そうしたストーリーを説明できるようにしておきたいですね。説明する機会がないかもしれないし、押し付けがましくなると悪いので、説明書レターをそっと添えておくのもお勧めです。もしも、その商品の説明が日本語でしか手に入らなかったら、「スピード翻訳」を活用してくださいね。

では、出発までまだ時間があるので、じっくりと、わたしの「おみやげ審査」を続けたいと思います。

photo : “… Cats …” by mlle-madeleine

効率化とスローライフ

3月 29th, 2013 | Posted by maggy in 小ネタ - (効率化とスローライフ はコメントを受け付けていません)

'hida wide view train' by skvidal

こんにちは、maggy です。先週末、JR の「青春 18 きっぷ」を使って、電車でトコトコと各駅停車の長旅をしました。往復で本を 4 冊読み、ときに物思いに耽り、ときにウトウト。

読んだ本は、宮沢賢治や英国詩人の詩集です。学生の頃は、こういう本が大好きだったのですが、働き出してからは、まったく読まなくなってしまっていたんです。部屋の隅に高く積み上げてしまったビジネス書や新書を、少しくらい片付けようか迷ったのですが、持っていかなくて正解でした。こんなにのんびりと、豊ないい時間を過ごしたのは、すごく久しぶりでした。

「これからは、ちょっと立ち止まる。そんな豊かな時間を意識的に取ろう」なんて、心に誓ったのも束の間。旅から戻れば、仕事が山積みです。溜まったメールに返事をしたり、むしろ、いつも以上に忙しなく過ごしてしまいました……。嗚呼、これが現実です!

でも、わたしは諦めません! 目先の仕事を終わらせたあと、ライフハッカーなどを参考にしながら、手持ちのスマートフォンにタスク管理など仕事を効率化するアプリを入れて、To do リストを見直し、そして、そもそもの仕事の内容ややり方を見直しました。

一日は 24 時間、誰にも平等に与えられていて、増やすことはできません。仕事は好きで、続けたいです。そのためには、あるところで時間をゆっくりと豊かに過ごしたかったら、どこかで効率化もする必要があると感じているのです。その方法として、文明の利器を活用するのもいいですし、自分でやると時間ばかりかかっていた仕事を、プロにお任せするのも一つの手段ですよね。自分でやるより、クオリティも確かです。

もうすぐ 4 月ということで、これを機に仕事や生活を見直してみてはいかがでしょうか。どこが効率化できるか、どんな時間をもっと取りたいか、考えてみましょう。もしも見直してみて、どうやら翻訳に時間がかかりすぎているようでしたら、「スピード翻訳」を活用してみてくださいね!

  

photo : “hida wide view train” by skvidal


翻訳フレンドリーな日本語を書こう

3月 22nd, 2013 | Posted by maggy in 小ネタ - (翻訳フレンドリーな日本語を書こう はコメントを受け付けていません)

'About Mt. Iwate, aka Ganju-san, etc.' by born1945

こんにちは、maggy です。先日、翻訳者さん向けのセミナー「生き残る翻訳者になる」の様子をレポートしましたが、セミナー後の交流会で、こんなお話を伺いました。

日本語から英語への翻訳で、翻訳者さんたちは、意外なところで思ったよりも時間がかかってしまっているそう。それは、ご依頼の原文の 日本語に関係することなんだそうです。

例えば、海外の地名や会社名の固有名詞が「カタカナ」で書いてあるとき。聞こえたままに書いてくださったのかもしれないのですが、検索してもどこにも出てこないし、検討もつかない……なんてことも。英語でどう書くか、調べるのに時間がかかってしまった、というケースがよくあるそうです。

あるいは、日本語と英語の違いによるものも。例えば「スミスさん」という方が文中に登場する場合、Mr. Smith なのか、Ms. Smith なのか分からないことがあり、翻訳作業では、それに付随する his や her といった表現の使い分けに困ってしまうらしいのです。

さらには、そもそも言いたいこと、伝えたいことが不明瞭というケースも。日本語に比べて、英語は結論やポイントをしっかり書くのが流儀です。主旨が分かりにくくても成立する日本語の文章は、ときに翻訳しにくい文章になってしまうんでしょうね。こうした場合、翻訳者さんの方で、文章全体から、これはつまりどういうことを伝えたいのか推測して、ポイントを一度整理してから、翻訳作業に入るそうです。

必要な場合は、翻訳者さんは依頼者さんにコンタクトを取って、確認をされていますが、至急の案件はスピードを優先して、補足のコメントを付けての納品など、流動的に対応していらっしゃるとのことです。

お話を伺ってみて、わたし自身も「これは気が付かなかった!」ということばかりでした。翻訳を依頼する際には、 日本語と英語の違いを踏まえて、翻訳しやすい日本語を書くように気を付けたいですね。そうすれば、翻訳者さんの作業が軽減されるだけでなく、スピーディーに、かつ確実な翻訳をしてもらえますから。

そして、なんといっても「スピード翻訳」は、依頼するのも、翻訳するのも「人」、翻訳文を読むのも「人」です。読む人への配慮を忘れないようにしたいですね。依頼時にコメント欄もぜひご活用ください。

photo : “About Mt. Iwate, aka Ganju-san, etc.” by born1945


中国の水は冷たいか

3月 18th, 2013 | Posted by liang in 小ネタ - (中国の水は冷たいか はコメントを受け付けていません)

'Glass of Water' by Greg Riegler Photography

こんにちは!liang です。日本語と中国語の単語には、漢字が共通するだけでなく、表す意味も似ているものがたくさんあります。漢字の知識がある日本人は中国語を学ぶうえで有利だと言えるのですが、翻訳などの実務においては、漢字が同じでも表す意味に微妙な違いがある単語の扱いに、注意が必要です

たとえば英語の water に相当する中国語は「」です。音は shuǐ(「シュイ」のように発音します)で、日本語の音読み「スイ」にも似ており覚えやすい単語です。

北京で留学生活を始めたばかりのころ、中国人の知人の自宅におじゃましたときに「水を飲むか?」と中国語で聞かれてちょっと戸惑いました。北京の水道水は硬水のため、そのまま飲むと下痢をすると聞いていたからです。「ペットボトルの水のことかな」と思って待っていると、知人が出してくれたのは熱湯でした(余談ですが、留学中に熱いお湯のシンプルなおいしさに目覚めて、今でもお茶の代わりによく飲んでいます)。

日本語の日常的な会話では、水はふつう温度の高くないものを指し、温度の高いものは湯と言いますが、中国語の「」自体には温度がありません。その点では英語の water に近いかもしれませんね

温度を明確にする場合、温度の高い水を「热水」(「」は「熱」の簡体字)、温度の低いものを「冷水」などと言います。あるいは話の前後関係などからその「」の温度を理解します。

ちなみに中国語の「」(「湯」の簡体字)は、ふつうはスープを指します。中国人が日本で銭湯の看板を見て「お金のスープか?」と誤解する、男湯・女湯の表示に驚く……というのはよく聞く笑い話です。

外国語である以上、文字が同じだからといって、それが示す意味も同じとは限りません。翻訳などをするときには、単語の意味を取り違えてしまわないように、十分気をつける必要がありますね。日本人の漢字の知識が、かえって翻訳に悪い影響を及ぼす場合もあるし、中国人が翻訳する場合にも同様の問題があることでしょう。重要な文書の翻訳は、知識や経験の豊富な専門家・業者に任せたほうが安全です。

photo : “Glass of Water” by Greg Riegler Photography


生き残る翻訳者とは? セミナーレポート

3月 15th, 2013 | Posted by maggy in 小ネタ - (生き残る翻訳者とは? セミナーレポート はコメントを受け付けていません)

スピード翻訳 - 「生き残る翻訳者になる」セミナー

こんにちは、maggy です。2013/03/09(土)、「スピード翻訳」の主催で、翻訳者向けのセミナー「生き残る翻訳者になる」が開催されました。講師は、翻訳者であり「スピード翻訳」の監修を務めるクリス・ハリントン氏。ライターのわたしもお邪魔してきましたので、当日の様子をレポートします。

参加者は、「スピード翻訳」の翻訳者の有志 15 名。若手の翻訳者の方から、翻訳歴 40 年のベテランまで、さまざまな世代・経歴の翻訳者が集結しました。

「みなさんは普段、翻訳の仕事以外で、どれだけ英語に触れていますか?」。ドキッとする質問から、クリスさんの講義がスタート。生き残る翻訳者の人物像として、 「常に世界を見ている翻訳者」「常に勉強している翻訳」「幅広い分野に関心のある翻訳者」の 3 条件が挙げられました。

具体的な実践例として、クリスさんは翻訳の仕事以外に、必ず寝る前に約 2 時間、世界のニュースや雑誌、小説などの多様なソースで、いい文章に触れるようにしているそうです。

また、言葉は時代や文化を反映して常に変化する「生き物」なので、常にアップデートする必要も。クリスさんは、Facebook や reddit に積極的に参加し、最近の言語の使用法を観察しているそうです。ただし、「ネイティブスピーカーが英語のプロとは限らず、インターネット上には間違った英語がはびこっているので注意してください」とのことです。

さらには、この実践を効率化するため、タブレットやオンラインツールなど、最先端の IT 技術を活用術として、Google や英辞郎 on the WEB Pro、翻訳作業をサポートする、CAT (Computer Aided Translation)と呼ばれるツールの活用事例も紹介されました。

スピード翻訳 - 「生き残る翻訳者になる」セミナー

後半は「実践編」として、日本人が苦手な 定冠詞 The と不定冠詞 A および 複数形と単数形の使い分けについて、実際にあった依頼から抜粋された文章でトレーニング。鋭い質問も相次ぎ、さらなる精度の向上を目指して、熱心に取り組む参加者の姿が見られました。

セミナー後の懇親会では、本日の感想や日頃の業務について、カジュアルに情報交換を楽しみました。「納品後にフィードバックをもらうと、励みになりますよね」「日本語の名前だけでは、女性か男性か判断がつかずに困ることがあります」「いつも時間と精度との真剣勝負……」と、翻訳の喜び、難しさ、そしてやりがいを語り合っていらっしゃいました

セミナーではスパルタ講師(?)だったクリスさんは農業も営んでいるそうで、「収穫の時期は翻訳業をお休みしているんです」と、仕事以外の顔が見えるシーンもありました(収穫を手伝いたい人も募集されていました)。解散時には、長丁場だったにも関わらず、「次のセミナーはいつですか?」「明日からもっと勉強します」などといった声が上がっていました。

わたしは本セミナーに参加させていただきまして、改めて「スピード翻訳」が一人一人の翻訳者の皆さんの日々の絶え間ぬ努力に支えられていることを感じました。

このレポートを書いている今も、翻訳者の皆さんが真剣な顔でメモを取る横顔、そして懇親会での笑顔が瞼に浮かんでいます。今回お会いできなかった翻訳者の皆さん、そして日々の業務に励む依頼者の皆さんの顔も、想像してみています。

生き残る翻訳者、生き残る事業、そして世界で生き残る日本を目指して……日々向上ですね! わたしも生き残るライターになるために、日々努力します。これからもよろしくお願いします。

日本人の英語プレゼンテーションを考える

3月 7th, 2013 | Posted by maggy in 小ネタ - (日本人の英語プレゼンテーションを考える はコメントを受け付けていません)

'Questions?' by arturodonate

こんにちは、maggy です。先日、ノンネイティブによる英語のプレゼンテーションを聞く機会がありました。その方の英語はギリシャ語訛りでかなり聴き取りにくく、わたしは冒頭の挨拶のあたりで既に「これは参った!」という感じでした。

しかしながら幸い、事前資料を送ってくれていたこと、個人的な体験のストーリーなど、わたしも共感や想像ができる話を交えてくれたこと、そしてスライドに図表やグラフ、ポイントのキーワードをシンプルに分かりやすく書いてくれていたので、おおよそ内容を把握することができました。また、プレゼンの最後には、交流会で名刺交換した人には、プレゼンの詳細資料をメールで送ってくれるとのアナウンスがあったので、お願いしました。

彼女の工夫には、日本人が英語でプレゼンテーションをするときのヒントがたくさん詰まっていると思いました。非ネイティブが、効果的に英語のプレゼンテーションを行う上でのストラテジーと言いましょうか。

最近、英語で上手にプレゼンを行うためのテクニック本などを見かけます。スティーブ・ジョブズのように、相手を惹きつけるプレゼンの仕方、あるいは写真をたくさん見せ、ジョークを交えた巧みなプレゼンの仕方。確かに、「いつかは、ああいう風にプレゼンしてみたい!」と憧れてしまいますよね。

しかしながら、非ネイティブの日本人が、英語ネイティブのプレゼンをただ真似るのは危険だと思うのです。ポイントが伝わっていないのに、冷や汗を掻きながら、慣れないオーバーリアクションでアメリカン・ジョークを言われても、オーディエンスも困るのでは……。

もっと、ノンネイティブ、あるいは日本人としての効果的な英語プレゼンテーションを考えていく必要があるのではないでしょうか。そのための工夫や、ノンネイティブ同士の意見交換などが、もっと活発になったらいいですよね。わたしも、もっと色んな国の人の英語のプレゼンテーションから勉強したいです。一緒にがんばりましょう!

おまけ : プレゼンテーションのスライドや資料は、英語ノンネイティブにとって強いサポーターです。目的やオーディエンスに合わせた、間違いのない精度の高いものを、しっかり準備したいですね。「スピード翻訳」も上手に使い、チャンスを最大限に活用してください!

photo : “Questions?” by arturodonate


中国語では he も she も it も全部「ター」

2月 27th, 2013 | Posted by liang in 小ネタ - (中国語では he も she も it も全部「ター」 はコメントを受け付けていません)

'Roller Blading Couple & dog' by Economic Development Brandon

こんにちは!liang です。外国語を学ぶときには、その言語の「わたし」「彼」などを表す人称代名詞を覚える必要がありますよね。中国語の人称代名詞はそれほど複雑ではないので、簡単に覚えられると思います。基本的なものを見てみましょう。

【第一人称】 我 wǒ 「わたし」

【第二人称】 你 nǐ 「あなた」

【第三人称】 他 tā 「彼」/她 tā 「彼女」/它 tā 「それ」

」は人間以外の事物を指します。中国語には英語の I, my, me … のような格変化がありませんので、とてもシンプルになっています。

そして第三人称にいたっては、漢字こそ違いますが発音は全部同じ です(「ター」のように発音します)。音を聞いただけでは男なのか女なのかイヌなのかわかりませんが、それで困ることはありません。

会話のなかに出てくる第三人称 は、ふつうは話し手と聞き手の間でそれだとわかる人や事物のはずで、話の流れで何を指すのかを特定できます。また、性別を区別する必要がないときや性別が不明なときは、むしろ便利だとも感じられます。日本語でも、いちいち「彼は」「彼女は」と言わなくても「あの人は」と言えばわかりますよね。性別を明らかにする必要があれば、男か女かを説明すればよいのです。

続いて「わたしたち」「彼ら」のような複数を表す人称代名詞を見てみましょう。

【第一人称】 我们 wǒmen 「わたしたち」

【第二人称】 你们 nǐmen 「あなたたち」

【第三人称】 他们 tāmen 「彼ら」/她们 tāmen 「彼女ら」/它们 tāmen 「それら」

これもシンプルですね! それぞれ「们 men」がうしろにくっついただけです。ちなみに男女が交じった「彼ら」の場合は「他们」を使います。

このほか、人称代名詞には第二人称「」の敬称で「あなたさま」を表す「您 nín」や、話し手と聞き手の両方を含んだ「われわれ」を表す「咱们 zánmen」のようにちょっと特殊なものもあります。

以前、中国語学習をサボってフランス語に挑戦してみたことがあるのですが、人称代名詞の変化の複雑さを知って、すぐに挫折しました……。逆に欧米の言語に親しんでいる人は、中国語のシンプルさに驚くかもしれませんね。

photo : “Roller Blading Couple & dog” by Economic Development Brandon