老眼もミスキャンパスも「花」

2月 27th, 2014 | Posted by liang in 小ネタ - (老眼もミスキャンパスも「花」 はコメントを受け付けていません)

'2012.梅花' by 二泉印月

こんにちは!liang です。少し暖かくなりました。梅の花も咲いて、そろそろ春ですね。

花は中国語で「花(儿)」と言います。梅の花は「梅花」です。簡単ですね。ほかの花もちょっと紹介します。

【1】 梅花 「ウメ」

【2】 樱花 「サクラ」

【3】 牡丹花 「ボタン」

【4】 康乃馨 「カーネーション」

【5】 向日葵 「ヒマワリ」

【6】 菊花 「キク」

【4】の「康乃馨」は「カンナイシン」のように発音します。英語 carnation の音訳ですね。なお、日本を代表する花と言えば桜や菊ですが、中国ではボタンや梅が人気です

」の字が入っている単語もいくつか見てみましょう。

【7】 花茶 「花の香りをつけたお茶」

【8】 校花 「校内で最も美しい女子学生」

【9】 浪花 「波しぶき」

【10】 花眼 「老眼」

【11】 花猫 「ぶち猫/三毛猫」

【7】は、中国のレストランでお茶を選ぶときにもよく使う言葉です。なお、北京で「花茶」を注文すると、たいていはジャスミンティーが出てきます。【8】は「」を美しさの象徴として使っていますね。日本の大学で行われるコンテスト「ミスキャンパス」は「校花大赛」などと翻訳されています。

【9】は、波しぶきが花を想起させるのでしょう。【10】は、「」が持つ「目がかすむ」という意味から来ています。ちなみに老眼鏡は「花镜」と言います。【11】のような「」には模様という意味があります。花柄という意味ではありません。

」には、お金や時間などを消費するという意味の、動詞の用法もあります。英語 spend の訳語にもなります。

【12】 花 时间 「時間をかける/使う」 ※「時間」の簡体字

【13】 花 钱 「金を使う」 ※「銭」の簡体字

日本語の感覚では、「花時間」という字面を見たら、花を愛でるための時間なのかと思ってしまいます……。日本のフラワー雑誌『花時間』を見た中国人も、違和感を覚えるかもしれませんね。

photo : “2012.梅花” by 二泉印月


春に近づくおまじない?

2月 25th, 2014 | Posted by xiaofan in その他 - (春に近づくおまじない? はコメントを受け付けていません)

'春到' by Ache_Hsieh

大家好!xiaofan です。

「1 月行く、2 月逃げる、3 月去る」は、新しい年の始まりから日増しに文字通りの春に近づく日々の忙しさを表すことばです。この時期、台湾の季節感の表し方はちょっと違うようです。

基本的に、日本と台湾では時間の流れを表すための暦が違います。日本では西暦を基準としていますが、これはアジアの中では少し特殊のようです。というのも、中国、台湾、韓国など、お隣さんたちは皆、旧暦を用いているからです。台湾では「農(民)暦」といって、新年もこの農暦で祝います。ざっくり言って 1 か月ほどのタイムラグがあります。たとえば、今年の農暦の元旦は 1 月 31 日にあたります。こうした暦の意味するところは、冲方丁『天地明察』(角川書店)が映画化されたのが記憶に新しいところです。

日本では大雪が降りましたが、この農暦の上ではすでに立春を過ぎています。2 月 4 日は立春でした。日本では厳冬期の豆まきのイメージが強いかもしれませんが、節分とはつまり、季節の分かれ目を意味しています。また、実際に季節の分かれ目を表す節分は立春だけでなく、立夏、立秋、立冬もすべて節分にあたるのです。

この時期に台湾でよく見かけるのは、新年になって新しく貼り直された玄関に貼るお札「春聯」です。中国大陸では「春貼」とも呼ぶようです。日本でも「福」の字が逆さまになったのを見たことある方もいるのではないでしょうか。最初目にしたとき(あれ? これ、上下逆さにしちゃっていいのかしら)と人様の玄関先で気になりましたが、事情がわかってみると、見事な余計なお世話でした。実はこの逆さまにするのにはしっかり意味があるのです。

逆さまにする意を表す中国語「倒」は、到達する意味を表す「到」と同じく「dao」と発音するため、「春」の文字を逆さにして貼るようになったのだそう。つまり、

春倒了(春を逆さまにする) → 春到了(春が到来する、やってくる)

というふうに読み替えるのだそう。そういえば日本語でも「春=張る」だから財布を買うのは春がいい、おせち料理で昆布を食べるのは「喜ぶ」の音に由来するといった考え方がありますが、上記のように同音異義語を楽しむことは台湾でも親しまれているんですね。春の字以外にも、「福」を逆さにすることがあります。

福倒了(福を逆さまにする) → 福到了(福が到来する、やってくる)

なんだか、願掛けも気が利いていますよね。また米びつに「滿」の字を貼る習わしもあるのだそう。文字通り、米びつがいっぱいになるように、食べるものに困らぬように、という願いを込めて貼るのだとか。でも、この満の字は逆さまにしません。いつも足りないようじゃ困っちゃいますからね。

この春聯の由来には諸説あるのだそうですが、「春」を逆さまにして新しい春が来ることを祈り、立春を過ぎた頃に春がやってくる、というのは、なんだか心憎い季節の演出ではないでしょうか。日本ではまた大雪が降ったばかりですが、あと一息で春。待ち遠しいですね。

繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

おまけ :「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスでは、台湾で使われている繁体字の翻訳も承っております。もちろん簡体字の翻訳も承ります!

photo : “春到” by Ache_Hsieh


口座なしでフィリピンに義援金を海外送金

2月 21st, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (口座なしでフィリピンに義援金を海外送金 はコメントを受け付けていません)

'NINOY AQUINO PHILIPPINE PESOS' by Michael Francis McCarthy

こんにちは、maggy です。台風 30 号がフィリピンを襲ってから、3 カ月が過ぎました。先日、フィリピン政府観光省は世界からの台風被害救援に感謝するキャンペーンを各国で行ったそうです。このキャンペーンは Twitter のハッシュタグ #PHthankyou など、フィリピン国民がソーシャルメディアを使って世界に送った感謝のメッセージが引き金となって始まったそうです。
※フィリピン政府観光省がYouTube にアップした #PHThankyou のキャンペーンビデオが感動的なので、ぜひ見てみてください。

被災地のタクロバン(Tacloban)には、私のフィリピン人の友人とそのご家族が住んでいました。震災直後はしばらく連絡が取れなかったのですが、1 カ月ほど経過してからようやくつながりました。幸い家族全員無事だったそうですが、残念ながら家は全壊してしまったそう……。「九死に一生を得た恐怖体験だった!(It was a near-death nightmare!)」と語っていました。

何かわたしにできることはないかと相談して、いくらか義援金を送金することになりました。こうしてわたしは、初めてのフィリピンへの海外送金を体験することになりました。しかもなるべく早いと助かるということで、大急ぎで。

海外送金の方法はいろいろありますが、自分の口座を開設せずに迅速に海外に送金する方法として、先方から WESTERN UNION(ウエスタンユニオン)を紹介してもらいました。 WESTERN UNION はアメリカ合衆国に本拠地をおく、歴史ある金融および通信事業の会社です。

具体的には、このような流れでした。まず、フィリピンは WESTERN UNION の「オンラインで送金可能な国」のリストに入っていなかったので、WESTERN UNION と提携する国内の実店舗から送る必要があることが分かりました。

調べてみたところ、最寄りの取扱店は意外なところにありました。近所の下町の小さな金券ショップのスタンドだったのです。ギフト券、テレホンカード、映画の安いチケット、あるいはマックのコーヒー券なんかが売っているところです。皆さんも街で見かけたことがあるのではないでしょうか。まさかここが世界 200 以上の国と地域と繋がる金融通信の拠点だったとは……。
※ どこの金券ショップでも……というわけではありません。取扱店は、WESTERN UNION のページでご確認ください

もらった書類に言われたとおりに記入し、身分証明書などを提示。手数料 990 円で国際送金を終えました。タクロバンの友人にも連絡し、後日、無事受け取りとお礼の連絡も着ました。当時タクロバンは通信がまだ復旧していなかったため、マニラからの連絡でした。

大変喜んでもらえて嬉しかったですし、なによりわたしも普段お世話になっている人の力になれて嬉しかったです。ちなみにわたしは友人とのやりとりは英語で行っていますが、フィリピンで用いられるタガログ語でありがとうは Salamat、どういたしましては Walang anuman と言うそうですよ。

まだまだ復旧には時間がかかると思いますが、一日一日がより良い日であることを願っています。

おまけ :「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスは英語はもちろん、タガログ語にも対応しています。東南アジア言語では、インドネシア語、ベトナム語、マレー語にも対応しています(タイ語は、2014/02/20 現在サービス停止中)。まだ、翻訳者が少ないので、みなさまのニーズに合致したサービス提供は難しい部分はありますが、ぜひご検討ください。また、オンラインでのオーダーはできませんが、コンシェルジュ翻訳であれば、世界の 58 言語に対応しています。

photo : “NINOY AQUINO PHILIPPINE PESOS” by Michael Francis McCarthy


スマートフォンやタブレット端末の海外利用は「snatch」に注意!

2月 19th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (スマートフォンやタブレット端末の海外利用は「snatch」に注意! はコメントを受け付けていません)

こんにちは、maggy です。最近、海外出張先や海外旅行先で、スマートフォンやタブレット端末を活用する人が増えているのではないでしょうか。

海外利用は高額請求が心配ですが、ちゃんと設定すれば大丈夫です(少なくとも、わたしはこれまでトラブルはありません)。他にも避けたいトラブルがあります。昨年ロンドンで、現地の方から「ある手口のトラブルが急増しているから、気を付けて!」と厳重注意されました。

それは、スマートフォンやタブレット端末を使っていると、背後から突然 snatch(スナッチ)されるという手口です。「スナッチ」という響きが誰かのあだ名(○○っち)みたいでちょっとかわいらしいのですが、油断してはいけません。聞けば snatch とはひったくりのことでした。

しかも、ポケットやカバンの中を狙ったスリや置き引きというのは以前から聞きますが、最近は路上や乗り物のなかで、あれっ?と思った瞬間に背後からひったくられる。そんな被害が急増しているそうなのです。

夜や治安の悪い地域はもちろんですが、中心街の白昼でも堂々と手中からひったくられたりするそう。なんとも驚きです。闇市(?)かなにかで高額で取引されているのでしょうか……。

対策として、必要なとき以外、取り出さないこと「歩きスマホ」など注意散漫にならないよう周囲に気を付けることなどとアドバイスされました。

冷静に聞くと当たり前のようなことなのですが、つい日本と同じ感覚で、「歩きスマホ」とまで行かなくても、バスや電車のなかではウトウトぼんやりしてしまったり、信号の待ち時間にちょっとスマホをいじったりしてしまうのです。それだけ日本が平和なんでしょうね。

現地では大切な所持品を失わないよう、十分気を付けましょうね。万が一の場合に備えて、データのバックアップもこまめに行いましょう。

ちなみに「歩きスマホ」は、英語では Text While WalkingText Walking と呼ばれます。ショートメッセージや SNS の活用が増えたころに生まれた言葉のようですよ。

おまけ :「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスは、利便性だけでなく、安全性も追求しており、お客様の大切な情報を守るため、登録している翻訳者すべてと機密保持契約を締結。翻訳データの送受信には暗号化技術 SSL を導入し、安全性を確保しています。加えて、2012 年 6 月には情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格〔ISO27001〕の認証も取得し、セキュリティレベルの向上に努めています。


GODIVA のチョコレートと裸のゴダイバ夫人

2月 14th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (GODIVA のチョコレートと裸のゴダイバ夫人 はコメントを受け付けていません)

こんにちは、maggy です。本日はバレンタインデーですね。日本では女性が男性にチョコレートを贈りますが、義理チョコはもちろん、最近では友達同士で贈り合う友チョコ、男女逆転の逆チョコという習慣もあるそうですね。

さて、本命チョコといえば、やっぱり高級チョコの GODIVA(ゴディバ)でしょうか? ……なんて話をイギリス人としていたところ、あれ? 彼らはゴディバではなくダイのような発音をしていました。アメリカ人に聞いたら同じような発音が返ってきました。

気になって GODIVA の公式 YouTube チャンネルでプロモーションビデオを確認してみると、やはりゴダイバでした。日本では公式サイトでもゴディバとカタカナで表記されていますが、それぞれの国で発音しやすいようにローカライゼーションしているのでしょうか。本社のあるベルギーではどう発音されているのか、気になります(どなたかご存知でしたら教えてください)。

ところでこのチョコレートブランドの GODIVA。シンボルマークは馬に乗った裸の女性です。この名前とシンボルマークは、イギリスの伯爵夫人 Lady Godiva(レディ・ゴディバ/レディ・ゴダイバ)から来ていることはご存知でしたか? 概してこんなエピソードです。

時は 11 世紀、イギリスのコベントリーの領主であるレオフリック伯爵が領民に重税をかけようとした際、領民のために止めようとしてくれた美しい伯爵夫人。このお方がレディ・ゴディバでした。伯爵は夫人に、「もしおまえが一糸まとわぬ姿で馬に乗り、コベントリーの町中を廻れたなら、その時は税を引き下げて建設計画を取り止めよう。」と言います。夫人は領民のために実行し、重税を阻止したのでした。

このレディ・ゴディバの勇気と深い愛の精神が込められたのが、GODIVA のチョコレートなのだそう。詳しくは GODIVA の公式ホームページをご覧ください。

元祖が英国夫人の名前ならば、イギリス式のゴダイバという発音が主と考えてもいいのかもしれません。

GODIVA の公式サイトには「ゴディバはその愛の精神をチョコレートに込め続けています。味わう人すべてを幸せで満たす芳醇な味わいは、人を思いやる深い愛を伝えます。」とあります。今日は友チョコでも義理チョコでも、相手を思いやって、優しい気持ちで過ごしたいですね。

おまけ :素敵なブランド名や商品名、成り立ちのエピソードは、「スピード翻訳」で翻訳し、世界の人に知ってもらいましょう! 良いお話は、時代も国境も越えて伝わります。

photo : ”Macro 2″ by Vassil Tzvetanov


海外の英語理系ニュースでプチ発見!人体のティッシュ(tissue)

2月 10th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (海外の英語理系ニュースでプチ発見!人体のティッシュ(tissue) はコメントを受け付けていません)

こんにちは、maggy です。最近、STAP 細胞発見の報道を熱心に追っています。

私はリケジョ(理系女子)の真逆に位置するバリバリ文系女子。STAP 細胞が具体的などういうものなのか、メディアの解説を何度聞いてもよく分かりません。でも万能細胞というくらいだから、かなりすごいに違いありません。

それに研究チームリーダーの小保方晴子さんのインタビューなどを読んでいると、生命の謎を解明するというロマンに興味が湧いてきました。

この大発見は海外ではどのように報道されているのでしょう。気になって英字ニュースもチェックしてみました。しかし、pluripotent(多機能の)、hydrochloric acid(塩酸)など、見慣れない用語だらけで詰まってばかり。ムズムズします。これならまだ、難しい漢字(刺激惹起性多能性獲得細胞=STAP 細胞)の方がマシです。

こんな絶望的な状態でも、諦めずに理系英字ニュースを読むという未知の領域に挑戦していたら、プチ発見をしました! 記事内で human body tissue という表現に何度か出合いました。tissue(ティッシュ)というと、どうも鼻をかむときに使うちり紙(鼻紙)が浮かびます。人体のティッシュとは? と、調べてみたら、 tissue には繊維という意味のほかに、(生物の)細胞という意味もありました。ということで human body tissue = 生体組織になるのですね。

Google でキーワード tissue で画像検索をしてみたら、生体組織と鼻紙が両方がヒットしますね。人体の tissue の謎が解明できて、ムズムズもスッキリしました。

おまけ :「スピード翻訳」には、医学・医薬などの医療分野を専門あるいは得意とする翻訳者がいます。論文や資料を英和・和訳が必要なときは「スピード翻訳」サービスをご活用ください。また、英語論文の校正のみというサービスもおこなっております。「スピード翻訳」サービスのように、オンライン上で見積から納品まで……という訳にはいきませんが、すでに英語で論文をお書きの方には、医学・学術論文の校正に精通したネイティブスタッフがチェックする「コンシェルジュ校正」サービスをオススメします。

photo : ‘Tissue Processing 03.jpg’ by Ed Uthman


温泉は Onsen に統一。観光庁「多言語対応の改善・強化のためのガイドライン(案)」

2月 7th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (温泉は Onsen に統一。観光庁「多言語対応の改善・強化のためのガイドライン(案)」 はコメントを受け付けていません)

こんにちは、maggy です。先週、観光庁より「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン(案)」が発表されました。

これは、日本を訪れる外国人の目線に立って、美術館・博物館、自然公園、観光地、道路、公共交通機関などで多言語対応の改善・強化をするために共通のガイドラインを策定しようと議論されてきた案です。今後、さらなる検討の上、策定・公表される予定です。

対応時期は「禁止・注意を促す内容については速やかに」「名称・案内・誘導・位置を示す内容や 展示物等の理解のために文章で解説を行うものについては、できる限り早期に」となっていますので、早めに準備を始めましょう。

ガイドラインの概要を少しご紹介します。まず、多言語対応の対象となる情報は下記の 3 種類になります。

① 禁止・注意
② 名称・案内・誘導・位置
③ 展示物等の文章解説

いずれも英語での併記を行うことを基本とし、外国人の来訪者数や誘致目標等、施設特性や地域特性の観点から英語以外の表記の必要性が高い施設には、中国語・韓国語・その他必要とされる言語の表記が望ましいとされます。

禁止・注意」については、災害や事故、火災等の非常時や、公共交通機関における異常運行のほか、外国人がケガや病気になった際の初期対応の参考になる基礎的文例が記載されます。

名称・案内・誘導・位置」については、観光地の地名や観光名所の固有名詞など、これまでバラバラだった表記の統一ルールが示されます。例えば、温泉の表記は、現在は Onsen、Hot Spring、Spa が混在しています。これらを、「日本語の読み方が広く認識されている場合は英語の補記は不要」と考え Onsen に統一します。侍 → Samurai も同様です。

日本語の読み方が広く認識されている場合は英語の補記
Onsen、Hot Spring、SpaOnsen に統一
※ Onsen は日本固有の温泉文化を正しく表しており、海外発行のガイドブックを含め、既に世界的に広く定着しているため。

清水寺の表記も、Kiyomizu Temple、Kiyomizu-dera、Kiyomizu-dera Temple が混在していました。これらを、道を尋ねられた際等でも円滑なやり取りができるよう全体をローマ字に表記し、外国人に意味を理解してもらうため、下記のルールで Kiyomizu-dera Temple に統一します。

「固有名詞(ローマ字)+普通名詞(ローマ字)」+普通名詞(英語)で表記
Kiyomizu Temple、Kiyomizu-dera、Kiyomizu-dera TempleKiyomizu-dera Temple に統一

※ 「○○山」「○○川」等、普通名詞部分を含めた全体が不可分の固有名詞として広く認識されている場合。
※ ただし、Mt. Fuji のような表記が広く認識されている場合には、当該表記による。
(例) 富士山 Mt. Fuji

展示物等の文章解説」については、外国人の展示物等に対する確実な理解を深め、満足度を向上させるために、解説の翻訳に併せて、外国人向けに補足すべき解説文章を添えるようにとなっています。

例えば「屋形船(Yakatabune)」は、roofed pleasure boat という英語の併記だけでなく、

A yakatabuneis a traditional flat-bottomed vessel. Partying on such boats is a custom
that dates back centuries …

(訳 : 屋形船とは、船底の平らな伝統的な船。このような船に集い楽しむという習慣は数百年の歴史があり……)

といった補足解説を付けましょう、ということです。

詳しくは観光庁ホームページ「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン(案)」についてにてご確認いただけます。

これまで私自身も、「荒川 → Arakawa River だと川を強調しすぎでは? かといって Ara River だとまるで違う川みたい」 「温泉 → Spa と言うと突然、水着で楽しむ外国のリゾート地のようなイメージに変わる……」などと疑問に思っていました。今回のガイドライン案を読んで、スッキリしました!

対応が面倒だな……なんて思われるかもしれませんが、はるばる日本に来る外国人の皆さんのことを想って、早めの多言語対応で真の「おもてなし」を目指しましょう。

もちろん、英語、中国語、韓国語など、翻訳が必要な場合は「スピード翻訳」の「スピード翻訳」をご活用ください。

おまけ :「お風呂にタオルを入れないで!」など、温泉(Onsen)の外国人向けの注意書きや館内案内に役立つ例文集を、英語・中国語(簡体字・繁体字)、韓国語でこちらにご用意しています。
お風呂にタオルを入れないで! 観光地の国際化

photo : ‘Welcome to JAPAN’ by Toby Oxborrow


“sogood” VS “IT’S FINGER LICKIN’ GOOD!” ~ キャッチコピーの翻訳って難しい

2月 5th, 2014 | Posted by maki in 小ネタ - (“sogood” VS “IT’S FINGER LICKIN’ GOOD!” ~ キャッチコピーの翻訳って難しい はコメントを受け付けていません)

'KFC' by Marufish

こんにちは、ケンタッキーフライドチキン(KFC)が大好きな maki です。ひさしぶりの投稿です。最近、ハライチが KFC のテレビ CM に出てますね。ハライチも KFC もどちらも好きなので、CM が流れるとご満悦です♪

この CM の最後に表示されるキャッチコピー、sogood TM 。このキャッチコピーが妙に気になりました。アメリカでもキャッチコピー変えたのかな?……と。私の記憶が確かならば、本国のキャッチコピーは  IT’S FINGER LICKIN’ GOOD!  ® のはず。本国サイトを見てみました。うーん、sogood TM は見あたらないですね……。フライドチキンのページには、ちゃんと  IT’S FINGER LICKIN’ GOOD!  ® が大書されていますね。

じゃあ、sogood TM は、日本専用のコピーなのかと思ったら、そうではないようです。フランス語のサイトにもドイツ語のサイトにも書かれています。韓国語サイトもしかり。中国はどうかというと、台湾(繁体字)のサイトにはありましたが、メインランド(簡体字)の方は特に記載がないですね。各国(語)のサイトを見てみましたが、KFC の各国市場でのライセンス形態やマーケティング戦略はわかりませんが、sogood TM は概ね使われているようです。

 IT’S FINGER LICKIN’ GOOD!  ® はとても好きなキャッチコピー(スローガン)です。おいしいものを食べたときに指の先についた味まで味わい尽くしたい!そんな感覚がダイレクトに伝わってきます。「指をなめたいぐらいおいしい!」そんな感じでしょうか?
※ Wikipedia によると、「1970 年代の日本のテレビ CM では『指まで舐めちゃうおいしさです』と訳されていた」らしいですよ

とてもいいコピーなのですが、本国以外ではあまり使われていないように感じます。FINGER LICKIN’ (指を舐める)という所作が文化的に受け入れにくいとか、そもそも言語としてユニバーサルには伝わりにくいという背景があるのかもしれないですね。それと比較すると、sogood TM は非常にシンプルです。
※ Wikipedia によると、スローガンの “IT’S FINGER LICKIN’ GOOD!” は 2006 年に別のスローガンに変更され、2011 年に “So good.” に落ち着いたようです

なんだかとてもおなかが空いてきました……。

スピード翻訳」では、このようなキャッチコピーや広告に関する翻訳のご依頼も承っておりますが、基本的には原文に忠実な翻訳を目指しております。日本人でも日本語でのコピーを考えるのが得意な人とそうでない人がいるように、必ずしもすべての翻訳者がコピーライティングに長けているわけではありません。そのため、お預かりした原稿を翻訳することはできますが、その翻訳結果が必ずしもその言語の話者の心に響くコピーになるか……ということについては、保証いたしかねます。訴求対象や注意事項などあれば、発注時に翻訳者への申し送り事項にお書き添えいただけると、担当翻訳者の作業の一助となります。また、コピー単体でのご依頼は、文字数がかなり少なくなりますので納期も短くなりがちです。対応ができるかできないかは納期次第で保証は致しかねますが、担当翻訳者とコメントのやり取りも可能です。ぜひ一度ご検討ください。

おまけハライチの「俺の骨食べちゃった?!」は、アメリカでは「俺、骨食べちゃった?!」的な感じですね。そんな本国の CM はコチラ → I Ate The Bones / Dad Ate The Bones
※ こんなスペイン語版もあるんですねー(英語字幕アリ)。最後に表示される buenísimo はスペイン語版 sogood TM

photo : “KFC” by Marufish

※ “IT’S FINGER LICKIN’ GOOD!”、”so good” は、KFC / KFCコーポレーションの登録商標です


福を呼ぶ長い英単語

2月 3rd, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (福を呼ぶ長い英単語 はコメントを受け付けていません)

こんにちは、maggy です。本日、2 月 3 日は節分です。

節分に食べると縁起が良いとされる恵方巻き。「恵方に向かって願い事を思い浮かべながら、切らずに一本まるごと長いまま、黙って食べる」と言われていますね。

わたしはこれを息をしないで一気に食べるものだと勘違いしていました。当然ながら、相当苦しいです。辛いです。というか無理でした。でも、息をしてもいいと気が付いてからは、一気に福に近づいた気がします。

さて、長い恵方巻きにかけて、本日は「福を呼ぶ長い英単語」を 2 つご紹介します。まずはこちら。

Supercalifragilisticexpialidocious
スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス

ディズニー映画「メリー・ポピンズ(Mary Poppins)」に出てくる魔法の言葉ですね。困難な状況にこの言葉を唱えると、万事解決すると歌ってました。この映画の歌のための造語で、意味はないらしいです。おまじないとしてはもちろん、早口言葉として楽しまれるほか、アメリカの携帯テキストの早打ち大会のお題になったこともあるとか。

もう一つは、もっと長い英単語です。

smiles
スマイルズ

あれ、意外に短かったでしょうか?このように書くと、その”長さ”がもっと分かりやすいかもしれません。

smiles

2 つの s の間にマイル(=1.609 km)の距離があるので、最も長い!……という、英語圏ではちょっと知られたジョークだとか。

以上、皆さんの元にたくさんの福が舞い込みますように!

ちなみに、福を呼べるとは思えませんが、Wikipedia に 1,913 文字や 1,185 文字の単語も紹介しています(化学系の専門用語ですが)。地名としては、57 文字の地名がギネスブックに載っていると紹介されています(ニュージーランドの地名ですが、英語ではなくマオリ語)。のんびりしたところのように見えますが、どんなところなんでしょうね。

おまけ : 息が詰まるほど英和・和英翻訳で大忙しという方は、「スピード翻訳」の「スピード翻訳」をご活用ください。

photo : “恵方巻き” by zenjiro / “Taumata sign 2006.jpg” by foolfillment