漢字を書かないフランス人留学生の中国語ノート

1月 18th, 2013 | Posted by liang in 小ネタ

'Chinese learning' by rinhello

はじめまして! ライターの liang(日本人)です。わたし自身の中国語学習経験や語学関連の仕事を通じて学んだこと、気がついたことなどを中心に、中国語にまつわるあれこれを書きたいと思います。

中国語は漢字を使って表記されるので、中国語を学んだことがなくても、日本人なら中国語で書かれた新聞記事などの中から、意味を推測できる単語をたくさん見つけることができるでしょう。ふだんから漢字に親しんでいるわたしたち日本人は、中国語がとっつきやすそうに見えます。大学で第二外国語を選ぶときに、そんなイメージだけで中国語を選択する人も少なくありません。

でも、中国語を学び始めて最初に取り組むことになるのはたいてい発音で、その発音のルールを学ぶためには基本的に「ピンイン」と呼ばれるローマ字による表記法を覚えなければなりません。欧米の言語が難しそうだから中国語をやろうと思ったのに……という人はちょっぴりショックを受けることになります。

ピンインはローマ字に声調を示す符号をつけたもので、中国語の発音を表す記号として教育の場で広く利用されています。たとえばあいさつ言葉として有名な「ニーハオ!」は漢字で「你好!」と書きますが、ピンインでは Nǐ hǎo! と表記します。ちなみに「わたしたち」の意味を表す「我们」のピンインは wǒmen です。英語が得意な人は混乱しそうですね。

そういえば、わたしが北京で語学留学をしていたとき、同じクラスのフランス人留学生のノートには、ピンインだけがびっしりと書き込まれていました。彼女は時間のかかる漢字の習得をあきらめて、ピンインのみで中国語を書いていたようですが、彼女のリスニングのレベルは同じクラスの日本人留学生よりも明らかに高いのです。日本人は漢字(つまり目に見える情報)に頼って中国語を理解する傾向が強くて、耳の訓練がおろそかになりやすいのでしょうか。

欧米人にとって、漢字で書かれた文章はとんでもなくとっつきにくいものなのだと思います。以前、仕事で日本に来ていた若いイギリス人が、わたしの漢字四文字の名前を日本語で正確に読んだときは本当にびっくりして、感心してしまいました。

それにしても、フランス人によってピンインだけで書かれた中国語はまるで欧米の言語のようで、わたしが学ぶ中国語とはまったく違うものに見えました。

photo : “Chinese learning” by rinhello


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