TV やインターネットのニュースでも話題になっていますが、ランサムウェアと呼ばれるマルウェアへの感染に注意するよう情報処理推進機構からも勧告が報道されています。Microsoft からも、対策法が提示されていますので、Microsoft の Windows OS をご利用の方は、最新のセキュリティアップーデートを適用するようにしてください。
現在流行中のランサムウェアに感染すると、コンピュータのファイルが勝手に暗号化され、その暗号化を解除しない限りコンピュータが使えなくなってしまうという被害が発生する可能性があるそうです。そのデータ(人質)の暗号化の解除に支払いを要求してくることから、ランサムウェア / RANSOMWARE と呼ばれます(ransom = 身代金)。メールに添付されたファイルなどを不用意に開いたりしないよう注意してください。知り合いの名前を騙ったメール送信もあるそうですので、最新の注意を払いましょう。
現在はインターネットが広く普及していますので、それを悪用する人たちも増えています。つい先日などは、インターネットを利用しているときに、急にパソコンから警告音が流れるという症状について報道されていました。コンピュータに詳しくない被害者の方は、画面上に表示されたサポートサービス(実際は、詐欺グループ)の連絡先に電話をして、修理料金を払わされる……といったような手口でした。前述のランサムウェアは、この警告音詐欺よりも巧妙な手口ですので、要注意です。
※ 参照サイト : マイクロソフト > コミュニティ > 警告音がなり音声でウィルス感染を知らせる詐欺の件
パソコンに浸入し、不正な動きをするランサムウェアやスパイウェアなどの名称は何回かお聞きになったかもしれません。これらの総称をマルウェアと呼びます。
マルウェア = malware (malicisous + software) :
ウィルスやワーム、トロイの木馬を含むパソコンに侵入する悪意のあるプログラム
この mal は、malfunction(故障)や、maladaptation(不適応)といった単語にも使われる malicisous( 悪意[敵意]のある / 意地の悪い / 故意の)からの接頭辞で、software との造語となっています。日本語の「まる」(○)とは大きな違いです。このマルウェアの仲間として、
アドウェア = adware (advertisement + software) :
広告を目的としたソフトウェア。ユーザーに知らせることなく、ユーザに関する情報を収集するような、マルウェアも含まれるスパイウェア = spyware (spy + software) :
ユーザに関する情報(個人情報、クレジットカード情報など)を収集し、特定の企業・団体・個人などに自動的に送信するマルウェアスケアウェア = scareware (scare + software) :
ユーザの恐怖心をあおり、個人情報やクレジットカード情報、金銭を奪うことを目的としたマルウェア
※ scare = 脅す / 脅かす
……などがあります。Winbdows Update や、ウィルス対策ソフトの最新版の適用などをおこなっておきましょう。
おまけ :この ransom (身代金)は、懐かしのテレビドラマ『刑事コロンボ』の「死者の身代金」(Ransom for a Dead Man : 1971)で覚えた単語です。現在の身代金要求には、昔あったような新聞の活字を切り貼りしたような手紙が使われることはないと思いますが、活字の切り貼りを模したフォントも数多くあるようです(cf : Ransom Note Fonts : ransom notes = 身代金要求の手紙)。あとは、The Ransomizer という入力した英数字を自動で、ransom notes 風に変換するサイトなんかもあります。
photo : “Ransom Note” by Sheila Sund