こんにちは!liang です。このエントリーのような日本語の文章には、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット(ローマ字)などさまざまな種類の文字が交じっています。こんなに複雑なものを読みこなせる日本人は、実はすごいのではないかと思うこともあります。ただ、わたしのように『マネー力』(大前研一著/PHP ビジネス新書)という本のタイトルを「まねーか」と読んでしまうような人間もいますが……。
漢字ばかりの中国語を読み書きできる中国人にも驚かされます。何千もの漢字と、その読み方を覚えているのですから。しかし、中国の大学生であっても、「読むことはできるが書こうとするとすぐには思い出せない」という漢字がけっこうあるようです。ちょっと安心しますね。
漢字ばかりの中国語の中にもアルファベットは出てきます。IT 関連の記事には英語交じりの中国語の文章はいくらでもありますし、中国の権威ある国語辞典『現代漢語詞典 第 6 版』の巻末にも西洋文字(α や β などもある)から始まる語がまとめて収載されています。
見てみると、「DNA」や「SOS」のようなおなじみの英語(略語)以外に、数字を含むものもあります。「B2B」や「MP3」、そして最近日本でもよく目にする「PM2.5」も出ています。こういったものはアルファベットのほうが簡潔でわかりやすいですね。ところでわたしは PM2.5 という言葉を最初に見たときに「午後 2 時半」と読み取ってしまったのですが、周りの人に聞いてみても、そんな人はいませんでした。
「PS」という語も出ていますが、何だと思いますか? これは Photoshop(略して「PS」)などのソフトウエアを使って写真などを修正することを言います。芸能人の美しすぎる写真も、多くは「PS」されたものですね。
英語ではなく、中国語のピンインから来ているものもあります。パソコンで中国語を入力する人なら、中国語の簡体字文字コードを示す「GB2321」「GB18030」をご存じかもしれません。この「GB」(GBコード)も出ています。「国家标准 Guójiā Biāozhǔn」(国家標準)のピンインの頭文字をとったものです。
中国語を学んでいる人にはおなじみの中国語試験「HSK」は、「汉语水平考试 Hànyǔ Shuǐpíng Kǎoshì」(漢語水平考試)のピンインの頭文字から来ています。
アルファベットと漢字が交じった語もあります。
【1】 AA 制
割り勘のことです。中国にはもともと割り勘の習慣がなくて、対応する中国語が存在しなかったのですね。「AA」の語源には諸説あるようではっきりしません。中国では、何人かで食事をしたら、年長者や、招待した人(誘った人)が支払いをするのが一般的です。
【2】 BP 机
これを知っていると、年齢がばれてしまうかもしれません。ポケベルのことです。「BP」は英語 beeper から。
【3】 IP 地址
この言葉の意味がわかる人は、想像がつくと思います。IP アドレスです。
【4】 SIM 卡
「卡 kǎ」はカードを表します。携帯電話やスマホなどに使われる SIM カードのことです。
【5】 T 恤衫
T シャツのことです。「恤 xù」は広東方言から来ており、英語 shirt を音訳したもの。
このエントリーを書いて改めて感じるのは、中国語やピンインを含む日本語の文字コンテンツというのは、非常に複雑だということです。何度もパソコンの入力言語を切り替えながら文字を打つのはけっこう疲れますが、単純に「面白い」と感じることもあります。まだ中国語を打ったことのない方は、挑戦してみてはいかがでしょう? インターネット上には入力方法に関する解説がたくさんありますよ。
photo : “Alphabet Blocks” by LEOL30