こんにちは、maggy です。最近、海外で行われるイベントの準備や PR の仕事に関わっているのですが、企画書、プログラムやポスターの草案といった英語の資料の山に目を通したりと、てんやわんやの日々を送っています。
さて、講演の登壇者リストに目を通していたら、こんな一行を発見しました。
Mr XXX (TBC)
「Mr XXX」は恐らく誰かの名前でしょうが、さて、このカッコ内は? エステの会社の人……が来るわけもないイベントなのですけれど。一体何者なんでしょう。
さらには、別の人からの草案にも、こんな一行が……。
“Untitled” (TBD)
似たようなのが出てきて、一層に謎めいています。
気になったので、これらの「TBC」と「TBD」の意味を調べてみたところ、下記の英語表現の頭文字を取った略語らしい、ということが分かりました。
- TBC = To Be Confirmed (確認中)
- TBD = To Be Determined (現在未決定だが、将来決定する)
ほかにも、もう決まっているけどまだ公にされていないものは、下記の略語を使うそうです。
- TBA = To Be Announced (後日発表)
似ているようで、3 者いずれも微妙に用法が違うんですね。詳しくは Wikipedia などをご参考ください。
担当者の名前が決まっていない、タイトルが決まっていない、だけど大急ぎて準備は進行しなくてはいけないというときなどに便利ですね。
「スピード翻訳」でも、イベントのプログラムやプレゼン資料、パンフレット、案内文などの翻訳のご依頼が多くあります。
[TBC] や [TBD] などの英語のビジネス文書に困ったときは…… 実績で選ぶスピード翻訳 |
お急ぎのときは、タイトルや名前にはひとたび上記のような用語を入れておいて、内容の確定を待っている間に、翻訳を仕上げてしまってはいかがでしょうか。
もちろん、変更し忘れないように十分気を付けましょうね。
調べてみると、”To Be 過去分詞” というフレーズはたくさんあるんですね。誰にでもきちんと通じるものかどうかはわかりませんが、オンライン上の英英辞書サービスからこのようなものが見つかりました。
TBA | = | To Be Activated | 要アクティベート |
TBA | = | To Be Added | 追加予定 |
TBA | = | To Be Advised | 追って通知する |
TBA | = | To Be Approved | 承認待ち |
TBA | = | To Be Arranged | 手配予定 |
TBA | = | To Be Assigned | 担当者未定 |
TBB | = | To Be Billed | 請求予定 |
TBC | = | To Be Cancelled | 中止・取消予定 |
TBC | = | To Be Completed | 完了・完成予定 |
TBC | = | To Be Confirmed | 確認予定 |
TBC | = | To Be Considered | 検討予定 |
TBC | = | To Be Continued | 続く・継続予定 |
TBD | = | To Be Defined | 未定義・要定義・要解明 |
TBD | = | To Be Deleted | 削除予定 |
TBD | = | To Be Detailed | 詳細は改めて |
TBD | = | To Be Developed | 開発中 |
TBD | = | To Be Discussed | 要検討 |
TBD | = | To Be Done | 完了予定 |
TBE | = | To Be Edited | 編集予定 |
TBE | = | To Be Evaluated | 評価未定 |
TBE | = | To Be Expected | 予想される |
TBF | = | To Be Filed | 要整理(ファイルにまとめる) |
TBF | = | To Be Furnished | 仕上げ待ち |
TBH | = | To Be Hired | 要採用 |
TBI | = | To Be Implemented | 要実装 |
TBI | = | To Be Inserted | 追加(挿入)予定 |
TBN | = | To Be Negotiated | 交渉予定 |
TBN | = | To Be Nominated | 指名予定 |
TBO | = | To Be Ordered | 注文待ち |
TBP | = | To Be Printed | 要印刷・印刷待ち |
TBP | = | To Be Proposed | 提案予定 |
TBP | = | To Be Provided | 要支給 |
TBR | = | To Be Read | 必読 |
TBR | = | To Be Recommended | 推薦予定 |
TBR | = | To Be Recorded | 要記録 |
TBR | = | To Be Released | リリース予定 |
TBR | = | To Be Resolved | 解消予定 |
TBR | = | To Be Reviewed | 要確認 |
TBR | = | To Be Revised | 要改定 |
TBS | = | To Be Scheduled | 調整中 |
TBS | = | To Be Selected | 選択予定 |
TBS | = | To Be Specified | 要指定 |
TBS | = | To Be Stopped | 停止・廃止予定 |
TBS | = | To Be Supplied | 供給予定 |
TBT | = | To Be Tested | 要テスト |
TBU | = | To Be Updated | 更新予定 |
TBV | = | To Be Verified | 要検証 |
TBW | = | To Be Watched | 要確認 |
TBW | = | To Be Written | 別途記載 |
例えば、TBA
おまけ :余談ですが、エステティックサロン大手の TBC は Tokyo Beauty Center の略語らしいです。
photo : “Rama Day Spa” by thomaswanhoff
赤いケシの花(ポピー)を胸元に?「Remembrance Day」とは
11月 8th, 2013 | Posted by in 小ネタ - (赤いケシの花(ポピー)を胸元に?「Remembrance Day」とは はコメントを受け付けていません)こんにちは、maggy です。秋が深まるこの時期、イギリスやカナダ、オーストラリアなどでは、胸元に赤い花を付けている人をよく見かけます。これは来たる 11 月 11 日の「Remembrance Day(リメンバランス・デー/戦没者追悼記念日)」を迎えるためだとか。
というのも、11 月 11 日は第一次世界大戦の終戦記念日にあたります。亡くなった人びとに想いを馳せ、二度と戦争を繰り返さないように……という願いを込めた意思表示なのです。赤い花はケシの花(ポピー)なので、「Poppy Day(ポピー・デー)」とも呼ばれるようです。
イギリスではこの時期、駅前や大型スーパーの前で「Poppy Appeal(ポピー・アピール)」という募金活動が行われています。そこで現役および退役軍人の支援金のための寄付をすると、造花がもらえます。
さて、道行く人、テレビに登場する人たちがことごとくこの花を付けているのを見ながら、どうしてケシの花なんだろうと考えを巡らしました。赤いケシの花といえば、わたしが一番に浮かんだのは映画『オズの魔法使い』。悪い魔女が主人公ドロシーの行く手を阻もうと、魔法で辺り一面をケシの花畑に変えます。その花からは毒が出ていて、ドロシーたちは眠くなってしまい……。というシーンを覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
「永遠の眠りにつく」ということの象徴なのかな、などとひとり納得していたのですが、調べてみたら、全然違いました。「ポピー(ケシの花)」と一口に言っても、ケシ科の花には園芸用に栽培されている無毒のヒナゲシ(Corn poppy)と、その本種にあたる有毒のアヘンケシ(Opium poppy)の 2 種類があるのだとか。
みんなが付けているのは、ヒナゲシ(Corn poppy)のほうなんだそうです。これは軍医であり詩人だったジョン・マクレー(John McCrae)が、戦没者を埋葬した地に真っ赤なヒナゲシが咲き乱れた様子を見て残した詩に由来するそうです。詳しくは Wikipedia などをご覧ください。
よく考えたら、悪い魔女が好んで使う毒の花を付けるなんて、おかしいはずでした。思い込みとは恐ろしいものです。スッキリとしたところで、皆さんも少し仕事や翻訳の手を止めて、一緒に祈りを捧げましょう。
photo : “Lest We Forget” by RHL Images
「遅くなったけど(遅ればせながら)お誕生日おめでとう」便利な英語表現
11月 7th, 2013 | Posted by in 小ネタ - (「遅くなったけど(遅ればせながら)お誕生日おめでとう」便利な英語表現 はコメントを受け付けていません)こんにちは、maggy です。ふと気付いたら、友人知人の誕生日をすっかり忘れてしまっていたことに気が付きました。
忘れないのが一番いいのですが、「人間だもの」。こんな状況下でとても便利な英語表現があります。
belated という形容詞をご存知ですか? こんな意味になります。
belated
[形]遅れた、遅延した;手遅れの
この形容詞を使った、こんなバースデーメッセージがあります。
- Belated Happy Birthday to you!(遅れちゃったけど、お誕生日おめでとう!)
- I’d like to wish you a happy belated birthday.(遅ればせながらお誕生日おめでとうございます。)
メールや手紙の返事が遅くなったときに、こんな風にも使えます。
- I’m sorry for this belated reply (response). (返信が遅れて申し訳ございません。)
これからの季節に役立つかもしれない、こちらもチェック。
- A belated Merry Christmas and on time Happy New Year! (遅ればせながらメリークリスマス、そして時間どおりのハッピーニューイヤー!)
誕生日や記念日のカード、季節のグリーティングカード、メール、招待状などの送付や返信を忘れていた、遅れてしまった、タイミングを逃したときには、どうぞ使ってみてください。
そういえばイギリスのメッセージカードショップにて、さまざなシチュエーションにこの belated が使われた遅れてしまったとき専用のカードを揃えたコーナーを見たことがあります。
調べてみたら、オンラインで送れる海外の e メッセージカードサイトにもあったのでご紹介します。
- someecards.com
「フェイスブックが教えてくれなかったんだ」「そんなに長生きすると思ってなかったもんで」など、ユーモアあふれる言い訳が楽しいメッセージカード。 -
123 Greetings
プレゼントをのんびり運ぶカメさん、青ざめるおさるさんの絵柄など、ほっこりするアニメーションカード。きっと、かわいくてつい許しちゃう?誕生日、結婚祝い、結婚記念日、記念日ほか。
※ カードには広告が入ります
上記はいずれも送信日時の指定も可能なので、もうこうなったら、週末など相手に心の余裕がありそうな日にセットしてもいいかもしれません(送信日時を指定するくらいなら、belated になる前に送りなさいって話もありますが……)。
それにしても、みんな忘れちゃったり、遅れちゃったりすることくらいあるんだなと、少しホッとしました。ご紹介した表現や e カードなどを使って、うまく関係をメンテナンスしてください!
おまけ :忘れてしまっていた理由や近況などの英語のオリジナルメッセージを付けたい、あるいは長らくご無沙汰しているのでカードではなく急ぎ英語のレターを送りたい。だけど英語は苦手……という方は、「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスをご利用ください。誠意を伝えれば、きっと大丈夫です!
photo : “Happy belated birthday Malaysia” by Sjors Provoost
こんにちは、maggy です。今年の 5 月に、東北の被災地で生まれた復興のためのアート活動を見学するバスツアーに参加しました。現地の人たちと直接語り、アートを通して彼らの想いに寄り添うという、すばらしい体験をしました。後日、ツアーのリポート記事を書いてウェブマガジンに寄稿しました。
「ようやく私も何かできたかな?」という気持ちと同時に、現地の皆さんが「(こうした現地の活動を)海外の人にも知ってほしい」と口をそろえておっしゃっていたことが、どうも気がかりでした。
わたしは翻訳者ではありませんが、ライターであり、英語力はそこそこ。それでは英語の勉強にもなるし、記事を自分で翻訳してみたらいいのではないか。そう思い立ちました。
そんな経緯で手を付け始め、先日ようやく英語版の翻訳を完成させました。大したことない分量だったのですが、完成まで本当に大変でした! それでは自分で翻訳すると、どんな苦労をするのか。この場を借りてご報告いたしましょう。
- 1. 意外とわかっていなかった
- 2. 相手が違えば、伝え方も異なる
- 3. ネイティブ英語の友人にチェックを頼んだ
- 4. そうこうしてたら、4 カ月も経ってしまった!
- 5. さらには、追加の修正の必要が生じてしまった!
以前、「翻訳フレンドリーな日本語を書こう」という記事で、「主旨が分かりにくくても成立する日本語の文章は、ときに翻訳しにくい文章になる」というプロの翻訳者さんのお話をご紹介しました。
私の日本語の文章は、見事に翻訳アンフレンドリーでした。特に今回は、「誰が」「どうした」という主語と述語の関係が曖昧だったことが、翻訳してみて初めて分かりました。例えば、「組織の設立者とチームリーダーは違う人である」と知らずに書いていても、日本語ではなんだか文章が成立していたのです。翻訳時には、組織構成や事実関係を再確認する必要がありました。
また、日本の人名や地名をローマ字にしてみたら、読み方が 2 通りある場合にも悩まされました。「あれ、取材させてもらった人は、オヤマさんだったっけ?コヤマさん?」どちらだったか記憶が曖昧だったことに気が付きました。Mr. Oyama なのか Mr. Koyama なのかの違いですが、読み手にとっては重要な情報です。原文の漢字だけ見ては分からないので、再確認が必要でした。
日本人なら「石巻市」と聞けばピンと来ますよね。でも日本に来たことがない海外の方にも読んでいただくことを想定すると Ishinomaki city と書いたら which was devastated by the disaster などと続けて丁寧に説明する、といった工夫が必要でした。ただ文字面を言い換えるのではなく、意味を掴んでもう一本記事を書くような感覚でした。
英語の辞書を引いてがんばりましたが、どうも不安です。英語ネイティブ、とは言っても誰でも良いわけではないので、英語教師であり記者でもある友人にネイティブチェックをしてもらうことにしました(「お茶をごちそうするから」と捕まえて)。
すると a や the といった冠詞を中心に細かいミスが結構ありました。これは昔から苦手なのですが、どうも直りません。また、思い切って使ってみた辞書のかっこいい表現は、「意味は通じるけど、この場合には使わない」と指摘されてガッカリです……。
記事の翻訳はボランティアで行ったこともあって、どうしても仕事よりも後回しにしてしまいました。さらには上記の通り、調べ物やネイティブチェックに時間がかかり、気が付けば翻訳しようと決めてからあっという間に 4 カ月も経っていました。
ようやく公開の準備が整ったものの、取材当時から時間が経ってしまったので、現状の確認や、時制の変更などの追加の作業が発生しました……。
以上、こうした幾多もの困難を乗り越えて、ようやく公開にこぎつけたのです。自分で取材して書いた文章を翻訳しても、内容の再確認や確認事項が多々あり大変だったのですから、翻訳者の皆さんはもっと大変なんだろうと想像します。
今回は、私にとって「翻訳」という厳しい作業に触れるいい勉強になりましたが、場合によってはクオリティの高い翻訳がスピーディーに必要ですよね。そんなときは、「スピード翻訳」をご利用ください!
そして、できたらご発注いただく前に、「第三者(読み手、そして翻訳者)にも意味が通じるか」を一度読み返してみていただけると、翻訳の仕上がりもよくなるのではと思います。「スピード翻訳」では、翻訳者への申し送りを書き添えていただけるようになっていますので、ぜひご活用ください。
まだ「スピード翻訳」サービスや「オークション翻訳」サービスのようにオンラインで発注から納品までが完了するサービスではないのですが、「コンシェルジュ校正」というネイティブチェックのみのサービスもおこなっております。ご興味をお持ちの方は、ぜひお問い合わせください(03-6425-7189 / お問い合わせページ)。
※ お電話でのお問い合わせは、平日 10:00 – 18:00 となります
※写真はツアーで訪れた「ジョルジュ・ルース・アート・プロジェクトin 宮城」の舞台(上)と、塩釜仲卸市場(右)です。塩釜仲卸市場では、新鮮な海鮮物を目の前でさばいてもらえます。
photo : NANAE TAKAHASHI
サマータイムが終了、デイライト・セービング・タイムはもうちょっと
10月 30th, 2013 | Posted by in 小ネタ - (サマータイムが終了、デイライト・セービング・タイムはもうちょっと はコメントを受け付けていません)こんにちは、maggy です。先日の日曜日、ヨーロッパではサマータイム(summer time)が終了しました。ご存知の通り、夏の間、太陽が出ている時間帯を有効に利用するために、時刻を 1 時間変更するという制度です。例えば、切り替えのスタート日には午前 2 時が急に午前 3 時になり、終了日は午前 3 時が午前 2 時になる、という日本人にはちょっと取っつきにくいシステムです。
調べてみたら、ヨーロッパでは 3 月の最終日曜日から 10 月の最終日曜日までがサマータイムの期間で、アメリカでは 3 月の第 2 日曜日から 11 月の第 1 日曜日までになるそうです。ヨーロッパとアメリカで違うんですね。
また、アメリカではサマータイムではなく、デイライト・セービング・タイム(daylight savings)と呼ぶそうです。詳しくは Wikipedia などをご覧ください。
電力の節約への期待もあって、一時は日本でサマータイムを導入するかどうかの議論が盛んでしたが、なかなか簡単にはいかないようです。「緯度の低いところでは、苦労の割に効果が期待できない」「日本は東西に長いので、全国画一的に導入するのが難しい」「日本は日没後も蒸し暑いので意味がない」など、地理的・気候的に何かと ”ワケあり” なんだとか。
さらには 1948 ~1951 年の 3 年間、日本でも実施されたけど不評だった、という経緯もあるとか(どなたか、経験された方はいらっしゃいますか?)。
私はサマータイムの切替日に海外にいたことが何度かありますが、慣れないとなかなか厄介です。特にアポイントメントの時間を勘違いしていないかとても不安です。1 時間前行動になっても時間を持て余しますし、1 時間も遅刻しては大変ですから。
実は、大失敗したこともあります。イギリスにて、ある会合に着物を着て行く約束をしていた日が、ちょうどサマータイムが始まる日でした。時計を 1 時間早めなければいけないのに、すっかり忘れていたのです。のんびり朝食をとっていたら、なんと迎えの車が来てしまいました。「パジャマとジーンズ以外なら、なんでもいいから!」と急かされて、ワンピースで代用しました。期待していたイギリス人の皆さん、ごめんなさい。
ホテルやお店の時計が、切り替え日を過ぎても変更されていないこともあり、紛らわしかったことも。仕事で海外とのやりとりを頻繁にされる方は、時差の確認が大変ですよね。私は最近は、スマートフォンの時計が、設定した都市の時刻を表示してくれて、自動的にサマータイムの切り替えをしてくれて便利なので、活用しています。
日本の一部企業では、就業時間にサマータイムを導入しているところもあるそうですが、今後、日本のサマータイムはどうなるのでしょうね。考えを巡らしながら父に話しかけたら「え、サンマがどうしたって?」と返されました。そうですね、もう秋ですよね。
おまけ :「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスは、24 時間 365 日、お見積りから発注まで承っています。時差を確認しながら海外とやりとりをしている皆さん、翻訳が必要なときはぜひご活用ください。
photo : “Sun Set” by jalalspages
思考の「toolkit(ツールキット)」で課題解決
10月 15th, 2013 | Posted by in 小ネタ - (思考の「toolkit(ツールキット)」で課題解決 はコメントを受け付けていません)こんにちは、maggy です。秋はクリエイティブな活動が一層に楽しい季節ですね。晴れた週末に青空の下、日曜大工なんていいかも(きょうから台風が来ちゃうみたい >< )。
ところで皆さんは、toolkit(ツールキット)と聞くとどんなイメージをお持ちですか。ハサミやドライバーなどの工具のセットを思い浮かべますか。あるいは、IT 業界の方はプログラミング用語のようなイメージでしょうか。
それでは、国連や NPO、企業などが提供している、物理的な形を持たないツールキットのことはご存知ですか?これまで見えなかった課題を明らかにしたり、あるいは、新しいコンセプトを導入しやすくしてくれます。
何やら謎解きのようになってきましたが……。
この場合の「toolkit(ツールキット)」 とは、ある目標達成や課題解決のために、新しいコンセプトの解説や、思考プロセス、導入や分析のための手法(ツール)の一連をまとめたガイドラインのことです。最近、法律や思考デザインなどを中心に、さまざまな分野で見かけます。
例えば、欧州委員会(EC)による男女共同参画を根付かせることを目指した「TOOLKIT on mainstreaming gender equality in EC development cooperation」、国際連合教育科学文化機関による、学生の言論の自由のための「Freedom of expression toolkit: a guide for students」、国際連合環境計画(UNEP)による、環境改善のための「UNEP Toolkit」などがあります
例えば欧州委員会による男女共同参画のツールキットは、mainstreaming gender equality(男女平等のメインストリーミング)というコンセプトとそのための手法を紹介しています。従来のように男女平等法を「外」に作るのではなく、これからはあらゆる意思決定、法律、現場に男女平等の目線を編み込むように浸透させ、「メインストリーミング(主流に加わる)」にしていこう、という考え方です。そのためのツールとして、既にある出来上がった政策や法律、ルールが男女平等かどうかを考えるという従来のやり方ではなく、「意思決定に関わったメンバー構成は平等か」「意思決定の方法は平等か」を確認するという視点と手法=ツールを提示しています。
国連や各団体、コンサルタント会社から無料でも多く配布されているので、ぜひ活用したいですね。新しい思考のツールキットを手に入れて現場で使いこなし、周りをあっと言わせてください。
おまけ :新しいコンセプトを理解するのは、外国語だけではちょっと難しいかもしれません。そんなときは、「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスという、もうひとつの「ツール」をぜひ活用してください!
photo : “Handy Man” by RLHyde
英語で造語を自動作成してくれるネーミングツール「wordoid」
10月 8th, 2013 | Posted by in 小ネタ - (英語で造語を自動作成してくれるネーミングツール「wordoid」 はコメントを受け付けていません)こんにちは、maggy です。秋の新商品のチェックに忙しい日々を送っています。
そういえば、商品名を付ける際に、造語を使うことがよくありますよね。抜群のネーミングセンスといえば小林製薬が有名ですが、「のどぬ~る」や「熱さまシート」などは、楽しくて分かりやすいですね。
さて、ウェブサイト名やドメイン名、アプリ名などに、英語でネーミングをしたい。そんな方も、最近は増えているのではないでしょうか。ユニークでかつ商品やサービスの魅力が伝わりやすい。そんな造語を英語で考案するのは、日本語よりもさらに難しいですね。
そんなときは、クリエイティブな造語を自動作成してくれる無料ツール「WORDOID」を使ってみてはいかがですか。キーワードをひとつ入力し、希望の文字数を設定すると、そのキーワードを含む多様なネーミング案を出してくれます。英語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ドイツ語に対応しています。
例えば「スピード翻訳」のドメイン名に使っているのは quicktranslate(クイックトランスレート)ですが、「WORDOID」を使って翻訳(translate)という英単語をもじった造語を作ってみました。
すると結果の一例は、下記のようになりました。
instranslate(インストランスレート)
→ 速くて便利そうですね。trustranslate(トラストランスレート)
→ 頼りがいがありそうです。ultranslate(ウルトランスレート)
→ かなり万能な気がします。
このようにやや(相当)安直ながらも、2 つの英単語を組み合わせたものなど、さまざまな造語を提案してくれました。もしそのまま使えなくても、ヒントになりそうですね。
「スピード翻訳」では、ホームページ、アプリ、広告用の資料の翻訳のご依頼も多くいただいております。商品名やドメイン名が決まったら、日本語と同時に海外へも発信しましょう。「スピード翻訳」サービスまでご依頼お待ちしています!
photo : “plushteam blog words” by patti haskins
かわいすぎて「ギギル」!? 翻訳できない外国語
9月 30th, 2013 | Posted by in 小ネタ - (かわいすぎて「ギギル」!? 翻訳できない外国語 はコメントを受け付けていません)こんにちは、maggy です。疲れが出る時期なのか、周りで体調を崩している人が増えています。皆さんは大丈夫ですか? 今日もおつかれさまです。
さて、この「おつかれさま」は、ちょっと外国語には訳しにくい日本語の代表のひとつですよね。お互いを気遣う文化背景があってこそでしょうか。
それでは他の国には、外国語には訳しにくい、なかなか翻訳できない言葉(untranslatable words)とは、どんなものがあるのでしょうか。ロンドンを拠点として言語表現に関するさまざまな活動を行う団体「Free Word Centre」のサイトに、各国からの投稿が寄せられていたので一部をご紹介します。
Gigil(タガログ語)=かわいいものを抱きしめたいときの避け難い衝動
Oppholdsvoer (ノルウェー語)=雨が止んだ直後の天気
Qualunquismo(イタリア語)=政治に無関心なこと
Tartle(スコットランド語)=相手の名前を忘れて口ごもること
Uitwaaien(オランダ語)=頭をクリアにするために外で短い休憩を取ること
Waldeinsamkeit (ドイツ語)=森林のなかで一人静かに過ごすときの感情
いかがでしたか。フワフワの小動物を見て抱きしめたい衝動を抑えるフィリピン人、屋外で気持ちの良い風に吹かれるオランダ人、森林のなかで物思いに耽るドイツ人……そんな姿が浮かんできました。
外国の方とのやりとりで、お互いに「どうも訳しにくい」という言葉に出会ったら、それはお互いのお国柄や文化を知る格好の素材かもしれませんね。
おまけ :訳しにくい言葉も翻訳してきちんと相手に伝えなければいけない場面もあります。「スピード翻訳」には、さまざまな国での長期滞在経験を持つ翻訳者が揃っています。ウーンと悩んで時間ばかりかかってしまう。そんなときは、「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスで、背景知識も豊富なプロにお任せしましょう。
photo : “cute animal” by HAPPY CNM
イタリア人がついに激怒?「本場のイタリア料理」を世界に知らしめる
9月 24th, 2013 | Posted by in 小ネタ - (イタリア人がついに激怒?「本場のイタリア料理」を世界に知らしめる はコメントを受け付けていません)こんにちは、maggy です。最近、料理をする気が起きません。手軽な外食と言ったら、やっぱりイタリアン。おなじみのシーザーサラダやボロネーゼ、冷たいパスタサラダや和風パスタもいいですね。
イタリア料理は、今や世界各国で見かけます。世界中で愛される、イタリアのすばらしい食文化!……と思いきや、どうやらイタリア人はずっと気になっていたようです。それはイタリア料理ではないと。
先日、パスタメーカーとして日本でもお馴染みの「Barilla」が運営する、イタリアの食文化の教育・研究機関「Academia Barilla」が、海外で広がる“間違った”イタリア料理の現状を背景に、外国人に向けて「本場のイタリア料理でやってはいけないタブー10箇条」を発表したそうです(参考:
英紙インデペンデント「Ketchup on your pasta? Basta! Italian food institute issues a list of rules for foreigners to follow」)。
なかには日本人としてはえ、ダメだったの!? というタブーも。例えば、リストの一部はこんな風になっています。
- カプチーノを食事中に飲んではならない。
(エスプレッソ)コーヒー及びカプチーノはイタリアの誇りである。第一に、コーヒーは食後に飲むものである。そしてカプチーノは朝食に飲むものである。甘い物とともにいただけば理想的である。
- スパゲッティ・ボローネーゼって何?
海外で最も知られるイタリア料理らしいが、イタリア人はそんなもの知らない。ボローニャでそれを提供しているレストランはない。ボロネーゼソースは、タリアテッレ(ロングパスタの一種)とともにいただくものである。
- 「シーザーサラダ」って何?
イタリア人はそんなもの知らない。
さらには料理だけでなく、こんな細かいツッコミも。
- 海外のイタリアンレストランでよく見かける赤と白のチェックのテーブルクロスは、イタリアでは見かけない。
みなさんはご存知でしたか? 私は大好物の「納豆おろしパスタ」が本場のイタリア料理ではないことくらいは認識してたのですが、カプチーノやシーザーサラダのことは知りませんでした。
「そんな神経質にならずに、おいしく食べられればいいじゃないか」と思う反面、長らく継承してきたイタリアのマンマの味やトラステヴェレ(レストランが連なるローマの下町)のローマ市民の味などが、この世から忘れ去られてしまっては大変です。
海外では日本食人気が高まっていますが、現地の食文化と融合したものや、東洋的なイメージのフュージョンが多いようです。Sushi=カルフォルニアロールだと本気で思っている人だっているかもしれません。
いずれ日本が「本場の日本料理でやってはいけないタブー10箇条」を世界に発表しなければいけない日は、そう遠くないかもしれませんね。
おまけ :「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスでは、料理店のメニューや解説の翻訳のオーダーを多数いただいています。海外勢に負けず、日本の食文化を日本からも発信していきましょう。
photo : “Dinner Salvatore’s Pizza and Italian Restaurant May 11, 2012 2” by stevendepolo
イグ・ノーベル文学賞受賞の凶悪ドライバー「プラヴォ・ヤズディ」の真相
9月 17th, 2013 | Posted by in 小ネタ - (イグ・ノーベル文学賞受賞の凶悪ドライバー「プラヴォ・ヤズディ」の真相 はコメントを受け付けていません)こんにちは、maggy です。人々を笑わせ、考えさせてくれる研究に贈られるイグ・ノーベル賞。先日、毎年恒例のこのユニークな賞の式典が行われましたが、今年も 7 年連続で日本人が受賞したそうですね。
イグ・ノーベルとはどういう意味なのか、気になって調べてみたところ、英語では Ig Nobel Prize と書き、接頭辞的に Ig(イグ) を付けて、英語の形容詞 ignoble(不名誉な、恥ずべき) と Nobel Prize(ノーベル賞)をもじったダジャレらしいですよ。名前まで徹底しておもしろい賞ですね。
ニュースでは大きく取り上げられていませんでしたが、科学分野の賞だけでなくて文学賞(Literature Prize)もあるそうです。どんな作品が受賞しているのか調べてみたら、2009 年のイグ・ノーベル文学賞受賞作品が、言葉にまつわる少しおもしろい作品(?)だったのでご紹介します。
まず受賞者(作者)は意外にもアイルランド警察。その内容は、アイルランド各地でスピード違反や駐車違反などの交通違反をおよそ 50 回も繰り返したポーランド人ドライバーについての実記録なんだとか。その悪名高きドライバーの名は Prawo Jazdy(プラヴォ・ヤズディ)と言いました。
「あら、実話だなんて、社会派ドキュメンタリー作品かしら?」と思ったら、ノーベル文学賞ではなくてイグ・ノーベル文学賞ですから、どうもそういうわけはないようです。真相は、こういうことでした。
アイルランド警察は、交通違反を繰り返す「プラヴォ・ヤズディ」に手を焼いていましたが、捕まる場所が毎回違ってなんだかおかしい。しかも年齢・性別も違っていて……。そこで調べてみたところ、ちょっと恥ずかしい真相が判明しました。なんと、「Prawo Jazdy(プラヴォ・ヤズディ)」とは、ポーランド語で「運転免許証」という意味だったのです。
つまり、アイルランド警察はポーランド語が読めなかったため、「運転免許証」というポーランド語を、違反者の名前と勘違いして記録してしまっていたんですね。しかも同じ事例が各地で続いたため、警察側で凶悪ドライバー「プラヴォ・ヤズディ」という架空の人物を作り上げてしまっていたというわけです。
なるほど、これなら笑えるし考えさせられるので、イグ・ノーベル文学賞ですね。詳しくは Wikipedia や BBC News – “Police in Ig Nobel Pole position” などをご覧ください。
外国語にまつわるちょっとした勘違いも、積もり積もると大変なことになるものですね。さすがにみなさんにはそんなことないとは思いますが、失礼ながらざっくりした性格の外国の方が取引相手だと、担当者名と製品名を間違えて、書類上、うっかり擬人化ストーリーを創作しているくらいのことは有り得そうです。
「スピード翻訳」サービスを活用して、こちらから翻訳した書類を用意するなど、先手を打って対策してくださいね。
photo : “Night Club” by twicepix