イグ・ノーベル文学賞受賞の凶悪ドライバー「プラヴォ・ヤズディ」の真相

9月 17th, 2013 | Posted by maggy in 小ネタ

'Fast car......' by a_whisper_of_unremitting_demand

こんにちは、maggy です。人々を笑わせ、考えさせてくれる研究に贈られるイグ・ノーベル賞。先日、毎年恒例のこのユニークな賞の式典が行われましたが、今年も 7 年連続で日本人が受賞したそうですね。

イグ・ノーベルとはどういう意味なのか、気になって調べてみたところ、英語では Ig Nobel Prize と書き、接頭辞的に Ig(イグ) を付けて、英語の形容詞 ignoble(不名誉な、恥ずべき)Nobel Prize(ノーベル賞)をもじったダジャレらしいですよ。名前まで徹底しておもしろい賞ですね。

ニュースでは大きく取り上げられていませんでしたが、科学分野の賞だけでなくて文学賞(Literature Prize)もあるそうです。どんな作品が受賞しているのか調べてみたら、2009 年のイグ・ノーベル文学賞受賞作品が、言葉にまつわる少しおもしろい作品(?)だったのでご紹介します。

まず受賞者(作者)は意外にもアイルランド警察。その内容は、アイルランド各地でスピード違反や駐車違反などの交通違反をおよそ 50 回も繰り返したポーランド人ドライバーについての実記録なんだとか。その悪名高きドライバーの名は Prawo Jazdy(プラヴォ・ヤズディ)と言いました。

「あら、実話だなんて、社会派ドキュメンタリー作品かしら?」と思ったら、ノーベル文学賞ではなくてイグ・ノーベル文学賞ですから、どうもそういうわけはないようです。真相は、こういうことでした。

アイルランド警察は、交通違反を繰り返す「プラヴォ・ヤズディ」に手を焼いていましたが、捕まる場所が毎回違ってなんだかおかしい。しかも年齢・性別も違っていて……。そこで調べてみたところ、ちょっと恥ずかしい真相が判明しました。なんと、「Prawo Jazdy(プラヴォ・ヤズディ)」とは、ポーランド語で「運転免許証」という意味だったのです。

つまり、アイルランド警察はポーランド語が読めなかったため、「運転免許証」というポーランド語を、違反者の名前と勘違いして記録してしまっていたんですね。しかも同じ事例が各地で続いたため、警察側で凶悪ドライバー「プラヴォ・ヤズディ」という架空の人物を作り上げてしまっていたというわけです。

なるほど、これなら笑えるし考えさせられるので、イグ・ノーベル文学賞ですね。詳しくは WikipediaBBC News – “Police in Ig Nobel Pole position” などをご覧ください。

外国語にまつわるちょっとした勘違いも、積もり積もると大変なことになるものですね。さすがにみなさんにはそんなことないとは思いますが、失礼ながらざっくりした性格の外国の方が取引相手だと、担当者名と製品名を間違えて、書類上、うっかり擬人化ストーリーを創作しているくらいのことは有り得そうです。

スピード翻訳」サービスを活用して、こちらから翻訳した書類を用意するなど、先手を打って対策してくださいね。

photo : “Night Club” by twicepix


You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 Both comments and pings are currently closed.