こんにちは、maggy です。今年の 5 月に、東北の被災地で生まれた復興のためのアート活動を見学するバスツアーに参加しました。現地の人たちと直接語り、アートを通して彼らの想いに寄り添うという、すばらしい体験をしました。後日、ツアーのリポート記事を書いてウェブマガジンに寄稿しました。
「ようやく私も何かできたかな?」という気持ちと同時に、現地の皆さんが「(こうした現地の活動を)海外の人にも知ってほしい」と口をそろえておっしゃっていたことが、どうも気がかりでした。
わたしは翻訳者ではありませんが、ライターであり、英語力はそこそこ。それでは英語の勉強にもなるし、記事を自分で翻訳してみたらいいのではないか。そう思い立ちました。
そんな経緯で手を付け始め、先日ようやく英語版の翻訳を完成させました。大したことない分量だったのですが、完成まで本当に大変でした! それでは自分で翻訳すると、どんな苦労をするのか。この場を借りてご報告いたしましょう。
- 1. 意外とわかっていなかった
- 2. 相手が違えば、伝え方も異なる
- 3. ネイティブ英語の友人にチェックを頼んだ
- 4. そうこうしてたら、4 カ月も経ってしまった!
- 5. さらには、追加の修正の必要が生じてしまった!
以前、「翻訳フレンドリーな日本語を書こう」という記事で、「主旨が分かりにくくても成立する日本語の文章は、ときに翻訳しにくい文章になる」というプロの翻訳者さんのお話をご紹介しました。
私の日本語の文章は、見事に翻訳アンフレンドリーでした。特に今回は、「誰が」「どうした」という主語と述語の関係が曖昧だったことが、翻訳してみて初めて分かりました。例えば、「組織の設立者とチームリーダーは違う人である」と知らずに書いていても、日本語ではなんだか文章が成立していたのです。翻訳時には、組織構成や事実関係を再確認する必要がありました。
また、日本の人名や地名をローマ字にしてみたら、読み方が 2 通りある場合にも悩まされました。「あれ、取材させてもらった人は、オヤマさんだったっけ?コヤマさん?」どちらだったか記憶が曖昧だったことに気が付きました。Mr. Oyama なのか Mr. Koyama なのかの違いですが、読み手にとっては重要な情報です。原文の漢字だけ見ては分からないので、再確認が必要でした。
日本人なら「石巻市」と聞けばピンと来ますよね。でも日本に来たことがない海外の方にも読んでいただくことを想定すると Ishinomaki city と書いたら which was devastated by the disaster などと続けて丁寧に説明する、といった工夫が必要でした。ただ文字面を言い換えるのではなく、意味を掴んでもう一本記事を書くような感覚でした。
英語の辞書を引いてがんばりましたが、どうも不安です。英語ネイティブ、とは言っても誰でも良いわけではないので、英語教師であり記者でもある友人にネイティブチェックをしてもらうことにしました(「お茶をごちそうするから」と捕まえて)。
すると a や the といった冠詞を中心に細かいミスが結構ありました。これは昔から苦手なのですが、どうも直りません。また、思い切って使ってみた辞書のかっこいい表現は、「意味は通じるけど、この場合には使わない」と指摘されてガッカリです……。
記事の翻訳はボランティアで行ったこともあって、どうしても仕事よりも後回しにしてしまいました。さらには上記の通り、調べ物やネイティブチェックに時間がかかり、気が付けば翻訳しようと決めてからあっという間に 4 カ月も経っていました。
ようやく公開の準備が整ったものの、取材当時から時間が経ってしまったので、現状の確認や、時制の変更などの追加の作業が発生しました……。
以上、こうした幾多もの困難を乗り越えて、ようやく公開にこぎつけたのです。自分で取材して書いた文章を翻訳しても、内容の再確認や確認事項が多々あり大変だったのですから、翻訳者の皆さんはもっと大変なんだろうと想像します。
今回は、私にとって「翻訳」という厳しい作業に触れるいい勉強になりましたが、場合によってはクオリティの高い翻訳がスピーディーに必要ですよね。そんなときは、「スピード翻訳」をご利用ください!
そして、できたらご発注いただく前に、「第三者(読み手、そして翻訳者)にも意味が通じるか」を一度読み返してみていただけると、翻訳の仕上がりもよくなるのではと思います。「スピード翻訳」では、翻訳者への申し送りを書き添えていただけるようになっていますので、ぜひご活用ください。
まだ「スピード翻訳」サービスや「オークション翻訳」サービスのようにオンラインで発注から納品までが完了するサービスではないのですが、「コンシェルジュ校正」というネイティブチェックのみのサービスもおこなっております。ご興味をお持ちの方は、ぜひお問い合わせください(03-6425-7189 / お問い合わせページ)。
※ お電話でのお問い合わせは、平日 10:00 – 18:00 となります
※写真はツアーで訪れた「ジョルジュ・ルース・アート・プロジェクトin 宮城」の舞台(上)と、塩釜仲卸市場(右)です。塩釜仲卸市場では、新鮮な海鮮物を目の前でさばいてもらえます。
photo : NANAE TAKAHASHI