セレブと celeb ~ 日本と英語での意味の違い

2015/06/17 | Posted by maki in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)
'Walk on Fame' by Fred Hasselman

こんにちは、maki です。先日、あるテレビ番組を見ていたところ、地中海のマルタ島の特集をしていました。イスラム教国からの防衛のためにマルタ島には騎士団が集結し、そのメンバーはヨーロッパ諸国の貴族出身の子弟、いわゆるセレブによって構成された……という説明をしていました。この番組だけでなく、日本では富裕層であったり、ゴージャス優雅な雰囲気などを意味しています。

日本でセレブという言葉が定着したのは、10 年ぐらい前の話で、これは英語の celebrity およびその略語である celeb が元。しかし、英語圏で使われている celebrity(または celeb)と日本のセレブにはその意味に大きな隔たりがあります。

英語の celebrity の最も重要な意味は、有名人です。20 世紀の映画やテレビの発展などで、映画スターや、テレビの人気キャスター、スポーツ選手などが英語圏では celebrity と認識されているようです。メジャーなメディアで多数の人に顔を知られており、収入も多く、富裕層のひとりになる……というシチュエーションは考えられますが、誰でも知っている有名人であることが最も重要です。つまり、裕福でなくても、よく知られた人であれば celebrity と言えます。

celebrity は、17 世紀ごろに英語に取り込まれたラテン語の celebritas を語源とし、この単語には「有名な」とか「ごったがえしている」といった意味があります。この「有名な」は、理由は何であれ「有名である」ことであり、悪い意味でも使われていたようです。つまり、悪名が高い人物celebrity だったわけです。現在では、悪い意味で有名であることは希薄にはなっています。現在の日本のセレブという言葉の意味だけで認識していると、おかしなことになってしまいます。

日本語のセレブから想像される豪華さ優雅さ高級さといった意味から、派生商品としての鼻セレブというやわらかくしっとりとした豪華なティッシュペーパーはあってもよいですが、本来の celeb とは無縁です。まあ、 花粉症のceleb も気に入って鼻セレブを使うかもしれませんけどね。

photo : “Walk on Fame” by Fred Hasselman


中国語でポジティブな「こだわり」をどう言う?

2015/06/10 | Posted by xiaofan in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

'Restaurant Window' by SomeDriftwood

大家好! 気温が高くなり、夏が来たと思ったら、連日の雨。東京もついに梅雨入りしてしまいましたが、台湾は日本よりひと足早く、雨季に入っています。この時期の雨は台湾でも梅雨(méiyŭ)と呼ぶのだそうで、少し前までお店に並ぶ野菜の中には、やや小ぶりの梅が並んでいました。台湾でよく見る梅といえば、ドライフルーツになった干し梅。特に常温の紹興酒に入れて飲むのが人気です。台湾暮らしの長い日本人の友人の中にも「これ無しでは飲めない」という人もいるほど。こうした食に対するこだわりは、日本と台湾にかかわらず、よく見られることです。

さて、この「こだわり」「こだわる」を日本語の国語辞典で引くと、こんなふうに説明されています。

1 心が何かにとらわれて,自由に考えることができなくなる。気にしなくてもいいようなことを気にする。拘泥する。 「金に-・る人」 「済んだことにいつまでも-・るな」
2 普通は軽視されがちなことにまで好みを主張する。 「ビールの銘柄に-・る」
3 物事がとどこおる。障る。
4 他人からの働きかけをこばむ。なんくせをつける。

出典:こだわる – 大辞林 第三版(三省堂)。ただし 3 と 4 は説明のみ抜粋。

こんなふうに、もともとはどちらかというと、ネガティブな文脈で用いられることが多い語でしたが、最近は「こだわりの食材」「料理長のこだわり」といった、その姿勢をポジティブにとらえた例がよく見られるようになりました。では、こういった前向きのこだわりは、中国語でどう言えばいいのでしょうか。

一般的に「こだわる」の中国語訳として紹介されるのは拘泥(jūnì)が多いようです。日本語でもお馴染みの単語ですね。ただしこれも日本語のこだわり同様、拘泥形式(形にこだわる)、拘泥原則(ルールにこだわる)といった若干、ネガティブな意味合いが強いようです。では、好評価の場合はどうでしょうか。中国語のポジティブなこだわりには、堅持(jiānchí)もしくは講究(jiǎngjiū)を使いましょう。

對製法的堅持 作り方へのこだわり
對鵝肉的講究 ガチョウ肉へのこだわり

ただ、この両者には使い分けがあります。前者(堅持)は、まず決めたことがあり、それを譲ることがない、という意味合いであるのに対し、後者(講究)は完璧を追い求めていくことを表します。漢字からも日本語の堅持する、つまり、一つのものを堅く持ち続ける様子が、また意味を解き明かす「講」によってものごとを研究する様子が、伝わってきます。

上記の例でいうと、製法という自分なりのルールに基づくため堅持を用い、たくさんあるガチョウ肉からパーフェクトな肉を選ぶため講究を用いるのが適当、ということになります。

では、翻訳という道を貫くこだわりは堅持、よりよい言葉を探していくこだわりは講究、ということになりますね。よりよい翻訳を目指しつつも、拘泥ではなく、柔軟に取り組みたいなあとも思うのです。

繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

photo : “Restaurant Window” by SomeDriftwood

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映画のタイトルと中国語

2015/06/02 | Posted by liang in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

'Cinema' by Leo Hidalgo

こんにちは!liang です。05/24 までフランスで行われていた第 68 回カンヌ国際映画際では、日本から出品された映画『海街 diary』は賞を逃しましたが、妻夫木聡が出演した台湾の映画『黒衣の刺客』(原題 : 聶隱娘 / 英文 : The Assassin)が監督賞を受賞しました。

監督は侯孝賢(ホウ・シャオシェン)。私はそれほど熱心な映画ファンではありませんが、同監督の『悲情城市』(原題 : 悲情城市)は見たことがあります。

海外の映画のタイトルが日本向けにどのように翻訳されているかは、非常に興味深いものがあります。日本語のタイトルしか知らないまま映画を見ていて、最後に英語の原題がドーンと出てきたときに、「元はこんなタイトルだったのか……」と無意味なショックを受けることもあります。翻訳というより、タイトルをつけ直していると言ったほうが実情に近いかもしれません。

かなり前に『奇跡のシンフォニー』という映画の DVD を見ていて感動し、確かに奇跡のシンフォニーだ!などと思っていたら、最後に August Rush と出てきたので、なんだか複雑な気分でした。もし日本でのタイトルが『オーガスト・ラッシュ』ならこの DVD は借りなかったと思うので、うまいタイトルだと思います。映画の原題に注目するきっかけになりました。

映画のタイトルというのは商品名なのですから、マーケティングを担当する人が、対象とするマーケットに合わせて考えるのでしょう。タイトルを決める際、原題に忠実であることよりも、売れることのほうが重要だと考えるのは当然ですね。

さて、中国でも多くの外国映画が上映されています。そのマーケットの大きさゆえに、映画産業にとって、中国における興行は非常に重要なものになっているようです。

そんな中国マーケットで成功するために、どんなタイトルが選ばれているのでしょうか。いくつか見てみましょう。
※ 以下は中国(大陸)の状況です。香港、台湾は、商圏や言語が異なるので翻訳等にも相違が見られます

速度与激情 7

この映画は今年 4 月に公開され、中国映画史上の最高興収記録を達成したそうです。日本語タイトルはなんでしょう? 『ワイルド・スピード SKY MISSION』です。

ちなみにこの「」という中国語は書面語(書き言葉)で「~と」という意味で、英語なら and です。映画や本のタイトルによく出てくるので覚えておいても損はありません。中国語のタイトルのほうが原題(Fast & Furious 7)に近いですね。

日本では同時期公開の『ドラゴンボール Z 復活の「F」』と『名探偵コナン 業火の向日葵』に及ばなかったようですが……。

冰雪奇缘

去年、世界中で大ヒットしたあの映画です。すぐわかりますか?「冰雪」でおわかりになりますよねよ。はい、これは 『アナと雪の女王』です。「冰雪」は氷と雪、「奇缘」は不思議な縁という意味です。日本でも中国でも、原題 Frozen の直訳では売れないという判断ですね。

好評だった主題歌『レット・イット・ゴー ~ありのままで~』の中国語(普通話)バージョンのタイトルは『随它吧 Suí tā ba』で、直訳すれば「それに従いなさい/任せなさい」というような意味です。

超能陆战队(超能陸戦隊)

これはなんでしょう? 『冰雪奇缘』と同じく「迪士尼」(ディズニー)のアニメ映画、『ベイマックス』です。原題が Big Hero 6 ですから、日本語のタイトルよりは近いと言えますね。

ベイマックスは映画に登場するロボットのことですが、中国語だと「大白」。見たまんまです。これをそのままタイトルにするのは厳しいだろうなと思います。逆に『ビッグヒーロー 6』みたいなタイトルは、膨大な量の漫画・アニメに触れている日本の子どもには「刺さらない」ということなんでしょうか。とはいえ、ベイマックスと主人公の少年の心温まるストーリーだけを想像させる日本のプロモーションはどうかなーと思うところもあり、中国語タイトルの『超能陆战队』(超能陸戦隊)の方が正しい気もします。

赤壁

知っている人ならすぐにわかりますね。『レッドクリフ』です。外国映画ではなく中国の映画ですから、これが原題です。日本語のタイトルも『赤壁』でよさそうですが、一部の三国志フリークを除けば、「赤壁」なんてふつうは知らないでしょう。「あかかべ」なんて読んでしまうかもしれませんね。というわけで英語の Red Cliff から日本語タイトルを付けたのは正解だったと思います。

いかがでしょうか? 世界的に有名な映画の話題は、中国人との雑談の中でもよく出てくるものです。自分の好きな映画のタイトルは中国語でなんと呼ぶのか、知っておくと便利だと思いますよ!

おまけ :洋画の場合は、最近は単純にカタカナ表記だけするという作品も増えてきていると思います。一昔前(1982)は、『愛と青春の旅だち』(原題 : An Officer and a Gentleman)がかなりギャップのある邦題でした。スピルバーグ作品で、『続・激突!/カージャック』(1974)という映画もありました。これはスピルバーグの 1971 年の第一作『激突!』(原題 : Duel)の続編……でもなんでもなく、スピルバーグ作品ではありますが、まったく無関係のストーリー。原題は、The Sugarland Express でした。極めつけは、『死霊の盆踊り』(1965)。原題は、Orgy of the Dead。一応、死霊たちが踊るのですが、盆踊りではありません。完全にウケ狙いですね。まあ、『死霊の~』、『悪魔の~』はホラー映画にはありがちな邦題ですけどね。「スピード翻訳」では、さすがにこうした邦題の翻訳はいたしかねます……。ご容赦ください。m( _ _ )m


変でおかしくちょっと変わった中国語の言い分けを考える

2015/05/26 | Posted by xiaofan in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

アジサイ hydrangea

大家好! このところ半袖ばかりの xiaofan です。連日真夏並みの気温になったと思ったら、雨が続き、そしてまた晴れ、とお天気がクルクル変わります。夏に定番のスコールも始まり、5 月なのに台風がすでに 7 号だって話ですし。沖縄地方も 05/20 に梅雨入りしたようですね。石垣島や西表島などの先島諸島と同じ緯度の台湾もそんな季節になったんですね。天気予報を見ていると、家人がぽろっと言いました。

最近天氣好奇怪(最近の天気っておかしいね)

先日の記事「Weird, odd, peculiar! strange 以外の『変な』『おかしい』英語と不思議な人」には、さまざまな用例が出ていましたが、変でおかしく不思議なことを表す中国語代表といえば 奇怪 です。この語には、個人的に少々苦い思い出があります。まずはその話から。

それは台湾でまだ留学生として中国語の授業を受けていた時のこと。通っていた学校は多国籍のメンバーが揃っていました。文化的な背景が違うことは、何かと授業中の話題になり、その都度(へえ、そうなんだ!)と気づきがあることもまた授業の楽しみでした。ただ、一つ気になることがありました。文化差異の話題になるたびに、あるクラスメイトが言うのです。

好奇怪!

訳すと「変なのー」でしょうか。使用頻度がかなり高いことに加えて、いつもキツいジョークを飛ばす彼の奇怪は、実のところ気分のよいものではありませんでした。手元の辞書を引くとこうあります。

1〈形〉おかしい。不思議だ。|〜的動物/不思議な動物|那件事情很〜/あの出来事はとても妙だ。
2〈動〉おかしいと思う。不思議に思う。|我們都~這個怎麼這麼貴/私たちはみんなこれがどうしてこんなに高いのか不思議だ。

出典 : 新時代中日辞典(大新書局)

しかし、なぜ「奇怪!」と言われるとイヤな気分になるのでしょう。単語を分解してみると、「怪」には、奇妙だ、普通でないという意味のほかに、こんな意味があります。

〈動〉過ちなどを責める。とがめる。うらむ。—のせいにする。

出典 : 新時代中日辞典(大新書局)

さらに日本語の国語辞典で「奇怪」を引くとこう説明されていました。

1 常識では考えられないほど怪しく不思議なこと。また、そのさま。きっかい。「―な事件が起こる」
2 常識に外れていて合点のゆかないこと。けしからぬこと。また、そのさま。きっかい。「責任者が出てこないとは―な話だ」

つまり、若干不愉快に受け取ってしまう原因は 2 にもありそうです。これも引いておきましょう。

けしからぬ【怪しからぬ】(連語)
道理や礼儀にはずれていてよくない。無礼だ。不都合だ。けしからん。 「 -振る舞い」 〔本来は「怪(け)しかる」の意。強い否定の意を表すために,誤って打ち消しの助動詞「ぬ」を加えたもの〕

つまり、日本語の「けしからぬ」の意味として受け取っていたのだ、と気がつきました。日本語の奇怪の語感から、単なる差異の話が善悪の評価のように聞こえていた、というわけです。

ただ、文化的な背景から生じる差は、あくまでも違いに過ぎません。決して相手を責め立てることではないので、そうした意味を持たせたくない場合、たとえばこんな表現が使えます。

特別喔! すごく違うね!
這是很有特色 それはすごく特徴的だ。

その他、奇怪以外に「変」をどう言うか、具体的なバリエーションをご紹介しておきましょう。

他的脾氣有點古怪穿著也較特別。(彼の性格はちょっと変。服装もね)
人柄や身なりが風変わりだということを言う場合は、「奇怪」以外に「古怪」も使えます。ただ、生活していると話し言葉では奇怪を耳にする頻度のほうが圧倒的に高いです。後半は先ほどの「特別」を使ってみました。

對不起,我剛莫名其妙地發脾氣。(ごめん、さっきよくわかんないけどイラついちゃった)
変は変でも、なんともいえずヘン、つまり変だと思う要因がどこから来るのかわからない場合に「莫名其妙」を使います。ドラマなどでは、語気の強い口げんかのセリフとしてよく出てきます。

他說的話太離譜了。(彼の話は常識はずれだ)
おかしい、という意味は想像されることとの差異が見られる場合に出てくる感情ですが、その一般的な範囲(譜、つまり五線譜の意)から離れている、常識はずれなほどおかしい、という場合に用いるのがこの「離譜」です。ニュースの見出しなどでも使われます。

大自然的世界會發現不可思議的事情。(自然には奇妙なことが起きる)
常識から外れるといっても、人知の及ばぬ大きな事柄には「不可思議」を使います。科学的には説明できないこと、たとえばブラックホール、バミューダトライアングル、地震などもこの類いです。
※ 「中国のメディアによく出る成語」でも中国語(簡体字)の「不可思議」をはじめとするよく使われる故事成語についてもご紹介しています

不好了!(大変です!)
通常「不好」は「よくない」あるいは「だめだ」といった意味になりますが、中国語の歴史ドラマで使われる場合、ちょっと違います。使用場面としては、戦時の陣営に兵士がこう言いながら駆け込んでくる、それはつまり大きな変化が起きている、戦況の異変や悪化が起きている、そのため「不好了!」となるわけです。

改めて考えてみると、「おかしい」あるいは「ヘン」といった感覚が起きる場所はさまざまですね。バリエーションが増えて「ドンピシャ」の場面で表現できると、なんともスッとするものです。どんな時にどう使うか具体的な場面を思い浮かべながら語彙を増やしていきましょう!

繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

photo : “アジサイ hydrangea by きうこ

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こんにちは、”某 M” です。いえ、いつもの maggy ですけど。

最近、いわゆる「ソーシャル疲れ」を実感しています。フェイスブックもツイッターも実名でやっているので、「今日は夕飯作りたくない」なんて怠惰なこと書いてはいけないだろうなとか、社会問題や政治、ビジネスの話も好きですが「ウザい」と思われるかとつい遠慮してしまい、書きたいことも書けずじまいです。

先日ニュースを見て知ったのですが、匿名型の SNS がじわじわと人気を集めているそうですね(参考: 疲れずにつながりたい ひそかな人気「匿名」SNS / 日本経済新聞)。同じようにソーシャル疲れを実感している人が国内外で結構増えていることを知り、ちょっとホッとしました(ツイッターは、本名での利用は必要ありません)。

英語で匿名な、匿名の(形容詞)anonymous匿名性(名詞)anonymity と言います。「詠み人知らず」の詩は Anonymous poem なんて呼ばれています。

調べてみたところ、1600 年ごろのラテン語の anonymus >> ギリシャ語の anonymos が語源だそう。an- = without、onyma = name、つまり直訳すると without name(名無し)ですね。逆に著者名が明らかなことは、an- を取って onymous と言います(参考 : Online Etymology Dictionary – Anonymous)。

名前を伏せて某氏◯◯さんと言いたいとき、便利なのが X です。Mr. X(ミスター X / X 氏)や、Mrs. X(ミセス X/X 夫人)と書きます。これは日本人にもピンと来ますよね。
※ 昔のアニメ『タイガーマスク』にミスター X という悪役がいました。この人も最初に登場したときは、X 氏と呼ばれていました。まあ、どうでもいいですね……

また、山田太郎山田花子に当たる汎用的な英語の仮名はこちらです。

男性の仮名 = ジョン・スミス(John Smith)
女性の仮名 = ジェーン・スミス(Jane Smith)

少し前に、『Mr. & Mrs. スミス』というタイトルのアメリカ映画がありましたね。日本語らしくに翻訳すると『山田夫妻』……? いきなり昼ドラっぽくなりますが。

匿名や仮名の英語表現、まだまだご紹介します。特定の人ではない男の子を総称して Jack(ジャック)と言ったりします。

All work and no play makes Jack a dull boy.
Every Jack has his Jill.

最初の例は、「勉強ばかりで遊ばないジャックは馬鹿になる」ということわざ。後者は、マザグースに出てくることわざです。直訳すると「どんなジャックにもジルがいる」。 Jill(ジル)は一般的な女の子の名前ですので、日本語にすると「どんな太郎にも花子がいる」、つまり、どんな人にも似つかわしいパートナーがいるものだ、という喩えです。日本語のことわざに言い換えれば、割れ鍋に綴じ蓋ってとこでしょうか。

名前が分からない人のことを呼ぶ、名無しの権兵衛は、英語ではこんな風に言います。

名前が分からない男性の呼び方 = John Doe(ジョン・ドゥ)
名前が分からない女性の呼び方 = Jane Doe(ジェーン・ドゥ)

John(ジョン) や Jane(ジェーン) は一般的なファーストネームですが、Doe という姓は名無しさんであることを示すのだそう。名無しの権兵衛とちょっと違うところは、法廷で名前を呼びたい該当者の名前がわからない、名前が非公開の場合、この名前で呼んで処理することがあるのだとか(詳しくは 名無しの権兵衛 – Wikipedia などをご覧ください)。
※ その他の言語の名無しの権兵衛に相当する例はこちら

こちらは誰もがという英語の慣用句です。

Every Tom, Dick and Harry(トムもディックもハリーも)

“Every Tom, Dick and Harry uses SNS nowadays.(今や誰もが SNS を使う)”と言った具合に使えます。

以上、いかがでしたでしょうか。わたしはハンドルネームの使用が基本だったパソコン通信時代からのネット住民なので、匿名型も実名型も一長一短あると思っています。いずれはどちらのサービスも成熟して、自由に使い分けられたらいいですよね。

……と、「パソコン通信」だなんて言っちゃって、この発言で大体の年齢がバレますよね。こうした個々の時代を感じる発言、IP アドレスや 投稿写真に埋め込まれた GPS 情報など、複数の情報を組み合わせれば個人を特定できることがあるので、匿名とあれども発言には気を付けましょう!

おまけ : 「スピード翻訳」には、依頼時に個人情報や数値情報など担当翻訳者以外には見せたくない情報(文字や単語)を伏字にする機能がございます。ご活用ください。

photo : “Hello, my name is anonymous” by Quinn Dombrowski


Weird, odd, peculiar! strange 以外の「変な」「おかしい」英語と不思議な人

2015/05/12 | Posted by maggy in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

こんにちは、maggy です。今年のゴールデンウイークは格別に過ごしやすい天気でしたね。あたたかくなるとおかしな行動をする人が増えると聞きますが、ポカポカした陽気のなか、鼻歌交じりに散歩をしていたら、「わたしもそんな気持ち、分からなくもないわ~」なんて思ったりしました(もうすぐ台風が来るみたいですけど……)。

さて、おかしな変なと表現したいときの英語として、すぐに浮かぶのは strange なのではないでしょうか。しかし strange 以外にも、英語にはさまざまな表現があります。

そこで今回は、「変な」「おかしい」ことを表現するためのさまざまな英語をご紹介します。気に入ったものを使ってみてください。例文として、ロンドンに住んでいたとき、ちょっと変わった人に遭遇した実体験も、二つご披露します……。

体験談 その1

ロンドンで、夜遅くに帰宅したときのこと。もうあたりは真っ暗。すると通りかかった駐車場の隅の暗がりに、杖をついたボサボサ髪の、ちょっとおかしな風貌の男の人(a weird looking guy)が立っていました。

歩道にいるわたしと目があった瞬間。男が急に杖を握る手を離したので、杖が地面の上に「ガチャン!」と音を立てて落ちました。男は杖を指さしながら、わたしに向かって「もっと近くに来て、この杖を今すぐ拾って」とでも言いたそうなジェスチャーをしてきます。

どことなく不自然で、変な行動(the odd behaviour あるいは the peculiar behaviour)でした。顔つきから異様な雰囲気(strange atmosphere)も……。

そこでわたしは目をそらして、その場を去りました。ずいぶん遠のいたあたりで振り返ってみると、男が自分で杖を拾って、飄々と歩いている姿が見えました。

※ behaviour は、イギリス英語の綴り。アメリカ英語では behavior

いかがでしたでしょうか。strange 以外にもweirdoddpeculiar の 3 つを使ってみました。英語教師のイギリス人に聞いたところ、これらの使い分けは個人の好き好きだそうです。日本語で「おかしいね」と言ってもいいし、「変だね」と言ってもいいのと似たようなものでしょうか。ただ不審者、見慣れない人を stranger と言うように、strange には「見慣れない」という意味が強いそうです。

また、「怖かった!」は “I was scared!” または “I was completely freaked out!” などと言います。もっとも、皆さんにとって、あまり使う機会がないと良いのですが……。それにしても拾ってあげるために、あのとき暗がりに向かったら、わたしはどうなっていたんでしょうね。

では、もう一話。

体験談 その2

ロンドン初夏の昼下がり。高級街を歩いていたときのこと。狭い道で前方から、花柄の美しいワンピースを着て、書類がたくさん入ったカバンを抱えた女の人が歩いてきました。痩せて少し神経質そうな顔つきで、何かブツブツと、独り言を言っているようでした。

女は、わたしの横を通り過ぎようとした、その瞬間。

「…..Ahhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh!!!(ア―――――――――――!!!)」

いきなり地面と空に向かって、叫び出したのです。そしてわたしの方を向いて、こう言いました。

Excuse me!? Can I punch on your face to release my stress!? So I can say “Thank you” to you!(すみません! ストレスを解消するために、あなたの顔を殴ってもよろしいですか!? そうしたらあなたにありがとうと言いますので!)

……呆然ボーゼンでした。幸い、周りには何人か通行人がいました。皆に見守れられながら、女と対峙。緊張が走りました。女は動きません。

わたしは何も見なかったかのごとく、忍び足でその場を去りました。幸い、追いかけられることもなく、何事もありませんでした。

彼女は身なりは良く、そんなに weird looking でもなかったので、意外でした。また、無事だったからこそ言えることですが、彼女がストレスでプッツンしていても、なおも礼儀正しい言葉遣いだったことがおかしかったです。キレても英国淑女って、すごいなぁと変に感心しちゃいました。イギリス人の友人にこの出来事を話したら、”That’s funny!(おもしろおかしい!)” と笑っていました。

ですからこれは「変」というよりも、funny(おもしろおかしい)話でしょうか。どうしようもないほどに、ストレスが溜まっていたんでしょうかね。先の男も、単におつかれ気味で、杖を拾ろうと思えば拾えるけど、拾ってもらいたかっただけなのかもしれません。今となってはわからないので、mysterious(不思議)な話でもあります。
※ 日本では、「おもしろい」 = interesting と習うことが多いですが、これは「(興味深いという意味で)おもしろい」ということになります

そうそう。会議や商談などのビジネスの場面で、「それはおかしい……」と思ったとき。スマートな英語ネイティブのビジネスパーソンは strangeweird といった直接的すぎる言葉は使いません。

そういうとき、彼らはよくこんな表現をします。

Well, that’s interesting.(それはおもしろいですね。)

That sounds unique.(それはユニークですね。)

もしもいぶかしげな顔でこう言われたら、内心「この人、おかしい……」とか「変なこと言うヤツだな……」ぐらいは思われている可能性があります。まあ、文脈やお互いの人間関係により、

Mmm……that’s weird.(うーん、変だねぇ)

……とも言いますが、これはある意味、(大半の日本人が感じる)京言葉のような婉曲的な表現なのかもしれません。

そういうときは……スピーキングに自信のある方以外は、余計なことは言わずに、静かにその場を去ってください。そして「スピード翻訳」などを活用して、相手を説得できるだけの英文翻訳の資料を一式そろえてから、再挑戦してくださいね!

photo : “Untitled” by Nicolas DECOOPMAN


こんにちは、maggy です。みなさんはゴールデンウイーク中は、会社はお休みでのんびりしていますか。わたしはフリーランスのライターなので、ご依頼の案件ベースで出動するため、連休も祝日もあまり関係ない生活を送っています(海外企業とのやりとりもあるので)。代わりに、適宜都合がつくときに休むようにしています。

さて、ここ 10 年ほどで、先進国では世界的にフリーランス(freelance)という労働形態の人口が増えていると耳にしました。一体、世の中では何が起きているのでしょうか? 日本よりも早くこの現象が進んでいるアメリカの現状を調査し、フリーランスの実態と社会の向かう方向を分析している書籍、ダニエル・ピンク著『フリーエージェント社会の到来 新装版 』(2014 年、ダイヤモンド社、池村千秋・訳)を読んでみました。

本書は新装版ですが、初版が刊行された 2002 年当時、アメリカでは既に 4 人に 1 人がフリーランス。著者は膨大なインタビューから彼らの生活実態を明らかにし、彼らの存在感がますます高まっていくなかで、個人の生活における家庭と仕事のバランスや、社会の仕組みがいかに変わっていくか、今後どんな新しいビジネスが必要かを予測しています。

「オフィスに代わる『サードプレイス(第 3 の場所)』」という章では、彼らがスターバックスなどのカフェで働いていることなどにも触れられています。今や、日本でもよくみかけますよね。そして個人が組織に頼らず、スキルや知恵を頼りに仕事をするフリーランスという新しい働き方は、インターネットが普及したからこそだという社会背景についても、わかりやすく説明されています。

ところでこのフリーランス(freelance)という言葉。語源は中世のイタリアやフランスの傭兵部隊に遡るのだそう。本書から解説部分を引用します。

当時の傭兵たちは、報酬が納得できて、戦いに意義を感じることができれば、どの君主の旗の下でも戦った。このシステムがイングランドに伝わると、傭兵は「フリー・ランス(自由な槍)」と呼ばれるようになった。忠誠心や主従関係から自由な騎士という意味である。お呼びがかかれば、槍を持ってどこへでも飛んでいく、というわけだ。

出典 : ダニエル・ピンク著 『フリーエージェント社会の到来 新装版 — 組織に雇われない新しい働き方 』
(2014、ダイヤモンド社、池村千秋・翻訳)、p.34)

Wikipedia にも、下記のような説明がありました。

英語「freelance」の語源は、中世に遡る。中世は王や貴族は戦争の度に傭兵団と契約して戦争に臨んだ。その中で傭兵団を離れて戦場に臨む兵士達がいた。当時は槍騎兵 (lancer) が自分の従卒として歩兵や弓兵を連れている形態が多かったため、契約の際には槍の本数=1 戦闘単位としてカウントされた。まだ敵勢力と契約を交わしていない (英: free) 戦闘単位 (英: lance) を指す言葉として「freelance」が用いられるようになった。当時は兵士を指していた「free lancer」が、近世以降組織を離れて働く状態を指す言葉に変化した。フリーランスのフリー(英: free)は、政治的立場が自由さを意味するものであって、値段が無料という意味ではない。

頭の「フリー(free)」という言葉の響きからなのか、日本ではときどき、フリーランス = 自由人……という誤解や、あるいはフリーターと勘違いされるという声も耳にします。

ちなみにフリーターとは、日本で正社員・正職員以外の就労形態(契約社員・契約職員・派遣社員・アルバイト・パートタイマーなどの非正規雇用)で生計を立てている人を指す言葉で、和製英語です。いや、和製英語でもないですね。フリーターフリー・アルバイターの略語です。free + Arbeiter。Arbeiter (アルバイター) = 労働者・勤労者は、ドイツ語ですから和製外国語でしょうか。英語では part-time worker や、part-time jobber と呼ばれます。確かに名前が似ているので、ちょっと誤解しやすいそうですよね。

ダニエル・ピンク氏は、同書のなかで、歴史上フリーランスという言葉が侮辱的に使われてきたこともあったということに触れて、高度成長期に王道とされた「大企業に所属する」という働き方を捨て、組織に頼ることなく、自分の知恵を頼りに独立して働く人=フリーエージェント(free agent)という言葉で、新たに定義し直していました。

エージェント(agent)と言うと、映画『マトリックス』に出てくるエージェント・スミス(Agent Smith)みたいで、なんだかプロフェッショナルでスマート、戦う感じも出てカッコイイ気がします(悪役じゃないですけどね……)。

ともあれ、フリーランス = 自由契約の中世の騎士、という語源がもっと広まれば、やっかない和製英語のフリーターと混同するようなトラブルは減るでしょうか。

おまけ : 「スピード翻訳」のプロ翻訳者たちも、自由契約の騎士団、フリーランス(フリーエージェント)です。ゴールデンウィーク期間中も、翻訳という戦いがあれば、槍を持って戦いますよ!(もちろん、お休みを取られる翻訳者の方もいますので、稼働中の翻訳者が少なくなる傾向があります。担当翻訳者が 2 時間以内に決まらなかった場合は、再発注も可能です)
ゴールデンウィーク中の営業について(2015)

photo : “Jousting Knight” by Lee Jordan


ひたいブスで歯並び美人? 日本と海外(欧州)の美意識の違い

2015/04/28 | Posted by maggy in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

こんにちは、maggy です。春は出かけることが増えて、おしゃれが楽しい季節ですね。新しい髪型やメイクにも挑戦したくなります。わたしは相変わらずボブヘアーですが、最近ちょっとパーマをかけてみました(過去の記事ボブヘアー(ボブカット)のボブ(bob)とは?も、ぜひご一読ください)。

さて英語には、Beauty is in the eye of the beholder. (美は見る人の目の中にある) という、ことわざがあります。しかし美はそれぞれの目のなかだけでなく文化のなかにもあるのだと、つくづく思います。

日本語には「目は口ほどに物を言う」とことわざもありますし、見た目はビジネスでもプライベートでも、コミュニケーションにとって重要なもの。そこで今回は、わたしのイギリスに住んだ経験から、日本と海外(欧州)における美意識の違いを痛感した実体験をご紹介します。

① わたしは「ひたいブス」らしい

ロンドンの某有名サロンで、カットモデルをしたときのこと。施術前に訓練生がわたしの前髪をかき分けながら、なにやら首を傾げていました。講師のベテラン美容師がやってくると、訓練生はこんな相談を始めました。

「この女性は、額(forehead)が狭くてきれいじゃないので、前髪(bangs)を長くして、額を隠してしまおうと思います」

「どれどれ……」

講師が鏡を覗き込み、わたしの前髪がオールバックにされた、その瞬間。

「Oh no…これは隠してくれ」

生え際を見てまるで「その死体は隠しておいてくれ」と言わんばかりの態度で目を背けられたのは、生まれて初めてのことでした(そもそもカットモデルとはいえども、わたしも英語がわかるのに、目の前でこのやりとり……)。

気になったのが、額に対する日本との美意識の違いです。どうやら欧州では、額に高さと広さがあることが、美人の条件のようです(参考 : 「美しい額を作る 5 つの法則」 5 Tips to a Gorgeous Forehead – Ready Set Beauty)。

調べてみたらこの感覚は根深いようで、『美女の歴史』(ドミニク・パケ著/創元社)によると、欧州の中世の女性(本書ではドイツ、イタリアの女性を例に)は、髪の生え際を脱色までして、額が広く、つややかに見えるように努力したそう。中世当時、広い額は眼差しを際立たせる美人の条件と考えられ、脱毛後に毛が生えてこないように、コウモリやカエルの血、毒人参の汁、焼いたキャベツの灰を酢に漬けたものなどを塗ったりもしたそうです。

もしも、この中世の美意識が現代イギリスにも少しでも残っているのだとしたら、それは確かに、わたしの狭い額には、焼いたキャベツの灰を酢に漬けたものくらいなら、塗りたくなるほど醜かったのかもしれません……。

② 歯並びは日本以上に大切らしい

イギリス人の知人のおじいさんに、写真を撮ってもらったときのことです。「Say cheese(はい、チーズ)※イギリスでもこう言います」の合図にあわせて、口角を上げた瞬間。

「おお、歯並びがきれい! もっと歯を見せて」

冗談を言っているのだと思って、馬のように歯を見せて笑うと、「すばらしい!」と、上気気味で大絶賛。(じいさん、さては歯フェチ……?)と気になりましたが、実はその後、別のイギリスの方にも歯並びのことを何度か褒められました。日本では、歯医者さんでしか褒められたことがなかったのですが……。

どうやら欧州では、歯並びが美しいことは、日本よりも美の条件として重要視されているようなのです。そのため、幼い頃に矯正をする人の数は、日本よりも多いと聞きました。特に八重歯 = double tooth に対する感覚は全く違います。日本ではかわいいとされていますが、欧米ではドラキュラのようで好ましくないと考えられ、vampire tooth とも呼ばれます。

ところ変われば言語が違いますが、ところ変われば美も変わるものですね。海外に行けば、あなたの新たな魅力に気が付くかも!? 新たな欠点……は、わたしの前髪のように、隠してしまえばいいのです。

ちなみに、顎が 2 つに割れている、通称「ケツ顎 = cleft chin」は、イギリスではセクシーとされています。わたしはケツ顎ではないので、この違いは体験できませんでしたが、どなたかぜひ実証してみてください。

photo : “Beauty Is Within The Eye Of The Beholder” by Harry Thomas Photography


中国語の「真面目」についてのマジメな話。

2015/04/23 | Posted by xiaofan in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)
喧嘩やめて、仲良くしてね

大家好! xiaofanです。

先日、ある台湾ドラマを久しぶりに中国語字幕で観ていたときのこと。(ああ、最初に観た時は、このあたりはホント何言ってるかわかってなかったなあ)などと思い返しながら、何気なく観ていてあるシーンにちょっと吹き出してしまいました。

女 : “我今天才看清楚你的真面目”
男 : “所以我今天看到也是妳的真面目”

何に吹き出したって日本語と中国語の意味の違いに、です。具体的には、この会話に登場する真面目清楚が日本語と中国語では意味がまったく違うということなんです。

まず、真面目について。は「本当の」という意味の形容詞、そして面目は日本語にもあるように顔や姿のことを意味するので、本当の姿本性となるわけです。反対語はウソの顔ですから假面目の字は日本語の漢字にするとですので、日本語の仮面とつながります。「仮面の裏側に本当の顔を隠している」という風に考えれば、中国語の真面目假面目の対立関係はなんとなく理解できます。

しかし、日本語の感覚でその字面をだけを見て真面目 = マジメと解釈してしまうと、その反対語はフマジメ = 不真面目です。漢字を知っているがゆえに「何となく意味がわかる~♪」などと思っていると、実は中国語では「全然意味が違ってがっかり……」ということがよくあります。日本人の中国語学習者にとっては悩ましい問題です。ちなみに、日本語のマジメの意味を表す中国語は認真です。

もう一つ、この例がオモシロいのは清楚。日本語では主に女性の形容に用いられる、清らかもしくはおしとやかであるポジティブな表現ですが、中国語では、はっきり明らかクリアといった意味になります。

つまり、さっきの会話、

女 : “我今天才看清楚你的真面目

……女の人が言っていたのは、「あなたは、清らかマジメな人ね」のようなほめ言葉などではまったくなく、

女 : 「今日、あなたの本当の姿はっきり見たわ」
男 : 「ってことは、俺が今日見たのも、お前の本当の姿だってことだ」

……といったところで、痴話げんかであり、別れ話なわけです!(ちょっと直訳めに訳してみました)

いやあ、日本語の、人柄に対する割と肯定的な意味はまったくない。ただ、このように同じ漢字圏でも中国語と日本語では意味が大きく異なる、という例、実ははたくさんあります。中国語の愛人は、日本語の愛人とはまったく違ってでありだというのはよく聞きますよね。他にも中国語と日本語で意味が違ってしまっているもの代表的な語彙をご紹介しましょう。

: 中国語では「母親」の意で、子どもではありません
勉強 : 中国語では「学ぶ」という意は含まれず、「無理強いする」の意
結束 : 中国語では「終わる」の意
審判 : 「裁判」の意。反対に裁判は「審判」

どうしてこんなにズレたんだろう、と思うほどの離れっぷりですよね。ただ、こういうズレもまた、中国語や漢字の奥深さですし、その違いからかえって日本語の姿を見ることになったりして、やっぱり中国語ってオモシロいなあと思うのです。

繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

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photo : “喧嘩やめて、仲良くしてね by 命は美しい, on Flickr”


'IC Transport card' by Tokyohobbit

こんにちは、maggy です。もうすぐゴールデンウィークです♪ 旅行が楽しい季節ですね。わたしは、海外旅行の計画を立てているところです。でも日本は狭い国土とはいえ、全国各地で異なる魅力がたくさんあるので、鉄道やバスでのんびり国内旅行もいいですよね。

鉄道やバスといえば、JR 東日本の IC カード Suica(スイカ)は便利でもう手放せません。乗り換えがスムーズですし、自動改札機のおかげでなんとか乗車に間に合ったことが、何度もあります。

ところで Suica の名前の由来をご存知ですか? 「スイスイ行ける IC ード」という意味は知られていますが、元々の由来は「Super Urban Intelligent Card」で、その頭文字を取ったのだとか。意外とカッコイイ!

わたしはイギリスとアイルランドに住んだことがありますが、ロンドンの地下鉄・バスの IC カードの名前は Oyster card(オイスターカード)、アイルランドは Leap card(リープカード)と、それぞれ名前が違いました。そこで、それぞれの名前の由来を調べてみました。

まずロンドンの Oyster card(オイスターカード)Oyster(オイスター)= 牡蠣ですが、なぜ? これはいかにもイギリスらしく、シェイクスピアのお芝居に出てくる有名な台詞で、今や英語の慣用句となっている「The world is your oyster(世界はあなたの思いのまま)」という言葉に由来するそうです( 『ウィンザーの陽気な女房たち』 The Merry Wives of Windsor の台詞に源があるそうです)。また、「固い安全な殻の中に真珠(情報)が守られている」という信頼のイメージもあるから、だとか(参考 : 朝日新聞デジタル:「オイスターカード」でロンドンを乗りこなそう)。

アイルランドの Leap card(リープカード)は、写真にカエルのイラストがあるように、leap = 「ピョンと飛ぶ」「飛び越える」という意味です。アイルランドの首都ダブリンには路上にバス、DART(ダート = Dublin Area Rapid Transit)と呼ばれる鉄道、そして Luas(ルアス)と呼ばれる路面電車があります。 Luas はアイルランド語(ゲール語)で Speed を意味します。これらを組み合わせて移動をしますが、IC カードを使ってスムーズにピョンと乗り換えるイメージに、なんとなく合っていますね。

イギリス南西部のウェールズでは、ロンドンとはまた異なる交通会社が、バスや列車を運行しています。首都カーディフの Cardiff Bus(カーディフバス)の IC カードの名前は iff card(イフカード)iff は、この地で話されるウェールズ語……? と思いきや、違いました。

iff = if and only if(~の時かつその時に限り)という biconditional(相互条件)を意味する英語の接続詞に由来するそうです(参考 : What you think about the Iff card – The Guardian)。iff は数学の条件式などに使われるものの、あまり日常的には使われません。しかしなんとか説明するのなら、例えば I’ll go iff you go. と書くと、「あなたが行く」という条件が満たされたときだけに限り、わたしは行く」、つまり 君が行くなら、私も行くよ(でも行かないのなら、私は行かないよ) という意味になります。ちょっとした言葉遊びのようなものなのだとか。また、首都 Cardiff(カーディフ)のことをローカルの人は Diff(ディフ)と略すことにも由来しているとか。

いずれにせよ、それぞれの地域で IC カードの名前に地域性を持たせることで、地元っ子たちに愛されて普及するように、工夫をしているようですね。

そういえばJR 西日本の IC カードは ICOCA。「行こうか」の関西弁「行こか」とかけて、ローカライズしています。こちらも実は元々の由来があり、IC Operating Card の頭文字を取ったのだとか。うーん、だんだん、後付けなんじゃないかと疑う気持ちも出てきましたけど……?

おまけ : IT 分野、コンテンツ産業のローカライゼーションに、各地の言葉へのスピーディーな翻訳が必須です。「スピード翻訳」をぜひご活用ください。依頼文だけでご発注いただくと、翻訳できかねるケースもありますので、ご発注の際は依頼の背景などもお書き添えください。

photo : “‘IC Transport card” by Tokyohobbit