今年、最先端のクリスマスクッキーは「ジェンダーレスでオーガニックで菜食主義者向け」?

11月 26th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (今年、最先端のクリスマスクッキーは「ジェンダーレスでオーガニックで菜食主義者向け」? はコメントを受け付けていません)

'So this is what the world is coming to...' by zee-bra

こんにちは、maggy です。色づいた葉が美しい晩秋ですが、町もイルミネーションで色とりどりに華やいで、もうクリスマスが近いと感じさせられます。

これまでに「『Christmassy(クリスマシー)』!クリスマス気分いっぱいな英語表現」や、「マルドワイン、ホットトディ、エッグノッグ…外国に伝わる寒い冬の飲み物」をご紹介しましたが、今回は海外でクリスマスによく食べられるお菓子の最先端のニュースをご紹介します。

さて、皆さんは、ジンジャークッキーというお菓子を食べたことがありますか? ヨーロッパで広く見られる、人型をして、生姜や香辛料が練りこまれたお菓子です。クリスマスツリーのオーナメントにもよく使われます。英語では、ジンジャーマン(ginger man)、あるいはジンジャーブレッドマン(gingerbread man)とも呼ばれます。

先日、オーストラリアのメルボルンで、このお菓子の「世界最先端版」が発売され、話題になりました。それは写真(左上)のようなお菓子です。一見、普通のジンジャークッキーのようですが、こんなラベルが付いていたのです。

Organic genderless gingerbread figures – VEGAN
オーガニックで性別のない人型ジンジャーブレッド – 完全菜食主義者向け

man という英単語は「人」の一般名称として使われることがあります。しかし、この響きには、どうも男性中心なイメージが付いてまわります。例えば、これまで business man(ビジネスマン/実業家)を、女性の社会進出を背景に、性別は関係なく business person(ビジネスパーソン)と呼ぼう、などという議論がありました。今ではずいぶん浸透していますね。

このオーストラリアのお店は、ジンジャー man ではなく、男女どちらというわけでもない figures(人型)と名付けてます。さらにはオーガニックで完全菜食主義者向けと、さまざまな現代的な配慮がなされたクッキー、というわけです。

これを見たある人が、オンラインフォーラム「Reddit」に写真をシェアしました。こんなコメント付きで。

So this is what the world is coming to…
それで、これが世界が向かっている方向ってわけだ…

この投稿には、2,000 件以上のコメントが寄せられ、なかには「やり過ぎ」「頭でっかち」などの批判も多々。BBC はこの事態を、「焼き菓子への男性支配が、ついに終息を迎えた。しかし、すべての人が祝福しているわけではない」などと、やや冗談を交えて(?)報道しました(参考:BBC News – #BBCtrending: The organic genderless gingerbread debate)。

言葉というのは物事をどう捉えるかという社会の窓なので、あらゆる多様性に配慮し、平等にしたいものです。でも慣習というものも文化ですし、バランスが難しいですね。子どもに、これからはジンジャーフィギュアと呼ばせるのも、なんだか……。

丸みを帯び、中性的にも見える写真のジンジャーブレッドマン……おっと、違いました、ジンジャーフィギュア。あるいはジンジャーパーソン? 話のネタに、今年のクリスマスギフトにお一ついかがでしょう。

photo : So this is what the world is coming to… posted by zee-bra


高倉健先生一路走好

11月 19th, 2014 | Posted by liang in 小ネタ - (高倉健先生一路走好 はコメントを受け付けていません)

'railroad/線路' by Ai Amo

こんにちは、liang です。俳優の高倉健さんが亡くなったという報道がありました。

わたしはあまり映画に詳しくありませんが、主演映画『鉄道員(ぽっぽや)』での演技の素晴らしさにとても感動した記憶があります。

高倉健さん(高仓健 Gāocāng Jiàn/「ガオツァン・ジエン」のように発音)は、中国でも「硬汉」(男らしい、ハードボイルド/「汉」は「漢」の簡体字)の俳優として非常に有名です。

今回の死去のニュースに対して、中国外交部(外務省に相当)は「日中両国間の文化交流を促進するために、重要な、積極的な貢献をした」と高倉健さんをたたえて、「表示哀悼」と、哀悼の意を表しています。

また、日本・中国の合作映画『単騎、千里を走る。』(中国語タイトル : 千里走单骑)で、主演の高倉健さんと一緒に仕事をした張芸謀(チャン・イーモウ)監督をはじめ、中国芸能界の著名人たちが故人との思い出を語っています。

高倉健さん死去のニュースが中国国内で大きく報道されたことから、その死を悼む多くの中国人がインターネット上に

一路走好

という言葉を残しています。これは、「安らかに眠ってください」、「ご冥福をお祈りします」といった意味になります。

一路」は、「道中、道すがら」の意味で、「」は現代中国語では「走る」ではなく「歩く、離れる」という意味です。「走好」は人を見送るときに「お気をつけて」と言う場合に使います。

一路走好」(「イールー ゾウハオ」のように発音)という言葉はシンプルですが、故人に対する優しさが素直に伝わる、前向きで温かい言葉ですね

高仓健先生,一路走好。

photo : “railroad/線路” by Ai Amo


「Halloween(ハロウィーン)」や「Trick or Treat(トリック・オア・トリート)」の語源とは?

10月 31st, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (「Halloween(ハロウィーン)」や「Trick or Treat(トリック・オア・トリート)」の語源とは? はコメントを受け付けていません)

こんにちは、maggy です。本日はハロウィーンですね。日本でも年々人気が高まっているそうで、各地で仮装パーティーが開催されます。

魔女やゾンビに扮するのは楽しいですが、そもそもハロウィーンとはどんなお祭りなのでしょうか。その由来は古代ケルト人の風習が起源と考えられ、秋の収穫をお祝いし、悪霊を追い出すお祭りです。古代ローマ、キリスト教の文化と融合して今の形になっています。

古代ケルトでは毎年 10 月 31 日は 1 年の終わりの日、つまり大晦日にあたり、死者の霊が降りてくると考えられてきました。悪霊が悪さをしないように、かがり火を焚いたりしたそう。これが秋の収穫祭とも融合して、カボチャを飾ったり、悪霊の格好をするようになっていったのですね。日本で言うと、大晦日とお盆と秋の収穫祭が、一度にやってくるような感じでしょうか? なかなか盛りだくさんです。

Halloween(ハロウィーン)の語源は、ケルトのお正月にあたる 11 月 1 日の諸聖人の日(All Hallows)と関係します。ハロウィーンはこの日の前夜(Eve)であることから All Hallows’ EveHalloween と訛って(あるいは短くなって)呼ばれるようなったそう。

'Soul cakes for Samhain!' by Cy-V

子どもがお菓子をねだって家をまわるトリック・オア・トリート(Trick or Treat)の習慣は、中世にお祭り用の食料をもらって歩いた農民の様子を真似た名残だとか、古代ケルトの「ソウリング(Souling)」という、死者のための儀式に使うケーキを乞う習慣が由来だと言われています。ちなみにそのケーキは、ソウル・ケーキ(Soul Cake)と呼ばれていて、右の写真のような干しぶどう入りの食べ物です。こちらの画像検索結果にもあるように、干しぶどうなどで象られる十字が特徴 ※。しかしカボチャやお化けの形をしたお菓子(写真上のような)に比べて地味なせいか、今はあまり見かけないですよね!
※ ソウル・ケーキは、亡くなった方へのお供え物であり、ケーキの上野、十字はこどもや貧しい人に分け与えるものを意味しているそうです

Trick = いたずらですが、Treat にはお菓子のほかにも、ごちそう、特別な楽しみといった、広い意味があります。(to) treat myself (自分をもてなす = 自分にご褒美をする)という英語表現もあります(詳しくはこちらのバックナンバーをご覧ください:自分の時間 “me time” が足りない!)。

こうして語源や由来を辿ると、ハロウィーンは何も子どもだけのための行事では無いことが分かりますね。わたしも本日は、ハロウィーン仕様のカボチャ味のケーキを Special treat(特別な楽しみ)に、いただくとします。

それでは悪霊から身を守りながら、秋の実りの喜びにあふれる特別な日をお過ごしください。

photo : “Halloween Cupcakes” by tawest64 / “Soul cakes for Samhain!” by Cy-V


ロンドンのインターネット&無料 Wi-Fi 事情と東京五輪に向けて

10月 29th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (ロンドンのインターネット&無料 Wi-Fi 事情と東京五輪に向けて はコメントを受け付けていません)

こんにちは、maggy です。先日、連休にロンドンへ旅行にいく方に、「ロンドンって、どこでもインターネットが使えるの?」と聞かれました。

昨年、わたしはロンドンに半年間住んでいましたが、市内のカフェを転々しながら仕事をする、いわゆるノマドワークのようなことをしていました(取材や打ち合わせの前後に、カフェで執筆や調べ物をすることが多かったので、結果的にそうなりました)。
ノマド = nomad (遊牧民・放浪者)

ロンドンは町中に無料 Wi-Fi スポットがあり、スピードも十分速くて便利でした。そこで今回は、2013 年~現在のロンドン Wi-Fi 事情について、旅行、出張に行く方、そしてロンドン市内でノマドワークをしたい方に、ちょっとしたアドバイスをお届けしたいと思います。

ロンドン市内には、あちこちに無料 Wi-Fi スポットがある
ロンドンではスタバやマックをはじめとした大抵の大手チェーンのカフェやレストラン、そしてパブに無料 Wi-Fi があります。看板やショーウィンドウに Free Wi-Fi というサインが出ているので、チェックしてから入店しましょう。

他にも、主要なデパートや、ロンドンの赤い公共バスのなかにも、無料 Wi-Fi があります。ちなみにヒースロー空港は、登録手続き後 45 分間だけ無料で使えて、この制限時間を越えると有料利用の手続きが必要になります。

地下鉄(Tube)は有料、鉄道は運営会社によって無料・有料の双方がありました。いずれもクレジットカードがあれば、画面上の入力と決済で手続きができます。

The Cloud のアプリが便利
無料 Wi-Fi の利用には、名前、メールアドレス、住所の入力などの初回登録手続きが必要なことが多いです。一度登録すれば、設定したメールアドレス(ID)、パスワードの入力だけでログインできるようになります。

ロンドンのチェーン店で最もよく使われているのが、「The Cloud」という無料 Wi-Fi サービスです。毎回メールアドレス、パスワードを入力しなくても素早くログインできるようになる、「Fastconnect App」というアプリをダウンロードすると便利です。

PIN Number を教えてもらおう
チェーンではないお店に多いのが、パスワード(PIN Number/ピンナンバー)の入力のみが必要、というスタイルです。お店のスタッフさんに尋ねると教えてもらえます(お店のメニューボードの端っこに書いてあることや、レシートに印字してあることも)。

ロンドン到着当初は、モバイルブロードバンドのレンタルを考えていたのですが、結局、契約しませんでした(自宅にもインターネットがあったこともありますが)。「ロンドンの無料 Wi-Fi 便利!」「大英博物館のカフェなう」「ショーディッチなう」などと、浮かれて Twitter でつぶやいていた自分が、今となれば少し恥ずかしいのですが……それだけ便利で快適で、嬉しかったんだと思います。お店のサービスは、競争の激しいロンドンでお客さんの囲い込みのための戦略であり、公共サービスは 2012 年のロンドン五輪の開催時に、かなり整えられたと耳にしました。

さて、ロンドンに比べ、東京の通信事情の悪さに、やや驚いている今日このごろ。外国人旅行者からも、Wi-Fi を利用できるエリアが少ないという不満の声も上がっているそうですね(参考:日本観光「WiFi 使いづらい」整備遅れて外国人不満:朝日新聞デジタル)。東京五輪に向けて改善していけばいいのですが。

「Tokyo は kawaii!」「Cool!」など、外国人旅行者目線での新発見をたくさんつぶやいていただき、世界中でバズってほしいです。

おまけ :「スピード翻訳」は、オンラインで 24 時間 365 日、ご依頼を承っています。翻訳が必要なときは、海外の出張先や旅行先からもご利用ください♪

photo : “free wifi” by Ambernectar 13


台北の秋葉原へ、自撮り棒探しに行くの巻。

10月 22nd, 2014 | Posted by xiaofan in 小ネタ - (台北の秋葉原へ、自撮り棒探しに行くの巻。 はコメントを受け付けていません)


大家好! xiaofanです。

この夏、京都へ旅行する機会がありました。外国人観光客の多い京都、JR京都駅の観光協会には英語、韓国語、中国語の簡体字版、繁体字版とガイドブックが揃っていて、その魅力を伝える努力がなされていました。おまけに、相談員さんに滞在時間が限られているんだけど、二条城と清水寺、それから金閣寺を回りたいのだと相談すると、閉館時間や交通などを勘案した上で、ルートを提案してくださいました。プロだなあ、と感動しながら楽しんだ京都の旅でした。

その京都の観光名所ど真ん中で頻繁に見かけたのが自撮り棒です。棒の先にスマホを付けることができ、手元でシャッターを押すことができます。わたしたちは二人旅だったので写真を撮るとなると、誰かに撮ってもらうか、相手を撮るか、無理矢理自撮りしてちょっと残念な写真を我慢するか、の選択肢しかありませんが、自撮り棒なら自由自在! 「ちょっと、あれ欲しいね……」と羨ましく思っていたのでした。

この自撮り棒、台湾でも「自分で撮影する棒」の意味で、自拍棒と呼びます。英語では Selfie Stick。意味としては、世界共通ですね。
Selfie については、こちらの記事をどうぞ

台湾へ戻ってきて、街中でも自撮り棒を見かけるようになりました。アレコレ聞いてみると、電器屋さんや夜市で売っているとのこと。そこで行ってきました、自撮り棒探しの旅。向かった先は、台北の秋葉原光華商場です。

台湾は実は IT 産業が盛んです。シャープとの提携話が話題になった鴻海、日本の携帯市場ですでに広く認知されている HTC、タブレット市場で伸びている ASUS など、大手の電子産業が隆盛なのは、数十年前から政策として工業に力を入れてきたからです。国立台北科技大学のすぐそばには電気街があり、多くの学生がここに足を運ぶのだとか。その電気街を代表するのが光華商場です。さながら日本のヨドバシカメラか、はたまた秋葉原ラジオセンターを思わせる光華商場は、地下 1 階、地上 6 階のビルの中には大小さまざまなテナントが軒を連ね、所狭しと商品をお客さんに売ります

目指す自撮り棒は、ビルの中のあちこちで売られていました。大きく分けて種類は二つ。ざっとまとめてみましょう。

一体型 : リモコンと棒が一緒 400 元〜 ズーム有
分離型: リモコンと棒は別 計 250 元〜 ズーム無
※ 1 台湾元 = 約 3.5 円(2014/10/21 現在)

ズームの有無は大きな違いですが、使っている知人の話によれば、分離型のメリットは、故障の際にリモコンの買い替えだけで済むこと、大勢の撮影でリモコンと棒の距離を考えなくてよいのだそう。また、お店の人の話によれば、自撮り棒は台湾では製造されておらず、製造元はすべて中国だそう。

リモコンは Bluetooth でつなぐ(ペアリングする)だけ、スマホの OS が iOS だとそのままカメラで撮影できました! とっても簡単です。ただ、Android では Camera360 というアプリが必要でした(他にも対応アプリはいろいろあるかも)。リモコンは、棒のあるなしに関係なく、シャッターとしてだけでも使えるので、三脚などをお持ちの方はリモコンの購入だけでもよいかもしれません。

さて、これで次の旅は「あの、シャッター押していただいてもいいでしょうか」と言わなくても済みそうです。以上、繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

おまけ :「スピード翻訳」では、自撮り棒の販売は行っていませんが、24 時間 365 日、中日・日中・韓日・日韓の翻訳を受け付けております(もちろん、英日・日英翻訳も)。プロの翻訳者のご用命は「スピード翻訳」にお任せください。


ボブヘアー(ボブカット)のボブ(bob)とは? 意外と古い英語の語源

10月 17th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (ボブヘアー(ボブカット)のボブ(bob)とは? 意外と古い英語の語源 はコメントを受け付けていません)

こんにちは、maggy です。しばらく伸ばしていた髪の毛を短くカットして、ボブヘアーにしました。そのままでもいいし、アレンジも楽しむこともできて便利なので、あれこれ変えても、結局はいつもボブに戻ります。

ところで、このボブヘアー、あるいはボブカットと呼ばれる髪型。名称の「ボブ」って何なんでしょう。あるいは、誰なんでしょうか。少し調べてみました。

まず、英語では、bob haircutbob hairstylebobbed style、または単に bob と言います。

英語圏の男性の名前の Robert(ロバート)を、短縮形にして Bob(ボブ)という愛称がありますが、どうやらこれは関係ないようです。

語源は古く、16 世紀頃には “a horse’s tail cut short(馬の尾を短くカットする)” という意味で、bob という単語が使われていたとか。葉の房(cluster)を意味する、14 世紀半ばには記録されている bobbe という単語やゲール語の babag が起源とも考えられているのだそうです(参考:Online Etymology Dictionary)。

ボブと聞くと、どうも新しいもののようなイメージを持っていたのですが、思ったよりも、英語自体は古いんですね。というのもボブといえば、1920 年代に女性の社会進出の象徴として一世を風靡した髪型。例えばお針子さんからファッションデザイナーとなり、実業家として活躍したココ・シャネルや、女優のルイーズ・ブルックスなどが愛した髪型です。この頃は前髪(bangs)を作り、シャープなラインのボブが主流でした。おかっぱみたいですよね。

その後、1930 年代には少し長めのショートや、前髪を横に流したショートカットもボブと呼ばれ、その範疇が広がったそうです(参考 : A complete history of the bob hairstyle)。

そういえば昨年、ロンドンのある有名美容室で、カットモデルをやったことがあります。スタッフ全員が、ほとんどボブ。当時、肩よりも長かった髪型をしたわたしも、「背が低いのでもっと短くした方がいい」と、シャープなボブにされました。

ちょっと思い切りすぎたかなと戸惑ったものの、ボブはロンドンの友人知人に好評を博しました。ロンドンは多国籍な街ですし、海外からの観光客も多いので、トレンドだったのかどうかははっきり分かりません。しかしボブを褒めるロンドナーには、女性が活躍する社会への前向きな気持ちが込められていたのかも。

アベノミクス成長戦略、「女性が輝く日本」の実現に向けて、さて、日本でボブヘアーが大流行したりするのでしょうか?

おまけ :オンラインサービスなので現在ボブヘアーかどうかは確認できませんが、「スピード翻訳」では、国際的な女性の翻訳家が多数活躍しております。ご依頼、お待ちしています。

photo : “long asymmetrical bob with layers 2” by Maria Morri


バベルの塔 ~ 世界の言語の分断

10月 9th, 2014 | Posted by maki in 小ネタ - (バベルの塔 ~ 世界の言語の分断 はコメントを受け付けていません)

こんにちは、maki です。「バベルの塔」というエピソードはご存知でしょうか?『旧約聖書』の「創世記」に登場する大きな塔です。天にも届くような建造物で、人間がこれを作ったことが神の怒りに触れ……というストーリー。

「創世記」には「全地は同じ発音、同じ言葉であった」と書かれています。また「時に人々は東に移り、シナルの地に平野を得て、そこに住んだ」とあります。つまり、人たちは皆、シナルの地に住み、全員同じ言葉でコミュニケーションしていた……ということになります。それをよしとしなかった神は、「彼らの言葉を乱し、互に言葉が通じないようにしよう」と考え、言語をバラバラにし、人類をも世界各地に分散させて住まわせました。迷惑な話ではありますが、神様のすることなので仕方ないのかな。

比較言語学では、世界の言葉は、アフロ・アジア祖語、アナトリア祖語、北西コーカサス祖語、南コーカサス祖語、バスク祖語、ドラヴィダ祖語、印欧祖語、トルコ祖語、モンゴル祖語、ウラル祖語、チュクチ・カムチャツカ祖語、パマ・ヌーガー祖語、オーストロネシア祖語、タイ・カダイ祖語、チベット・ミャンマー祖語、、ミャオ・ヤオ祖語、オーストロアジア祖語、エスキモー・アレウト祖語、、アルゴンキン祖語、イロクォイ祖語、ユト・アステカ祖語、アステカ祖語、オト・マンゲ祖語という言語の源流とも呼ぶべきグループに分類されるようです。そして、これらを元として、3,000 種とも 8,000 種とも言われている言語に分れています。世界の国々で国語・公用語と制定されているものだけでも、97 言語ほどあります。97 でも多いですね。
※ 参照 : Wikipedia – 祖語 / Wikipedia – 言語

全世界のさまざまな国で 100 万人ほどの人によって話されている言葉があります。1887 年にルドヴィコ・ザメンホフによって作られたエスペラント。ザメンホフの理想は、世界中の人の誰にとっても学習が容易なすべての人のための第 2 言語としてエスペラントを広めたいと考えていたようです。とはいえ、ラテン語などのヨーロッパ言語をベースに考案されたものであるため、日本人には敷居が高いですね。聞いたことも見たこともない言語だと思っていましたが、昔見た『銀河鉄道の夜』のアニメーション作品(1985)では作中にいろいろなエスペラントが出てきていたと後に知りました。ラテン語かな……と思っていたのですが、ちょっと違いました。『銀河鉄道の夜』は、エスペラントでは Nokto de la Galaktia Fervojo と訳されています。いかにもヨーロッパ言語(ラテン語)っぽいですね。原作にはエスペラントは使用されていないですが、宮沢賢治自身もエスペラントに傾倒していた時期があるようなので、いい演出ですね。

いまや、英語から派生した グロービッシュ(Globish)が話題です。文法も平易で、語彙も使用頻度の最も高い英単語 1,500 語を使用する実用的なコミュケーションツールですね。これなら、自分でもマスターできるかな?

翻訳をビジネスにする多くの人がいて、会社も存在します。(間接的には?)神様のおかげで我々は日々の糧を得られているのか……と思うと、複雑な気分です。機械翻訳が進化し、ドラえもんの「ほんやくコンニャク」が実現したら、また神様に怒られてしまうのでしょうか……。

photo : “The_Tower_of_Babel” by Pieter Bruegel the Elder


英国のオンラインテレビ出演で噛み噛み赤っ恥!

10月 7th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (英国のオンラインテレビ出演で噛み噛み赤っ恥! はコメントを受け付けていません)

こんにちは、maggy です。実りの秋に食欲の秋。しかも海外から帰国したばかりですから、日本の食べ物がおいしくてたまりません。

先日、都内商店街で秋の味覚を物色していたところ、グルメ番組のロケ班らしき人たちが街頭インタビューを行っていました。テレビ出演を頼まれましたが、すみません。「栗団子を手にテレビに出てたでしょ?」なんて、田舎の遠い親戚あたりに言われるのはごめんですから、お断りしてしまいました。

さて、おいしい食べ物には目のないわたし。英国では、Taste of London(テイスト・オブ・ロンドン)というフードフェスティバルに行ったことがあります。ロンドンの五つ星レストランや注目の食材が一堂集まります。※英国観光庁さんの公式ブログで、当日の様子をリポートしたこともあります。詳しくはこちら:Friday Food Club ~ イギリスのフードフェスティバルに参加しました!(Britain Park)

会場にはテレビ局の人たちもたくさん来ていました。わたしが絶品な英国チーズの試食を堪能していたところ。突然、大きなカメラを持ったお兄さん二人組に話しかけられました。

「君、このイベントは何回目?」
「イギリス料理は好き?」
「自分のこと fine dining lover(美食家)だと思う?」

日本では世界のさまざま国の食が手軽に手に入りますよね。各国のバラエティを楽しんできたし、舌が肥えているでしょうから、外国に比べて、現代日本人は総じて美食家なのではないかと思います。ということで、わたしも自称・美食家ではないか……というウンチクを語りました。

「いいね、よし。じゃあ今のセリフ、このカメラとマイクに向かって言ってくれない? こんな感じで。

“I’m from Japan. I’m a fine dining lover because I enjoyed the variety of food.
(わたしは日本から来ました。多様な食事を楽しんできた美食家です。) 」

異国ならば、テレビに出演しても日本の誰の目にも触れることはないでしょう。旅の恥はかき捨て。意を決して大きなレンズに挑みました。

「あ、あいむ…あ……だ、ダイイング、ファイン、ラバー! あれ? ファイン、ダイイング、ラバー! え? ファニング、ダイン、ラバー???」

緊張のせいか、fine dining lover(美食家)の部分のダイニング(dining/食事をする)を、ダイイング(dyeing /死にかけている)だとか、fine と dining が混じってファニングだとか、何度も言い間違ってしまったのです。皆さんも口に出して言ってみてください。言葉遊びのように、非常に言いにくいのです。

「O.K. 落ち着いて。fine dining lover、fine dining lover。さあ、繰り返して」

20 回くらい練習させられましたでしょうか。無事に撮影を終えたとき、あまりの嬉しさにお兄さんたちと飛び上がって喜びました。ああ、fine dining lover!  私はこの言葉を、一生忘れないでしょう。

すると突然、お兄さんたちが名刺を渡してきたのです。

「僕たちはフードブロガーで、グルメのオンラインマガジンとテレビ番組を作ってるんだ。検索してみて、“Fine dining lovers” って。」

彼ら二人の正体は、有名フードブロガー。彼らが運営するサイト(ウェブマガジン)の名前が Fine Dining Lovers(https://www.finedininglovers.com/) だったのです!

この 2 人、この後も次々と来場者に声をかけていましたが、彼女彼らもまた、噛み噛みだったのでした。さてはサイト名を何度も言わせることで覚えさせ、さらには番組の収録と宣伝を兼ねるという戦略だったのでしょうか……? 

怖くて未だに、自分の放映姿は確認しておりません。

おまけ :「スピード翻訳」は、お客さまにサービス名を何度も言わせたりはしませんが、翻訳が必要なときは思い出してくださいね。


台湾で中国語を学ぶ際に注意したい辞典の話。

10月 3rd, 2014 | Posted by xiaofan in 小ネタ - (台湾で中国語を学ぶ際に注意したい辞典の話。 はコメントを受け付けていません)

大家好! 立秋が過ぎましたね。そういえば、留学して授業が始まったのはこの時期だった、と思い出す xiaofan です。

台湾で中国語を学ぶ際、一つ問題になるのが辞典選びです。紙の辞典、電子辞書、WEB 辞書、アプリなど、今ではさまざまなツールがありますが、このうちどれを選ぶのかは実は悩ましいのです。

というのも、繁体字の辞典は残念ながら選択肢が多くなく、中国語学習者向けの中日辞典の多くは簡体字が使用されています。言語情報も中国大陸がベース、記載されている例文もすべて簡体字というのは、繁体字圏の中国語学習者には大きなハンディです。

電子辞書はどうかというと、紙の辞典のデータが元になっていることが多く、作っているメーカーは違っても情報や内容は原典が同じ紙媒体ということが往々にしてあります。辞典はピンイン検索が基本で、文字の読み方を正確に知らなければたどり着くことができませんでした。ただ、最近は手書き機能が追加されて、だいぶ解消されてきましたが。

反対に、WEB 上の辞典やスマートフォンのアプリは、手書きで文字を検索し、その文字の音を表記から確認することはできます。ただ、問題なのは意味です。ざーっくりとしたなんとなくの理解に役立つことはあっても、信頼性という観点から現時点では少々心もとない。そこで、語彙がどんどん増えていく中級以上の学習者におすすめの選択肢が日本語の漢和辞典台湾の国語辞典です。

日本語の漢和辞典は、入門から初級の学習者におすすめです。日本で使用されている漢字は、中国から渡って来て長い長い間に日本でローカライズされ、使用法や意味が違っていることがあります。ただ、漢和辞典を引いてみると(あ、元々こんな意味があったんだ!)と漢字の理解を深める瞬間が少なくありません。以前お伝えした「当」の字もその一例。高校の漢文の授業でしか引かなかった漢和辞典、一度ひっくり返してみてください。思わぬ発見がありますよ。

中級以上の学習者におすすめなのは、台湾の国語辞典、つまり中中辞典です。語彙が増え、一つ一つの違いを厳密に理解していくには、ある語の言い換えも含めてやはり繁体字で触れていく機会を増やしたいものです。ただし、ここで立ちはだかる問題があるのです。それは、台湾の国語辞典は注音符号(ボポモフォ)の理解が必要だ、ということ。

以前の記事(台湾に「ひらがな」がある?!)でもご紹介しましたが、台湾には台湾のひらがな、といえる文字があります。それが注音符号です。文字を探したいときは部首引きと画数でたどりつけますが、音の表記が注音符号です。したがって、発音を知りたい、となると、この注音の理解は欠かせません。ただし、子ども向けの辞典の中には、注音だけでなくピンインも併記されているものがあります。

いずれにしても、学習段階や自分の語学力、あるいは興味にあわせて辞典を選ぶこと。これは語学学習者にとって自分の力をより確かにしていくためにも必要な技かもしれません。

繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

おまけ :「スピード翻訳」では、辞書の販売は行っていませんが、24 時間 365 日、中日・日中・韓日・日韓の翻訳を受け付けております(もちろん、英日・日英翻訳も)。プロの翻訳者のご用命は「スピード翻訳」にお任せください。


P と Q にはとにかくご注意! 英語の慣用句「Mind your P’s and Q’s」

9月 29th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (P と Q にはとにかくご注意! 英語の慣用句「Mind your P’s and Q’s」 はコメントを受け付けていません)

こんにちは、maggy です。最近、文字を書くときはパソコンかスマホとタイプ打ちばかり。久しぶりに手書きで書類を作ったら、平仮名の「め」と「ね」を書き間違える、という実にマヌケなミスをしました。

しかし、このことを周囲に白状すると、「『め』『ね』『む』『ぬ』は、ややこしいよね」「わたしもよく間違う」と、意外にも共感が集まりました。日本語の未来が心配にすらなりました。

そういえば英語の「Mind your P’s and Q’s(P と Q に注意)」という慣用句はご存知ですか。「言動に注意しなさい」という意味になります。

大文字で書くとピンと来ませんが、小文字だと分かりすいかもしれせん。

pq に注意

そう。この 2 つのアルファベットは、似ていますよね。書き間違えないように気を付けなければ、という感じがします。

実はこの慣用句の語源は奥深くて、諸説あるそうです。そのうちの一つが、印刷用語から来たという説。昔、一般的だった活版印刷では、左右反転になっている活字を組んで版を作りますよね。このときに新米は p と q を間違いやすかったので、こうしてよく注意したことから来たとか。

もう一説はパブ用語。お酒の量を示す英語に、クオート(quartパイント(pintがあります。クオートはアメリカでは 0.946 リットル、イギリスでは 1.136 リットルのことで、パイントはそれぞれその半分の量を指します。

イギリスのパブにて、「勘定はつけといてくれ」なんてときに、客の飲んだ酒の量を pq と表したことから、後でどちらだったかわからなくならないように……という意味で使ったとか。あるいは、大酒飲みに対して「あまり飲み過ぎないようにね!(p の方にしておきなさいよ)」のような意味で使われたとも言われています。

英語ネイティブの方々に聴いてみたら、まだまだ山ほどの諸説があるそうです。いずれにせよ p と q はあまりにややこしく、きっとさまざまな時代と場面で、いろんな人を困らせてきたのでしょう。

デジタルのタイプ打ちになってからというもの、こうした活字ミスはあまりないかと思います。でもタイピングミス、コピペミス、添付忘れ、その他デジタルならではのありがちなミスってあります。

スピード翻訳」はオンラインで一括してご依頼から受け取りまでご利用できます。うっかりミスがないよう、ご依頼の際はどうぞお気を付けて!

photo : “Minding one’s P’s and q’s” by Nathan Willis