Author Archives: xiaofan

お正月が 2 回ある!? 「あけましておめでとう」を中国語でどうするか

2018/03/08 | Posted by xiaofan in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

大家好! xiaofanです。明治維新から 150 周年となる 2018 年。NHK大河ドラマでは幕末で大いなる活躍をした『西郷どん』が始まり、明治維新とは何だったのかを考える絶好のタイミングです。言うまでもなく社会全体が様変わりした明治維新ですが、台湾に住んでみて改めて考えると大変なことだったと思うのが、それまで日本でも使われていた旧暦からグレゴリオ新暦を採用した時間の改革です。

台湾にある 2 つのお正月

ここ台湾には 2 つの時間軸が存在しており、それに伴ってお正月を 2 回迎えます。

1 つは、國曆(guólì)と呼ばれる日本と同じグレゴリオ新暦で 1 月 1 日から 12 月 31 日までの時間軸です。

12 月 31 日から 1 月 1 日は、跨年(kuànián)といわれ、台湾のランドマークタワー・台北101で行われるカウントダウン花火や、台湾各地でのコンサートは年越しのイベントとして定着しています。1 月 1 日こそ祝日として休みますが、それを過ぎるとあっさりと街は普段の顔を取り戻し、通常営業になります。日本だと、一般的には「年越しライブ」などのように「年越し」がよく使われる表現ですが、その月のうちに終わらないで翌月にわたる状態のことを「月をまた」 / 「また」と言いますね。年を跨ぐ場合は、「年をまた」 / 「また」で、まったく同じ漢字で表現しますね。

もう 1 つは、農曆(nónglì)と呼ばれる旧暦の時間軸です。台湾における正真正銘のお正月は、この旧暦で迎え、春節(chūnjié)あるいは、過年(guònián)と呼ばれます。

例年、春節の前ともなると、市場などではお正月食材や年菜(niáncài)と呼ばれる年越し料理が売られますし、紅包(hóngbāo)と呼ばれるポチ袋、春聯(chūnlián)というお正月飾りに、賀年卡(hèniánkǎ)というメッセージカードが売り場に置かれ、街のあちこちが鮮やかな赤い色に染まります。モノや風習はあれこれ違うものの、日本の師走シーズンと考えると、気ぜわしさや街が浮き立つような様子は同じといえます。

大晦日にあたる除夕(chúxī)から、初五(chūwǔ)と呼ばれる年明け 5 日までの 1 週間ほどがお正月休みにあたります。大掃除をし、玄関などを飾り付け、家族で集まって食事をいただく一連の流れも大いに共通するものを感じます。

新年の挨拶をどうするのか

日本では、1873 年 11 月に明治政府から突然「明治 5 年 12 月 3 日を明治 6 年 1 月 1 日とする」とお達しが出て新暦へと一気に変わり、今では旧暦のお盆を迎える地域を残す程度にまで変わってしまいました。もちろん旧暦にあった二十四節気が完全になくなったわけではありませんが、言ってみれば日本は政府が暦を強引に切り替えたわけです。その裏には、こんな明治政府のお財布事情があったとは……。
Cf. 暦は知れば知るほど、奥が深い学問ですね – かしこい生き方のススメ : COMZINE by nttコムウェア(暦研究家・歴史家・岡田芳明さんインタビュー)

これに対して台湾は、世界の一員として共通の暦を採用しつつも、自分たちの伝統を残して共存させる道を選択したということができます。これは正否の問題ではなく、あくまでも選択の違いに過ぎません。

さて、ここで気になるのが、2 つのお正月の挨拶をどうするのか、ということです。日本語にある新年の挨拶は、年賀状における書き言葉はさておき、基本的に「明けましておめでとうございます」しかありません。中国語ではどう言えばいいのか。何しろ、1 月 1 日に「新年快樂!(xīnnián kuàilè)」と使ってしまうわけです。2 度とも同じなのか、あるいは 2 月には別の言い方をするのか、と思っていたところへ、台湾人の仕事仲間からメールが届きました。

快樂!(xīnchūn kuàilè)

なるほど! 新しい春という節目を迎えるから「快樂」。膝を打ちました。

念のために申し添えますが、皆が皆、こんなふうに言い換えているわけではありません。どちらのお正月も新年快樂!」と挨拶する人もいます。いや、むしろそちらが多数を占めています。ただ、時期も過ごし方もまるで違うのですから、せっかくならば言い換えておきたいところです。
※ ちなみに、台湾で使われているのは、日本の旧字に近い繁体字。中国本土などで使われるのは、簡体字。簡体字の場合、新年快楽(日本の漢字表記)は、新年快乐と綴ります(そのまま使えます)

以前にも「明ける前から祝っちゃう!? 中国語の「新年快樂」の使い方。」として、「新年快樂」をどう使うかに違いがあることをご紹介しましたが、いずれにしても、新年も新春も 1 年の大きな節目として大事に過ごしたいですね。以上、繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

おまけ :中国・台湾・韓国・ベトナムでは、現在も大々的にお正月を祝うのは、旧暦のお正月。華僑の人たちの多いシンガポール・マレーシア・インドネシア・フィリピンでも国の休日となっているようです。「スピード翻訳」では、新暦も旧暦も、24 時間 365 日、中日・日中・韓日・日韓の翻訳を受け付けております(もちろん、英日・日英翻訳も)。プロの翻訳者のご用命は「スピード翻訳」にお任せください。


明ける前から祝っちゃう!? 中国語の「新年快樂」の使い方。

2016/02/03 | Posted by xiaofan in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

'Happy New Year !' by 黃毛 | YELLOW Mao

大家好! xiaofan です。今日は、2 月 3 日。節分です。日本では年も明けて、もうだいぶん時間が経ったような気もします。ここ台湾では尾牙(wěi yá) と呼ばれる集まりが続いています。尾牙とはつまり忘年会のこと。えっ、今頃?と思うかもしれませんが、台湾をはじめ、中国、韓国、シンガポール、マレーシアなどのアジア各国では、旧暦のお正月で新年を祝うのが一般的。西暦の変わり目で新年を迎える概念と習慣の日本のほうが、アジアでは少数派といえます。

今年の旧暦のお正月は 2 月 8 日。台湾では、旧正月前のこの時期が日本の年末にあたります。年終獎金(niánzhōng jiǎngjīn)と呼ばれるボーナスの支払いもあれば、休みに向けて仕事が立て込むのも同じですし、年菜(niáncài)と呼ばれるおせち料理の準備もしますし、大掃除だってあります。さらにデパートでは歳末セールで割引があちこちで行われ、迪化街という問屋街は年越しのアメ横そっくりの賑わいを見せます。

'迪化街年貨大街' by Dean Lin

そんなわけで、このところ夫の尾牙に参加する機会が増えています。職場の尾牙では社長や同僚の皆さんやそのご家族と一緒にご飯をいただき、仕事仲間の尾牙では多いに飲み笑う、という感じです。その尾牙でのこと。先輩がグラスを片手にこう言いました。

新年快樂!(xīnnián kuàilè)

教科書通りに、明けましておめでとう、と日本語訳してしまうのは適当ではない、とはっきりとわかった瞬間でした。そういえば 12 月のある日、近所のお店でランチをいただいていたら、店のご主人がお客さん一人一人に「新年快樂!」と言っていたのを思い出しました。

両者は、旧暦と西暦、暦の概念こそ違えど年が移り変わる時期だという点は共通です。

日本語にも、年が明ける前から使用するあいさつがありますので、上の場面の訳は「明けましておめでとう」ではなく「よいお年を」と考えるほうが自然です。逆にいえば、中国語の「新年快樂」は「よいお年を」から「明けましておめでとう」の両方をカバーするということになります。言い換えれば 12 月中旬くらいから 2 月中旬までこのひと言がよくやり取りされる、ということでもあるわけです。うーん、なんともフレキシブル!

ある言語を別の言語に訳すという作業は、単に言葉を置き換えることを意味するのではありません。ある言語が使われている文脈や使用場面をしっかりと理解し、それを対象言語の文脈や使用場面ではどういう言い方をしているのかを踏まえた上で、さまざまなバリエーションの中から訳出しを行い、言い換えを決めていくという作業です。

たかが新年のあいさつ、されど新年のあいさつ。常套句だからこそ、その訳には気を付けなければならないなあ、と思ったのでした。

今週末から台湾はお正月休みに入り、2 月 7 日が大晦日、8 日に新しい年を迎えます。今度は申年。中国語では猴年(hóu nián)と書くので、「猴年吉祥(jíxiáng)」「猴年大吉(dàjí)」と書かれた新しい年に福が訪れるよう願う札が家々の軒先に貼られています。

それでは、祝大家(zhù dàjiā)新年快樂!(皆さん、よいお年を) 以上、繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

おまけ :ちなみに、台湾で使われているのは、日本の旧字に近い繁体字。中国本土などで使われるのは、簡体字。簡体字の場合、新年快楽(日本の漢字表記)は、新年快乐と綴ります(そのまま使えます)。「お正月が 2 回ある!? 「あけましておめでとう」を中国語でどうするか」で、新暦と旧暦での「あけましておめでとう」の言い方のバリエーションをご紹介しています。必ずこのように言う……というわけではないのですが、ご参考までに。

スピード翻訳」では、台湾の年末年始にかかわらず、24 時間 365 日、中日・日中・韓日・日韓の翻訳を受け付けております(もちろん、英日・日英翻訳も)。プロの翻訳者のご用命は「スピード翻訳」にお任せください。


中国歴史ドラマにみる中国語の一人称表現の豊かさ

2015/06/29 | Posted by xiaofan in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

city

大家好! xiaofanです。語学習得に生かすためにテレビドラマを観ている、という方も多いのではないでしょうか。ドラマは、用いられる表現だけでなく、セリフの間合い、声のトーン、表情や相手の反応など、市販教材には盛り込まれない情報が満載です。脚本がよければ「続きを観よう」というモチベーションのおまけまでついてくる、一石何鳥にもなる素材ですね。

さて、中国語ドラマでは歴史モノが熱い!です。台湾で今、まさに放送されているのは、則天武后を主人公にした《武媚娘傳奇》です。日本でも放送されて話題になった作品といえば、清代の後宮の様子を描いた『宮廷の諍い女』(原題:後宮甄嬛傳)、現代女性が 9 人の皇子が跡目争いを繰り広げる真っ只中にタイムスリップする『宮廷女官 若曦(ジャクギ)』(原題 : 步步驚心)、三島由紀夫もその小説の題材にした『蘭陵王』、さらには日本でお馴染みの魏呉蜀の群雄が割拠する『三国志』(原題:三國)など、さまざまな作品が挙げられます。

これら作品を観ていると、中国の歴史の豊饒さに圧倒されつつ、現代では使われない表現がたくさんあることに気がつきます。中でも大きく違う点は、その一人称表現です。中国語で「わたし」というと「(wŏ)が現代語の代表格ですが、歴史ドラマには「わたし」にあたる表現がたくさん出てきます。代表的な一人称をご紹介しましょう。

一人称 その一人称を使える人
(zhèn) 皇帝
哀家(āi jiā) 皇太后、皇太子妃。ただし、夫を亡くした者のみ。
本宮(běngōng) 皇后、貴妃、姫など
末將(mò jiāng) 武将が上官に対して用いる
(chén) 官吏が仕えている主人に対して用いる
在下(zàixià) 一般的な一人称表現。文官、軍師、武将など広く使う
奴才(núcái) 宦官が皇帝に対して用いる
奴婢(núbì) 女官が皇帝や仕えている貴妃に対して用いる

こうして整理してみると、一人称によって、主従関係やその人の立場や職位が明確化されることがよくわかります。日本語では、敬語を使って文末を言い分けながら相手との関係性を表現しますが、中国語では、一人称で関係性を言い分けています。このことはつまり、アプローチは違っても、自分と相手との距離感を言語化する、という意味では共通していると考えられます。もっとも、中国語の表現はどれも使われなくなってしまったので、想像でしかないのですが。

日本語は一人称の表現が豊富な言語だといわれます。ちょっと考えただけでも、私、俺、僕、あたし、わし、うち、身ども、小生、当方、予、拙者など、その豊富さは特有のものだとされてきました。実は中国語にも豊かな言い回しがあったんですね。ちなみに、最近の台湾では、ネットでよく見られる一人称表現「(ǒu)」もあるのだとか。

歴史ドラマでは、とりわけ時代考証やセット、衣装などに注目がいきやすいですが、こういった表現の違いにも気をつけてみると、中国語の世界がぐっと広がります。

以上、繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

photo : “city” by Maki

おまけ :「スピード翻訳」では、ドラマの字幕翻訳も含め、24 時間 365 日、中日・日中・韓日・日韓の翻訳を受け付けております(もちろん、英日・日英翻訳も)。プロの翻訳者のご用命は「スピード翻訳」にお任せください。


中国語でポジティブな「こだわり」をどう言う?

2015/06/10 | Posted by xiaofan in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

'Restaurant Window' by SomeDriftwood

大家好! 気温が高くなり、夏が来たと思ったら、連日の雨。東京もついに梅雨入りしてしまいましたが、台湾は日本よりひと足早く、雨季に入っています。この時期の雨は台湾でも梅雨(méiyŭ)と呼ぶのだそうで、少し前までお店に並ぶ野菜の中には、やや小ぶりの梅が並んでいました。台湾でよく見る梅といえば、ドライフルーツになった干し梅。特に常温の紹興酒に入れて飲むのが人気です。台湾暮らしの長い日本人の友人の中にも「これ無しでは飲めない」という人もいるほど。こうした食に対するこだわりは、日本と台湾にかかわらず、よく見られることです。

さて、この「こだわり」「こだわる」を日本語の国語辞典で引くと、こんなふうに説明されています。

1 心が何かにとらわれて,自由に考えることができなくなる。気にしなくてもいいようなことを気にする。拘泥する。 「金に-・る人」 「済んだことにいつまでも-・るな」
2 普通は軽視されがちなことにまで好みを主張する。 「ビールの銘柄に-・る」
3 物事がとどこおる。障る。
4 他人からの働きかけをこばむ。なんくせをつける。

出典:こだわる – 大辞林 第三版(三省堂)。ただし 3 と 4 は説明のみ抜粋。

こんなふうに、もともとはどちらかというと、ネガティブな文脈で用いられることが多い語でしたが、最近は「こだわりの食材」「料理長のこだわり」といった、その姿勢をポジティブにとらえた例がよく見られるようになりました。では、こういった前向きのこだわりは、中国語でどう言えばいいのでしょうか。

一般的に「こだわる」の中国語訳として紹介されるのは拘泥(jūnì)が多いようです。日本語でもお馴染みの単語ですね。ただしこれも日本語のこだわり同様、拘泥形式(形にこだわる)、拘泥原則(ルールにこだわる)といった若干、ネガティブな意味合いが強いようです。では、好評価の場合はどうでしょうか。中国語のポジティブなこだわりには、堅持(jiānchí)もしくは講究(jiǎngjiū)を使いましょう。

對製法的堅持 作り方へのこだわり
對鵝肉的講究 ガチョウ肉へのこだわり

ただ、この両者には使い分けがあります。前者(堅持)は、まず決めたことがあり、それを譲ることがない、という意味合いであるのに対し、後者(講究)は完璧を追い求めていくことを表します。漢字からも日本語の堅持する、つまり、一つのものを堅く持ち続ける様子が、また意味を解き明かす「講」によってものごとを研究する様子が、伝わってきます。

上記の例でいうと、製法という自分なりのルールに基づくため堅持を用い、たくさんあるガチョウ肉からパーフェクトな肉を選ぶため講究を用いるのが適当、ということになります。

では、翻訳という道を貫くこだわりは堅持、よりよい言葉を探していくこだわりは講究、ということになりますね。よりよい翻訳を目指しつつも、拘泥ではなく、柔軟に取り組みたいなあとも思うのです。

繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

photo : “Restaurant Window” by SomeDriftwood

おまけ :「スピード翻訳」では、道を極めて一語一語にこだわるプロが、24 時間 365 日、中日・日中・韓日・日韓の翻訳を受け付けております(もちろん、英日・日英翻訳も)。プロの翻訳者のご用命は「スピード翻訳」にお任せください。


変でおかしくちょっと変わった中国語の言い分けを考える

2015/05/26 | Posted by xiaofan in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

アジサイ hydrangea

大家好! このところ半袖ばかりの xiaofan です。連日真夏並みの気温になったと思ったら、雨が続き、そしてまた晴れ、とお天気がクルクル変わります。夏に定番のスコールも始まり、5 月なのに台風がすでに 7 号だって話ですし。沖縄地方も 05/20 に梅雨入りしたようですね。石垣島や西表島などの先島諸島と同じ緯度の台湾もそんな季節になったんですね。天気予報を見ていると、家人がぽろっと言いました。

最近天氣好奇怪(最近の天気っておかしいね)

先日の記事「Weird, odd, peculiar! strange 以外の『変な』『おかしい』英語と不思議な人」には、さまざまな用例が出ていましたが、変でおかしく不思議なことを表す中国語代表といえば 奇怪 です。この語には、個人的に少々苦い思い出があります。まずはその話から。

それは台湾でまだ留学生として中国語の授業を受けていた時のこと。通っていた学校は多国籍のメンバーが揃っていました。文化的な背景が違うことは、何かと授業中の話題になり、その都度(へえ、そうなんだ!)と気づきがあることもまた授業の楽しみでした。ただ、一つ気になることがありました。文化差異の話題になるたびに、あるクラスメイトが言うのです。

好奇怪!

訳すと「変なのー」でしょうか。使用頻度がかなり高いことに加えて、いつもキツいジョークを飛ばす彼の奇怪は、実のところ気分のよいものではありませんでした。手元の辞書を引くとこうあります。

1〈形〉おかしい。不思議だ。|〜的動物/不思議な動物|那件事情很〜/あの出来事はとても妙だ。
2〈動〉おかしいと思う。不思議に思う。|我們都~這個怎麼這麼貴/私たちはみんなこれがどうしてこんなに高いのか不思議だ。

出典 : 新時代中日辞典(大新書局)

しかし、なぜ「奇怪!」と言われるとイヤな気分になるのでしょう。単語を分解してみると、「怪」には、奇妙だ、普通でないという意味のほかに、こんな意味があります。

〈動〉過ちなどを責める。とがめる。うらむ。—のせいにする。

出典 : 新時代中日辞典(大新書局)

さらに日本語の国語辞典で「奇怪」を引くとこう説明されていました。

1 常識では考えられないほど怪しく不思議なこと。また、そのさま。きっかい。「―な事件が起こる」
2 常識に外れていて合点のゆかないこと。けしからぬこと。また、そのさま。きっかい。「責任者が出てこないとは―な話だ」

つまり、若干不愉快に受け取ってしまう原因は 2 にもありそうです。これも引いておきましょう。

けしからぬ【怪しからぬ】(連語)
道理や礼儀にはずれていてよくない。無礼だ。不都合だ。けしからん。 「 -振る舞い」 〔本来は「怪(け)しかる」の意。強い否定の意を表すために,誤って打ち消しの助動詞「ぬ」を加えたもの〕

つまり、日本語の「けしからぬ」の意味として受け取っていたのだ、と気がつきました。日本語の奇怪の語感から、単なる差異の話が善悪の評価のように聞こえていた、というわけです。

ただ、文化的な背景から生じる差は、あくまでも違いに過ぎません。決して相手を責め立てることではないので、そうした意味を持たせたくない場合、たとえばこんな表現が使えます。

特別喔! すごく違うね!
這是很有特色 それはすごく特徴的だ。

その他、奇怪以外に「変」をどう言うか、具体的なバリエーションをご紹介しておきましょう。

他的脾氣有點古怪穿著也較特別。(彼の性格はちょっと変。服装もね)
人柄や身なりが風変わりだということを言う場合は、「奇怪」以外に「古怪」も使えます。ただ、生活していると話し言葉では奇怪を耳にする頻度のほうが圧倒的に高いです。後半は先ほどの「特別」を使ってみました。

對不起,我剛莫名其妙地發脾氣。(ごめん、さっきよくわかんないけどイラついちゃった)
変は変でも、なんともいえずヘン、つまり変だと思う要因がどこから来るのかわからない場合に「莫名其妙」を使います。ドラマなどでは、語気の強い口げんかのセリフとしてよく出てきます。

他說的話太離譜了。(彼の話は常識はずれだ)
おかしい、という意味は想像されることとの差異が見られる場合に出てくる感情ですが、その一般的な範囲(譜、つまり五線譜の意)から離れている、常識はずれなほどおかしい、という場合に用いるのがこの「離譜」です。ニュースの見出しなどでも使われます。

大自然的世界會發現不可思議的事情。(自然には奇妙なことが起きる)
常識から外れるといっても、人知の及ばぬ大きな事柄には「不可思議」を使います。科学的には説明できないこと、たとえばブラックホール、バミューダトライアングル、地震などもこの類いです。
※ 「中国のメディアによく出る成語」でも中国語(簡体字)の「不可思議」をはじめとするよく使われる故事成語についてもご紹介しています

不好了!(大変です!)
通常「不好」は「よくない」あるいは「だめだ」といった意味になりますが、中国語の歴史ドラマで使われる場合、ちょっと違います。使用場面としては、戦時の陣営に兵士がこう言いながら駆け込んでくる、それはつまり大きな変化が起きている、戦況の異変や悪化が起きている、そのため「不好了!」となるわけです。

改めて考えてみると、「おかしい」あるいは「ヘン」といった感覚が起きる場所はさまざまですね。バリエーションが増えて「ドンピシャ」の場面で表現できると、なんともスッとするものです。どんな時にどう使うか具体的な場面を思い浮かべながら語彙を増やしていきましょう!

繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

photo : “アジサイ hydrangea by きうこ

おまけ :「スピード翻訳」では、細かな違いも言い分けるプロが、24 時間 365 日、中日・日中・韓日・日韓の翻訳をお引き受けいたしております。プロの翻訳者のご用命は「スピード翻訳」にお任せください。


中国語の「真面目」についてのマジメな話。

2015/04/23 | Posted by xiaofan in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)
喧嘩やめて、仲良くしてね

大家好! xiaofanです。

先日、ある台湾ドラマを久しぶりに中国語字幕で観ていたときのこと。(ああ、最初に観た時は、このあたりはホント何言ってるかわかってなかったなあ)などと思い返しながら、何気なく観ていてあるシーンにちょっと吹き出してしまいました。

女 : “我今天才看清楚你的真面目”
男 : “所以我今天看到也是妳的真面目”

何に吹き出したって日本語と中国語の意味の違いに、です。具体的には、この会話に登場する真面目清楚が日本語と中国語では意味がまったく違うということなんです。

まず、真面目について。は「本当の」という意味の形容詞、そして面目は日本語にもあるように顔や姿のことを意味するので、本当の姿本性となるわけです。反対語はウソの顔ですから假面目の字は日本語の漢字にするとですので、日本語の仮面とつながります。「仮面の裏側に本当の顔を隠している」という風に考えれば、中国語の真面目假面目の対立関係はなんとなく理解できます。

しかし、日本語の感覚でその字面をだけを見て真面目 = マジメと解釈してしまうと、その反対語はフマジメ = 不真面目です。漢字を知っているがゆえに「何となく意味がわかる~♪」などと思っていると、実は中国語では「全然意味が違ってがっかり……」ということがよくあります。日本人の中国語学習者にとっては悩ましい問題です。ちなみに、日本語のマジメの意味を表す中国語は認真です。

もう一つ、この例がオモシロいのは清楚。日本語では主に女性の形容に用いられる、清らかもしくはおしとやかであるポジティブな表現ですが、中国語では、はっきり明らかクリアといった意味になります。

つまり、さっきの会話、

女 : “我今天才看清楚你的真面目

……女の人が言っていたのは、「あなたは、清らかマジメな人ね」のようなほめ言葉などではまったくなく、

女 : 「今日、あなたの本当の姿はっきり見たわ」
男 : 「ってことは、俺が今日見たのも、お前の本当の姿だってことだ」

……といったところで、痴話げんかであり、別れ話なわけです!(ちょっと直訳めに訳してみました)

いやあ、日本語の、人柄に対する割と肯定的な意味はまったくない。ただ、このように同じ漢字圏でも中国語と日本語では意味が大きく異なる、という例、実ははたくさんあります。中国語の愛人は、日本語の愛人とはまったく違ってでありだというのはよく聞きますよね。他にも中国語と日本語で意味が違ってしまっているもの代表的な語彙をご紹介しましょう。

: 中国語では「母親」の意で、子どもではありません
勉強 : 中国語では「学ぶ」という意は含まれず、「無理強いする」の意
結束 : 中国語では「終わる」の意
審判 : 「裁判」の意。反対に裁判は「審判」

どうしてこんなにズレたんだろう、と思うほどの離れっぷりですよね。ただ、こういうズレもまた、中国語や漢字の奥深さですし、その違いからかえって日本語の姿を見ることになったりして、やっぱり中国語ってオモシロいなあと思うのです。

繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

おまけ :「スピード翻訳」では、字幕翻訳も含め、24 時間 365 日、中日・日中・韓日・日韓の翻訳を受け付けております(もちろん、英日・日英翻訳も)。プロの翻訳者のご用命は「スピード翻訳」にお任せください。

photo : “喧嘩やめて、仲良くしてね by 命は美しい, on Flickr”


中国語で「よろしくお願いします」をなんと言う?

2015/01/30 | Posted by xiaofan in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

taipei101

大家好! xiaofanです。年末に年度末と、ビジネスメールが頻繁に行き交う時期ですね。日本語のビジネスメールは独特の世界を醸し出していて、それを操れるかどうかは社会人としての基礎教養ともいえます。それ故に気になるのが別の言語でビジネスメールを書くとどうなるのか、ということ。気になる表現の代表格がよろしくお願いします。日本で仕事をしていた頃、ビジネスメールの大半に使っていたので、仕事で中国語を使い始めて真っ先に気になったのがこの語の中国語訳をどう扱うか、でした。

なぜそのような迷いが生じるか。理由の一つが、中国語の教科書の入門あたりでよく見かける自己紹介です。名前や所属などを名乗った後、結びとして「よろしくお願いします」が日本語で示され、その対訳としてたいてい「請多多指教」「請多關照」などと書かれています。ところが、日本語では同じ「よろしくお願いします」でも、ビジネスメールに当てはめると、どうにもそぐわない。『ビジネスメールの中国語』(三修社)には、こんなふうに紹介されています。

日本語のビジネスメールと比べると、中国語のビジネスメールはシンプルで、率直です。例えば、「平素は格別のお引き立てを賜り誠にありがとうございます」を直訳すると、平素承蒙您的特别关照,感激之情,难以言表。になりますが、中国人同士のやりとりで、このような表現は使いません。この場合、多くの人は、您好!だけで済ませます。つまり、丁重な日本語独特の表現をそのまま中国語に置き換えても思うように伝わりません。

日本語では、一文が長ければ長いほど相手への敬意を表すことになるため、ビジネスメールのあいさつはやや長めになります。しかし、中国語ではそうではないんですね。では、問題の「よろしくお願いします」はどうなのでしょうか。試しに同書で「よろしくお願いします」が対訳に含まれる表現をピックアップしてみました。以下は同書からの抜粋です。

顺祝 安好! よろしくお願いします / 直訳 : すべてうまくいきますように
顺祝 商祺! よろしくお願いします / 直訳 : ビジネスがうまくいきますように!
请您不吝赐教 ご指導のほどよろしくお願いいたします
希望您对我多加指教 ご教示のほどよろしくお願いいたします
日后请多指教 今後ともよろしくお願いいたします
希望今后能互通信息 今後、情報交換をよろしくお願いします
谨向您表示问候 よろしくお願い申し上げます
以后有机会再说吧 またの機会によろしくお願いいたします
希望能长期合作下去 今後ともよろしくお願い申し上げます
我们也希望与贵方合作愉快 こちらこそ、よろしくお願い申し上げます
请确认内容 内容をご確認のほどよろしくお願いいたします
谢谢合作 今後ともよろしくお願いいたします
祝好! よろしくお願いいたします

カバー範囲が広い! 文の結語以外は请~」「希望~」といった表現が「よろしくお願いします」に相当していることがわかります。もちろん各表現にはそれぞれ文脈があるわけですが、ベーシックに使える究極の「よろしくお願いします」を最後に紹介しておきます。

 谢谢!

そうなんです。谢谢は、お礼を述べる表現としてだけではなく、ビジネスメールの末尾に用いると「よろしくお願いします」にも相当するのです。ちなみに、Google 翻訳で日本語欄に「よろしくお願いします」と入れると、中国語訳としてこの 2 字が出てきますが、誤訳ではありません。本当に使えるのです。なんと便利な! 中国語でビジネスメールのやり取りを始めたばかり、という方、ぜひ文末に加えてみてください。

繁体字どころ台湾から xiaofan でした(今回掲載した例文は、簡体字表記です)。再見囉~!

おまけ :「スピード翻訳」では、ビジネスメールも含め、24 時間 365 日、中日・日中・韓日・日韓の翻訳を受け付けております(もちろん、英日・日英翻訳も)。プロの翻訳者のご用命は「スピード翻訳」にお任せください。


中国語の干支にイノシシがいない件。

2015/01/09 | Posted by xiaofan in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

'Chinese Zodiac' by Joe Shlabotnik

新年快樂! xiaofanです。

新しい年のご挨拶を申し上げましたが、ここ台湾では西暦ではなく旧暦で新年を祝うため、「日本のお正月」は実はふつうの日です(2015/01/01 は、単純に西暦 2015 年の始まりの日という位置づけ)。今年の台湾の暦では、2 月 18 日が大晦日、19 日が元旦。ですから、未年は来ておらず、まだ午年の時間が流れています。

'24 chinese cardinal directions' by de:Benutzer:Masatoさて今年の干支は「」。干支の漢字表記としては「」を用います。十二支は、今ではその年のキャラクターとして扱われていますが、古来、時間や方角を表す方法として用いられてきました。ちなみに時間としてはだいたい13〜15時、方角としては南南西だとか。
※ 右の図で下に「子」、上に「午」が書かれていますが、これを結ぶのが南北(北 = 子 / 南 = 午)を結ぶ子午線の由来なのですが、この画像では右隣に「」の字が見えますよね。すこし西寄りということで、方位としては南南西になるわけです。お昼(12:00)のことを「正午」といいますが、そのすこしだけ先ということで、時間としてはだいたい13〜15 時ということになります。

干支は、神様の元にたどり着いた順番だ、というのは日本の昔話にあるお話ですが(cf. まんが日本昔話~データベース~ – 十二支の由来)、その起源である中国では、ウシやウマ、ニワトリのほか、ヒツジも家畜であり、また神様への供え物とされていました。実際、肉は食用に、毛や皮は衣類に、骨や角も道具へと使われていますが、神様にもよほど重宝されたのでしょう。羊を元にした漢字には、美、義、差、善など、基本的な概念を表す文字として発展しているのもまた、羊の特徴です。

そうそう、十二支は、日本と中国だけでなく、韓国やベトナム、タイやモンゴルにもある概念です。ただ、その象徴となる動物は、日本と同じではありません。たとえば、ウシはベトナムでは水牛に、ヒツジはヤギに、トラはモンゴルではヒョウになることがあるのだとか。お国柄が出ていますね(cf. Wikipedia – 十二支)。

特に、亥年の動物はほかの国々と日本の違いとして大きいものです。日本では「」といえばイノシシのこと。ちなみに中国語でイノシシは野豬。これが、中国や台湾ではといえばブタを表すのです。ブタはイノシシが家畜化された種として知られていますが、そういえば、孫悟空に出てくる猪八戒はブタでしたし、『もののけ姫』でタタリ神となったナゴの守はイノシシでした。
※ ちなみに西洋には中国の干支(英語 : Chinese Zodiac)がそのまま伝わり、亥 = ブタです。まれに「亥 = イノシシ」で紹介するものもありますが、これは日本経由で伝わったものでしょう

日本語ではブタというと人を罵ったり、悪口の類いですが、中国や台湾ではとても身近で親しみを込めた意味になることもまた、大きな違いです。たとえば最近、日本でデビューした台湾のアイドル、ショウ・ルオ(羅志祥)は小豬というあだ名で呼ばれています。

家や文化、土地によって同じ食材でも味付けや調理法が変わるように、言葉もまた、いろいろに変化を遂げていくという表れ。こうした違いを味わうことができるのも、外国語を学ぶオモシロさの一つですね。今年もまた、そんなオモシロさにたくさん出会う 1 年になりますように。

繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

おまけ :「スピード翻訳」では、西暦旧暦にかかわらず、24 時間 365 日、中日・日中・韓日・日韓の翻訳を受け付けております(もちろん、英日・日英翻訳も)。プロの翻訳者のご用命は「スピード翻訳」にお任せください。

photo : “Chinese Zodiac” by Joe Shlabotnik / “24 chinese cardinal directions” by de:Benutzer:Masato


台湾で親しまれるおでんのお話。

2014/12/11 | Posted by xiaofan in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

oden_tw

大家好! xiaofan です。12 月 7 日に二十四節気の大雪を過ぎ、そろそろ温かい食べ物が恋しくなってきました。台北の街中では、火鍋、麻辣香鍋といった文字が、美味しそうな写真と一緒に踊る広告を目にすることが増えてきました。鍋物といえば、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ちゃんこ鍋、さまざま思い浮かびますが、やはり冬の鍋物といえばおでんではないでしょうか。

もともと田楽に接頭辞「お」を付けて「おでん」と呼ばれるようになったおでん。日本では、現在の醤油ベースのスープにさつま揚げなどの種を入れて煮込む形が広まったのは、大正時代、関東大震災以降のこと。味噌だれをつけるおでんと区別するために、関東煮(かんとうだき)と呼ばれるようになったのも、この当時のことなのだとか(参考 : 紀文)。

ここ台湾でも關東煮は別の呼び名があるほど親しまれている食べ物のひとつです。またの名を黑輪。この単語には、二つの読み方があります。

Hēi lún 中国語読み
Oo-lián 台湾語読み

あれ?と思った方もいるのでは。そう、この台湾語読み日本語の音から来ています。中国語の教育が始まったのは第二次大戦後のことですから、1895 年から 1945 年まで日本が台湾を統治していたことを加味すると、台湾語の読みのほうが先だったのだとわかります。また、台湾語の文字は中国語の漢字を使用しているため、こうした交差が起きるのです。
※ この台湾語読みについては、前回の記事(「台湾語」の解釈をめぐって)をご覧ください

戦後およそ 70 年。今なお、台湾のコンビニでは店頭でおでんが売られています。店頭には、日本と同じように、大根ちくわつみれなどの種が並んでいます。ただ、滷豬血(豚の血液を固めたもの。ぷるっとした食感)など台湾独特の具材や、トウモロコシタケノコが変わり種でしょうか。

せっかくなので、台湾のおでん屋さんに足を運ぶことにしました。訪ねたのは、寧夏夜市近くにある「小巷亭」という和食のお店。和食といっても、現地で好まれる味にローカライズされていることが多いのではないかと、少々期待してみたのでした。路地の入り口には、思わず「おお!」とつぶやいた佇まいのおでんの屋台がありました。その日はちょうど、寒気の影響で台北にしては冷え込んだ夜。夕食どきだったこともあり、屋台には行列ができていました。

ステンレス製で仕切りのある角形鍋をのぞくと、ざく切りでいい具合に透明感の増した大根が目に飛び込んできました。ちくわこんにゃくなどお馴染みほか、日本の配役表では見たことのない高野豆腐、さらには台湾ならではの具材として、魚丸と呼ばれるタコ入りの丸く成形された台湾風つみれ、米血糕と呼ばれる豚の血ともち米でできた四角いお餅(写真左の黒の四角いモノ)などが見られました。反対に、ちくわぶやはんぺん、ゆでタコ、ゆでタマゴは見かけませんでした。おいしいのに。

具材を選んだ後は、お店の方が小さく切ってお皿に載せ、さらに味噌だれをかけてくれました。このたれは、白みそベース、とろりとした食感でやや甘め。日本では練りからしを添えるのが一般的ですが、からしは見られませんでした。試しにたれ無しで口に運ぶと…ふわっと日本と変わらぬ懐かしい味が広がりました。「あそこは古いお店だよ。わたしが子どもの頃にはもうあったからね」とは、戦後すぐに台北で生まれたお年寄りの談です。

台湾と日本の関係は、古い屋台と新しいコンビニの、両方に凝縮されているのかもしれないと思ったのでありました。

繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

おまけ :「スピード翻訳」では、おでんの販売は行っていませんが、24 時間 365 日、中日・日中・韓日・日韓の翻訳を受け付けております(もちろん、英日・日英翻訳も)。プロの翻訳者のご用命は「スピード翻訳」にお任せください。


「台湾語」の解釈をめぐって

2014/11/27 | Posted by xiaofan in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

TAIWAN_MAPS03
大家好! xiaofan です。この秋、日本からの台湾旅行客が増加しているそう。そんな中、とある友人が台北にやってきました。初めての台湾ツアーの忙しい隙間をぬって予定をこじあけてくれた彼女が開口一番、こう言うのです。「いやあ、台湾語がさっぱりわからなくて、どうしようかと思った」……この一文、あなたならどう解釈しますか。

文脈から察するに、現地の言葉を「地名+語」という方程式に当てはめて、

台湾語 = 台湾で使われている語

のように解釈している人は多いのではないでしょうか。けれども、実はこの台湾語という語、いろんな解釈があるのです。まず、冒頭の例から考えてみましょう。現地には選択肢がたくさんあるということが、想定されていないのかもしれません。日本の言語環境をそのまま当てはめていると受け止められます。台湾で使われている言葉といっても、中国語、客家語(はっかご)、原住民族の言葉などたくさんあります。結局、そのどれを指すのか、もしかしたら相手は測りかねることになります。

二つめの解釈は、これ。

台湾語 = 中国語(北京方言)

実際、ある翻訳会社ではこのように位置づけているそう。それは台湾語 = 台湾の国語、そして台湾で国語とされるのは中国語の北京方言だから、という理由によるもの。ただこれは、あくまでも日本人向けの用語という理解に留めておく必要がありそうです。というのも台湾では、台湾語は特定の言語体系を意味するのです。つまり、三つめの解釈です。

台湾語 = 閩南語(びんなんご・みんなんご)

台湾では学校で用いられる中国語の北京方言を国語と呼び、特に南部や上の世代が日常生活で多く使う言語を台湾語もしくは台語と呼び分けています。言語体系としては、中国の閩南地方で用いられていた言語がベースになっているそう。一般に中国語の声調(トーン、イントネーション)は 4 声ですが、台湾語の声調は諸説あり 6 声とも 8 声ともいわれます。たとえば「わたしは日本人です」を言うとこうなります。

漢字表記 我是日本人
中国語の拼音表記 Wǒ shì rìběn rén
台湾語の拼音表記 Gòa sī jìt-pún-lang

音だけ見ると、なんだかまるで違うのですが、台湾語の基本的な文法構造は中国語に似ています。言語学的な位置づけはさまざま議論があるようですが、400 年以上前に中国大陸から渡ってきた人たちがいた歴史を考えると、その人たちの言葉が根付いたのではないかと想像します。

日常生活では、この三番めの解釈で言う台湾語を台語と呼び、二番めの解釈である中国語(北京方言)を国語と呼んで、相手や場面によって両者を切り替えながら話します。たとえば市場のおばちゃんも、最初は台語で話しているけれど、わからないと認識するとすぐに国語に切り替えます。台北では台湾語の比率はやや低く、台湾南部に向かえば向かうほど使用率があがるそう。この使用に関して、こんな記述を見つけました。

台湾語は一地方の方言ということで長い間、抑圧されてきました。ところが1987年に戒厳令が解禁されてから本土化意識(台湾人アイデンティティー)が高まり、それまで日常生活でしか使うことが許されなかった台湾語はあらゆる場面での活躍が目立つようになりました。(略)政治の場においても、これまで唯一、公用語として使用されてきた國語(台湾華語)を使うよりも、台湾人である証を示す意味で、台語(台湾語)を話すほうが民衆に受けが良いとされるようになりました。

出典 : 『はじめての台湾語』 明日香出版社

戒厳令下、たとえば学校では台語の使用は禁じられ、うっかり使うと罰が待っていたとか。台湾では 11 月 29 日に選挙が行われることもあって、街には選挙カーが走り回っているのですが、候補者への投票を呼びかける言語は、台語国語が入り交じります。

「台湾語」と言われた時に、それが何を意味するのか、聞く側のリテラシーも問われるといえるかもしれません。また日本と台湾、この近さであっても、まだまだ台湾がどういう言語環境にあるところなのかがよく知られていない、ということを表しているように思えてなりません。

繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

おまけ :「スピード翻訳」では、24 時間 365 日、中日・日中・韓日・日韓の翻訳を受け付けております(もちろん、英日・日英翻訳も)。ただし、オンラインで受け付けているのは、繁体字表記の中国語のみとなります。

中国語の繁体字での翻訳でよいのか、現地に古くから伝わる台湾語(閩南語)がよいのかがご不明の場合は、コンシェルジュ翻訳サービスまでお問い合わせください。