Author Archives: maki

コーヒーの味を少し知っている男

2013/02/19 | Posted by maki in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

コーヒーの味を少し知っている男(커피 맛을 조금 아는 남자)

こんにちは、maki です。仕事でちょっとだけ韓国に行ってきました。「コーヒーの味を少し知っている男」に会ってきたので、紹介します。この左の彼が「コーヒーの味を少し知っている男」です。韓国語では、”커피 맛을 조금 아는 남자” となります。なんだか LEGO のキャラクターそっくりの顔立ちだったので、写真を撮ってきました。かわいくないですか?

しばらく前に NHK のニュースでやっていたのですが、韓国はいま史上最大のカフェブームなのだそうです。街のいたるところにオシャレなカフェが立ち並んでいます。あまりにも店舗数が多すぎて、1 ブロックごとの店舗数を制限しようという動きもあるぐらいなのだそうです。チェーン店がメインなのですが、その会社の数もかなり多いのです。東京であれば、以前から数多くの支店を持つドトールに始まり、STARBUCKS とか TULLY’S COFFEE、EXCELSIOR CAFFE、CAFFE VELOCE あたりをよく見かけます。あとは名古屋から進出してきたコメダ珈琲店なんてのも数を増やしてきています。

しかし、韓国はもっと多くて、20 以上のチェーン店があるんだそうです。宿泊先の近くにあった何店かを見てきまし。STARTBUCKS もありましたが、CAFFE PUSCUCCIDAVINCI COFFEEcaffe beneAngel-in-us Coffee、あと先ほどご紹介した “커피 맛을 조금 아는 남자” なんてのがありました。写真は撮りませんでしたが、まだ他にもいくつも見かけました。

韓国ではもともとコーヒーをよく飲むのだそうですが、こうしたオシャレなカフェが爆発的に増えたのは 2005 年ぐらいからで、そんなに前ではないようです。価格的には、定食屋さんで食べる食事よりもすこし高いぐらいなのですが、オシャレな雰囲気の中でともだちとおしゃべりできる空間なのが人気の要因のひとつかもしれません。あと、無線 LAN が使える店が多いので、ちょっとしたスマートフォンのチェックなどにも便利です。
※ 韓国カフェ事情は、このページに詳しく載っています

“커피 맛을 조금 아는 남자” は、「コーヒーの味を少し知っている男」という意味ですが、これはれっきとした店名です。ちょっと変わった店名ですね。この “커피 맛을 조금 아는 남자” をすこし調べてみました。

  • 커피 = コーヒー
  • 맛을 = 味を
  • 조금 = 少し
  • 아는 = 知っている
  • 남자 = 男

커피(コピ)のように日本語と同じように外来語起源の単語(日本語起源の単語も!)があったり、漢字で書くと日本語と同じものになったりする語彙もあったり、語順がかなり似ているというのは知っていましたが、この「コーヒーの味を少し知っている男」に関しては、まったく同じですね。学生時代に韓国出身の人に日本語を教えたことがあったのですが、彼女も「ほとんど韓国語と同じですね」と言っていて、かなり習得も速かったのを記憶しています。自分もこれをすこし機に勉強してみようかなー。

とはいえ、仕事などで精度が求められるものや、長文などは初学者にはとてもムリ。そんなときには、「スピード翻訳」を使ってみてもらえれば幸いです。


恋文横丁のある街で翻訳のお仕事をしています

2013/02/06 | Posted by maki in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

恋文横丁 此処にありき

こんにちは、maki です。先日、どこでランチを食べようかなと渋谷の街をうろうろしいたら、ひさしぶりに「恋文横丁」の道標を見かけました。

恋文横丁とは、戦後の焼け跡の路地にひしめく小さな商店のな中で開業していた代書屋を舞台にした丹羽文雄の「恋文」という作品に因んで命名された愛称なんだそうです。ちょうどこの時期は、朝鮮戦争が休戦となり、日本の基地にいたアメリカ兵が本国に帰っていったころ。アメリカ人の恋人との別れを惜しみ、日本人女性が英文のラブレターの作成を代書屋に頼んだというお話だそうです。代書屋の看板には、「恋文引き受けます」とあったようです。この「恋文」は、人気があって、後に映画化されたました。そうした背景から渋谷のある一角が「恋文横丁」と呼ばれるようになったみたいです。

実際にそんな代書屋さんがあったのかわからないですし、どういった感じで仕事をしていたのかはもわかりませんが、きっと女性から原稿を受け取ったり、伝えたい内容をヒアリングし、英語に翻訳していたのだろうなあ……と想像しています。

沖縄にも戦後から長く仕事をされている翻訳者の方がいらっしゃると以前テレビで見たことがあるように記憶しています。ちょっと調べてみたところ、『恋文三十年~沖縄・仲間翻訳事務所の歳月』(佐木隆三)という本があるのを知りました。沖縄市で 50 年以上翻訳事務所を構えている仲間徹氏の半生を描いた作品だそうです(現在、品切れ)。仲間氏は、ラブレター専門ということではなく、さまざまな分野の翻訳業務を引き受けていらっしゃるようですが、これまで手掛けた恋文は 2 万通以上だとか。驚きの量です!

スピード翻訳」にも毎日さまざまな分野のドキュメントのご依頼をいただきます。ビジネスレターや、プレゼン資料、契約書、学術論文といったものから、外国人観光客向けの案内やお友だち宛てのメールまで硬軟ありとあらゆるものがあります。中には恋文もあるかもしれません。ラブレターの翻訳を依頼するのにわざわざ翻訳会社に問い合わせをしたり、知り合いにラブレターの翻訳を頼むのも照れくさい……そんなときにも「スピード翻訳」をご利用いただければ幸いです♪ インターネットで原稿を登録すれば、その場で仕上がりのお時間と納品予定日時をお知らせします。照れくささなんてない……と思いますよ。そして、わたしたちも恋文横丁のある渋谷で翻訳のお仕事をしています。


名前の印刷?または、筆記体の衰亡

2013/01/30 | Posted by maki in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

'Cursive worksheet' by Pearson K-12 Technology

こんにちは、maki です。アメリカの留学先の学校では、いろんなフォーム(書式)を書かされたなあ……などと思い出していたのですが、署名欄などに Print NamePrinted NameName in Print といった指示が書いてあるのによく出くわしました。

Print Name:                               
Signature:                               
Date:                     

こんな感じです。「Print Name って何?」といった疑問は Q&A サイトでもたくさん投稿されています。Signature は、いわゆるサインなので、アメリカでは印鑑代わりだったりするもので、本人以外には読めないことも多々あります。名前が読めないのでは使えないので、「名前をブロック体(活字体)で書きなさい」ということなんですよね。ある辞書には、「印字名」という訳が掲載されていましたが、これから手書きしようかというフォームを前にして、ホントに印刷しないまでも、パソコンのプリンターで打ち出したりできないよね(当時はまだパソコンはいまほど普及していませんでしたが)……などと思ったものです(でも、タイプライターならけっこうきれいに打てちゃうんですよね)。

オーストラリアのビザの申請フォームにはとてもわかりやすく、 “Please use a pen, and write neatly in English using BLOCK LETTERS.”(ペンを使って、英語のブロック体でていねいに書きましょう)と書かれていました。

中学校で筆記体の練習をさせられましたが、知り合いのアメリカ人で日常的に筆記体で書いている人なんていませんでした。彼らが使わないのなら、もう教えなくていいんじゃない……と思っていたら、いまの学習指導要領では、筆記体は必修ではないんですね。読めれば読めたでいいんでしょうが、実生活では必要とされるシーンはまずありません。

Wikipedia の記述によると、2008 年のアメリカでの調査では「小学校の教師のうち、筆記体の教え方について習ったことのある者はわずか12%」とか、2006 年の大学受験の共通テストで「小論文を筆記体で書いたのは受験者のうちの15%に過ぎなかった」といった記述もありました(Cf. Wikipedia – 筆記体)。逆に思ったよりはいるんだな……と感じました。また、ヨーロッパでは、まだ普通に使っている国もあるようです(Cf. らばQ – アメリカ人「英語の筆記体ってどこで使うの?習ったけど一度も使ったことない」)。

そのうち筆記体も、日本の草書体のように「読めたり、書けたりする方がかなり珍しい」レベルになってしまうでしょうか。

photo : “Cursive worksheet” by Pearson K-12 Technology


アメリカには、入学式はない?

2013/01/16 | Posted by maki in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

'The hat toss' by David Michael Morris

こんにちは、maki です。先日、Back-To-School Sale” についての記事を書きました。この “Back-To-School” は夏休みを終えて、新学期になり、こどもたちが学校にもどってくる状況を意味しています。日本では、新しい学年ごとに大きな買い物やお祝いなどをする習慣は、進級祝いのようなイベントこそ家庭ごとにあったりするものの、そんなにフィーチャーされることはないですよね。それよりは、入学式卒業式が、大きなイベントです。”Back-To-School“ でフォーカスされているのは、すでに学校に通っているこどもが学校に帰ってくることであり、新しく学校に通いはじめるこどもについては、アメリカではあまり語られることがないようなのです。アメリカには、入学式はあるのでしょうか?

アメリカでの入学式について書かれたページをいくつか読んでみました ※ 。在米経験の長い日本人の人たちが書いた記事を読みましたが、やはりアメリカには入学式は基本的にはないようです。
学研出版サイト : 子どもの可能性を引き出す アメリカ最新教育事情 – 第23回 新たな学年の始まり / Rocket News 24 : 日本とアメリカの小学校の違い10個 / 「留年がある」 「先生への謝礼は常識」

温暖化のせいか、最近は 4 月になる前に桜が咲いてしまって、入学式のころには散ってしまっているようなこともありますが、中学の入学式では校庭に桜が咲き誇る中、親に連れ添われてクラスで写真撮影した記憶があります。アメリカだと小学校の場合、親が学校に新入生を連れていきはするようですが、学校に着いてしまったら、あとは担任の先生に引き取られておしまい……みたいな感じだそうです。なんかさびしいですね。きっと小学校から先の入学のときなどは、もう親も行かないのでしょうね。

和英辞書などには、入学式 = enrollment ceremony と記載されていますが、ウェブ検索しても日本の学校の入学式に関するページはいろいろ見つかりますが、アメリカの学校の入学式に関するページはほとんど見当たらないですね。入学式 = enrollment ceremony と翻訳した場合は、「日本では、初等教育から高等教育まで、新入生が入学するときには入学式と呼ばれる式典をおこなう。小学校・中学校では父兄も同伴し、入学を祝う」といったような補足説明を加えた方がよいのでは……と思ってしまいました。
enroll 自体には、「(リストに)登録する」といった意味がありますが、「入学する」といった意味合いは主ではないようです

入学式の代わりというわけではないでしょうが、卒業式は盛大にやるようですね。高校生の卒業式には Prom と呼ばれる正装でのダンスパーティーがおこなわれます。男女のペアで参加することになっているので、Prom までにパートナーを見つけられるかどうかで悲喜交交あるというのが、アメリカの青春ドラマの定番。大学の卒業式では、みんなガウンと頭頂部が四角にかたどられた帽子(square academic cap / graduate cap / mortarboard)をかぶって参加します。最後に写真にあるようにみんなで帽子を投げるという定番のエンディングを迎えます。このガウンや帽子はレンタルが多いので、借りたときと違う帽子を返すことになったりしないんでしょうかね。

卒業に関連する頻出語彙で Class of XX といったフレーズがあります。 XX の部分には数字(西暦)が入り、Class of 9595 年卒業の同窓生)といった使い方をします。日本だと同じ年に入学し、同じ年に卒業することが多いせいか、卒業年を基準に考えることはあまりないですね。学校制度やそこでの生活にも国によって大きな違いがあるんですね。

photo : “The hat toss” by David Michael Morris


一年生になったーら♪ Back-To-School Sale

2013/01/08 | Posted by maki in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

'Back To School' by Cayusa

こんにちは、maki です。みなさんはどんな年末年始をお迎えになったでしょうか。年明けに、4 月から一年生になる姪に会ったのですが、じいじに買ってもらった水色のランドセルの自慢話を延々と聞かされました……。最近のランドセルは何色でもいいんですね。アメリカのこどもたちのランドセルは、左の写真にあるようなキャラクターもののデザインのデイパックがほとんどです。男の子ならなんとかレンジャーみたいなものとかですね。

そんなことを考えているうちに “Back-To-School Sale” というのを思い出しました。アメリカのモールやスーパーなどで 8 月ごろになるとよく見かけるキャンペーンです。ご存じのようにアメリカでは新学年は、夏休みの後の 9 月に始まります。長い夏休みを終えて、こどもたちが学校に戻ってくるということで “Back-To-School Sale” を開催するのが、この時期のアメリカの風物詩でもあります。こういったデイパックや衣料品、ノートなどの文房具や書籍など学校で使うもの(高いものではパソコンまで!)を対象にしたセールです。

調べてみたところ、この時期には “Back to School Sales Tax Holiday” と称して、消費税が減免される州があるみたいです。たとえば、ミズーリ州では、州法により、8 月の第一金曜日から 3 日間の間、学用品を中心とした物品の購買に対する消費税が減免されるようです(ほとんどの地域では 0 % に!)。

Back to School” じゃない “Sales Tax Holiday” はあるのかなと思って調べてみたら、同じミズーリ州には、”Show Me Green Sales Tax Holiday” というのもあるようです。これは、Energy Star の認定を受けたエコ商品を購入した場合に消費税が減免される日のようです。Energy Star のシールは環境対策を考慮した商品だというアピール以外にもこういう実質的なメリットもあるんですね。

他の州を見てみると、”Back-To-School” や “Energy Star” に関連した Sales Tax Holidays を実施している州は多いですね。あとは、ハリケーン対策がいくつか。狩猟のシーズンに合わせてということなのか、ライフルや小銃、拳銃、弾薬の消費税減免というのもあるようです(狩猟に拳銃は使わないですよね?)。日本では、エコカー減税とかエコポイントとかで予算枠を設定して、一時的に実施されることが多いですが、アメリカみたいに毎年あってもいいのになあ……と思いました。

先ほどご紹介したミズーリ州のサイトにプロモーション動画が貼り付けられてたのですが、学校が始まることでテンションが激しく高まっている親とその逆のこどもたちの対比がなんかおもしろいです。ちなみにミズーリ州の “Back to School Sales Tax Holiday” は、ミズーリ州外の人も対象になるようです(とちゃっかり、他州民に対するアピールもしています)。
※ すべての州でこういう減免措置があるわけではないんですね。大都市を擁した州ではやってないことが多いようです

photo : “Back to School” by Cayusa


桁数を揃えるために数字の先頭に書いておく、あの「ゼロ」

2012/12/20 | Posted by maki in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

'007' by Andy Polaine

こんにちは、maki です。しばらく前にあるプログラム言語の関数について書かれた説明書を読んでいたところ leading zeros というフレーズを見つけました。「あ、これはもしや、日本語でも何て呼ぶのかわかんないけど、桁数を揃えるために数字の先頭に書いておく、あのゼロ」のこと……などと思いながら調べてみたら、まさにそうでした。

123
45678

だと桁数が揃っていないので、それを整形するために、最大の数値の桁数や規定の桁数に合わせて

00123
45678

の赤字部分のように書いたりするあのゼロのことです。これを leading zeros と呼ぶのだそうです。 「先導するゼロ」ということで leading なんですね。leading zeros ついでに、日本語では何と呼ぶかも覚えました。「先行ゼロ」と言うんだそうです。

そうなると、

0.12300
0.45678

のゼロについても知りたくなります。こちらは、trailing zeros と言うんだそうです。 「追跡する(引きずる)ゼロ」で、trailing ということのようです。こちらの日本語での呼び方は、「後置ゼロ」だとのこと。

ついでに、「千の位の次など 3 桁ごとに打つカンマ」を何というかも調べてみました(興味の赴くままに言葉のつながりで調べていくのが好きなんです)。これは、thousands separators というのだそうです。まさに「1,000 単位の区切り」ということなんですね。日本語では、「桁区切り」。でも、これでは、何桁ごとに区切るのかがよくわかりませんよね。これは、日本では、万、億、兆……と 4 桁での区切りがなじみやすいため、4 桁ごとに桁区切りをするのが日常的におこなわれていたようです。3 桁区切りが主流になった現在でも 4 桁区切りは必ずしも間違いとはされていないということが背景にありそうです。

世界的に見てみると、桁区切りの , と小数点(10 進小数点 = decimal point)の . が逆になっていることもあるようです。日本と同じ「桁区切り = , 」、「小数点 = . 」の国は、アメリカ、イギリス、カナダ(英語圏)、スイス、オーストラリア、中国、台湾、香港、韓国、マカオ、インドメ、キシコ、ネパール、ボツワナ、レバノン、イスラエル……などなど。日本と逆の「桁区切り = . 」、「小数点 = , 」の国は、フランス、ドイツ、オーストリア、ベルギー、デンマーク、ロシア、ベラルーシ、カナダ(フランス語圏)、アルゼンチン、ブラジル、キューバ、インドネシア……などなど。どの国でどちらのセットになっているかについては、Wikipedia の Decimal mark の項目が参考になります。

スピード翻訳」で扱っている日本語・英語・中国語・韓国語は、すべて日本語と同じ桁区切り・小数点のシステムですが、多言語翻訳となるとこういった部分にも気をつけなければならないのですね。ちなみに国際商取引においては、「桁区切り = (空白)」、「小数点 = . または ,」なのだそうです。

おまけleading zeros は preceeding zerostrailing zerosfollowing zeros という表現もあるようですが、leading / trailing zeros の方が正式名称のようです。

photo : “Roger .. over and out.” by Niels Linneberg


「ラジャー!」は何語?

2012/11/26 | Posted by maki in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

'Roger .. over and out.' by Niels Linneberg

こんにちは、maki です。何か指示や命令を出されたときに「ラジャー!」と返事をすることってありますが、そもそもこれは何語なのでしょう。そして、綴りは? 気になったので調べてみました。

ウェブで検索するとすぐにわかりました。Roger でした。これは人名の Roger(ロジャー)と同じ綴りです。なぜ Roger という人名なのかということなのですが、説明するのはちょっと遠回りが必要です。元々この Roger は、received(受信した)という意味の無線通信での返信なのだそうです。しかし、無線通信では受信状態がよくなかったりすると聞き取りが困難になります。通信状態が悪くても相手が聞き間違えないように文字を伝えるために、軍隊などではひとつひとつのアルファベットそれぞれに特定の単語を組み合わせた表を使っていました。その中の RRoger という単語とセットになっていて、receivedRRoger ということで、指示や命令を出されたときに受信したら Roger と答える……となるわけです。

アルファベットと単語の組み合わせは、何でもいいわけではなくて、phonetic alphabet という体系で整理された表に基づいているものなんだそうです。それで思い出したのがスタンリー・キューブリックの Dr. Strangelove: or, How I learned to stop worrying and love the bomb(『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』)に登場する B-52(冷戦時代の主力大型爆撃機)の機長 Major Kong(コング少佐)のセリフで “Target reference November Bravo X-Ray One Zero Eight” というものです。これを訳すと「目標標準、ノーベンバー、ブラボー、Xレイ、108」となります。この November は NBravo は BX-ray は X を意味します。

調べてみると、この November や Bravo、X-ray、Romeo は、NATO Phonetic Alphabet(NATOフォネティックコード)で定義されているものなんだそうです。この表は、NATO(北大西洋条約機構)以外でも、ICAO(国際民間航空機関)、ITU(国際電気通信連合)、IMO(国際海事機関)、FAA(アメリカ連邦航空局)、ANSI(米国規格協会)でも採用されているものだそうです。

きっとこの phonetic alphabet の表の中では、R = Roger と定義されているんだろうと思ったのですが、同じ映画の別のセリフでは “R for Romeo” と言っています。あれ、おかしいですね。

さらに調べてみたところ、、これは Joint Army / Navy Phonetic Alphabet という体系で RRoger と定義されたことに由来するようです。この表は、アメリカ軍によって、1941 年に開発され、1956 年まで使用された体系です。おもしろいことに、この表は以前の記事(Sandy who? Hurricane Sandy. ハリケーン・サンディは、誰が名前をつけたの?)でご紹介したハリーケーンの命名ルールとして 1947 年から 1952 年まで使われていたということもわかりました。調べてみるものですね。

先ほどご紹介した Dr. Strangelove……には、”Roger. Ready to set code prefix.” というセリフもあります。この映画は、米ソ冷戦期を舞台にしたもので、このころは R = Romeo の時代ですが、「了解」といった意味での Roger はすでに定着していたんでしょうね。作戦行動中に Romeo というのもなんだかそぐわない感じですし。

日本では、一般的に人名の Roger は「ロジャー」と綴られますが、アメリカ映画などで聞かれた「ラジャー」(rɑ́dƷər)をそのまま取り入れたんでしょうね。イギリス英語だったら「ロジャー」(rɔ́dƷə)になっていたかも?

photo : “Roger .. over and out.” by Niels Linneberg


前門の虎、後門のオオカミ – Between the Hammer and the Anvil

2012/11/08 | Posted by maki in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

'Stop! Hammertime!' by Herr Olsen

こんにちは、maki です。ここ数週間ぐらい、毎朝 5 km ほど歩いて通勤しています。数週間前はちょうど気候もよかったので始めてみました。でも、立冬を迎え、寒くなってきてしまったので、いつまで続くことやら。そのウォーキングの間には音楽を聞いているのですが、きょう聴いていた Judas Priest の “Between the Hammer and the Anvil” という曲が妙に気に入ってしまい、ヘビロテしていました。

hammer は、ハンマーですね。anvil は聞きなれない単語ですが、鉄床かなとこです。熱した金属を硬い鉄の塊である鉄床の上で、ハンマーで叩いて、鍛えたり、整形したりするわけです。Judas Priest にふさわしい、とても Heavy Metal な情景です。

ひょっとしてイディオムになっているのではないかな……と思って調べてみたところ、やはりそうでした。「どっちにしてもヤバイ状況」のことなんだそうです。日本語の「前門の虎、後門の狼」と似た慣用句ですね。前に進むも、後ろに下がるも危機が待ち構えている状況です。

between the hammer and the anvil の類似表現としては、between a rock and a hard place というのがありました。こっちは Rolling Stones ですね。ハンマーと鉄床という組み合わせが Heavy Metal の Judas Priest に対して、岩(rock)が Rolling Stones というのはなんともいい対比です。

他には、between the devil and the deep blue sea というのもありました。こちらは「背水の陣」といった印象です。

この between A and B シリーズには、同じ意味でもうひとつありました。between Scylla and Charybdis です。ScyllaスキュラCharybdisカリュブディスとして紹介されているギリシャ神話の海の怪物。イタリア半島のブーツのつま先とシチリア島の間のメッシーナ海峡での海難事故の原因と言われていたのだとか。狭い海峡で怪物に挟み撃ちにされるというのはなんともヤバイ状況です。

この Scylla という綴りを見ていると、イタリア語の Sicilia とかなり似ている気がするんですよね。あと対岸のブーツのつま先は、カラブリア州という地域なんだそうですが、イタリア語では Calabria。これも似ている気がします。関係あるんでしょうか、ないんでしょうか……なんてことを考えながらウォーキングしています。

photo : “Stop! Hammertime!” by Herr Olsen


Sandy who? Hurricane Sandy. ハリケーン・サンディは、誰が名前をつけたの?

2012/10/31 | Posted by maki in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

'Sandy Oct 28 17.50(UTC).jpg' by NASA

こんにちは、maki です。ここ数日、カリブ海諸国からアメリカ東海岸にかけて大きな被害をもたらした大型の Hurricane Sandy(ハリケーン・サンディ)の報道をよく目にしました。以前 NYC に住んでいたころの近所が水浸しになっている写真なども Facebook 経由で見ました。NYC に住んでいる知人に連絡を取ってみたところ、ひとりはすぐに返信があり、無事だとのこと。もうひとりは、すこし返事がなかったので、大丈夫かな、停電かな……と思っていたところ、「神戸にいるよ」との返信が。ふたりとも無事でよかったですが、そうでない方もいらっしゃるので、早めに終息してもらいたいものです。

ご存知のようにアメリカのハリケーンには名前がついています。今回のは Sandy(サンディ)。こうした名前はアメリカの気象庁のようなところが名前をつけるのかな……と思っていたのですが、やはりそうみたいです。東部のものは国立ハリケーンセンター(National Hurricane Center)が、西部(太平洋東部含む)のものは中部ハリケーンセンター(Central Pacific Hurricane Center)の管轄で命名されるようです。どちらもアメリカ国立気象局(National Weather Service)の下部組織のようです。

アメリカのハリケーンの名前は、人名なので日本の「台風 12 号」のように数字で表されないので、Sandy と聞いても今年何番めの台風なのかわかりません。しかし、調べてみると、このハリケーンの命名にはルール……というかリストがあって、毎年どのリストを使うのかはあらかじめ決まっているのだそうです。そして、そのリストは頭文字が A から始まるものなんだそうです。なので、Sandy の S のだとリストも終盤だな……といったことはわかるようです。

2012 年の東部用のリストは、Alberto → Beryl → Chris → Debby → Ernesto → Florence → Gordon → Helene → Isaac → Joyce → Kirk → Leslie → Michael → Nadine → Oscar → Patty → Rafael → Sandy → Tony → Valerie → William となっていました。2013 年は Andrea で始まるセット、2014 年は Arthur で始まるセットとが使われることが決まっています。セットリストは全部で 6 つ。これを繰り返し使うのだそうです。ちなみに 2012 年の西部用のリストは、Aletta → Bud → Carlotta → Daniel → Emilia → Fabio → Gilma → Hector → Ileana → John → Kristy → Lane → Miriam → Norman → Olivia → Paul → Rosa → Sergio → Tara → Vicente → Willa → Xavier → Yolanda → Zeke となっていました。
※ 世界各地の台風やハリケーンの命名については、Wikipedia の Lists of tropical cyclone names が参考になります

しかし、7 年前に New Orleans を襲ったのは、Katrina(カトリーナ)がこのリストに見当たらないんですよね。調べてみると過去のリストには入っていたのですが、2005 年に廃止になったみたいです。記録的な大災害をもたらしたハリケーンの名前として欠番になったのでしょうか。
※ 欠番になった名前のリストは国立ハリケーンセンターの “Tropical Cyclone Naming History and Retired Names” で確認できます

ちなみに日本に到来する台風にも国際的な名前というのはつけられていて、こちらも “Tropical Cyclone Naming History and Retired Names” で確認できます。ただし、これらは日本を含む 14 の国と地域で編成された台風委員会によってリストが作成されています。日本から提出された名称は、TembinYagiUsagiKajikiKammuriKujiraKoppuKompasuTokage という星座シリーズで統一されています。気象庁のサイトでこのリストが公開されていますが、ネーミングポリシーが各国各様でなかなかおもしろいものです。

おまけ :神戸にいて難を逃れた知人ですが、「ハリケーン、大丈夫?」というメッセージに Thanks for your concern. というリプライがありました。「お気遣いどうも」といったところでしょうか。またひとつフレーズを覚えました♪

photo : “Sandy Oct 28 17.50(UTC).jpg” by NASA


そこのタバコ屋でノータライズしてもらえ……?

2012/10/22 | Posted by maki in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

'copies faxes notary public' by cinnamonster

こんにちは、maki です。実際にアメリカで暮らしてみると、中学・高校の 6 年間に加え、大学では英文学専攻だったので、その 4 年間も加え、都合 10 年学んできたはずの英語がまるで役に立たないシーンにちょくちょく遭遇します。Shakespear の sonnet や課題のテキスト(reading assignment)は読めても、日常生活に困るという……。

留学先の学校に向かったその日、初日ということで、学事部のようなセクションに行って、学籍登録をするというタスクがありました。担当の人に書類を提出すると、「そこのタバコ屋でノータライズしてもらえ」という謎の指令が出ました。ノータライズ? タバコ屋? ちんぷんかんぷんです。

そもそも「ノータライズ」の意味がわかりません。そして、学籍登録と近所のタバコ屋の関連がまったくわかりません。タバコ屋に行くと、正式に学生として認められるとはどういうことでしょうか……。???な思いのまま、通りの向かいのタバコ屋にとりあえず行ってみました。ダウンタウンによくある間口の小さな薄暗い店舗で、タバコのほかに、コピー機が置いてあったり、ちょっとした文具や雑貨のようなものを売っているようです。店主はごく普通の個人商店の店主風の人(雇われ店長かもしれません)で、自分を正式な学生にしてくれる権限があるような人にはまるで見えません。「ノータライズ」の意味もわかりませんし、いまは大学の担当者は「ノータライズ」と言ったと認知できていますが、未知語なのでそのときは何と言ったのかも記憶はあやふやな状態。よくわからないので、とりあえずその店でいちばん目立つコピー機でコピーを取ってみました。そして、とりあえず学事部にもどって、「こういうこと?」ってコピーを見せたところ、タバコ屋でサインをしてもらえと言われました。ヤツは笑ってました!(なんだよ!)まだよくわからないまま、またタバコ屋に行って、店主に書式を渡して、サインしてくれと頼んだところ、店主は細かいことを聞きもせずにサインしてくれました。10 ドルかそこらを支払ったような記憶があります。

この「ノータライズ」は、英語の綴りは notarize。意味としては、公証人が契約書などを公証することだそうです。本人による契約であることを公証人(notary public)の目の前で署名などをすることで公証するということが、アメリカではごく一般的におこなわれているようです。日本には印鑑があり、印鑑証明などがあるので、大きな契約時にもそれで済んでしまうことが多いですが、アメリカはサイン社会なのでこういうシステムがあるようなのです。日本では公証人(遺言や離婚、任意後見契約、金銭消費貸借契約、土地建物賃貸借契約などの公正証書を作成する公務員)のお世話になるようなシチュエーションが個人的にはほとんどなかったので、まったく頭に浮かびませんでした。

アメリカではタバコ屋の店主がアルバイト的に公証人をやっている(比較的簡単に資格取得ができるようです ※)のに、日本では公証人は公務員であるということもかなり大きな違いです。世界に目を向けると、日本のように公務員やそれに準じる人しかできない国もありますし、アメリカのような国もあります。渡米直後のかなり大きな異文化体験でした。そして、「聞くは一時の恥」などという言葉を思い出したりしました……。

おまけあるサイトによると、全米の公証人(notary public)は、430 万人! そのほとんどが、副業で公証人をしているんだそうです。資格取得のためには試験に合格したり、一定の審査があるようですが、州によりバラバラみたいです。日本とはまるで事情が違うようです。

photo : “copies faxes notary public” by cinnamonster