前門の虎、後門のオオカミ – Between the Hammer and the Anvil

11月 8th, 2012 | Posted by maki in 小ネタ

'Stop! Hammertime!' by Herr Olsen

こんにちは、maki です。ここ数週間ぐらい、毎朝 5 km ほど歩いて通勤しています。数週間前はちょうど気候もよかったので始めてみました。でも、立冬を迎え、寒くなってきてしまったので、いつまで続くことやら。そのウォーキングの間には音楽を聞いているのですが、きょう聴いていた Judas Priest の “Between the Hammer and the Anvil” という曲が妙に気に入ってしまい、ヘビロテしていました。

hammer は、ハンマーですね。anvil は聞きなれない単語ですが、鉄床かなとこです。熱した金属を硬い鉄の塊である鉄床の上で、ハンマーで叩いて、鍛えたり、整形したりするわけです。Judas Priest にふさわしい、とても Heavy Metal な情景です。

ひょっとしてイディオムになっているのではないかな……と思って調べてみたところ、やはりそうでした。「どっちにしてもヤバイ状況」のことなんだそうです。日本語の「前門の虎、後門の狼」と似た慣用句ですね。前に進むも、後ろに下がるも危機が待ち構えている状況です。

between the hammer and the anvil の類似表現としては、between a rock and a hard place というのがありました。こっちは Rolling Stones ですね。ハンマーと鉄床という組み合わせが Heavy Metal の Judas Priest に対して、岩(rock)が Rolling Stones というのはなんともいい対比です。

他には、between the devil and the deep blue sea というのもありました。こちらは「背水の陣」といった印象です。

この between A and B シリーズには、同じ意味でもうひとつありました。between Scylla and Charybdis です。ScyllaスキュラCharybdisカリュブディスとして紹介されているギリシャ神話の海の怪物。イタリア半島のブーツのつま先とシチリア島の間のメッシーナ海峡での海難事故の原因と言われていたのだとか。狭い海峡で怪物に挟み撃ちにされるというのはなんともヤバイ状況です。

この Scylla という綴りを見ていると、イタリア語の Sicilia とかなり似ている気がするんですよね。あと対岸のブーツのつま先は、カラブリア州という地域なんだそうですが、イタリア語では Calabria。これも似ている気がします。関係あるんでしょうか、ないんでしょうか……なんてことを考えながらウォーキングしています。

photo : “Stop! Hammertime!” by Herr Olsen


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