明ける前から祝っちゃう!? 中国語の「新年快樂」の使い方。

2月 3rd, 2016 | Posted by xiaofan in 小ネタ

'Happy New Year !' by 黃毛 | YELLOW Mao

大家好! xiaofan です。今日は、2 月 3 日。節分です。日本では年も明けて、もうだいぶん時間が経ったような気もします。ここ台湾では尾牙(wěi yá) と呼ばれる集まりが続いています。尾牙とはつまり忘年会のこと。えっ、今頃?と思うかもしれませんが、台湾をはじめ、中国、韓国、シンガポール、マレーシアなどのアジア各国では、旧暦のお正月で新年を祝うのが一般的。西暦の変わり目で新年を迎える概念と習慣の日本のほうが、アジアでは少数派といえます。

今年の旧暦のお正月は 2 月 8 日。台湾では、旧正月前のこの時期が日本の年末にあたります。年終獎金(niánzhōng jiǎngjīn)と呼ばれるボーナスの支払いもあれば、休みに向けて仕事が立て込むのも同じですし、年菜(niáncài)と呼ばれるおせち料理の準備もしますし、大掃除だってあります。さらにデパートでは歳末セールで割引があちこちで行われ、迪化街という問屋街は年越しのアメ横そっくりの賑わいを見せます。

'迪化街年貨大街' by Dean Lin

そんなわけで、このところ夫の尾牙に参加する機会が増えています。職場の尾牙では社長や同僚の皆さんやそのご家族と一緒にご飯をいただき、仕事仲間の尾牙では多いに飲み笑う、という感じです。その尾牙でのこと。先輩がグラスを片手にこう言いました。

新年快樂!(xīnnián kuàilè)

教科書通りに、明けましておめでとう、と日本語訳してしまうのは適当ではない、とはっきりとわかった瞬間でした。そういえば 12 月のある日、近所のお店でランチをいただいていたら、店のご主人がお客さん一人一人に「新年快樂!」と言っていたのを思い出しました。

両者は、旧暦と西暦、暦の概念こそ違えど年が移り変わる時期だという点は共通です。

日本語にも、年が明ける前から使用するあいさつがありますので、上の場面の訳は「明けましておめでとう」ではなく「よいお年を」と考えるほうが自然です。逆にいえば、中国語の「新年快樂」は「よいお年を」から「明けましておめでとう」の両方をカバーするということになります。言い換えれば 12 月中旬くらいから 2 月中旬までこのひと言がよくやり取りされる、ということでもあるわけです。うーん、なんともフレキシブル!

ある言語を別の言語に訳すという作業は、単に言葉を置き換えることを意味するのではありません。ある言語が使われている文脈や使用場面をしっかりと理解し、それを対象言語の文脈や使用場面ではどういう言い方をしているのかを踏まえた上で、さまざまなバリエーションの中から訳出しを行い、言い換えを決めていくという作業です。

たかが新年のあいさつ、されど新年のあいさつ。常套句だからこそ、その訳には気を付けなければならないなあ、と思ったのでした。

今週末から台湾はお正月休みに入り、2 月 7 日が大晦日、8 日に新しい年を迎えます。今度は申年。中国語では猴年(hóu nián)と書くので、「猴年吉祥(jíxiáng)」「猴年大吉(dàjí)」と書かれた新しい年に福が訪れるよう願う札が家々の軒先に貼られています。

それでは、祝大家(zhù dàjiā)新年快樂!(皆さん、よいお年を) 以上、繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

おまけ :ちなみに、台湾で使われているのは、日本の旧字に近い繁体字。中国本土などで使われるのは、簡体字。簡体字の場合、新年快楽(日本の漢字表記)は、新年快乐と綴ります(そのまま使えます)。「お正月が 2 回ある!? 「あけましておめでとう」を中国語でどうするか」で、新暦と旧暦での「あけましておめでとう」の言い方のバリエーションをご紹介しています。必ずこのように言う……というわけではないのですが、ご参考までに。

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