お正月が 2 回ある!? 「あけましておめでとう」を中国語でどうするか

3月 8th, 2018 | Posted by xiaofan in 小ネタ

大家好! xiaofanです。明治維新から 150 周年となる 2018 年。NHK大河ドラマでは幕末で大いなる活躍をした『西郷どん』が始まり、明治維新とは何だったのかを考える絶好のタイミングです。言うまでもなく社会全体が様変わりした明治維新ですが、台湾に住んでみて改めて考えると大変なことだったと思うのが、それまで日本でも使われていた旧暦からグレゴリオ新暦を採用した時間の改革です。

台湾にある 2 つのお正月

ここ台湾には 2 つの時間軸が存在しており、それに伴ってお正月を 2 回迎えます。

1 つは、國曆(guólì)と呼ばれる日本と同じグレゴリオ新暦で 1 月 1 日から 12 月 31 日までの時間軸です。

12 月 31 日から 1 月 1 日は、跨年(kuànián)といわれ、台湾のランドマークタワー・台北101で行われるカウントダウン花火や、台湾各地でのコンサートは年越しのイベントとして定着しています。1 月 1 日こそ祝日として休みますが、それを過ぎるとあっさりと街は普段の顔を取り戻し、通常営業になります。日本だと、一般的には「年越しライブ」などのように「年越し」がよく使われる表現ですが、その月のうちに終わらないで翌月にわたる状態のことを「月をまた」 / 「また」と言いますね。年を跨ぐ場合は、「年をまた」 / 「また」で、まったく同じ漢字で表現しますね。

もう 1 つは、農曆(nónglì)と呼ばれる旧暦の時間軸です。台湾における正真正銘のお正月は、この旧暦で迎え、春節(chūnjié)あるいは、過年(guònián)と呼ばれます。

例年、春節の前ともなると、市場などではお正月食材や年菜(niáncài)と呼ばれる年越し料理が売られますし、紅包(hóngbāo)と呼ばれるポチ袋、春聯(chūnlián)というお正月飾りに、賀年卡(hèniánkǎ)というメッセージカードが売り場に置かれ、街のあちこちが鮮やかな赤い色に染まります。モノや風習はあれこれ違うものの、日本の師走シーズンと考えると、気ぜわしさや街が浮き立つような様子は同じといえます。

大晦日にあたる除夕(chúxī)から、初五(chūwǔ)と呼ばれる年明け 5 日までの 1 週間ほどがお正月休みにあたります。大掃除をし、玄関などを飾り付け、家族で集まって食事をいただく一連の流れも大いに共通するものを感じます。

新年の挨拶をどうするのか

日本では、1873 年 11 月に明治政府から突然「明治 5 年 12 月 3 日を明治 6 年 1 月 1 日とする」とお達しが出て新暦へと一気に変わり、今では旧暦のお盆を迎える地域を残す程度にまで変わってしまいました。もちろん旧暦にあった二十四節気が完全になくなったわけではありませんが、言ってみれば日本は政府が暦を強引に切り替えたわけです。その裏には、こんな明治政府のお財布事情があったとは……。
Cf. 暦は知れば知るほど、奥が深い学問ですね – かしこい生き方のススメ : COMZINE by nttコムウェア(暦研究家・歴史家・岡田芳明さんインタビュー)

これに対して台湾は、世界の一員として共通の暦を採用しつつも、自分たちの伝統を残して共存させる道を選択したということができます。これは正否の問題ではなく、あくまでも選択の違いに過ぎません。

さて、ここで気になるのが、2 つのお正月の挨拶をどうするのか、ということです。日本語にある新年の挨拶は、年賀状における書き言葉はさておき、基本的に「明けましておめでとうございます」しかありません。中国語ではどう言えばいいのか。何しろ、1 月 1 日に「新年快樂!(xīnnián kuàilè)」と使ってしまうわけです。2 度とも同じなのか、あるいは 2 月には別の言い方をするのか、と思っていたところへ、台湾人の仕事仲間からメールが届きました。

快樂!(xīnchūn kuàilè)

なるほど! 新しい春という節目を迎えるから「快樂」。膝を打ちました。

念のために申し添えますが、皆が皆、こんなふうに言い換えているわけではありません。どちらのお正月も新年快樂!」と挨拶する人もいます。いや、むしろそちらが多数を占めています。ただ、時期も過ごし方もまるで違うのですから、せっかくならば言い換えておきたいところです。
※ ちなみに、台湾で使われているのは、日本の旧字に近い繁体字。中国本土などで使われるのは、簡体字。簡体字の場合、新年快楽(日本の漢字表記)は、新年快乐と綴ります(そのまま使えます)

以前にも「明ける前から祝っちゃう!? 中国語の「新年快樂」の使い方。」として、「新年快樂」をどう使うかに違いがあることをご紹介しましたが、いずれにしても、新年も新春も 1 年の大きな節目として大事に過ごしたいですね。以上、繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見囉~!

おまけ :中国・台湾・韓国・ベトナムでは、現在も大々的にお正月を祝うのは、旧暦のお正月。華僑の人たちの多いシンガポール・マレーシア・インドネシア・フィリピンでも国の休日となっているようです。「スピード翻訳」では、新暦も旧暦も、24 時間 365 日、中日・日中・韓日・日韓の翻訳を受け付けております(もちろん、英日・日英翻訳も)。プロの翻訳者のご用命は「スピード翻訳」にお任せください。


You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 Both comments and pings are currently closed.