満月はウサギ、それとも狼男? 欧米が持つ月のイメージの違い

3月 12th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ

'full moon through trees' by Patty O'Hearn Kickham

こんにちは、maggy です。寒波も一旦終了、ようやく春らしくなってきましたね。陽が差すと嬉しくなり、つい小学校のときに習った、春の歌を口ずさんでいます。春は変質者が増えるというのも、分からなくもない今日この頃です。

さて、「〽菜の花畠に入日薄れ」で始まる童謡、「朧月夜」(高野辰之さん作詞、岡野貞一さん作曲)は覚えていますか。春の夜空に浮かぶ、ほのかに霞んだ月。日本の春の美しい情景を見事に表していますよね。

海外で「日本の歌を一曲、歌って」と、突然頼まれたことがあります。「君が代」か「さくらさくら」も浮かんだのですが、ちょうど月が美しい夜のことだったので、「朧月夜」を歌いました(他の 2 曲に比べて、音程を外しにくいという実用的な理由もありました)。

日本人は月に対して、「朧月夜」のような伝統的な風情あふれる情景や、あるいは月に住むウサギ、かぐや姫など、ロマンチックなイメージを持っているのではないかと思います。

しかしどうやら、月のイメージは文化によって違うようです。特に欧米では、月といえば少し不気味なイメージなんだとか。例えば満月(full moon)は人の心を狂わせるという言い伝えがあります。満月の夜になると狼男に変身するというお話や映画がありますよね。

同じような発想で、英語には月の女神ルナ(luna)から派生した lunatic(ルナティック)という言葉があり、これは狂人、精神錯乱者という意味になります
参照 : lunatic – 『プログレッシブ英和中辞典』(小学館)@コトバンク

さて、海外での「朧月夜」のお披露目は、歌声はさておき、メロディの美しさにとても喜んでいただけました。当然、歌詞の意味も聞かれましたが、その美しさが私の翻訳でちゃんと伝わったのかどうかは少し不安です。あちらの人には「ぼんやり霞んだ月」だなんて一層に怪しく聞こえて、うっかり春の夜の怪談になってしまったかも……?

photo : “full moon through trees” by Patty O'Hearn Kickham


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