がぶ飲みしたいときー! がぶ飲みしたいときー!(ちょっと古い?)

9月 18th, 2012 | Posted by maki in 小ネタ

'A Very Big Cup of Water!' by Totoro's Expy

先日のテレビ報道で、New York City のレストランや映画館などでの巨大なサイズの容器での炭酸飲料の販売を規制する条例案が可決されたというのを聞きました。NYC に限らず、学校での炭酸飲料の販売に関する規制が設けられるという話はアメリカではよく聞きます。要は、大量の糖分を含む炭酸飲料を大量に摂取するのは健康によくないという予防医療的な見地からの動きなのだと思います。これに対しては、炭酸飲料メーカーの反対はもちろん、一般市民からもあの大きさの炭酸飲料を飲むのが映画にはぴったりなのに……という声も聞かれるそうです。

コーラなどの炭酸飲料は、総称として soda と呼ばれています。なので、前述の条例などは soda ban(「ソーダ禁止条例」とでも訳しましょうか)と呼ばれているようです。アメリカには、BIG SODA FAN(ソーダ星人)がたくさんいるんですよね(そうでない人もたくさんいます)。NYC にはそんなに店舗数はないので見たことがありませんでしたが、California の 7-Eleven でかなり大容量の容器を見たことがあります。日本と同じように缶や瓶での販売もありますが、カウンター脇にファミリーレストランのドリンクバーにあるようなベンディングマシンが設置されていることが多いのです。自分の飲みたい容量のカップに soda を注いで、その容器の大きさに応じた価格を支払うというシステムです。そこに置いてある大容量のカップが BIG GULP です。gulp は、ゴクゴク飲むことですので、日本語に訳せば「がぶ飲み」といったところでしょうか。

BIG GULP は、1980 年に登場した商品で、32 oz.(946.35 ミリリットル)の大容量。約 1 リットルですね! BIG GULP シリーズは、まだまだあります。SUPER BIG GULP は、44 oz.(1.30 リットル)。X-treme GULP は、52 oz.(1.54 リットル)。最大サイズの DOUBLE GULP は、その名のとおり BIG GULP の 2 倍で、64 oz.(1.89 リットル)! 日本で言えば、2 リットルのペットボトルをひとりでゴクゴク飲んじゃうような感じですね。どんだけ soda 好きなんだ……というレベル。
※ oz. は、この場合は fluid ounce(fl. oz.)で、液体の容量に関する単位でアメリカで用いられています。1 fl. oz. = 29.5735296 ml となります

しばらく前に「悲しいときー」で人気だったいつもここからが、ソフトドリンクの CM で「がぶ飲みしたいときー」というセルフパロディをやってました。彼らが CM 出演していた「がぶ飲みミルクコーヒー」は、現在の商品では 500 ml(CM 当時の量は不明)。BIG GULP の半分強。こんな量で「がぶ飲み」と言われても BIG GULP を飲みなれた人からは鼻で笑われちゃいますね。なんだかまだまだ蒸し暑い日が続いています。おなかを壊さない程度に、過剰な糖分を摂取しない程度に BIG GULP したいですね!

fl. oz. のような耳慣れない単位もそうですが、アメリカでの soda の消費事情や、それにともなう健康政策とか、翻訳の仕事にはこういう文化的・社会的理解も重要ですね。

photo : “A Very Big Cup of Water!” by Totoro’s Expy


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