Author Archives: maggy

お待たせしました、maggy です。これまでビジネスメールには即レス・即答を心がけていたのですが、最近は少し時間をかけて戦略的に返信するように気を付けています(ひと夏過ぎて、また大人になってしまいました)。

英語のビジネスメールなら、なおさら気を遣います。お問い合わせはもちろん、交渉や折衝、トラブル対応などは社内や関係者と調整の上、誤解を招くような表現や失礼な表現がないか、よく見直してから送るようにしています。

そのためにまずは、「ちょっとお待ちください」 や 「少々お時間いただきます」 と言ったひと言を即レスしておき、時間を稼ぎましょう。……とは言っても英語だと “Please wait.” しか思い浮かばない! なんて方もいらっしゃるのでは?

そこで状況に応じて使える、便利な表現をご紹介します。

【 少し時間が欲しいことを伝える 】

Please wait for a little while longer.
 = 少々お待ちください。

Could you kindly wait for a couple of days?
 = 数日間お待ちいただけますか。

We appreciate your patience as it might take some time.
 = 少し時間がかかりそうなので、ご辛抱いただけると幸いです。

「具体的な日数」を示すと、相手も安心して待つことができますね。

【 どのくらい待ってほしいか伝える 】

I’ll get in touch with you again shortly.
 = すぐに折り返します。

We will contact you again about the matter within a week.
 = 本件については一週間以内を目処にまたご連絡いたします。

We will get back to you at the soonest possible time.
 = 可能な限り早く回答いたします。

「お待たせする理由」を付け加えると、相手により理解していただけるでしょう。

【 詳細や状況を確認してから連絡したい場合 】

I will be in touch again shortly with more details.
 = 詳細とともに再度、迅速にご連絡いたします。

I will get back to you once I get any updates.
 = 最新の状況がわかり次第、折り返します。

We will see how things are going and get in touch next week.
 = 状況を見まして来週にもご連絡いたします。

【 回答に調査が必要な場合 】

I will look into the matter and get back to you tomorrow.
 = 本件について調査しまして、明日折り返します。

Please give me a few days to investigate about it.
 = 調査のために数日間いただけますでしょうか。

We will look into it and get back to you later.
 = 調査しまして後日ご連絡差し上げます。

【 社内調整が必要な場合 】

We’re going to have an internal discussion and get back to you.
 = 社内協議にかけまして、またご連絡いたします。

We’ll review internally and get back to you as soon as we can.
 = 社内で確認しまして、なるべく早く回答いたします。

【 担当者が不在の場合 】

If you could kindly wait until Monday, I am sure that my colleague, Tanaka, will get in touch with you.
 = 月曜までお待ちいただけましたら、同僚の田中が必ずご連絡いたします。

「お待たせしている間の対応」を提示するのも丁寧です。

【 待っていただく間の対応を提示する 】

In the meantime, please let me know if you have any further questions.
 = その間、もし他にご質問があればどうぞご連絡ください。

In a meanwhile, please see the attached document for additional information.
 = その間、添付の書類の追加情報にお目通しください。

結構お待たせするかもしれない場合は、相手への「感謝」をメール末尾などでも再び、十分に示しておきましょう。

【 お待ちいただくことへの感謝を示す 】

Thank you for your patience. / Your patience would be much appreciated.
 = お待ちいただきありがとうございます。

We will be back on Monday so we would appreciate your patience until then.
 = 月曜には回答いたしますので、それまでご辛抱いただけたら幸甚でございます。

状況が整い、十分に見直したら、さあ返信です!

【 返信をお待たせした場合 】

Thank you so much for waiting.
 = 大変お待たせいたしました。

We appreciate your patience in waiting for ~ (our response/ the update).
 = 〜についてご辛抱いただきありがとうございました。

※こちらの記事もご参考ください: 「返信(返事・返答)が遅くなり申し訳ありません」英語ネイティブはどう言う?

一本のメールで、プロジェクトの進捗や相手との関係が、良くも悪くもなります。
仕事への真摯な態度が英語にも表れるよう、様々な配慮をしながら英文メールを書きたいですね!

おまけ :複雑なビジネス交渉の英文メールはもちろん、英文資料や企画書、報告書などの翻訳が急ぎで必要なときは、「スピード翻訳」のプロ翻訳者にお任せください!


(仮)は英語でなんと言う? 英文資料や企画書・提案書の草案作成に便利な表現

2017/07/25 | Posted by maggy in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

こんにちは、maggy です。といっても、これは 仮の名前です。ライター業を始めるときにペンネームをとりあえず決めて以来、そのまま何年も使っています。今では、しっくり来ています。

仕事では企画書、提案書、会議のアジェンダなど、締切までに案やアイデアを資料にまとめて提出しなければいけない場面が多々ありますね。それが英文資料となると「英語か……」と、つい構えてしまいがち。そんなときはあまり考え込まずに、まずは草案(ドラフト)を準備してしまいましょう。上司や同僚に見てもらって意見をもらいながら、徐々にブラッシュアップすると効率的です。

英文資料の準備時に使える、便利な英語表現をご紹介します。

tentative = 仮の / 一時的な / 暫定的な

その後ブラッシュアップすることが前提の、試案やたたき台に使われます。

  • tentative plan = 試案
  • tentative schedule = 仮スケジュール
  • tentative title = 仮タイトル

もうひとつ、同じ「仮(の)」で、ちょっとお堅めなのがこちら。法律や政治の分野で、公式な承認や公開前の文書によく使われています。

provisional = 仮の / 一時的な / 暫定的な

  • provisional agenda = 仮の議題
  • provisional agreement = 暫定的な合意
  • provisional budget = 暫定予算

draft (ドラフト)という言葉はカタカナ語にもなっているので皆さんご存知でしょうが、こちらも使い道がたくさんあって、応用が利きます。

rough draft / first draft = ラフ

カタカナ語でいわゆる「ラフ」のことで、初期段階の草案ですね。まだまだ未完成でも “This is just a rough draft. (まだ単なるラフなんだけど)”などと添えて提出すれば、(多少の荒さは許して!)というニュアンスが伝わります。

final draft = 最終草案

あとは最終承認をもらうだけ、というほぼ完成に近い草案のことですね。“This is the final draft.(これが最終草案です)”などと添えて提出すれば、(提出日まで時間がないので、これで勘弁して〜!)なんてニュアンスも伝わるはず。

なお、英語で draft は SVO 形で、動詞としても使います。

  • draft a business plan = ビジネスプランの草案を書く
  • draft a report = 報告書の草案を書く
  • draft a speech = 講演の草案を書く

さらに、これらとあわせて使いたいのがこちら。

As of 〜 = 〜時点で / 〜現在の

資料やデータが、いつの時点の情報なのかを記載したいときに便利です。ヘッダーやフッターに記載したり、タイトルの後ろにカッコつきで付けたりして活用しましょう。

  • As of today = 本日時点の
  • As of April 1 2017 = 2017 年 4 月 1 日時点の
  • Financial Report for the 1st Quarter (as of April 1, 2017) = 第 1 四半期の財務報告書(2017 年 4 月 1 日時点)
  • Revised proposal (as of April 1, 2017) = 改訂提案書(2017 年 4 月 1 日時点)

※ この as of は、These changes will be effective as of January 1, 2020.(これらの変更は、2020/01/01 をもって有効となります)のように「(この日)より / から」、「(この日)をもって」の意味で、未来に対しても使えます

以前ご紹介した「TBC / TBD」も、ぜひ活用してくださいね。

締切が来たので泣く泣く提出した企画書(仮)から始めたプロジェクトが、後にヒットしたりもするので、人生って不思議なもの。時間制限内に完璧に用意できるに越したことはありませんが、仮決めでどんどん進行するのも大切なのかな、と思う今日この頃です。

おまけ :資料の草案はどんどん日本語で作って、英文資料は翻訳サービスに依頼する、という準備方法もあります。企画書、提案書、会議資料、報告書、プレスリリースなどの翻訳は、「スピード翻訳」のプロ翻訳者にお任せください!


日本は残念なお店だらけ?「営業終了」は英語で「CLOSE(クロース)」じゃなくて……

2017/03/03 | Posted by maggy in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)

こんにちは、maggy です。最近は、観光施設、宿泊施設、店舗やレストランなどで多言語対応がどんどん進んでいます。館内の案内やメニューなどを多言語化するのも大事ですが、その前に営業中であることをアピールしないといけないですね。戸口に OPEN と大きくわかりやすく書かれていると、初めての方も、海外から来た方も入りやすいはずです。

さて、その「おもてなし」の顔となる表札看板。残念なことに日本では、よくある英語の間違いが……。

まず、「営業中」に関しては、こちらは OK なのです。

営業中 → OPEN

ここでの open(あるいは大文字で OPEN)は、(お店などが)「開いている」「営業中」を意味する形容詞。全文を書くと、下記のようになります。

We’re open. = 当店は営業中です。

一方で、問題となるのは、営業終了後。その対となる表札看板として、よく見かけるのがこちらですが……。

営業終了 → CLOSE

うーん、残念!英語では、正しくは closedと書きます(発音 = klóuzd / クローズド)。文で書くと次のようになります。

We’re closed. = 当店は営業終了です(閉店しました = その日の営業は終了という意味での)。

この closed は、(お店などを)「閉じる」、「閉める」、「営業を終了する」を意味する動詞の close の過去分詞形で、形容詞のように使えます。

英語には close(発音 = klóus / クロース )という形容詞もありますが、こちらは「(時間・空間的に)近い」という意味になります。

ですので、お店などの表札看板に CLOSE と書いてあって、店内の電気が落ちていると、英語ネイティブにはこんな感じに読めてしまうこともあるのだとか。

We’re close. = 当店は近くにあります。

明らかに場所も外観も探していたお店に見えるのに、違うのかな……と、不安を呼ぶこの表記。まるで都合の悪いときにいないフリをする、居留守のように見えるかも?

close は、「(時間・空間的に)近い」の意味から、「達成度がいまひとつ」という意味での「惜しい」「あと少し」の意味でも使われます。すると、下記のようにも読めます。

We’re close. = 当店は惜しい!

「残念!」のようにも感じられ、自虐的なんだか、なんなんだかよくわからないニュアンスのように思われるかも?

一見さんお断りのお寿司やさんなんかもかっこいいですけど、訪日外国人客の皆さんが、冷たい英語の看板に寂しい思いをしていないか、ちょっと心配です。英語で CLOSE と書いていらした場合は、CLOSED に直しちゃいましょう。

なお、過去分詞の形容詞的用法を翻訳するとき、日本語でカタカナ表記する場合、ed の部分を省略して書くことが多くあります。そのため、カタカナ語の発想で、そのまま英語で書くという間違いが発生しやすくなっているんですね。

間違いやすいものを、下記にまとめましたのでご参考ください。

<和製英語で省略されている形容詞用法の過去分詞の一例>

  • マッシュ・ポテト = mashed potatoes
  • スクランブル・エッグ = scrambled egg
  • アソート・チョコレート = assorted chocolates
  • プリントTシャツ = printed T-shirts
  • ダメージ・ジーンズ(デニム) = damaged jeans (denim)
  • コンプリート・エディション = completed edition
  • カスタマイズ・コンピューター = customized computer

おまけ :閉店中に来ちゃったお客さんが、無事、翌日などにまた来てくれたら、英語や他言語のメニューや解説で喜んでいただきましょう。看板などの短文から長文まで対応できる、「スピード翻訳」のプロ翻訳者にお任せください。

日本語からの翻訳は、以前から提供していた英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、インドネシア語、ベトナム語に加え、現在は、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、タイ語へのご依頼も受け付けております。
参考記事 : 新しい言語ペアが追加されました!

ちなみにきょうのフレーズ(OPEN / CLOSE)はコチラ!
※ 2017/03/01 現在(タガログ語 / マレー語のサービスは提供停止となっています)

営業中 営業終了
英語 OPEN CLOSED
中国語(簡体字) 营业中 休息中 ※
中国語(繁体字) 營業中 休息中 ※
韓国語 영업중 ※※
フランス語 OUVERT FERMÉ
スペイン語 ABIERTO CERRADO
ポルトガル語 ABERTO FECHADO
タイ語 เปิด ปิด
インドネシア語 BUKA TUTUP
ベトナム語 MỞ CỬA ĐÓNG CỬA
※ 中国語(簡体字・繁体字)の営業中かそうでないかを表示する札の営業終了を意味するものには、休息中の表示のものが多いようです。日本でも明らかに営業終了のように見える店に準備中との札が下がっていることがありますね。
※※ 韓国にも、외출중(外出中) / 정기휴일(定休日) / 금일휴업(本日休業)のサインはあるようですが、単に営業時間の終了を伝えるだけのときは OPEN / CLOSED の英語のサインを使ったり、きちんとした文章として記載する(오늘의 영업은 종료 되었습니다. = 本日の営業は終了いたしました)のが一般的なようです

photo : ”閉店です” by yamauchi


株式会社は英語で「K.K.」?「Inc.」や「Ltd.」「Co., Ltd.」との違いとは?

2016/12/27 | Posted by maggy in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)
TOEI ANIMATION Co.,Ltd.

こんにちは、maggy です。今年は JK(Joshi Kosei)という略語を覚えたのに、一度たりとも使う機会のなかった1年でした。日本の女子高生の制服ファッションやカルチャーは、今や海外でも知られていて、まるで一つのブランドみたいだと以前から思ってましたが、いよいよ呼び名までそんな感じになってきましたね。

もう一つ、私が今年覚えた言葉が KK です。あるビジネス文書の英訳を読んでいたら、外資系企業の日本法人の名前が、こう書いてあったんです。

ABC株式会社 → ABC K.K.

なんの略だろうかと調べてみたら、まさかの直球でした。株式会社(Kabushiki- Kaisha)のローマ字読みの頭文字を取った言葉なんだそうです。こちらの方がわたしも使いそう。

国際的な日本企業さんのホームページの英語版を見てみると、確かに「Tonen General Sekiyu K.K.(東燃ゼネラル石油株式会社)」「SHOWA DENKO K.K. (昭和電工株式会社)」などと書いてありました。

ピリオドを省いた、こんな書き方もありました。

ABC株式会社 → ABC KK

「かぶしきがいしゃ(Kabushiki-Gaisha)」で KG ではないの……? と少し疑問に思いましたが、法律の世界では Kabushiki-Kaisha とローマ字表記するのが習わしなんだとか(参考:法務省「日本法令外国語訳データベースシステム - 会社法」)。

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ただ、会社名の英語表記には Ltd. や Inc. なんかも見かけますよね。さらには「TOEI ANIMATION Co., Ltd.(東映アニメーション株式会社)」「Nintendo Co., Ltd.(任天堂株式会社)」などに見られる Co., Ltd. という書き方も。これらと KK との違いは何でしょうか?

英語ネイティブに聞いてみたところ、Ltd. は Limited の略で主にイギリスで使われていて、Inc. は主にアメリカやカナダで使われる Incorporated の略、そして Co., Ltd. は Company Limited の略で、主に日本語の「株式会社」、「有限会社」の英訳として使用されているそうです。
※ ただし、日本の有限会社は、2006 年施行の会社法から廃止されました(商号としての利用は認められています)

  • K.K. / KK = Kabushiki-Kaisha : 日本でのみ使われる
  • Ltd. = Limited : イギリスでよく使われる
  • Inc. = Incorporated : アメリカでよく使われる
  • Co., Ltd. = Company Limited : イギリスやアメリカではあまり使われなくなったが、日本ではまだ使われている

いろんな言い方があるんですね。

というのも、各国で少しずつ会社設立のための法律が違うので、日本の会社法における「株式会社」を直訳できる英語がないのだそう。株式会社 = K.K./ KK で通じれば簡単なのですが、「株式会社」という言葉を知らない英語圏の人には何のことかサッパリで、通じません。

そこで英語から言葉を借りることにしたとき、それぞれの会社の形態に最も近い英訳を当てはめるなどの工夫をしてきたため、現在のようなさまざまな形になっているのだとか(詳しくは 株式会社 (日本) - Wikipedia などもご覧ください)。

ところで KK が海外に通じないなら、JK もかなりドメスティックな言葉でしょうか。わたしも初めはわからなかったくらいでしたが……。なお、英語圏では若者のスラングで、“Just Kidding(冗談だよ)”を JK と書くことがあります。ソーシャルメディアなどで見かけますが、JK ビジネスが世界的に流行しているわけではないので、どうかご心配なく。

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'4頭立ての戦車(ミュンヘン古代美術博物館、紀元前540年頃)' by MatthiasKabel

こんにちは、maggy です。リオデジャネイロオリンピックが終わって、いよいよ東京オリンピックに向けて真っしぐら。英語力も高めていきたいですね。早速、英語で東京オリンピックについて英語で情報収集をしていて気が付いたのですが……あれ?

  • Tokyo 2020 Olympics
  • Tokyo 2020 Summer Olympics
  • The Tokyo Olympics
  • 2020 Summer Olympics

東京オリンピックの公式サイト(英語版)も含め、多少のバラエティはありますが、どこもオリンピックスになっています。

こんな書き方もありました。


  • Tokyo 2020 Olympic Games
  • The 2020 Tokyo Olympic and Paralympic Games

こちらもオリンピック・ゲームスと、複数形ですね。

オリンピックには競技(= Game)が複数あるので、英語ではこのように複数形にするのだそう。また、 Olympic Games(オリンピック競技)のほうが正式名称で、その短縮形が Olympics とのこと。

Olympic(オリンピアの)とは、もともとは形容詞で、近代オリンピック(Olympic Games)の起源である古代ギリシャで開かれていたスポーツの祭典 = 古代オリンピック(Ancient Olympic Games)の開催地オリンピア(Olympia *古代ギリシャ語の発音ではオリュンピアに近い)に由来する言葉。オリンピアの(Olympic)競技(Games)という形容詞が短縮されて名詞的に使われるようになり、

Olympic Games(オリンピック・ゲームズ) => Olympics(オリンピックス)

と変遷したのだとか。複数の競技があるという感覚は、残っているんですね。

さらに英文を読み続けていると、文章になると The Olympics is〜. / The Olympic Games is〜. と、単数扱いで受けている文もあれば、The Olympics are〜. / The Olympic Games are〜. と、複数扱いで受けている文もあります。

英語圏では Olympics は単数扱いと複数扱い、どちらでも使われているそうです。両者の違いとしては、複数の競技の集合体として認識するなら 〜 is と単数扱い、複数のイベントがいろいろある、というイメージなら 〜 are と複数扱いという微妙なニュアンスの違いがあるのだとか。

英語で名詞に s がついているのに文では単数扱いする例は、他にもあります。

例えば、国名です。

  • The United States(アメリカ合衆国)
  • The United Arab Emirates(アラブ首長国連邦)
  • The Netherlands(オランダ)

アメリカ合衆国(The United States)は、50の州(state)で構成される国ですね。The United States is〜. と言うのは、50 の州 = 50 states が一つになった集合体、というわけです。アラブ首長国連邦(The United Arab Emirates)も、イスラム世界の君主の称号(首長)のことを意味する emirate の複数形です。アブダビ、ドバイなどの 7 つの首長国 = seven emirates によって構成される一つの国、というわけです。

英語でオランダ = Holland と覚えた方も多いと思いますが、The Netherlands とも呼ばれます。これは、古くからベネルクス 3 国 (オランダ、ベルギー、ルクセ ンブルク)の地域が、「低い土地」を意味する The Netherland を複数形にしたこの言葉で呼ばれてきた、その名残りなのだそう(参考:オランダ大使館・オランダ総領事館「オランダの正式国名は何ですか?」 「“The Netherlands”と“Holland”の違い何ですか?」)。

いずれもやはり、複数の集合体の総称だから、単数扱いになるんですんですね。こういう場合は、大概、最初に The が付くそうです。

もう一つの例です。学問の名前は語尾に s が付いていますが、これも is〜. と、単数扱いだとか。

economics (経済学)
ethics(倫理学)
linguistics(言語学)
mathematics(数学)
phonetics(音声学)
physics (物理学)など

こちらは、ギリシャ語 => ラテン語 => 英語という変遷のなかで作られた、形容詞を名詞化する ic が複数形になり、学問体系の名を表わす接尾辞になったのだそう(参考:Dictionary.com “-ics”)

日本語には名詞に単数形、複数形という概念がないので、ただでさえややこしいのに……。

英語はあれこれと変遷して今の形になっているんですから、2020 年あたりには東京オリンピック開催を祝して、ローマ字で Orinpikku(単数・複数関係なし)なんてダメかなあ……と考えました(まあ、ダメでしょう)。

オリンピックの原点は、神に捧げる古代ギリシャのスポーツ音祭典。五輪のシンボルマーク(The Olympic symbols)にもあるように、世界が一つの集合体になるわけです。オリンピアで行われていた、複数の競技と市民が心を一つにした時代に想いを馳せながら、英語では Tokyo Olympics とグローバル・スタンダードでがんばるとしましょう……。

おまけ :「スピード翻訳」では、サービス業・観光産業(インバウンド)の翻訳のご依頼が増えています。東京オリンピック(ス)に向けて、多言語での情報発信を進めたい方は、「スピード翻訳」のプロ翻訳者にお任せください。英語・中国語・韓国語などに対応しています。

photo : ”4頭立ての戦車(ミュンヘン古代美術博物館、紀元前540年頃)” by MatthiasKabel


海外出張や外国人旅行者の案内で頻出!「スーツケース」より覚えるべき英単語

2016/08/29 | Posted by maggy in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)
'Luggage' by Sean MacEntee

こんにちは、maggy です。ここ数カ月は海外出張続きで、月のほぼ半分を北米と欧州で過ごしました。最近は荷造り(packing)も相当早くなりました。「マイ持ち物リスト」だって作ってありますから。日本のアメをちょっと持っていくのがこだわりです。外国で買ったものが想像を絶する甘さで、焼けつく喉に身悶えた経験があるもので……。

さて、海外旅行の荷造りに欠かせないものといえば、スーツケースですよね。頑丈で軽く、キャスターがついて持ち運びやすいものを愛用しています。道中ずっと一緒なので、相棒みたいなもの。とはいえ、このスーツケース(suitcase)という言葉。海外出張の間、なんと一度も使いませんでした。

「預ける荷物はありますか」「お荷物を部屋までお運びします」などと、英語圏の空港やホテルでそれを指して使われているのは、luggage (ラゲージ)または baggage (バゲージ)です。どちらも、スーツケース、トランク、リュックサック、ハンドバッグ、PC 用カバン、楽器、スポーツ用品など、あらゆる旅行の持ち物の総称です。日本語の荷物にあたります。

辞書をひくと、 luggage はイギリス英語、baggage はアメリカ英語と説明があります。確かにそういう傾向はありますが、地域ではっきりと分けられるわけでもないようです。例えばロンドンのヒースロー空港では、空港スタッフらは luggage と発音しているのに、案内標識には Baggage Reclaim (手荷物受取所)と書いてありました。

荷物にまつわる、英語圏の国々で実際に見かけた案内標識を集めてみました。予約票、チェックイン、荷物検査、サービスカウンターなどで登場します。

  • 荷物の許容量 = ~ allowance / ~ limitation
    ├ luggage allowance / baggage allowance
    └ luggage limitation / baggage limitation
  • 機内持ち込み荷物 = cabin ~ / hand ~
    ├ cabin luggage / cabin baggage
    └ hand luggage / hand baggage
  • 機内預かり荷物 = check-in ~ / checked ~
    ├ check-in luggage / check-in baggage
    └ checked luggage / checked baggage
  • 重量超過荷物 = excess ~ / overweight ~
    ├ excess luggage / excess baggage
    └ overweight luggage / overweight baggage
  • 荷物受け取り所 = ~ claim / ~ reclaim
    ├ luggage claim / baggage claim
    └ luggage reclaim / baggage reclaim
  • 荷物の紛失・盗難 = lost ~
    └ lost luggage / lost baggage
  • 荷物の破損 = damaged ~
    └ damaged luggage / damaged baggage
  • 荷物(一時)預かり所 = ~ storage
    └ luggage storage / baggage storage

同じことを指すのに、luggage / baggage の違いのほかにも、さまざまな表現がありますね。

英語でもスーツケース(suitcase)という言葉は、特定の形状の旅行カバンに使われるようです。例えば Wikipedia(英語版) で suitcase と検索してみると、ちゃんと項目があります。

A suitcase is a general term for a distinguishable form of luggage. (ある特定の形のラゲージの一般名称)

という解説とともに、”a typical suitcase (典型的なスーツケース)”として下記の画像が添えられています。

'A typical suitcase(Wikipedia)

なんだかとても古びた感じですが(笑)。英語でスーツケース(suitcase)というと、こういうイメージを持つ人が多いようです。

日本ではケースの足元にキャリーが付いていて、ゴロゴロ、カラカラと引きずって移動できるタイプを使う人が多いですよね。特にあの移動式のスーツケースを指したいときは、別の呼び方があるようです。英語圏の旅行グッズのネットショップで使われていた、商品名を集めてみました

  • trolley suitcase : トローリー・スーツケース
  • trolley case : トローリー・ケース
  • carry-on luggage : キャリーオン・ラゲージ
  • rolling luggage : ローリング・ラゲージ
  • trolley bag : トローリー・バック
  • wheeled bag : ウィールド・バッグ

なお、日本で使うキャリーバッグ(carrier bag)は、英語圏では使われません。キャリーバッグは買い物袋のことなので注意しましょう。

ちなみに荷物を担いで運ぶ袋を表すリュックサック(Rucksack)という言葉は、ドイツ語が由来なんだとか。英語では backpack(バックパック)と呼ばれます。リュックサックを背負って世界を旅する人を、バックパッカー(backpacker)と言いますよね。

海外出張はもちろん、日本にいらっしゃる外国人観光客やビジネススパーソンに荷物に関する案内をしたいときは、お互いの認識が違わないように名称に気を付けましょう。

そういえば、ゴロゴロと引きずれるし、背中にも担げる 2 Way の旅行カバン(ハードタイプ)を使っている人を見たことがあります。あれってスーツケース? トローリー・ケース? バックパック? さまざまな形状の旅行カバンの適切な呼び方を、いちいち考えているとややこしい! luggage / baggage(荷物)を覚えれば、かなり便利です。

おまけ :「スピード翻訳」では、サービス業・観光産業(インバウンド)の翻訳のご依頼が増えています。荷物に関する外国人旅行者への注意書き、案内文、標識などは、誤解のないように「スピード翻訳」のプロ翻訳者にお任せください。英語・中国語・韓国語などに対応しています。

photo : ”Luggage” by Sean MacEntee


ナイスアイデア!が思いついたら使いたいビジネス英語表現

2016/08/18 | Posted by maggy in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)
'idea' by thetaxhaven

こんにちは、maggy です。ちょっとスランプだったため、久しぶりの寄稿です。少し前までアイデアが常に湧き出てきて、「源泉かけ流し」の温泉のようだったのですが……。インプットに専念して、インスピレーション(inspirations)をためていました。

さて、皆さんは日頃から、頭のなかが新しいアイデアや企画(proposal)で満載のアイデア・パーソン(an idea person)ですか? もしそうなら、ぜひそのクリエイティブ(creative)で革新的(innovative)な面を、英語でも存分に発揮しましょう。

ミーティングや交渉、同僚との雑談などでアイデアを披露するとに使える、便利な英語表現をご紹介します。
 

いいアイデアを思いついたら、チャンスを逃す前に、さっとこんなひと言をどうぞ。

  • I got an idea. (いいアイデアがあります)
  • I came up with an idea.(いいアイデアが浮かびました)
  • Just an idea. (ちょっとしたアイデアなんだけど)
    ※ 日本語でジャストアイデアといいますが、英語で正しくはこちらです
  • Just a quick thought.(ちょっと考えたんだけど)

その場で思いついた、ひらめいた、というニュアンスです。続けて鮮やかなアイデアを提案したら、かっこいいですね!

以前からしたためていたアイデアや企画書を、ここぞというときに披露するときはこちら。

Here’s an idea.(いいアイデアがあるんです)

逆にアイデアが浮かばないときは、皆さんはどうしていますか。ブレーン・ストーミング(brain storming)やマインド・マップを描く(mind mapping)などのアイデア発想法を試してみるのもいいですね。ブレーン・ストーミング(ブレスト)を考案した、アメリカの広告代理店の副社長だったアレックス・F・ オズボーン氏(Alexander Faickney Osborn)が提案する、多角的に物事を考えるための「オズボーンのチェックリスト(Osborn’s Checklist)」 ※ も役に立つかも。落書きをする(doodling)など、手を動かすと良いとも言います。
※ 「オズボーンのチェックリスト」の日本語解説のページはこちら

とは言っても、どうしてもダメなことってあります。ネタ切れのときのための英語表現も集めてました。



  • run out of ideas = アイデアが尽きる、ネタ切れになる
  • crash into a wall = 壁にぶつかる
  • hit (come to) a dead end = 行き止まりにぶつかる
  • stuck with 〜 = 〜に行き詰まっている
  • hit a slump = スランプに陥る
  • be in a slump = スランプ状態

そんなつらい状況のときに、相手や自分にかけてあげたい英語表現も、一緒に押さえておきましょう。

  • Take a break.(休憩しなよ)
  • Let’s leave it alone for now.(とりあえず放っておきましょう)
  • Think outside the box!(自由な発想で考えよう!)

ちなみに、「(英語や中国語、韓国語などの)外国語で考えたり情報収集をしたりすると、日本語では出てこなかった発想ができる」とおっしゃる方もいます。ぜひ試してみてくださいね。

もっとも、わたしは「とにかく寝よう(just sleep)」というタイプでしたが……。

おまけ :一生懸命生み出したアイデアは、あなたや会社の大切な知的財産です!「スピード翻訳」なら、特許・知財 : 特許明細書・抄録、特許公報などの特許情報など、知的財産分野におけるさまざまな文書の翻訳に実績があります。速度が重視される分野ですから「スピード翻訳」にお任せください。

photo : ”idea” by thetaxhaven


'Hello, my name is anonymous' by Quinn Dombrowski

こんにちは、”某 M” です。いえ、いつもの maggy ですけど。

最近、いわゆる「ソーシャル疲れ」を実感しています。フェイスブックもツイッターも実名でやっているので、「今日は夕飯作りたくない」なんて怠惰なこと書いてはいけないだろうなとか、社会問題や政治、ビジネスの話も好きですが「ウザい」と思われるかとつい遠慮してしまい、書きたいことも書けずじまいです。

先日ニュースを見て知ったのですが、匿名型の SNS がじわじわと人気を集めているそうですね(参考: 疲れずにつながりたい ひそかな人気「匿名」SNS / 日本経済新聞)。同じようにソーシャル疲れを実感している人が国内外で結構増えていることを知り、ちょっとホッとしました(ツイッターは、本名での利用は必要ありません)。

英語で匿名な、匿名の(形容詞)は anonymous、匿名性(名詞)は anonymity と言います。「詠み人知らず」の詩は Anonymous poem なんて呼ばれています。

調べてみたところ、anonymous は、2 ~ 8 世紀ごろの後期ラテン語の anonymus >> ギリシャ語の anonymos をルーツとし、1600 年ごろに英語でも定着した語彙のようです。an- = without、onyma = name、つまり直訳すると without name(名無し)ですね。逆に著者名が明らかなことは、an- を取って onymous と言います(参考 : Online Etymology Dictionary - Anonymous)。

名前を伏せて某氏や◯◯さんと言いたいとき、便利なのが X です。Mr. X(ミスター X / X 氏)や、Mrs. X(ミセス X/X 夫人)と書きます。これは日本人にもピンと来ますよね。
※ 昔のアニメ『タイガーマスク』にミスター X という悪役がいました。この人も最初に登場したときは、X 氏と呼ばれていました。まあ、どうでもいいですね……

また、山田太郎や山田花子に当たる汎用的な英語の仮名はこちらです。

男性の仮名 = ジョン・スミス(John Smith)
女性の仮名 = ジェーン・スミス(Jane Smith)

少し前に、『Mr. & Mrs. スミス』というタイトルのアメリカ映画がありましたね。日本語らしくに翻訳すると『山田夫妻』……? いきなり昼ドラっぽくなりますが。

匿名や仮名の英語表現、まだまだご紹介します。特定の人ではない男の子を総称して Jack(ジャック)と言ったりします。

All work and no play makes Jack a dull boy.
Every Jack has his Jill.

最初の例は、「勉強ばかりで遊ばないジャックは馬鹿になる」ということわざ。後者は、マザーグースに出てくることわざです。直訳すると「どんなジャックにもジルがいる」。 Jill(ジル)は一般的な女の子の名前ですので、日本語にすると「どんな太郎にも花子がいる」、つまり、どんな人にも似つかわしいパートナーがいるものだ、という喩えです。日本語のことわざに言い換えれば、割れ鍋に綴じ蓋ってとこでしょうか。

名前が分からない人のことを呼ぶ、名無しの権兵衛は、英語ではこんな風に言います。

名前が分からない男性の呼び方 = John Doe(ジョン・ドゥ)
名前が分からない女性の呼び方 = Jane Doe(ジェーン・ドゥ)

John(ジョン) や Jane(ジェーン) は一般的なファーストネームですが、Doe という姓は名無しさんであることを示すのだそう。名無しの権兵衛とちょっと違うところは、法廷で名前を呼びたい該当者の名前がわからない、名前が非公開の場合、この名前で呼んで処理することがあるのだとか(詳しくは 名無しの権兵衛 - Wikipedia などをご覧ください)。
※ その他の言語の名無しの権兵衛に相当する例はこちら

こちらは誰もがという英語の慣用句です。

Every Tom, Dick and Harry(トムもディックもハリーも)

“Every Tom, Dick and Harry uses SNS nowadays.(今や誰もが SNS を使う)”と言った具合に使えます。

以上、いかがでしたでしょうか。わたしはハンドルネームの使用が基本だったパソコン通信時代からのネット住民なので、匿名型も実名型も一長一短あると思っています。いずれはどちらのサービスも成熟して、自由に使い分けられたらいいですよね。

……と、「パソコン通信」だなんて言っちゃって、この発言で大体の年齢がバレますよね。こうした個々の時代を感じる発言、IP アドレスや 投稿写真に埋め込まれた GPS 情報など、複数の情報を組み合わせれば個人を特定できることがあるので、匿名とあれども発言には気を付けましょう!

おまけ : 「スピード翻訳」には、依頼時に個人情報や数値情報など担当翻訳者以外には見せたくない情報(文字や単語)を伏字にする機能がございます。ご活用ください。

photo : “Hello, my name is anonymous” by Quinn Dombrowski


Weird, odd, peculiar! strange 以外の「変な」「おかしい」英語と不思議な人

2015/05/12 | Posted by maggy in 小ネタ - (コメントは受け付けていません。)
'Untitled' by Nicolas DECOOPMAN

こんにちは、maggy です。今年のゴールデンウイークは格別に過ごしやすい天気でしたね。あたたかくなるとおかしな行動をする人が増えると聞きますが、ポカポカした陽気のなか、鼻歌交じりに散歩をしていたら、「わたしもそんな気持ち、分からなくもないわ~」なんて思ったりしました(もうすぐ台風が来るみたいですけど……)。

さて、おかしなや変なと表現したいときの英語として、すぐに浮かぶのは strange なのではないでしょうか。しかし strange 以外にも、英語にはさまざまな表現があります。

そこで今回は、「変な」「おかしい」ことを表現するためのさまざまな英語をご紹介します。気に入ったものを使ってみてください。例文として、ロンドンに住んでいたとき、ちょっと変わった人に遭遇した実体験も、二つご披露します……。

体験談 その1

ロンドンで、夜遅くに帰宅したときのこと。もうあたりは真っ暗。すると通りかかった駐車場の隅の暗がりに、杖をついたボサボサ髪の、ちょっとおかしな風貌の男の人(a weird looking guy)が立っていました。

歩道にいるわたしと目があった瞬間。男が急に杖を握る手を離したので、杖が地面の上に「ガチャン!」と音を立てて落ちました。男は杖を指さしながら、わたしに向かって「もっと近くに来て、この杖を今すぐ拾って」とでも言いたそうなジェスチャーをしてきます。

どことなく不自然で、変な行動(the odd behaviour あるいは the peculiar behaviour)でした。顔つきから異様な雰囲気(strange atmosphere)も……。

そこでわたしは目をそらして、その場を去りました。ずいぶん遠のいたあたりで振り返ってみると、男が自分で杖を拾って、飄々と歩いている姿が見えました。

※ behaviour は、イギリス英語の綴り。アメリカ英語では behavior

いかがでしたでしょうか。strange 以外にもweird、odd、peculiar の 3 つを使ってみました。英語教師のイギリス人に聞いたところ、これらの使い分けは個人の好き好きだそうです。日本語で「おかしいね」と言ってもいいし、「変だね」と言ってもいいのと似たようなものでしょうか。ただ不審者、見慣れない人を stranger と言うように、strange には「見慣れない」という意味が強いそうです。

また、「怖かった!」は “I was scared!” または “I was completely freaked out!” などと言います。もっとも、皆さんにとって、あまり使う機会がないと良いのですが……。それにしても拾ってあげるために、あのとき暗がりに向かったら、わたしはどうなっていたんでしょうね。

では、もう一話。

体験談 その2

ロンドン初夏の昼下がり。高級街を歩いていたときのこと。狭い道で前方から、花柄の美しいワンピースを着て、書類がたくさん入ったカバンを抱えた女の人が歩いてきました。痩せて少し神経質そうな顔つきで、何かブツブツと、独り言を言っているようでした。

女は、わたしの横を通り過ぎようとした、その瞬間。

「…..Ahhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh!!!(ア―――――――――――!!!)」

いきなり地面と空に向かって、叫び出したのです。そしてわたしの方を向いて、こう言いました。

「Excuse me!? Can I punch on your face to release my stress!? So I can say “Thank you” to you!(すみません! ストレスを解消するために、あなたの顔を殴ってもよろしいですか!? そうしたらあなたにありがとうと言いますので!)」

……呆然ボーゼンでした。幸い、周りには何人か通行人がいました。皆に見守れられながら、女と対峙。緊張が走りました。女は動きません。

わたしは何も見なかったかのごとく、忍び足でその場を去りました。幸い、追いかけられることもなく、何事もありませんでした。

彼女は身なりは良く、そんなに weird looking でもなかったので、意外でした。また、無事だったからこそ言えることですが、彼女がストレスでプッツンしていても、なおも礼儀正しい言葉遣いだったことがおかしかったです。キレても英国淑女って、すごいなぁと変に感心しちゃいました。イギリス人の友人にこの出来事を話したら、”That’s funny!(おもしろおかしい!)” と笑っていました。

ですからこれは「変」というよりも、funny(おもしろおかしい)話でしょうか。どうしようもないほどに、ストレスが溜まっていたんでしょうかね。先の男も、単におつかれ気味で、杖を拾ろうと思えば拾えるけど、拾ってもらいたかっただけなのかもしれません。今となってはわからないので、mysterious(不思議)な話でもあります。
※ 日本では、「おもしろい」 = interesting と習うことが多いですが、これは「(興味深いという意味で)おもしろい」ということになります

そうそう。会議や商談などのビジネスの場面で、「それはおかしい……」と思ったとき。スマートな英語ネイティブのビジネスパーソンは strange や weird といった直接的すぎる言葉は使いません。

そういうとき、彼らはよくこんな表現をします。

Well, that’s interesting.(それはおもしろいですね。)

That sounds unique.(それはユニークですね。)

もしもいぶかしげな顔でこう言われたら、内心「この人、おかしい……」とか「変なこと言うヤツだな……」ぐらいは思われている可能性があります。まあ、文脈やお互いの人間関係により、

Mmm……that’s weird.(うーん、変だねぇ)

……とも言いますが、これはある意味、(大半の日本人が感じる)京言葉のような婉曲的な表現なのかもしれません。

そういうときは……スピーキングに自信のある方以外は、余計なことは言わずに、静かにその場を去ってください。そして「スピード翻訳」などを活用して、相手を説得できるだけの英文翻訳の資料を一式そろえてから、再挑戦してくださいね!

photo : “Untitled” by Nicolas DECOOPMAN


'Jousting Knight' by Lee Jordan

こんにちは、maggy です。みなさんは長期休暇中、会社はお休みでのんびりしていますか。わたしはフリーランスのライターなので、ご依頼の案件ベースで出動するため、連休も祝日もあまり関係ない生活を送っています(海外企業とのやりとりもあるので)。代わりに、適宜都合がつくときに休むようにしています。

さて、ここ 10 年ほどで、先進国では世界的にフリーランス(freelance)という労働形態の人口が増えていると耳にしました。一体、世の中では何が起きているのでしょうか? 日本よりも早くこの現象が進んでいるアメリカの現状を調査し、フリーランスの実態と社会の向かう方向を分析している書籍、ダニエル・ピンク著『フリーエージェント社会の到来 新装版 』(2014 年、ダイヤモンド社、池村千秋・訳)を読んでみました。

本書は新装版ですが、初版が刊行された 2002 年当時、アメリカでは既に 4 人に 1 人がフリーランス。著者は膨大なインタビューから彼らの生活実態を明らかにし、彼らの存在感がますます高まっていくなかで、個人の生活における家庭と仕事のバランスや、社会の仕組みがいかに変わっていくか、今後どんな新しいビジネスが必要かを予測しています。

「オフィスに代わる『サードプレイス(第 3 の場所)』」という章では、彼らがスターバックスなどのカフェで働いていることなどにも触れられています。今や、日本でもよくみかけますよね。そして個人が組織に頼らず、スキルや知恵を頼りに仕事をするフリーランスという新しい働き方は、インターネットが普及したからこそだという社会背景についても、わかりやすく説明されています。

ところでこのフリーランス(freelance)という言葉。語源は中世のイタリアやフランスの傭兵部隊に遡るのだそう。本書から解説部分を引用します。

当時の傭兵たちは、報酬が納得できて、戦いに意義を感じることができれば、どの君主の旗の下でも戦った。このシステムがイングランドに伝わると、傭兵は「フリー・ランス(自由な槍)」と呼ばれるようになった。忠誠心や主従関係から自由な騎士という意味である。お呼びがかかれば、槍を持ってどこへでも飛んでいく、というわけだ。

出典 : ダニエル・ピンク著 『フリーエージェント社会の到来 新装版 — 組織に雇われない新しい働き方 』
(2014、ダイヤモンド社、池村千秋・翻訳)、p.34)

Wikipedia にも、下記のような説明がありました。

英語「freelance」の語源は、中世に遡る。中世は王や貴族は戦争の度に傭兵団と契約して戦争に臨んだ。その中で傭兵団を離れて戦場に臨む兵士達がいた。当時は槍騎兵 (lancer) が自分の従卒として歩兵や弓兵を連れている形態が多かったため、契約の際には槍の本数=1 戦闘単位としてカウントされた。まだ敵勢力と契約を交わしていない (英: free) 戦闘単位 (英: lance) を指す言葉として「freelance」が用いられるようになった。当時は兵士を指していた「free lancer」が、近世以降組織を離れて働く状態を指す言葉に変化した。フリーランスのフリー(英: free)は、政治的立場が自由さを意味するものであって、値段が無料という意味ではない。

頭の「フリー(free)」という言葉の響きからなのか、日本ではときどき、フリーランス = 自由人……という誤解や、あるいはフリーターと勘違いされるという声も耳にします。

ちなみにフリーターとは、日本で正社員・正職員以外の就労形態(契約社員・契約職員・派遣社員・アルバイト・パートタイマーなどの非正規雇用)で生計を立てている人を指す言葉で、和製英語です。いや、和製英語でもないですね。フリーターはフリー・アルバイターの略語です。free + Arbeiter。Arbeiter (アルバイター) = 労働者・勤労者は、ドイツ語ですから和製外国語でしょうか。英語では part-time worker や、part-time jobber と呼ばれます。確かに名前が似ているので、ちょっと誤解しやすいそうですよね。

ダニエル・ピンク氏は、同書のなかで、歴史上フリーランスという言葉が侮辱的に使われてきたこともあったということに触れて、高度成長期に王道とされた「大企業に所属する」という働き方を捨て、組織に頼ることなく、自分の知恵を頼りに独立して働く人=フリーエージェント(free agent)という言葉で、新たに定義し直していました。

エージェント(agent)と言うと、映画『マトリックス』に出てくるエージェント・スミス(Agent Smith)みたいで、なんだかプロフェッショナルでスマート、戦う感じも出てカッコイイ気がします(悪役じゃないですけどね……)。

ともあれ、フリーランス = 自由契約の中世の騎士、という語源がもっと広まれば、やっかない和製英語のフリーターと混同するようなトラブルは減るでしょうか。

おまけ : 「スピード翻訳」のプロ翻訳者たちも、自由契約の騎士団、フリーランス(フリーエージェント)です。ゴールデンウィーク期間中も、翻訳という戦いがあれば、槍を持って戦いますよ!(もちろん、お休みを取られる翻訳者の方もいますので、稼働中の翻訳者が少なくなる傾向があります。担当翻訳者が 2 時間以内に決まらなかった場合は、再発注も可能です)
※ ゴールデンウィーク中の営業について(2015)

photo : “Jousting Knight” by Lee Jordan