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気になることば : “JURY”ってなんだ??

8月 23rd, 2012 | Posted by tommy in 小ネタ - (気になることば : “JURY”ってなんだ?? はコメントを受け付けていません)

はじめまして、フリーライターの tommy と申します。
語学から芸能までさまざまな分野で
雑文を書かせていただいております。
ここでは、経験を生かした語学学習に関連する話題や、
日常で出会った言葉に関するあれこれなどをご紹介していきます。

'Cleanest ippon of the day, JPN vs POL for Bronzey' by Gary Hill4 年に一度、世界がひとつになる瞬間「オリンピック」が 終了しました。
最終的に、日本は史上最多 38 個のメダルを獲得するという華々しい成果を挙げ、日本中が歓喜に沸きました。
20 日、銀座で行われた初めてのメダリストパレードには、なんと 50 万人の人が詰め掛けて、メダリストたちの健闘を称えたそうです。

結果よければすべてよし、とも言いますが、会期前半は日本のお家芸とも言える柔道の不調が目立ち、どうなることかと気が気ではなかった方も多かったことでしょう。
金メダルは女子 57 キロ級の松本 薫選手のみ。
男子にいたっては、
柔道が五輪の競技種目になってから初めての金メダルゼロという
不名誉極まりない結果に終わってしまいました。
試合内容も、ポイントの取り合いに終始した
すっきりしないものが多かったのではないでしょうか。

中でも最も釈然としない場面が、
男子 66 キロ級銅メダル 海老沼 匡選手の準々決勝
実際、リアルタイムでこの試合を見ていましたが、
どう見ても海老沼選手の方が攻めていたにもかかわらず、
勝敗は旗判定で対戦相手の韓国・チョ・ジュンホ選手の勝利。
主審と 2 人の副審が 3 人とも、青い旗を掲げ、チョ選手の準決勝進出が決まった瞬間、
会場は騒然とした空気に包まれました。
(※画像は3位決定戦の様子)

ここで登場したのが“JURY(ジュリー)”。
柔道の国際試合では、北京五輪後に導入されたシステムにより、
JURY(審判委員)が試合場全体の審判を統括することになりました。
審判の判定に誤審が認められた場合などに
審判委員がそれを指摘し、アドバイスをするのだそうです。
相撲の「物言い」のようなものですね。
そして、この準々決勝でも、JURY の「物言い」がついて
再度の旗判定の結果、逆転判定で海老沼の勝利が決まりました。

ちなみにこの、“JURY”という単語、
TOEIC 対策やビジネス英語など、語学学習の場面では
裁判の「陪審(員団)」という意味で登場することが
多いかと思います。
陪審員というのは、
「専門の裁判官のほかに、裁判の審理に参加して評決する人」
のこと(『広辞苑 第六版』より)。
柔道では「審判のほかに、判定に参加して表決する人」ということですね。
なるほど、確かに文字通り。
しかし、純粋に単語帳とにらめっこの語彙対策では、
こういった使い方や発想は身につきにくいもの。
せっかく覚えた単語ですから、幅広く活用するためにも、
フレーズや文脈の中でたくさんの出会いを求めたいものですね。

閑話休題。オリンピックの話に戻りましょう。
確かに試合は海老沼の優勢は見た目にも明らかでしたし、
それが適切に反映される結果となったことは喜ばしいことです。
しかしながら、なんとなく「もやっ」とした気分になった方も
多いのではないでしょうか。
やはり、柔道というのは「一本」をとってこそ。
皆さんもここぞ、という場面で
英語の「一本!」を取りたいときは、
ぜひ「スピード翻訳」 を活用してみてくださいね。

photo : “Cleanest ippon of the day, JPN vs POL for Bronzey” by Gary Hill