Author Archives: maggy

「アイアイサー」の語源とは?

8月 6th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (「アイアイサー」の語源とは? はコメントを受け付けていません)

こんにちは、maggy です。しばらくイギリスとアイルランドに暮らしていましたが、日本に帰国しました。日本の夏は暑い、暑い、とにかく暑い! シャワーをしても、すぐに汗でベットリ。なんだかもう船乗りになって、ずっと塩水でも浴びていようかという気分です。

ところで、アイアイサー!という返答を聞いたことがありますか。日本ではちょっとふざけた風に使ったりしますが、これはもともとは船乗りの言葉なんだそうです。上官の命令に対して、「承りました」と確認したときに使う返事として使われてきたそうです。

英語では Aye, aye, sir! と書きます。調べてみたら、この Aye とは Yes が訛ったもので、特にスコットランド、アイルランド、北イングランドで確認できるそうです。普段でも Yes の代わりに、ただ Aye(アイ)と言うことがあるそうですよ(日本語で「はい」と返事するとき、ちょっと気が抜けると「あい」になりますが、スコットランドあたりでは通じちゃうってことでしょうか)。

この「アイ」という訛りについて、ちょっとしたエピソードが残っています。1993 年 12 月、スコットランドの裁判所にて、執行官の質問にアイと答えた目撃者がいました。執行官は、彼にイエスノーのどちらかで返事をしなさいと諭します。再び名前が呼ばれたとき、目撃者はまたもやアイと答えました。このため、この目撃者は裁判を軽視した罪として 90 分の懲役を受けることになってしまいました。釈放されたのち、彼はこう言ったそうです。「私は誠実に答えていたんですが……」。つまり、ただ訛っていただけなんですね。かわいそうに!(詳しくは Aye – Wikipedia をご覧ください)。

ちなみに、アイアイ(aye-aye)という動物もいますよね。アーイアイ♪という童謡でおなじみの、丸い目をしたサルの一種です。こちらはアイアイが原生するマダガスカルで話されるマダガスカル語の「ハイハイ」が語源で、意味は「よく知らない」(参考:日本アイアイ・ファンド)という説と、現地人がこの動物を見て上げた驚きの声に由来する(参考:アイアイ (童謡) – Wikipedia)という説があるようです。現地では、生態のよくわからない、不吉な動物とされているのだとか。

アイアイ = Yes Yes と、まるでオノ・ヨーコさんの作品のように、ポジティブなパワーあふれる、愛と平和の象徴のような動物なのかしら?……と思いきや、違いました。ちょっと残念です。

おまけ :あわせてこちらもご覧ください。
「ラジャー!」は何語?

photo : “Aye, aye Sir!” by Éole Wind


ウェブサイト、アニメ、漫画……文化も翻訳するコンテンツの現地化(ローカライゼーション)

8月 4th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (ウェブサイト、アニメ、漫画……文化も翻訳するコンテンツの現地化(ローカライゼーション) はコメントを受け付けていません)

こんにちは、maggy です。ただいま欧州を拠点とする企業の英語サイトの日本語版を作成するお仕事に携わっています。いわゆる現地化(localization/ローカライゼーション)です。

コンテンツのローカライゼーションは、ただ単に英語を日本語に訳せばいい、というわけではありません。ロンドンのローカライゼーション専門の会社とやりとりをしているのですが、緻密な分析に基づき、日本のマーケットや文化、トレンドに合わせてコンテンツを取捨選択し、デザインやコピーを決めて……と、かなりの手作業です。

自動翻訳が発達してきていますが、こうしたターゲットに合わせた編集を伴うローカライゼーションは、やはりマンパワーの方が効果的なのでは、と感じています。

さて、ふとニュースを見ていたら、先日、日本の国民的アニメ「ドラえもん」が全米デビューを果たしたという記事が目に入りました(参考:朝日新聞デジタル – ドラえもん、どら焼き減らし全米デビュー 企業も熱視線)。こちらも、ただ日本語を単に英語に吹き替えたのとはわけが違います。米国に「現地化」するために、食卓の和食を洋食に、箸をフォークに代え、日本のお札はドル紙幣にしたそう。さらには、米国で肥満が問題になっていることを受けて、米国版の番組ではドラえもんがどら焼きを食べる量を減らしたのだとか。

コンテンツの徹底的な現地化でもう一つ思い出すのが、2012 年から 2013 年にかけてインドで放送された「巨人の星」のリメイクアニメです。「スーラジ ザ・ライジングスター」(Suraj: The Rising Star)は舞台を日本からインドに移し、テーマのスポーツを野球ではなく、インドの国民的に人気スポーツであるクリケットに変更しています。各所でも文化の違いなどを考慮した工夫がなされました。クリケットは、試合が 5 日間も続くこともある世界最長の長さのスポーツですが、スーラジ( = 星飛雄馬)は耐えられるのでしょうか? ニコニコ動画で配信中とのことですので、ご興味のある方はぜひ!(ちょっとイメージ違いますが、飛雄馬や一徹、明子、花形満らしき人物も登場しますね)
※ ご存知の方もいらっしゃると思いますが、クリケットは野球にすこし似ていて、イギリス発祥のスポーツで、インドやバングラデシュ、オーストラリアやニュージーランドなどイギリスと長い交流の歴史のある国で人気のスポーツです

このようにコンテンツの現地化とは、言葉だけでなく文化も翻訳することだと言えるのではないでしょうか。

ただ、わたし自身の経験を振り返ってみると、海外のアニメや映画をきっかけに、衣食住の違いや週末は教会に行くこと、複雑な家族構成といった、海外の文化を知りました。果たして、どこまで現地化すべきなのか……ちょっと考えこんでしまいました。こうした観点も議論して社会を作っていくのもまた、機械でなく人ですね。

おまけ : 各種コンテンツの現地化(ローカライゼーション)には、どこまで徹底するのかといったちょっと面倒な問題もあります。「コンシェルジュ翻訳」サービスまでお問い合わせください。弊社のコーディネーターがご相談に乗り、適切な翻訳者のご紹介などもいたします。お急ぎの案件の場合は、「スピード翻訳」の「スピード翻訳」もご利用いただけますが、発注時に翻訳者への申し送り事項に依頼の背景などをお書き添えください(背景、目的などが明確でない場合は、よい翻訳に仕上げることができない可能性もあります)。

photo : “Dorayaki Doraemon” by phuongkim1981


Totes Amazeballs! イギリスの英英辞書に登録された新スラング

7月 30th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (Totes Amazeballs! イギリスの英英辞書に登録された新スラング はコメントを受け付けていません)

こんにちは、maggy です。先日、英英辞典 The Chambers Dictionary (TCD) の最新版が発行されたそうです。Chambers Dictionary は、イギリスの Chambers 社によって編さんされている 1872 年創刊の歴史ある英英辞書で、今回の改訂は第 13 版に当たります。

英英辞書といえば、日本人にとってはロングマンやオクスフォードになじみがあるかと思いますが、これら 2 つの辞書に比べて、チェンバーズは方言、スラング、古語、そして風変わりな言葉なども多く収録しているのだとか。

今回新たに加えられた 1000 語も、若者言葉、IT 用語、そしてちょっと過激なスラングまで、イギリスや世界の今を表すラインアップになっています。いくつかピックアップしてみました。
cf: The Independent – YOLO, Bitcoin and the bedroom tax: Chambers Dictionary adds 1,000 new definitions

Totes Amazeballs
2012 年頃から流行っている若者言葉で、Totes = TotallyAmazeballs = Amazing という意味。

YOLO
You Only Live Once の頭を取った言葉で、例えば衝動買いをしてしまったときや、夜遊びをしたときに、刹那主義的な若者の思考やライフスタイルを表す言葉。ソーシャルメディアでよく使われます。

cougar
非常に年下の男性を選ぶ女性のこと。cougar(クーガー)は動物のピューマの別の呼び方で、その小型哺乳類を追って捕獲するイメージから来ています。

milf
性的な魅力のある中年女性のこと。ええと、語源はなかなか過激なのでここでは控えます……。

いかがでしたか。日本でも近年、肉食女子美魔女艶女(アデージョ)などさまざまな言葉が登場してきましたよね。比べてみると、英語の方はもっと直接的な印象も受けます。

次はどんなライフスタイルや思考、そしてそれらを表す言葉が登場するのか、国内外ともに注目ですね。それにしても、今回取り上げた YOLO。日本ではネット上では「ヨロ」 = 「よろしく」ですよね。所変われば何とやら。

おまけ :2013 年のオックスフォードオクスフォード辞典(Oxford Dictionaries)が選んだ流行語大賞も合わせてご覧ください。
ハマり過ぎにはご用心!オックスフォード辞典が選んだ今年の流行語「Selfie(セルフィー)」
英語のバズワード「twerk」、その人気のワケは?

photo : “Yellowed pages from a dictionary” by Horia Varlan


台風 8 号は別名「台風たぬき」だった!台風の番号と名前

7月 17th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (台風 8 号は別名「台風たぬき」だった!台風の番号と名前 はコメントを受け付けていません)

こんにちは、maggy です。先週、日本列島で猛威を振るった台風 8 号は、梅雨前線による大雨とも重なって全国に影響を与えました。被害により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。今週は関東地方では、「もう梅雨明けしたの?」といったような天候で暑いようですが、そうでない地域もあります。梅雨明け以降も台風には要注意ですね。

さて、台風には「台風 号」といった通し番号が付いていますよね。一方で、アメリカのハリケーンには Sandy(サンディ)Katrina(カトリーナ)といった名前が付いています。このハリケーンの命名ルールについては、以前「Sandy who? Hurricane Sandy. ハリケーン・サンディは、誰が名前をつけたの?」にてご紹介しました。

そちらの記事でも少し触れられていますが、実は台風にも国際的な名前が付けられています。さらに調べてみたところ、従来は台風にも米国が英語名(人名)を付けていたそうですが ※、北西太平洋または南シナ海の領域で発生する台風には、平成 12 年(2000 年)より加盟国など(東アジア、東南アジア諸国)が提案した名前を付けることになった ※※ のだそう。
※ 1947 年に日本上陸した巨大台風は、キャサリン台風と呼ばれていたのは有名ですね。1950 年のジェーン台風は「稲村ジェーン」の由来にもなっています
※※ アメリカも参加しているというのは、グアム、サイパンがあるからでしょうか?

下記が現在使われている、台風の国際名とその意味、命名した国・地域リストの一例です。

  1. Damrey = 象(カンボジア)
  2. Haikui = イソギンチャク(中国)
  3. Kirogi = 雁(朝鮮民主主義人民共和国)
  4. Kai-tak = 啓徳 ※旧空港名(香港)
  5. Tembin = てんびん座(日本)
  6. Bolaven = 高原の名前(ラオス)
  7. Sanba = マカオの名所(マカオ)
  8. Jelawat = 淡水魚の名前(マレーシア)
  9. Ewiniar = 嵐の神(ミクロネシア)
  10. Maliksi = 速い(フィリピン)
  11. Gaemi = 蟻(韓国)
  12. Prapiroon = 雨の神(タイ)
  13. Maria = 女性の名前(米国)
  14. Son-Tinh = ベトナム神話の山の神(ベトナム)
    ……以下略(全 140 種類)

こんな具合に全部で 140 個を順番に使います。年間の台風発生数は約 25、6 個なので、約 5 年間でまた 1 番めに戻るそう。文化的なものから、ちょっと観光 PR を匂わせるものまでさまざま。お国柄を感じますね。全リストは台風の番号と名前(気象庁)をご覧ください。

さて、では先日の台風 8 号の名前はというと、順番的に Neoguri(ノグリー)でした(ハングル表記 : 너구리)。命名国は韓国、意味はたぬきになるそうです。ですから、台風 8 号の国際名は、台風たぬきだったんですね。

日本ではあまり聞かなかったかと思いますが、英語圏のニュースでは「Tropical Storm Neoguri Slams Japan」(ABCニュース)、「Typhoon Neoguri Crawls Toward Main Japanese Islands After Sweeping Over Okinawa」(ウォール・ストリート・ジャーナル)といった具合に、ニュースの見出しでも、 Neoguri と呼ばれていました。やはり米国などでは、ハリケーンの慣習に踏襲して、台風も通し番号ではなく名前で呼んだ方が捉えやすいのでしょうか。

ちなみに先日、ワシントン・ポストに、女性の名前のハリケーンの方が男性の名前のものよりも死者数など被害が甚大な傾向にあるという、最新の科学調査についての報道がありました。しかもそれが、女性の名前に対する先入観から、災害予想を過小評価する潜在的な性差別が原因だと言うのです(参考:Female-named hurricanes kill more than male hurricanes because people don’t respect them, study finds)。言葉のイメージって、侮れませんね。

もしも日本でも、「今夜、台風たぬきが九州上陸」などと報道されていたら……いや、それはないですね。もし、言うとしても「台風ノグリー」でしょう。とはいえ、やっぱり発生順の数字の方がわかりやすいと思うのは日本人だからでしょうかね。

photo : “contri” by 山形とは

おまけ :ちなみに日本の命名したものは、Tembin(テンビン ← てんびん座)、Yagi(ヤギ ← やぎ座)、Usagi(ウサギ ← うさぎ座)、Kajiki(カジキ ← かじき座)、Kammuri(カンムリ ← かんむり座)、Kujira(クジラ ← くじら座)、Koppu(コップ ← コップ座)、Kompasu(コンパス ← コンパス座)、Tokage(トカゲ ← とかげ座)、Hato(ハト ← はと座)となっています。すべて、星座の名前でなじみの薄い星座がたくさん。赤道近くの低緯度地域(台風の生まれ故郷)で見られる星座ばかりのような気がします。命名者のこだわりでしょうか。(参考 : 気象庁 – 台風の番号と名前


シャーベット、アルコール、アルカリ、ガーゼ。アラビア語が由来の言葉

7月 9th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (シャーベット、アルコール、アルカリ、ガーゼ。アラビア語が由来の言葉 はコメントを受け付けていません)

''Arabic plates' by Ged Carroll

こんにちは、maggy です。夏といえば冷たいお蕎麦や冷やし中華、シャリシャリと爽やかなシャーベットと、涼しい食べ物がおいしい季節です。なんといっても、屋上のビアガーデンでよく冷えたアルコールを片手に、夜空に乾杯するのは格別です。

とは言っても、身体の冷えと熱中症には、くれぐれもご用心。ミネラルウォーターやアルカリイオン水、スポーツドリンクなどで、こまめに水分補給をしましょうね。

さて、ちょっと苦しかったですが、赤字で示した英単語 3 つには、ある共通点があります。それはアラビア語(Arabic)が由来だという点です。

シャーベットは英語では sherbert または sharbat と書きます。もともとは果物などから作ったシロップを水で薄め、砕いた氷を入れて冷やした飲料を意味するアラビア語の شربات‎ (シャルバート)に由来するそう(参考:シャーベット – Wikipedia

アルコール(alcohol)は、アラビア語のal-khwl が由来だと考えられているそうです。al- は定冠詞、khwl はアラビア語圏の女性がまぶたに塗る黒い粉など、殺菌効果のあるさらさらした細かい粉のことを指し、転じてエタノールのことを指すようになったようです(参考:アルコール – Wikipedia)。

最後にアルカリ(alkali)アラビア語で「灰」を意味する al qily に由来するそう。アルカリ性なんていう科学用語もありますね。他にもガーゼなど科学分野の英語にはアラビア語が由来のものが残っていて、これは中世から近世にかけてアラビア語圏が科学分野において発展していたので、欧州が積極的にその知識と語彙を取り入れたためだとか。

アラビア語圏といえば、 7 月から 8 月にかけては暑いところで、なんと日中 48 度を越えるそう。私には未踏の地域ですが、本場の暑さとその豊かな言葉の文化に想いを馳せています。

おまけ :インドからやってきた言葉については、こちらの記事をご覧ください。
カレーにヨガにパジャマ? 遠い国からやってきた♪

北欧からやってきた言葉については、こちらの記事をご覧ください。
スキー、サウナ、自動湯沸し器……北欧からやってきた♪

photo : “FF Seria Arabic by Pascal Zoghbi and Martin Majoor” by Ged Carroll


X 世代(Generation X)や Y 世代、Z 世代とは誰のこと?

7月 4th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (X 世代(Generation X)や Y 世代、Z 世代とは誰のこと? はコメントを受け付けていません)

'next generation

こんにちは、maggy です。最近、ベストセラーのビジネス書 WORK SHIFT を読みました。和訳版は『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』(プレジデント社、2012)ですね。

著者はロンドン・ビジネススクール教授で経営組織論の世界的権威であるリンダ・グラットン(Lynda Gratton)さん。翻訳者は池村千秋(Chiaki Ikemura)さんです。2025 年の働き方の未来を、今起きているテクノロジー革新、グローバリゼーション、地球変動といった多角的なファクターから紐解いていく名著です。

さて、本書における 2010 年の欧米社会の働き方を世代別に考察する箇所で気になったのが Generation X(X 世代)、Generation Y(Y 世代)、そして Generation Z(Z 世代)という言葉です。

具体的には、現代社会の人口が、以下の 5 つに世代に分けられていました。

Traditionalist(伝統主義者世代) = 1928 – 45 年ごろの生まれ
Baby boomers(ベビーブーム世代) = 1945 – 64 年ごろの生まれ
Generation X(X 世代) = 1965 – 80 年ごろの生まれ
Generation Y(Y 世代) = 1980 – 95 年ごろの生まれ
Generation Z(Z 世代) = 1995 年以降の生まれ

この X、Y、Z 世代という言葉は、マーケテティングの本やニュースでもたびたび見かけまして、どうしてこう呼ばれるのか気になっていました。調べてみたところ、こんな歴史があることが分かりました。

なじみのない単語が並ぶ英語のビジネス文書に困ったときは…………
実績で選ぶスピード翻訳

まず「Generation X」を最初に使ったのは、ハンガリー人の世界的に有名な写真家のロバート・キャパ(Robert Capa/フランス語読みではアンドレ・フリードマン)さんで、 1950 年代初頭のことだとか。第二次世界大戦後に成長した若者らをテーマにしたフォトエッセイのタイトルに、(当時の人達にとって)未知の新しい世代という意味で使ったそう。これが次第に、人口統計学やマーケティングの用語としても広がっていったようです(詳しくは Generation X – Wikipedia, the free encyclopedia などをご覧ください)。

この定義に続く形で登場したのが、Generation Y(Y 世代)や Generation Z(Z 世代)というわけです。なお、Y 世代、つまり 1980 年代から 1990 年代に生まれた世代のことを、Millennial Generation(ミレニアル世代)、Millennials(ミレニアルズ)とも呼ぶそうです。これは特に 1990 年代半ばから 2000年(ミレニアル)にインターネットが急速に普及し、それまでの世代に比べてデジタル化に慣れ親しんだ価値観やライフスタイルを持つ世代、という文脈で使われるそう。

省略して Gen XGen Y、その世代の人達のことを Gen XersGen Yers とも呼ぶそうです。こうして言葉で世代を区切っていくと、社会やライフスタイルの特徴が見えてきて興味深いですね。

個人的には、Z 世代の次を一体どう名付けるのか気になります。「やっぱり Z の次と言えば、 GT 世代かしらね」と思いましたが、これは Y 世代の日本人とアニメ好きな外国人にしか理解できないネタですかね、すみません。

おまけ :統計資料、企画書、ビジネス文書の翻訳は、「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスにお任せください。

photo : “next generation” by Martin Abegglen


日本の携帯市場も SIM ロック解除が義務化!ちょっとオタクな楽しみ

6月 30th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (日本の携帯市場も SIM ロック解除が義務化!ちょっとオタクな楽しみ はコメントを受け付けていません)

'Frankenstein' by Richard Eriksson

こんにちは、maggy です。総務省は携帯電話会社が端末を他社で使えないように制限する「SIM ロック」の解除を、2015 年度にも義務づける方針を固めたそうですね(ニュース記事)。

この話題に馴染みのない方のために、少しだけご説明します。携帯電話は、端末機器に、SIM カードという、電話番号など利用者の情報を書き込んだ IC カードを差し込んで動くようになっています。日本の場合、その SIM カードには、docomo、au、Softbank などのキャリアが紐付いています。このページの写真で言えば、中央に置かれている金色の小さな部品です。

欧州や韓国などでは、利用者が端末から SIM カードを自由に抜き差しできるようになっています。つまり、スマートフォンを A 社で購入し、A 社の回線を使っていたが、B 社がもっとお得な回線プランを提供したので、B 社から SIM を買い、端末はそのままで、回線を乗り換える……といったことができます。この状態を SIM フリーと呼びます。日本では、SIM の交換はできず、SIM ロックと呼び、キャリアの変更はできません。SIM フリーであれば、SIM の変更により、キャリアの変更は可能ですし、他の国に行った際には、端末は買わずに、行き先の国に対応した SIM カードを差し込めば携帯電話が使えるようになります。

海外に住んだことのある人や海外旅行・出張に頻繁に出かける人には、この話題に馴染みがあるのではないでしょうか。私もイギリスに留学したとき、携帯電話という文明の利器の中には、SIM カードなる心臓が埋め込まれていることを知りました。節約しようと、どの業者の端末が最も安くて良いものか、そして SIM カードはどこが一番お得か、徹底的に比較しました。そして端末の裏を開けて SIM カードを抜き差ししていると、語学だけでなくテクノロジーにも強くなった気がして、ちょっとオタクな達成感を得ました。

逆に SIM ロック では、端末から SIM カードを交換できないようにしてある状態で、これまで日本の業者の携帯電話が、大方このスタイルだったわけです。

否応なしにセットにされているので、利用者側に自由に価格やサービスを比較する機会が少なかったのです。今回の SIM ロック解除の義務化で、競争が激しくなり価格やサービスがより自由化したらいいですね。利用者側も比較の目を光らせていきましょう。

環境にも良い効果があるのではないでしょうか。例えば私は現在、海外の携帯電話と日本の携帯電話を 2 つ持っています。これが SIM カードだけ取り替えてもいいのなら、端末は 1 つで済むはずです。

レアアースがどうのこうのと騒いだ割に、端末をなるべく買わせるようなモデルにしがみついているようでは、資源の無駄遣い。地球の未来が危ないかも?
※ 実際には、SIM ロックのおかげで端末が安く買えるというメリットもあったりするのですが、あとで通信料にオンされて、結局どうなんだ?という印象もあります

これまでの日本の携帯電話のガラパゴス化は海外からの訪日者にも不評だったようで、使い慣れた端末を使いたかった人も多いでしょう。

いずれにせよ、日本と海外への行き来の際に、あの端末の裏を開けて SIM カードを差し替える、ちょっとオタクな瞬間が楽しみだったりします。

おまけ :携帯電話、 IT 関係の仕様書・マニュアルなどの翻訳は、「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスにお任せください。

photo : “Taking out the iPhone 4 SIM card” by Richard Eriksson


実はロマンチック。メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』―生命科学と言語

6月 23rd, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (実はロマンチック。メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』―生命科学と言語 はコメントを受け付けていません)

'Frankenstein' by wikipedia

こんにちは、maggy です。なんとなくイギリス文学の『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』(Frankenstein: or The Modern Prometheus、メアリー・シェリー作、1818 年)を手に取りました。

「フランケンシュタイン」のお話について、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。わたしも「確か、天才博士が人間を創ろうとして、顔がツギハギの怪物を創り出してしまったんだっけ?」という、極めて大雑把なあらすじくらいなら知っていました。

原作に挑戦してみたのは、生命科学というテーマについて少し考えてみたかったから。そして、文学翻訳家の友人が「あれは SF でもホラーでもなくて、ロマンチックな小説だよ」と言っていたのが気になっていたからです。

さて、これが今というタイミングに読んでみたところ、興味深い発見が大きく 3 つありました。

発見① 「フランケンシュタイン」とは、あの怪物を作った博士の名前であって、怪物の名前ではなかった

ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。私は「フランケンシュタイン」とは、あのツギハギの怪物のことだと思っていたのですが、実は主人公の博士、ヴィクター・フランケンシュタイン(Victor Frankenstein)の名前だったのですね。

解説しますと、フランケンシュタインは人間の生命の神秘を暴くという魅惑に取り憑かれて、墓から人間の死体をつなぎ合わせて、ひきこもって、狂ったかのように研究に没頭しました。そうして造られた人間は、名前すら付けらてもらっておらず、本書のなかではただ「怪物(monster)」と呼ばれています。

フランケンシュタインと怪物の名前を混同するという私の勘違いがどこから来たのか―映画のポスターからなのか、あるいは二次創作物からなのか―はっきりしません。ただ、これは非常によくあることのようです(やっぱり、『怪物くん』かしら……)。

果たして怪物を作った人間が怪物なのか、怪物だと決めつけているのは人間の主観なのか……。名前がついてないことによって、かえって問いかけてくるものが多いように思えます。

 発見② コピペの手抜き仕事は危険!

さて、フランケンシュタインは人間を創造するという目標に没頭し、急ぐあまり、狂気の果てにできあがって動き出した「それ」の容姿の醜さに驚愕します。ちなみに怪物が大男なのは、部分ごとに精密に作っていると膨大な時間がかかってしまうので、あえて大きく創ったらしいです。

こうして死体からツギハギで創った人間は、生命は持ったけれども、びっくりなほどに醜かったわけです。コピー&ペーストの手抜き仕事って、一見完成しているように見えて、本質的な問題を抱えていたりするもの

また、一人で仕事を進めてしまったので、「というかそれ、気持ち悪くない?」とか、冷静に止める人がいなかったんでしょうね。第三者に確認してもらうことは大切だなと実感します。

発見③ 言語と愛情の発見が美しい

さて、本書では実験室を飛び出し放浪した「怪物」が、道中、ある慎ましい家族を陰で観察しながら、言語そして愛情というものを発見していく章があります。よく家族の会話に出てくる「火」「牛乳」「パン」と、人の名前から覚えていき、家族愛、恋人の愛というものを知ります。

後半で「怪物」とフランケンシュタインが対峙するとき、「怪物」は一人で寂しくてたまらないので、恋人を作ってほしいと懇願します。しかしフランケンシュタインがこの依頼を断ったことから、「怪物」は次々とフランケンシュタインの恋人や家族を殺していきます。

もしも、フランケンシュタインが「怪物」に恋人を作ってあげていたら、どうなったのでしょうね。問題は解決したのか、ただ怪物が 2 人になって一層に厄介なのか、そもそも創りだすべきではなかったので抹殺すべきだったのでしょうか。いろいろ考えさせられます。

作者がスイスの別荘に滞在中、長く降り続く雨のために書かれたというこの作品。雨の日にでも、お手に取ってみてください(ちなみに、原書はこちらからダウンロードできます)。

おまけ : 翻訳作業は急いでいても手抜きせずに、「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスでプロにお任せください。


しとしと、ぱらぱら、土砂降り…「Rain」だけじゃない。雨の降り方の英語表現

6月 19th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (しとしと、ぱらぱら、土砂降り…「Rain」だけじゃない。雨の降り方の英語表現 はコメントを受け付けていません)

'Rain' by a.dombrowski

こんにちは、maggy です。雨の日はムシムシ、ジメジメ、体調や髪のうねりが気になりますが、なんといっても一番気になるのは空模様ではないでしょうか。

雨が降っていることは、英語で “It’s raining.” など、raining(雨が降る) が最も基本的な表現ですが、その他にも雨の降り方を表す言葉がたくさんあることはご存知ですか。

空模様をよく観察して、いろんな表現を使ってみましょう。

sprinkling = ぱらぱら雨
※ sprinkle は他動詞で「まき散らす」ことで、庭に散水する「スプリンクラー(sprinkler)」もここから来ています。

drizzling = しとしと雨

showering = にわか雨

pouring = 土砂降りの雨

driving rain = 横殴りの雨

storming = 暴風雨

わたしは現在、アイルランドに滞在していますが、年間降水量はそれほどでもないものの雨や降ったり止んだりとせわしないです。最近こそ天気の良い日が続いていますが、少し前まで毎朝のラジオに、上記のような実に多様な表現が出てきました。さもなければ、今日の午前は raining、午後も raining……と、つまらないニュースになってしまいますものね。

“driving rain” という予報を聞いた日、強風に雨が吹きつけられる様子を見て、「なるほど、これが driving rain か!」と納得。ぴったりの言葉で空模様を表せたら、少しはスッキリした気持ちになるかもしれません。

おまけ :翻訳作業が大雨のように降ってきて大変という方は、「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスをご利用ください。

photo : “Rain” by a.dombrowski


秘密の花園、それとも楽園?ドイツの「エングリッシャー・ガルテン(英国式庭園)」とは

6月 5th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (秘密の花園、それとも楽園?ドイツの「エングリッシャー・ガルテン(英国式庭園)」とは はコメントを受け付けていません)

'In the Southern Part of the Englischer Garten' by Alistair Young

こんにちは、maggy です。全国的に薔薇の花が見頃ですね。薔薇は見た目も香りも美しく、ローズガーデンに漂う芳香はまるで楽園。心も「バラ色」になります。

新品種の薔薇を見るのも楽しいものです。珍しい色を見て楽しむのはもちろん、名前や由来も奥深いです。例えば今年の注目のバラ品種は、女優の名を冠した「ブリジット・バルドー」「大地真央」や、東日本大震災の後に生まれた「きずな」3 種など。「桜島」(鹿児島)といった、ご当地ローズもあるんですね(参考:ヨコハマ経済新聞)。

薔薇といえば、イングリッシュガーデン(英国式庭園)が有名ですね。ドイツのミュンヘンにも、まるで楽園のようなイングリッシュガーデンがあると耳にしました。ドイツ語では「Englischer Garten(エングリッシャー・ガルテン)」と言います(なんだか舌を噛みそうな発音ですね)。

さて、このエングリッシャー・ガルテン、その名のとおり、イギリス式の自然の景観美を追求した造園方式で作られています。そして自然なのは、ガーデンだけではありません。なんでも、一部に裸(ヌード)で日光浴をすることが許されている場所があるそうです。1960 年代から続いているそうで、世界的に有名なんだそうですよ。
※ ヨーロッパでポピュラーなフランス式庭園は、平面幾何学式庭園とも呼ばれる左右対称性、幾何学的を重視するレイアウトで、イギリス式とは大きく異なります

これは、日頃の衣服の拘束からの解放感や、全身が直接日光や水や空気に触れることを楽しむことを目的とした、ドイツやフランスで発達したリラックス法です。こうした目的で全裸になる活動を、ヌーディズム(Nudism)」と言うそう。ヌーディズムを実践する人は、ヌーディスト(Nudist)と呼ばれます。ちょっと、日本で言う「裸族」とは背景や文脈が違うようなので、気を付けましょう。ヌーディストについて、詳しくは Wikipedia などをご覧ください。

エングリッシャー・ガルテンのことを聞いてからというもの、薔薇の時期でイングリッシュガーデンに行ったりすると、「もしここで全裸になって太陽と香りを浴びたら、気持ちいいのだろうか」などという疑問が、もくもくと私の脳裏に漂ってしまうのでした……。

おまけ :翻訳についてもんもんと悩んでいらっしゃる方は、「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスをご利用の上、すっきりしてください!

photo : “In the Southern Part of the Englischer Garten” by Alistair Young