一般的な英文法とは少し違う。英文履歴書の英語、基本ルール

10月 12th, 2016 | Posted by htby in 履歴書

'Resume - Glasses' by Flazingo Photos

こんにちは。htby です。今回は、シリーズ「英文履歴書の書き方」の第 4 回です。前回は、「英文履歴書のフォーマットは自分のキャリアに合ったものを選ぶ」というテーマで、英文履歴書の翻訳を誰かに依頼することを想定した場合に、用意すべき日本語テキストの構成についてご説明しました。

今回は、日本語を英語に訳す場合に気をつけたい英文履歴書に特有の記述ルールや、Tips を紹介したいと思います。

例えば「resume sample」などのキーワードでWeb検索すると、英文履歴書のサンプルが多数出てきます。それらを見てみると、私たちが学校で習ってきた英語の文法に則っていない文法が多く用いられていることに気づくでしょう。

英文履歴書は、就職・転職・入学などの選考に使われる目的のはっきりした書類ですし、限られた紙幅の中で簡潔にまとめることが良しとされるため、このような独特な文法が用いられています。どのような点が英文履歴書に特有のルールなのか、例を挙げながら説明していきたいと思います。

■ 人称代名詞、定冠詞/不定冠詞は省略。文を動詞から始める

英文履歴書を構成する要素の中で「文」が必要なのは、主に Objective(希望職種)、Summary(職歴の要約)、Work Experience(職務経歴)です。Personal Information(名前と連絡先)、Education(学歴)、Certificates(資格・免許)、Reference(照会先・推薦者)については、殆どの場合、一般名詞・固有名詞を記載するだけですので文法を気にする必要はないでしょう。

英文履歴書に記載する「文」は、少しでも簡潔に、短くても伝わる文にするために、I (me)、we (us)、they (them) などの人称代名詞を使わずに記述します。また、定冠詞(the)と不定冠詞(a / an)も省略します。ただし、それらがないと意味が分からなくなるような場合は例外です。

主語を省略して、文を動詞から始める

Handle all marketing and advertising budgets.

Designed flexible training program for in-store employees.

通常の文法ならば、主語として文の最初、「Handle」や「Designed」の前に「I (私は)」が入りますが、英文履歴書の場合は上記の例のように動詞から文を始めます。学校では原則として「英語は主語を省略しない」というふうに教えられたかもしれませんが、英文履歴書に関しては主語を省略するということを覚えておいてください。

なお、現在就業中の仕事に関する動詞は現在形(または現在進行形)を用い、前職以前の過去の仕事内容については過去形で記載します。

ただし、スキルを記載する場合などは、名詞(または名詞にかかる形容詞)の組み合わせで一文を作っても構いません。日本語で言うところの「体言止め」のようなものと言うと分かりやすいでしょうか。

英語の「体言止め」

Strong communication and presentation skills.

Knowledge of implementing and troubleshooting.

コツは、長い文をいくつも続けて記載するのではなく、一文を短くして要約を箇条書きで書くことです。

■ 数字はアラビア数字で表記

改まって「アラビア数字」と言われると「どんな数字だったっけ?」と思われるかもしれませんが、要するに「0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9」の文字で表記される数字のことです。ちなみに「ローマ数字」は「Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ, Ⅳ, Ⅴ…」のような数字のことです。

通常の英文では、1 桁の数字や文頭の数字はスペルアウト(spell out : 数字ではなく、英単語で表記)することが多いですが
例えば「three years」ではなく「3 years」、「five million」ではなく「5,000,000」と記しましょう、ということです。また「営業経験 5 年以上」と書く場合は「over 5 years」と書いても間違いではありませんが、英文履歴書では「5+ years」のように表記されることが多いようです。

数字はアラビア数字で

Achieved JPY 50,000,000 sales in 2015.

5+ years sales experience in IT industry.

細かいことのように思えますが、数字をアラビア数字で表記することで、アピールのポイントとなる売上や経験年数などの数字が文章の中に埋もれず、読み手の目に止まりやすくなります

■ 経験・実績をポジティブに表現する Action Verb を使う

英文履歴書特有のルールとして「動詞から文を始める」ことを紹介しましたが、採用担当者に対してより効果的にアピールするために、動詞(Verb)の中でも、よりあなたの経験や実績をポジティブに見せられる Action Verb(動作動詞)を用いるようにしましょう。具体的には、以下のような動詞です。

Accomplished成し遂げた
Achieved達成した
Built構築した
Improved向上した
Completed完了した
Contributed貢献した
Collaborated協働した
Gained獲得した
Integrated統合した
Launched(事業などを)立ち上げた
Maximized最大化した
Organized組織した
Raised上昇させた
Succeeded成功した
Upgraded品質を改良した
Won勝ち取った

これらは、Action Verb のごく一部です。特に「この動詞が Action Verb だ」と決まっているわけではありませんが、「Action Verb」でWeb検索すれば、英文履歴書で実際に使われることが多い Action Verb を数多くまとめているサイトが見つかるはずですので、あなたの経歴をよりポジティブに表現できる動詞があるか、探してみてください。

次回は、「日本人には意外と難関?英文履歴書の Reference はどうする?」というテーマでお送りします。

photo : “Resume – Glasses” by Flazingo Photos

シリーズ : 英文履歴書の書き方


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