英文履歴書のフォーマットは自分のキャリアに合ったものを選ぶ

7月 12th, 2016 | Posted by htby in 履歴書

'Application - glasses - pen' by Flazingo Photos

こんにちは。htby です。今回は、シリーズ「英文履歴書の書き方」の第 3 回です。前回は、「いきなり英文履歴書を作り始めるのは NG。日本語で職務経歴を棚卸ししてみる」というテーマで、英文履歴書を書く前の準備として、キャリアの棚卸しの仕方について解説しました。

今回は、英文履歴書の翻訳を誰かに依頼することを想定して、前回、棚卸しした材料(日本語のもの)を、英文履歴書のフォーマットに合わせてまとめていきます。そのために、まずは自分のキャリアに適した英文履歴書の形式を選びます。そして選んだ形式に沿って、翻訳しやすい形に職務経歴をまとめます

■ 3 つの形式の中から自分のキャリアに適したものを選ぶ

英文履歴書のフォーマットには、「Work Experience(職務経歴)」部分の書き方によって、3 つの形式があります。Chronological(年代順)、Functional(職務別)、その両者を合わせたCombination(混合式)と呼ばれる形式です。

それぞれ、どのような形式で、どんなキャリアを記述するのに向いているのでしょうか。一つずつ見ていきます。

Chronological (年代順)

いわゆる「時系列」で、職歴を並べる形式です。日本の「履歴書」には、勤めた会社、所属部署などを古いものから順に記述しますが、この「年代別」の英文履歴書では、勤めた会社、所属部署に加えて、そこで担当した業務の内容や実績を、新しいもの(最近のもの)から順に時系列で記載します。

時系列で並べた時に、キャリアに一貫性があると見なされやすい職歴の人、例えば、同じ業界でキャリアを積んできた人や、業界は変わっても同じ職種・近い職種で着実にキャリアを積んできた人に向いている形式です。

その半面、転職回数が多い人や、長期間ブランクがある人の場合は、時系列に並べるとそれらが目立ってしまうので、あえて「年代順」を選ぶ必要はないでしょう。また、最近の職歴を一番上に書くことになるため、応募するポジションと直近の職務の関連性が薄い場合も、別の形式を選ぶほうがよいでしょう。

Functional (職務別)

「function」には「職務、役割」といった意味があります。「職務別」形式は、経歴を順番通りに並べるのではなく、これまで従事してきた職務(職種)単位で、経験した業務内容や実績を記述する形式です。例えば、「営業職」「営業企画」「マーケティング担当」などの職種を項目として立てて、それぞれの職種での経験や実績を書くといった具合です。

その場合、応募するポジションで活かせる要素が多い職種ほど、より上に記載するとよいでしょう。そして英文履歴書の最後に、「Work History(職歴)」欄を設け、会社名、ポジション、雇用期間だけを記載します。

職務ごとに記載することでその人のスキルや業績が強調されるため、採用担当者が「この人は何ができるのか」を一目で理解することができます。いまの職種から別の職種に移りたいと考えている人や、転職回数が多い人キャリアにブランクがある人に向いていると言えるでしょう。また、仕事以外のボランティア活動などで得たスキルがある人は、それを記載することも「職務別」なら記載可能です。

Combination (混合式)

「年代順」と「職務別」の“いいとこ取り”をして組み合わせたものが「混合式」です。書面上、先に「職務別」のスタイルで、経験した業務内容や実績を記載します。その後に、年代順で職歴を記載します。

上の 2 つの形式のメリットを組み合わせているわけですから、この形式にデメリットはあまりありません。強いて言えば、「職務別」の記載内容と「年代順」の記載内容で重複することがあるので、全体として長くなってしまわないよう注意が必要です。年齢が高く職歴が長い人は、「職務別」形式を選んだほうがすっきりとまとめられるかもしれません。

<形式を選ぶときのポイント>

紹介した 3 つの形式の中では「年代順」が一番昔からある形式のため、伝統的な会社では「年代順」が好まれる傾向があります。ただ現在では、そこまで気にする必要はないでしょう。より自分の強みをアピールできる形式を選ぶことのほうが大事です。

前回の記事で、「英文履歴書は、応募するポジションに関連する経歴やスキルに重点を置いて記載する必要がある」とお伝えしました。そして、重点を置く経歴・スキルは、できるだけ英文履歴書の最初のほうに記載したほうが、採用担当者へのアピールとして効果的です。採用担当者が、多数の英文履歴書を並べて比較検討する際に、先頭から最後までじっくり目を通したりはしないからです。そう考えた時に、あなたの一番のセールスポイントを最も魅力的に見せられる形式はどれでしょうか?

■仕上がりイメージに合わせて職務経歴をまとめる

シリーズ第 1 回で、英文履歴書に記載する基本的な項目は以下の項目だとお伝えしました。

  • Personal Information (名前と連絡先)
  • Objective (希望職種)
  • Summary (職歴の要約)
  • Work Experience (職務経歴)
  • Education (学歴)
  • Certificates (資格・免許)
  • Reference (照会先・推薦者)

しかし、Personal InformationEducationCertificatesReference については、記載するのは会社名や学校名などの固有名詞、住所など翻訳しようのない情報なので、今回は言及しません。ObjectiveSummaryWork Experience の 3 項目についてのみ、何をどう書けばよいかを説明します。

ObjectiveSummary は、上記 3 つの形式のどれにも共通する要素です。つまり、Work Experience の部分だけが、形式によって異なります。

「年代順」を選んだ場合は、最近の経歴から時間軸に沿って記載していきます。「職務別」を選んだ場合は、タイトルを Professional Experience としておくと、職務別に書かれていることが採用担当者にも分かりやすいでしょう。

イメージしやすいように、簡単なフォーマット(Word ファイル)を上げておきます。ダウンロードしてお使いください。

ここまで仕上がりイメージに近い形で、日本語でまとめられれば、翻訳を誰かに依頼するにしても、自分で英訳するにしても、過不足なく情報を盛り込むことができるはずです。ぜひトライしてみてください。

次回は、自分で最後まで作成したい人のために、「一般的な英文法とは少し違う。英文履歴書の英語、基本ルール」と題して、英文履歴書に独特の記述ルールや、Tips を紹介します。

photo : “Application – glasses – pen” by Flazingo Photos

シリーズ : 英文履歴書の書き方


You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 Both comments and pings are currently closed.