こんにちは!liang です。中国語の文章を読むと、「的」という漢字をよく見ますね。実際、「的」(de)は中国語で最もよく使われる単語です。短く「ダ」のように発音します。非常に多く目にする単語ですから、少しでも知っておくと中国語に対する理解が深まると思います。
「的」は助詞で、よく日本語の「の」に置き換えられます。中国人(中国語母語話者)の話す日本語に、ときどきちょっと不自然な「の」が使われるのは、母語の影響でしょう。「日本に行くのとき」のように話すのを聞いたら、この「の」は「的」を置き換えたものだな、と推測できます。
「的」の用法は実にさまざまです。ここですべてを理解するのは難しいので、日本人にとってわかりやすい例を少し紹介します。
【1】 幸福的生活
意味は「幸せな暮らし」です。名詞「生活」を修飾する形容詞「幸福」の後ろに「的」が使われています。
【2】 我的母亲
「私の母親」。この「的」は「母亲」が「我」に属することを表します。シンプルに「の」と訳せますね。
【3】 问题很多,要解决最主要的
「問題が多いので、最も重要なものを解決すべきだ」。「~のもの」という分類の意味合いで使われています。「的」の後ろの「问题」が省かれています。
これらの例を見ると、本格的に中国語を学ぶのでなければ、とりあえず「的」を「~の(もの)」と覚えてしまえば便利そうです。日本人の中国語学習者も、入門期にはそのように覚えていると思います。
中国(大陸や台湾)に行くと、日本人向け、あるいは日本由来のものであることをアピールする目的なのでしょうか、商品パッケージや看板の中国語に日本語「の」が交じっているのを見かけることがあります。「の」を「的」(あるいは「之」)の意味で使えることが、ある程度認知されているのですね。
上の例のような「的」は、中国人と漢字で筆談する際に役立ちそうです。「我的~」(私の~)、「~的人」(~の人)などは使いやすい表現です。漢字を適当に並べても、中国語文法的にめちゃくちゃで伝わりにくいと思いますが、「的」を織り交ぜて文法的に多少整えることで、伝わりやすくなるのではないでしょうか。お試しください。
※【1】【2】の用例は『現代漢語詞典第 6 版』(商務印書館)より、【3】の用例は和訳を含め『中日辞典第 2 版』(小学館)より引用
photo : “率性的牌子” by Cheng-en Cheng