日本が起源の絵文字(emoji)に世界が「白人偏重」と激怒?

2015/04/17 | Posted by maggy in 小ネタ

こんにちは、maggy です:) スマートフォンのテキストメッセージのやりとりで、すっかり絵文字に慣れてしまい、長い文章を書くのがやや億劫になっている今日この頃。ライターとしては死活問題です。

テキストの語尾に笑顔やハートの絵文字を付けたり、あるいは絵文字だけで返信したりすることは、今や多くの日本人にとって日常的になっているのではないでしょうか。

左の写真は、スマートフォン用の絵文字ですよね。かわいい豊富な種類の絵文字があります。これらと同じ絵文字が、海外でも使われていることはご存知でしたか? しかもそのまま emoji と呼ばれています。
※ もっと前から存在しているものとしては、:) や、:-):D;-) のような記号や文字の組み合わせからなる感情を表す emoticon( = emotion + icon)というものもありました

絵文字(emoji)は、もともと日本の携帯文化から生まれ、アップルや Google の働きかけにより、文字集合の国際規格である Unicode に取り込まれたことで、今では世界中の iPhone や Gmail の利用者に使われています。

こうして日本発・世界標準になりつつある絵文字(emoji)ですが、海外でさまざまな反響があります。例えば世界の言語のトレンドを分析・追跡する米グローバル・ランゲージ・モニター(The Global Language Monitor)は昨年、絵文字人気を背景に、2014 年の英語の流行語首位は、「emoji」になるだろうと予想しました。同年 12 月の結果発表では、実際に絵文字のハートマークが首位だったと発表しました(参考 : The Heart ♥ Emoji (for love) is Top Word, Pope Francis topped by Ebola as Top Name, “Hands Up, No Shoot” is Top Phrase – The Global Language Monitor)。

こうして広く受けいれられている反面、批判も飛び交っています。例えば、絵文字は日本発なので、天狗七夕おにぎりと、日本文化ならではの絵文字が多数あります。「この絵文字は何なの……?」「わからない」との困惑の声も。「絵文字に出てくるよくわからない食べ物だけで、一週間過ごしてみました」というチャレンジを行ってニュース記事にしたアメリカ人のライターまでいます(参考 : My Week on the All-Emoji Diet – The Atlantic)。ちなみに筆者がお住まいの大西洋では、バナナパントウモロコシの入手は簡単でしたが、おにぎりおでんを準備するのは大変だったとか。

謎めいているだけならまだしも、もっと深刻な批判も。人間の顔や身体を描いた絵文字について、「白人偏重だ、人種の多様性を反映していない!」という批判が、絵文字を採用しているアップルなどに相次いでいるそうです。例えば 姫/プリンセス(princess)の絵文字は、白い肌に青い目になっているのです。

日本人としては違和感を抱かずに来ましたが、よく考えたら「なぜ日本発なのに日本人の姫ではないのか」。あるいは、「黒人の姫だっているじゃないか」……と、突っ込みどころが満載です。偏見……というわけではないのですが、この日本独特の文化背景は、どうも解説しくいものです。絵文字が世界の言語して使われるためには、多様な人種の人が、気持ちよく自己表現ができるものであってほしいですよね。

この事態を受け、ついに先週(2015/04/08)、アップルは iOS 8.3 では絵文字に人種と肌の色の違いを導入しました(参考 :iOS 8.3配布開始。絵文字が大幅に強化、バグ修正も : ギズモード・ジャパン)。現段階では、肌の色を 5 種類から選べるとか。リンク先のサンプルを見る限り、なんだか細々していて、対応も使い分けも大変そうですけど……。

このように、日本人だけのガラパゴス化した国内ルールが反映された絵文字が、世界でちょっとトラブルを起こしてしまっているわけです。採用したアップルやグーグルがその対応に追われているという事態に、日本人としては、なんだかいたたまれない思いでおります。

ちなみに、先日のニューヨークタイムズ紙では、カバ雌山羊の絵文字がないことに憤慨したジャーナリストが、「アメリカ人にはアメリカ版の絵文字が必要」という記事を書いていました(America Needs Its Own Emojis – NYTimes.com)。なぜそんなにもカバの絵文字の会話に必要なのか、日本人のわたしにはちょっとピンと来ないのですが……。絵文字が世界共通言語になるには、まだまだ、多くの試練が待っていそうです。

おまけ : 「スピード翻訳」でご依頼いただく原稿には、絵文字や機種依存文字のご使用はお控えくださいね。

photo : “Texting Emoji” by Intel Free Press


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