バベルの塔 ~ 世界の言語の分断

10月 9th, 2014 | Posted by maki in 小ネタ

こんにちは、maki です。「バベルの塔」というエピソードはご存知でしょうか?『旧約聖書』の「創世記」に登場する大きな塔です。天にも届くような建造物で、人間がこれを作ったことが神の怒りに触れ……というストーリー。

「創世記」には「全地は同じ発音、同じ言葉であった」と書かれています。また「時に人々は東に移り、シナルの地に平野を得て、そこに住んだ」とあります。つまり、人たちは皆、シナルの地に住み、全員同じ言葉でコミュニケーションしていた……ということになります。それをよしとしなかった神は、「彼らの言葉を乱し、互に言葉が通じないようにしよう」と考え、言語をバラバラにし、人類をも世界各地に分散させて住まわせました。迷惑な話ではありますが、神様のすることなので仕方ないのかな。

比較言語学では、世界の言葉は、アフロ・アジア祖語、アナトリア祖語、北西コーカサス祖語、南コーカサス祖語、バスク祖語、ドラヴィダ祖語、印欧祖語、トルコ祖語、モンゴル祖語、ウラル祖語、チュクチ・カムチャツカ祖語、パマ・ヌーガー祖語、オーストロネシア祖語、タイ・カダイ祖語、チベット・ミャンマー祖語、、ミャオ・ヤオ祖語、オーストロアジア祖語、エスキモー・アレウト祖語、、アルゴンキン祖語、イロクォイ祖語、ユト・アステカ祖語、アステカ祖語、オト・マンゲ祖語という言語の源流とも呼ぶべきグループに分類されるようです。そして、これらを元として、3,000 種とも 8,000 種とも言われている言語に分れています。世界の国々で国語・公用語と制定されているものだけでも、97 言語ほどあります。97 でも多いですね。
※ 参照 : Wikipedia – 祖語 / Wikipedia – 言語

全世界のさまざまな国で 100 万人ほどの人によって話されている言葉があります。1887 年にルドヴィコ・ザメンホフによって作られたエスペラント。ザメンホフの理想は、世界中の人の誰にとっても学習が容易なすべての人のための第 2 言語としてエスペラントを広めたいと考えていたようです。とはいえ、ラテン語などのヨーロッパ言語をベースに考案されたものであるため、日本人には敷居が高いですね。聞いたことも見たこともない言語だと思っていましたが、昔見た『銀河鉄道の夜』のアニメーション作品(1985)では作中にいろいろなエスペラントが出てきていたと後に知りました。ラテン語かな……と思っていたのですが、ちょっと違いました。『銀河鉄道の夜』は、エスペラントでは Nokto de la Galaktia Fervojo と訳されています。いかにもヨーロッパ言語(ラテン語)っぽいですね。原作にはエスペラントは使用されていないですが、宮沢賢治自身もエスペラントに傾倒していた時期があるようなので、いい演出ですね。

いまや、英語から派生した グロービッシュ(Globish)が話題です。文法も平易で、語彙も使用頻度の最も高い英単語 1,500 語を使用する実用的なコミュケーションツールですね。これなら、自分でもマスターできるかな?

翻訳をビジネスにする多くの人がいて、会社も存在します。(間接的には?)神様のおかげで我々は日々の糧を得られているのか……と思うと、複雑な気分です。機械翻訳が進化し、ドラえもんの「ほんやくコンニャク」が実現したら、また神様に怒られてしまうのでしょうか……。

photo : “The_Tower_of_Babel” by Pieter Bruegel the Elder


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