台風 8 号は別名「台風たぬき」だった!台風の番号と名前

7月 17th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ

こんにちは、maggy です。先週、日本列島で猛威を振るった台風 8 号は、梅雨前線による大雨とも重なって全国に影響を与えました。被害により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。今週は関東地方では、「もう梅雨明けしたの?」といったような天候で暑いようですが、そうでない地域もあります。梅雨明け以降も台風には要注意ですね。

さて、台風には「台風 号」といった通し番号が付いていますよね。一方で、アメリカのハリケーンには Sandy(サンディ)Katrina(カトリーナ)といった名前が付いています。このハリケーンの命名ルールについては、以前「Sandy who? Hurricane Sandy. ハリケーン・サンディは、誰が名前をつけたの?」にてご紹介しました。

そちらの記事でも少し触れられていますが、実は台風にも国際的な名前が付けられています。さらに調べてみたところ、従来は台風にも米国が英語名(人名)を付けていたそうですが ※、北西太平洋または南シナ海の領域で発生する台風には、平成 12 年(2000 年)より加盟国など(東アジア、東南アジア諸国)が提案した名前を付けることになった ※※ のだそう。
※ 1947 年に日本上陸した巨大台風は、キャサリン台風と呼ばれていたのは有名ですね。1950 年のジェーン台風は「稲村ジェーン」の由来にもなっています
※※ アメリカも参加しているというのは、グアム、サイパンがあるからでしょうか?

下記が現在使われている、台風の国際名とその意味、命名した国・地域リストの一例です。

  1. Damrey = 象(カンボジア)
  2. Haikui = イソギンチャク(中国)
  3. Kirogi = 雁(朝鮮民主主義人民共和国)
  4. Kai-tak = 啓徳 ※旧空港名(香港)
  5. Tembin = てんびん座(日本)
  6. Bolaven = 高原の名前(ラオス)
  7. Sanba = マカオの名所(マカオ)
  8. Jelawat = 淡水魚の名前(マレーシア)
  9. Ewiniar = 嵐の神(ミクロネシア)
  10. Maliksi = 速い(フィリピン)
  11. Gaemi = 蟻(韓国)
  12. Prapiroon = 雨の神(タイ)
  13. Maria = 女性の名前(米国)
  14. Son-Tinh = ベトナム神話の山の神(ベトナム)
    ……以下略(全 140 種類)

こんな具合に全部で 140 個を順番に使います。年間の台風発生数は約 25、6 個なので、約 5 年間でまた 1 番めに戻るそう。文化的なものから、ちょっと観光 PR を匂わせるものまでさまざま。お国柄を感じますね。全リストは台風の番号と名前(気象庁)をご覧ください。

さて、では先日の台風 8 号の名前はというと、順番的に Neoguri(ノグリー)でした(ハングル表記 : 너구리)。命名国は韓国、意味はたぬきになるそうです。ですから、台風 8 号の国際名は、台風たぬきだったんですね。

日本ではあまり聞かなかったかと思いますが、英語圏のニュースでは「Tropical Storm Neoguri Slams Japan」(ABCニュース)、「Typhoon Neoguri Crawls Toward Main Japanese Islands After Sweeping Over Okinawa」(ウォール・ストリート・ジャーナル)といった具合に、ニュースの見出しでも、 Neoguri と呼ばれていました。やはり米国などでは、ハリケーンの慣習に踏襲して、台風も通し番号ではなく名前で呼んだ方が捉えやすいのでしょうか。

ちなみに先日、ワシントン・ポストに、女性の名前のハリケーンの方が男性の名前のものよりも死者数など被害が甚大な傾向にあるという、最新の科学調査についての報道がありました。しかもそれが、女性の名前に対する先入観から、災害予想を過小評価する潜在的な性差別が原因だと言うのです(参考:Female-named hurricanes kill more than male hurricanes because people don’t respect them, study finds)。言葉のイメージって、侮れませんね。

もしも日本でも、「今夜、台風たぬきが九州上陸」などと報道されていたら……いや、それはないですね。もし、言うとしても「台風ノグリー」でしょう。とはいえ、やっぱり発生順の数字の方がわかりやすいと思うのは日本人だからでしょうかね。

photo : “contri” by 山形とは

おまけ :ちなみに日本の命名したものは、Tembin(テンビン ← てんびん座)、Yagi(ヤギ ← やぎ座)、Usagi(ウサギ ← うさぎ座)、Kajiki(カジキ ← かじき座)、Kammuri(カンムリ ← かんむり座)、Kujira(クジラ ← くじら座)、Koppu(コップ ← コップ座)、Kompasu(コンパス ← コンパス座)、Tokage(トカゲ ← とかげ座)、Hato(ハト ← はと座)となっています。すべて、星座の名前でなじみの薄い星座がたくさん。赤道近くの低緯度地域(台風の生まれ故郷)で見られる星座ばかりのような気がします。命名者のこだわりでしょうか。(参考 : 気象庁 – 台風の番号と名前


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