日本の携帯市場も SIM ロック解除が義務化!ちょっとオタクな楽しみ

6月 30th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ

'Frankenstein' by Richard Eriksson

こんにちは、maggy です。総務省は携帯電話会社が端末を他社で使えないように制限する「SIM ロック」の解除を、2015 年度にも義務づける方針を固めたそうですね(ニュース記事)。

この話題に馴染みのない方のために、少しだけご説明します。携帯電話は、端末機器に、SIM カードという、電話番号など利用者の情報を書き込んだ IC カードを差し込んで動くようになっています。日本の場合、その SIM カードには、docomo、au、Softbank などのキャリアが紐付いています。このページの写真で言えば、中央に置かれている金色の小さな部品です。

欧州や韓国などでは、利用者が端末から SIM カードを自由に抜き差しできるようになっています。つまり、スマートフォンを A 社で購入し、A 社の回線を使っていたが、B 社がもっとお得な回線プランを提供したので、B 社から SIM を買い、端末はそのままで、回線を乗り換える……といったことができます。この状態を SIM フリーと呼びます。日本では、SIM の交換はできず、SIM ロックと呼び、キャリアの変更はできません。SIM フリーであれば、SIM の変更により、キャリアの変更は可能ですし、他の国に行った際には、端末は買わずに、行き先の国に対応した SIM カードを差し込めば携帯電話が使えるようになります。

海外に住んだことのある人や海外旅行・出張に頻繁に出かける人には、この話題に馴染みがあるのではないでしょうか。私もイギリスに留学したとき、携帯電話という文明の利器の中には、SIM カードなる心臓が埋め込まれていることを知りました。節約しようと、どの業者の端末が最も安くて良いものか、そして SIM カードはどこが一番お得か、徹底的に比較しました。そして端末の裏を開けて SIM カードを抜き差ししていると、語学だけでなくテクノロジーにも強くなった気がして、ちょっとオタクな達成感を得ました。

逆に SIM ロック では、端末から SIM カードを交換できないようにしてある状態で、これまで日本の業者の携帯電話が、大方このスタイルだったわけです。

否応なしにセットにされているので、利用者側に自由に価格やサービスを比較する機会が少なかったのです。今回の SIM ロック解除の義務化で、競争が激しくなり価格やサービスがより自由化したらいいですね。利用者側も比較の目を光らせていきましょう。

環境にも良い効果があるのではないでしょうか。例えば私は現在、海外の携帯電話と日本の携帯電話を 2 つ持っています。これが SIM カードだけ取り替えてもいいのなら、端末は 1 つで済むはずです。

レアアースがどうのこうのと騒いだ割に、端末をなるべく買わせるようなモデルにしがみついているようでは、資源の無駄遣い。地球の未来が危ないかも?
※ 実際には、SIM ロックのおかげで端末が安く買えるというメリットもあったりするのですが、あとで通信料にオンされて、結局どうなんだ?という印象もあります

これまでの日本の携帯電話のガラパゴス化は海外からの訪日者にも不評だったようで、使い慣れた端末を使いたかった人も多いでしょう。

いずれにせよ、日本と海外への行き来の際に、あの端末の裏を開けて SIM カードを差し替える、ちょっとオタクな瞬間が楽しみだったりします。

おまけ :携帯電話、 IT 関係の仕様書・マニュアルなどの翻訳は、「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスにお任せください。

photo : “Taking out the iPhone 4 SIM card” by Richard Eriksson


You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 Both comments and pings are currently closed.