英語で弁護士は Lawyer、Solicitor、Barrister、Attorney……どう区別する?

4月 21st, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ

'New Zealand Representatives at the International Court of Justice in the Hague ' by Archives New Zealand

こんにちは、maggy です。先日、欧州の弁護士事務所にて、英語の書類制作、英日・日英翻訳などの事務仕事のお手伝いをする機会がありました。

Law Office(法律事務所)におじゃますると、代表の弁護士さんがご登場。いただいた名刺には Lawyer……ではなく Solicitor と書いてありました。初めて欧州の Court(法廷)の中にも入りましたが、そこでお会いした別の弁護士さんの名刺には Barrister とありました。

これまで英語で弁護士 = Lawyer だと思っていたのですが、調べてみたら法の世界はもっと奥が深いようです。イギリスおよびイギリスの支配下にあった地域の多くにおいては、弁護士の仕事は内容によって分業が行われているそうで、それぞれの職務名は下記のようになります。

Solicitor(ソリシター)= 事務弁護士
依頼人から直接依頼を受け、法的アドバイスや法廷外の訴訟活動を行う弁護士。

Barrister(バリスター) = 法廷弁護士
法廷での弁論、証拠調べ等を行う弁護士。

お手伝いした法律事務所は、主に bankruptcy(破産)や real property(不動産)を扱っていたので、Accountant(アカウンタント)= 会計士が Solicitor にクライアントを紹介することも多いそうです。つまり、その法律事務所で扱う案件の法廷での申し立て(appeal)では、下記のような分業と連携になっているのですね。

Accountant → Solicitor → Barrister → 法廷

分業にすることでそれぞれの専門性を高め、お互いにチェックしあう体制になっているそうです。

ちなみに法廷では、映画のような白い巻き毛のカツラ、二股に別れた白いつけ襟、長い黒ガウンを身に付けている弁護士(上記写真のような)と、単にスーツ姿の弁護士がいました。前者が法廷で弁論する法廷弁護士なんだとか。

なお、アメリカでは法廷弁護士と事務弁護士の区別は行っておらず一元性で、Attorney(アトーニー)という肩書なんだそうです。それでは Lawyer は一体何者なのかというと、こちらは法律に関わる人全般のことを指す口語で、どの職務の弁護士にも、そして検事(prosecutor)などにも使うそうです。

ちなみにバリスターと聞くと、ついカフェでコーヒーを作る人のことかと思ってしまいましたが、それは barista(バリスタ)。イタリア語から来ており、全然違うスペルでした。ずいぶんややこしいので、ちょっとコーヒー休憩……。こうして調べてみたものの、結局すべて Lawyer と呼びたくなってしまいました。

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photo : “New Zealand Representatives at the International Court of Justice in the Hague” by Archives New Zealand


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