新しい1年を迎える漢字のお話。

1月 22nd, 2014 | Posted by xiaofan in 小ネタ

'過年' by falcon0125

大家好! この冬、何度も寒波が訪れて日本は寒い日が続いているそうですね。連日 15 度前後の台北から xiaofan です。

日本ではとっくの昔に年末年始が終わり、そろそろ年度末も気になるような時期だというのに、「何を今さら新年の話?」と思われるかもしれません。ただ、こと中華文化圏においては、ちょっと事情が違うのです。

というのも、旧暦でお正月を迎える慣わしだから。東アジア地域では、中国、韓国、台湾、香港、マカオなど、日本以外の多くが旧暦で新しい年を迎えます。元旦の日程は毎年変わり、今年は 1 月 30 日が大晦日、31 日が元旦にあたります。そのため 1 月の後半である今まさに年末の装いで、街中のいたるところが同じ色で埋め尽くされています。

日本では新年を迎える色はといえばズバリ紅白ですよね? ところが、台湾で「白」は一般的に葬儀で用いられる色であるため、新年のお正月用品に白い色は避けます。一方の紅は、縁起がよい色とされており、この紅の一文字自体で人気があることを表します。そういったことから、年末年始といえば紅がよく使われます。

'NEX_00072,' by 黃 基峰たとえば「春聯」。新しい年を迎えるお正月用のお札です。特に玄関など人の出入りする場所に貼り、幸運がやってくることを祈願します。「福」「吉祥」などは日本で見かけたことがある方もいるかもしれません。

しかし、この右の春聯、見たことありますか。実はこれ、縁起のよい四つの字を一緒にしているんです。何の字かぱっとわかるでしょうか。

答えは「」の四字。この「財」は財産や資財の財ですし、「寶」は宝の繁体字です。それらを「招」き、さらに「進」は中国語で入るの意味です。つまりはたくさんお金が舞い込むように、お金持ちになるように、ということを全体で意味しています。1 字としての読み方はないそうですが、文字を読む順番は「招→財→進→寶」が一般的なのだとか。4 字をあわせるとなんと 48 画にもなります。ちなみに、日本語でよく画数の多い字の代表格「鬱」は全 29 画です。ただここまで意味がはっきりしていると、なんだか一文字で豊かささえ感じてしまいます。


'NEX_00065' by 黃 基峰では、次はどうでしょう。こちらは「學好孔孟」の四字が組み合わさった一字。「」は「学」の繁体字です。孔子や孟子のような賢人にちなんで学業祈願を意味します。孔子と孟子の二人がついていたら、鬼に金棒な気さえしてくるから不思議です。日本でも四字熟語があるように、ここ台湾でも「成語」(故事成語ですね)はよく使われ、子どもたちが早くから学校で習います。同じ漢字圏なのに、こんなふうに漢字を遊ぶ発想が日常に溶け込んでいる様子は日本にはないよなあ、と少し羨ましく感じてしまいました。


さて今年は午年。皆さんに「馬到成功」が訪れますように。繁体字どころ台湾から xiaofan でした。再見喔~!

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photo : “過年” by falcon0125 / “NEX_00072” by 黃 基峰 / “NEX_00065” by 黃 基峰


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