世界の希少言語を保存する「Aikumaアプリ」

9月 4th, 2013 | Posted by maggy in 小ネタ

'Solomon Islands Papua New Guinea 096' by rapidtravelchai

こんにちは、maggy です。世界には何カ国語が現存するか、ご存知ですか? 言語を区分けする定義にもよりますが、その数 6,000 とも 7,000 とも言われています。そのうち、約 3,000、つまり約半数が消滅の危機に瀕しています(参考:Endangered Languages Project)。

言語は人類の貴重な文化資産です。希少言語の母語話者が生存しているうちにデータを集めたいと、メルボルン大学コンピュータサイエンス科の助教授は昨年、研究にあるものを活用したそうです。それは、私たちにもお馴染みのスマートフォンです。この事例をちょっとご紹介します。

スティーブン・バード教授が昨年、試験的に行ったのは、パプアニューギニアの辺境地に住むウサルファ(Usarufa)族のうち、たった 1000 人が話す希少言語の保存プロジェクトです。このプロジェクトのために開発されたアンドロイドアプリを使って、話者本人たちに言葉を録音してもらうというもの。ウサルファ族はそのアプリを “meeting” を意味する「Aikuma(アイクマ)」と呼んだので、その名付けられました。

ウサルファ族は視覚的・感覚的に操作できるこのアプリをすぐに使いこなし、先祖代々から伝わる民話や伝説を喜んで吹き込んだそうです。さらに「Aikuma」には音声の同時通訳を録音する機能があります。ウサルファ族の多くが話すポルトガル語でも録音してもらえば、万が一母語話者がいなくなってしまったときに、保存や解析の手助けになるわけです。

これまでの大規模調査に比べて、スマホアプリを活用したこの調査は、安価でスピーディーに導入できるため、希少言語の保存が急がれる現状で更なる活躍が期待されています。

この研究事例は、希少言語を保存する「ロゼッタプロジェクト(The Rosetta Project)」のブログに紹介されていました。「ロゼッタプロジェクト」は、世界を 100 年でも 1,000 年でもなく、1 万年という長い目で考えるために 1996 年に設立された団体「A Long Now Foundation」による取り組みです。

わたしは外国語が分からないときや翻訳を依頼するとき、「どうして全世界に共通の言語がないんだろう!」と、正直、厄介に思うことがあります。しかしこのニュースを読んで、目先のことだけでなく、1 万年先の地球や人類のことを考えると、これは人類に必要なことなのだということに、改めて気が付かされました。

皆さんも外国語が分からなくてイライラしてしまったときなどは、ちょっと、立ち止まって、1 万年後の地球全体のことを考えてみてください。

おまけ :「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスは現在、7,000 語とはいきませんが、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、インドネシア語、タイ語、ベトナム語、マレーシア語(マレー語)、タガログ語の全 8 言語と、多言語に対応しています。ウェブで世界のどこからでもスピーディーに、必要な時にご依頼いただけます。ご活用ください。
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photo : “Solomon Islands Papua New Guinea 096” by rapidtravelchai


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