アメリカのフトン

8月 14th, 2012 | Posted by maki in 小ネタ

'Futon Sale' by Jeremy Brooks

こんにちは、maki です。前回の「ナイス・ボケ! ナイス・ツッコミ?」に続き、日本語からの英語の借用語シリーズ(?)です。先日、会社の近くのデパートで開催中の古本市に行きまして、田山花袋の『温泉めぐり』という本を買いました。田山花袋の代表作と言えば『蒲団』……ということで、本日の借用語は futon です。

アメリカでは New York の Manhattan に住んでいたのですが、着いた早々、路上でよく見かけたのが、この futon という単語でした。店の看板に大きく FUTON と書いてありました。やっぱりこれは日本の「フトン」なのかな……と思って店内を覗いてみると、寝具店ではあるようですが、掛け布団や敷き布団、シーツや枕を取り揃えた、いわゆる寝具全般の専門店ではありませんでした。

じゃあ、何を売っているかというと、ソファベッドのようなものなんですね。アメリカで床の上に敷き布団と掛け布団を敷いて……っていうのはないでしょうけど、それにしてもベッドでもなく、ソファベッドのようなものというのは、とてもそもそもの「布団」と比較すると、かなり限定的な定義で何だか不思議な感じがします。

'American futon' by Thief12

ここで何回か「ソファベッドのようなもの」と書いていますが、これは futon が、正確には、折り畳んだり広げたりできる木製または金属製の枠(フレーム)が付いていて、ベッドとしてもカウチ(寝そべることのできる長いソファ)としても使うことができるものだということで、ソファベッドとはちょっと定義が違うので、「のようなもの」として紹介しました。日本語では、ソファとカウチ(寝そべることができる長さがあるベンチ状のもの)の違いもあまり認識していないですから、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、こんなものです。

日本の布団は、ベッドと違って、寝るときに敷くものなので、通常は布団の大きさの床面積を占有することがありません。この FUTON も寝たいときに広げれば、すぐに使うことができ、起きたら畳んで片付ける……という特徴が布団と共通しているところから命名されたのかもしれないですね。

おまけ : ちなみに英語では、掛け布団のことは、comforter と言います。Wikipedia いわく、comforter は、アメリカ英語なんだそうです。毎日使うものなのに、知らないことがまだまだたくさんあります……。海外でなくてもホテルとかだと、直にシーツとかでベッドメイクされていて、タオルケット愛好者としてはどうも好きになれないのですが、日本以外ではあのタオルケットも一般的な商品ではないようです。アメリカでも大きめのバスタオルは売ってましたが、日本のタオルケットに相当するものは見かけませんでした。あれは、きっと towelblanket を合成した和製英語ですね。

photo : “Futon Sale” by Jeremy Brooks / “American futon” by Thief12


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