いきなり英文履歴書を作り始めるのは NG。日本語で職務経歴を棚卸ししてみる

3月 30th, 2016 | Posted by htby in 履歴書 - (いきなり英文履歴書を作り始めるのは NG。日本語で職務経歴を棚卸ししてみる はコメントを受け付けていません)

こんにちは。htby です。今回は、シリーズ「英文履歴書の書き方」の第 2 回です。「英文履歴書の提出が必要」と言われたら、英語があまり得意でない人はそれだけで焦ってしまいますよね。でも、いったん落ち着きましょう。英語を心配するより、先にすべきことがあります。

最初にお断りしますと、今回は、具体的な「英文履歴書の書き方」の話も英語もほとんど出てきません。その前段階で必要な、「職務経歴(キャリア)の棚卸し」のやり方、考え方をご紹介します。

英文履歴書が必要になる場面で最も多いのは、やはり「転職」の時でしょう。人事・採用担当者の最大の関心事は、応募者の経歴の中身です。その人の経歴から、「何ができるのか」「どんなことが得意なのか」を読み取って、自社が募集しているポジションに就いたらそれらを活かして業績に貢献できそうかを判断したいと考えています。どんなに正しい英語で書かれていても、自分を売り込む内容になっていなければ、応募書類として用をなしません。

英文履歴書は、A4 用紙で 1 ~ 2 枚のボリュームに収めるべきものですが、あなたのすべての職務経験を書き並べていては、とても 2 枚では書き切れないでしょう。そこで、英文履歴書にまとめる際には、応募するポジションに関連する経歴やスキルに重点を置いて記載する必要があります。関連性の低いものは端的にまとめるか、記載しないという手もあります。日本の履歴書の場合は経歴をすべて記載しないといけませんが、英文履歴書では、募集ポジションに関連のない経歴やアルバイト的なものは必ずしも書かなくてよいのです。

自分の経歴のどこに重点を置いてアピールするのか。それを決めるために、キャリアの棚卸しをして、自分の「強み」を見いだす作業が必要になります。「強み」なんて言われると、「そんなのあったっけ?」と思われるかもしれませんが、仕事を一生懸命やってきた人に、「強み」がないなんてことはありません。やり方は、以下のように、これまでに経験した仕事を思い出して、書き出していくだけの簡単な作業です。

  • 勤めた会社、所属部署と在籍期間
  • 勤めた会社について、事業内容、設立年、従業員数などを、所属部署については、何という部署に、いつからいつまで在籍したかを書き出しましょう。

  • どんな仕事をしてきたか
  • 1 で書き出した在籍部署ごとに、実際に行ってきた業務を箇条書きでよいので書き出してみましょう。「期間が決まっている、プロジェクト型の仕事」「継続的な仕事・ルーティンワーク」「大きくない単発の仕事」などタイプが異なる仕事があると思いますが、小さい単位の仕事でも、その仕事を通じて自分が「成長できたな」と思う仕事であれば、すべて書き出します。書く際は、「誰に対して」「何を提供したか」を意識して付け加えておきます。「誰に対して」は顧客だったり、社内の人や部署だったりしても構いません。

  • それぞれの仕事の目的・行動・成果
  • 2 で挙げた業務について、それぞれ「どんな目的・必要性があってその業務をしたのか」「自分の行動や、仕事をする上で工夫したこと」「どんな成果をあげたか」を書き出しましょう。目標や実績など、数字で表せるものがあれば、それも書いておきましょう。

  • それぞれの仕事から何を得たか
  • 仕事を通じて新たに身につけた、あるいは伸ばせた「知識」「スキル」をそれぞれ書き出してみます。

ここまで職務経験=キャリアを要素分解して、見わたすことができれば、応募したいポジションに活かせる自分の「強み」が見えてくるのではないでしょうか。少なくとも、これから英文履歴書を作成するのに必要な材料は、すべて机の上に乗っている状態と言えます。

英語のライティングが得意な人は、ここから自分で英文履歴書を作成できるかもしれません。ただ、誰かに翻訳してもらおうと考えている人は、もうひと手間かける必要があります。それは、日本語で職務経歴をまとめる作業です。

職務経歴の翻訳を依頼する際に気を付けなくてはいけないことがあります。それは、翻訳者は、あなたが応募するポジションに対し、経歴の中の何に重点を置いてアピールするのかを決められない、ということです。そこで、翻訳を依頼する一歩手前の準備作業として、英文履歴書のフォーマットに沿った日本語のテキストを用意しなければなりません。

今回、棚卸しした材料は、英文履歴書の構成要素の中の、「Objective(希望職種)」「Summary(職歴の要約)」「Work Experience(職務経歴)」に収めていくことになります。どんなフォーマットでまとめていけばよいのかは、次回、「英文履歴書のフォーマットは自分のキャリアに合ったものを選ぶ」で説明していきます。

シリーズ : 英文履歴書の書き方


中国語の「四百八」は 408 ではない

3月 1st, 2016 | Posted by liang in 小ネタ - (中国語の「四百八」は 408 ではない はコメントを受け付けていません)

'32 Hours in Tokyo' by Freebird

こんにちは!liang です。東京では本当に多くの中国人観光客を見かけるようになりました。お店や駅で彼らがよく話す中国語に、金額の数字があります。彼らが仲間内で話す金額を聞いていると、どの商品に興味を持っているのか、それが彼らにとって高いのか安いのかなど、いろいろな情報を得ることができます。中国語の数字だけでも聞き取れるようになれば、「おもてなし」をするうえできっと役に立つと思います。

中国語の数字は、マージャンをやっている人にはおなじみかもしれません。あるいは飲料メーカーのコマーシャルで「イー・アル・サン・スー・ウーロン茶」というのを聞いたことがあるかもしれませんね。

まず、中国語の 0 から 9 までを見てみましょう(併記しているカタカナは実際の音とは異なりますが、発音のご参考まで)。表記は日本語とだいたい同じですね。いくつ知っていますか?

  • 零 : líng (リン)
  • 一 : (イー)
  • 二 : èr (アル) / 两 : liǎng (リアン)
  • 三 : sān (サン)
  • 四 : (スー)
  • 五 : (ウー)
  • 六 : liù (リウ)
  • 七 : (チー)
  • 八 : (バー)
  • 九 : jiǔ (ジウ)

」(ゼロ)は「」~「」と連用する場合、「」を代わりの表記として使うことができます。「」は中国語の辞典で親字項目にもなっている、れっきとした漢字なのです。なお、2 を表す「」と「」はケースによって使い分けますが、ここでは説明を省略します。

次に、十、百、千、万の位を表す中国語を見てみましょう。

  • 十 : shí (シー)
  • 百 : bǎi (バイ)
  • 千 : qiān (チエン)
  • 万 : wàn (ワン)

こちらもわかりやすいですね。なお、1001,000 を表すとき、中国語では「」「」のように「」が必要で、日本語のように省略しません(日本語でもあえて「一千」〔いっせん〕を使うケースはありますが)。

10,000 はもちろん「」ですが、これは日本語でもふつう「一」を省略せず、「一万」(いちまん)としますね。「」は「」を省略可能で、13 なら「十三」になりますが、数字の途中に出て来る場合は省略しません。

たとえば 1,111 は以下のようになります。

    (イー・チエン・イー・バイ・イー・シー・イー)

では 101 はどのように表すのでしょうか。日本語なら「百一」(ひゃくいち)ですね。中国語では以下のようになります。

    (イー・バイ・リン・イー)

」がありますね。中国語では、三桁以上の数字の間にある 0 は省略しないのです。

では、1,001 はどうでしょうか。

    (イー・チエン・リン・イー)

」は入っていますが、ひとつだけですね。0いくつ続いても、入るのはひとつだけなのです。この「」は、「1,000 と 1」の「」のようなものだと考えるといいかもしれません。

さて次に、以下の中国語を見てください。どんな数を表すでしょうか?

   四百八 (スー・バイ・バー)

日本語なら「よんひゃくはち」(408)と読めますね。でも、中国語では 480 になるのです。「四百八十」と同じなのですが、中国語では最後の桁や単位がなく、なおかつ間に 0 がない場合は省略できるのです。※ 以下の [  ] は省略可能。

   四百八[十] (スー・バイ・バー[・シー])

   一千三[百] (イー・チエン・サン[・バイ])

   一万八千零四十 (イー・ワン・バー・チエン・リン・スー・シー)

上から 4801,30018,040 になります。なお、「四百八十」のように数量・単位を表す語(「」は枚数などを表す)が続く場合は、この「」を省略できません。

いかがでしょうか。ちょっと複雑だったかもしれませんが、中国語の数のルールは英語に比べればはるかに日本語に近いですし、慣れればそんなに大変ではありませんよ!

photo : “32 Hours in Tokyo” by Freebird