今年、最先端のクリスマスクッキーは「ジェンダーレスでオーガニックで菜食主義者向け」?

11月 26th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ

'So this is what the world is coming to...' by zee-bra

こんにちは、maggy です。色づいた葉が美しい晩秋ですが、町もイルミネーションで色とりどりに華やいで、もうクリスマスが近いと感じさせられます。

これまでに「『Christmassy(クリスマシー)』!クリスマス気分いっぱいな英語表現」や、「マルドワイン、ホットトディ、エッグノッグ…外国に伝わる寒い冬の飲み物」をご紹介しましたが、今回は海外でクリスマスによく食べられるお菓子の最先端のニュースをご紹介します。

さて、皆さんは、ジンジャークッキーというお菓子を食べたことがありますか? ヨーロッパで広く見られる、人型をして、生姜や香辛料が練りこまれたお菓子です。クリスマスツリーのオーナメントにもよく使われます。英語では、ジンジャーマン(ginger man)、あるいはジンジャーブレッドマン(gingerbread man)とも呼ばれます。

先日、オーストラリアのメルボルンで、このお菓子の「世界最先端版」が発売され、話題になりました。それは写真(左上)のようなお菓子です。一見、普通のジンジャークッキーのようですが、こんなラベルが付いていたのです。

Organic genderless gingerbread figures – VEGAN
オーガニックで性別のない人型ジンジャーブレッド – 完全菜食主義者向け

man という英単語は「人」の一般名称として使われることがあります。しかし、この響きには、どうも男性中心なイメージが付いてまわります。例えば、これまで business man(ビジネスマン/実業家)を、女性の社会進出を背景に、性別は関係なく business person(ビジネスパーソン)と呼ぼう、などという議論がありました。今ではずいぶん浸透していますね。

このオーストラリアのお店は、ジンジャー man ではなく、男女どちらというわけでもない figures(人型)と名付けてます。さらにはオーガニックで完全菜食主義者向けと、さまざまな現代的な配慮がなされたクッキー、というわけです。

これを見たある人が、オンラインフォーラム「Reddit」に写真をシェアしました。こんなコメント付きで。

So this is what the world is coming to…
それで、これが世界が向かっている方向ってわけだ…

この投稿には、2,000 件以上のコメントが寄せられ、なかには「やり過ぎ」「頭でっかち」などの批判も多々。BBC はこの事態を、「焼き菓子への男性支配が、ついに終息を迎えた。しかし、すべての人が祝福しているわけではない」などと、やや冗談を交えて(?)報道しました(参考:BBC News – #BBCtrending: The organic genderless gingerbread debate)。

言葉というのは物事をどう捉えるかという社会の窓なので、あらゆる多様性に配慮し、平等にしたいものです。でも慣習というものも文化ですし、バランスが難しいですね。子どもに、これからはジンジャーフィギュアと呼ばせるのも、なんだか……。

丸みを帯び、中性的にも見える写真のジンジャーブレッドマン……おっと、違いました、ジンジャーフィギュア。あるいはジンジャーパーソン? 話のネタに、今年のクリスマスギフトにお一ついかがでしょう。

photo : So this is what the world is coming to… posted by zee-bra


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