マイケル D!~ファーストネームで呼ぶ文化

7月 11th, 2014 | Posted by maki in 小ネタ

'shouting in the storm' by  Raul Lieberwirth

こんにちは、maki です。アメリカ留学中の思い出です。知り合いの人がある小学校で授業をしているのを見に行ったことがあります。小学校なので、みんなやんちゃでとても騒々しい。そんな中で、マイケルくんという少年が先生に怒られました。先生は、ピシッと

Michael D!

とその子の名前を呼びました。これはなかなか新鮮な体験でした。アメリカでは、ファーストネームで呼ぶ文化があるというのはよく知られていますが、その後ろに苗字の頭文字をつけて呼ぶことがあるんですね。Michael という名前はとてもポピュラーなので、クラスには 2 人の Michael がいました。おそらく、Michael DouglasMichael Stevens のどちらを叱っているのかがわかるように苗字の頭文字を付けて叱ったのかな……と思いました。アメリカの人名にもバリエーションは多いですが、やはり Michael のようにキリスト教に因んだ名前(天使や使徒、聖人など)の人は相当多そうです。それだと、学校のような環境だと、苗字の方も言わないと、誰が叱られているのかわかりませんね。
※ 『ヤバい経済学』(原題:Freakonomics)によると、アメリカでも日本のようにキラキラネームが増殖中だそうです

この「ファーストネーム + 苗字の頭文字」というスタイルは、最近ではヒップホップミュージシャンによく見かけるような気がします。Stevie B というアーティストは、Steven Bernard Hill という本名であったり、Warren G であれば Warren Griffin III だったりするみたい。スポーツ選手にもいそうですね。いいサンプルがないかなーと探していたら、見つけました。J-WAVE などで人気の DJ、ショーン K。この方の本名は、Sean McArdle Kawakami さん。アメリカ人のお父さん(McArdle)と日本人のお母さん(Kawakami)が名前に含まれていますが、ここから Sean K となったようですね。

日本だと、当然苗字が優先されるでしょう。こどものころの記憶はもうぼんやりとしかないですし、教育現場も変わってきているでしょうから、今なら

高橋君!

みたいに叱られるのかな。高橋少年が複数いる場合は、区別のために、毅くんとか良太郎くんと区別するんでしょうか(その他の児童は苗字で呼ぶとか)。

もちろん、アメリカでも誰でもがファーストネームで呼び合うわけではありません。やはり、それは人間関係とか、その発言の場と言ったコンテクストに依存します。しばらく前に、オバマ大統領が来日した際に、記者会見中に安倍首相が大統領のことを「バラク」と呼びましたが、それは適切でないという批判もありました。当人同士のコミュニケーションにおいては適切でも、オフィシャルな場では適切ではない……そんな暗黙のルールがあります。

とはいえ、アメリカでは比較的ファーストネームで呼び合う習慣は日本よりも一般的です。じゃあ、それはヨーロッパでもそうなのかというと、そうでもないようです。ドイツでは、相当親しくない限りは、Herr Schmidt(シュミットさん / Mr. Schmidt)とか、Frau Müller(ミューラーさん / Mrs. Müller)のように呼ぶようです。ドイツらしいなあと感じるのですが、地続きのお隣のオランダでは、同僚はもちろん、上司やビジネスパートナーであっても、ファーストネームで呼ぶのが普通なのだそうです。所変われば、呼び名も変わる……んですね。地続きではないですが、韓国や中国ではどうなんでしょうね。

photo : “shouting in the storm” by Raul Lieberwirth


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