6 月 1 日は中国の「こどもの日」

5月 30th, 2014 | Posted by liang in 小ネタ - (6 月 1 日は中国の「こどもの日」 はコメントを受け付けていません)

'Homemade Zongzi 粽子' by beautifulcataya

こんにちは!liang です。中国では、6 月 1 日は「六一国际儿童节」(六一国際児童節)です。「六一儿童节」「儿童节」とも呼ばれ、「国際児童デー」などと翻訳されます。日本の「こどもの日」に相当します。

名称に「国際」とありますが、この「国際児童デー」は 1949 年にモスクワで開かれた国際民主婦人連盟の会議において決められた記念日で、中国では 1950 年から実施されているとのこと。

儿童节」の当日は、14 歳未満の子どもは授業がなく、子どものための各種イベントが行われるとのこと。今年(2014 年)の 6 月 1 日は日曜日なので、もともと授業がありませんから、子どもとしては損した気分になるのでしょうか……。

儿童节」の翌日の 6 月 2 日月曜日は、(今年は)旧暦の 5 月 5 日に当たるため、中国では「端午节」(端午節。端午の節句)です。「端午节」は中国の重要な伝統的祝祭日のひとつで、お休み(法定休日)になります。

中国では今年、5 月 31 日土曜日から「端午节」の 6 月 2 日までが連休になります。子どもが主役の「儿童节」を含む 3 連休ですから、仕事が休みになる家庭は、この機会にたっぷりと子どもにサービスできますね。

子どもが喜びそうな場所はどこも混雑しそうですから、この連休中に中国に行く人は気をつけましょう。

ここまで読んで、「あれ?」と思った人もいるかもしれません。日本の「こどもの日」および「端午の節句」は新暦 5 月 5 日で、中国の「儿童节」は新暦 6 月 1 日、「端午节」は旧暦 5 月 5 日。ちょっと混乱しますよね。

日本の端午の節句は中国の「端午节」に由来するものでしょうけれども、その内容は異なります。「端午节」は子どものための記念日ではないのです(詳しくは Wikipedia – 端午 をご覧ください)。

ただ、ちまきを食べる習慣は共通しています。ちまきは中国語で「粽子 zòngzi」(「ゾォンズ」のように発音します)と言います。わたしが食べ慣れている日本のちまき――具が入っていなくて、なめらかで、甘くて、和菓子に分類される――と比べると、以前中国で食べたものはもち米のつぶつぶがはっきり残っており、肉などの具が豊富に入っていて、ご飯としていただけるものでした。日本のものも、中国のものも、どちらも美味です。

日本のちまきも中国のちまきも、地域や民族によって作り方や味にさまざまな違いがあるようです。中国人の知り合いがいたら、お互いの故郷のちまきについて話してみると面白そうですね。そして、その中国人家族にお子さんがいたら、「儿童节」に中国語で何かメッセージを贈ってみてはいかがでしょうか

おまけ :「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスでは、日本語から中国語(簡体字・繁体字)へのメールなどの翻訳も承っております。気持ちを伝えたいメッセージを相手の言葉で翻訳してみませんか?(ご発注時に文章からだけではわかりにくい背景などありましたら、メモとしてお書き添えください)

photo : “Homemade Zongzi 粽子” by beautifulcataya


pig が pork(豚肉)、cow が beef(牛肉)―英語では動物と肉の名前が変わるのはなぜ?

5月 29th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (pig が pork(豚肉)、cow が beef(牛肉)―英語では動物と肉の名前が変わるのはなぜ? はコメントを受け付けていません)

'Kalbi Beef Ribs - close-up, raw - Win Sam Butcher AUD8.99 per kg' by Alpha

こんにちは、maggy です。「毎月 29 日は肉(にく)の日」という肉屋さんの特売のチラシや看板を見たことがあります。すると本日の 5 月 29 日は「お肉(529)の日」になりますでしょうか? 厳しいかな……。

ただし、わたしはただいま海外に滞在しているので、あいにくこのセールの恩恵をうけることはないでしょう。英語では 29 日は Twenty-ninth で、「肉」にかすりもしませんから……残念です。

ところで英語で豚は pig ですが、豚肉は pork (ポーク)、牛は cow とか ox ですが、牛肉は beef (ビーフ)などと、動物そのものを示す言葉と、その食肉用の肉を示す言葉が違うことがありますよね。

pig (豚) → pork (豚肉)
cow (牛) → beef (牛肉)
sheep (羊) → mutton (羊肉)
deer (鹿) → venison (鹿肉)

どうしてなのか気になり調べたみたところ、これは「動物を調理した人」と「その肉を食べた人」が違う言葉でその動物を呼んでいたという、英語の歴史に由来するそうです。

約 1000 年前から 300 年ほど、イギリスがフランスのノルマン人に征服された時代がありました。いわゆるノルマン・コンクエスト(The Norman Conquest of England)です。当時、動物を育てたり、調理したのが支配されたイングランドのアングロサクソン人、肉を食べたのは支配層のフランスのノルマン人で、それぞれの言葉が動物の名前、肉の名前として別々に定着していったそうです。
※ この時代に大量のフランス語がイギリスに入ってきます。そのため、現在でも英語には、フランス語・ラテン語起源の単語と古くからのドイツ語系の単語がまじりあっています

例えばノルマン人の話した古フランス語と現代の英語を並べると、その影響が分かりやすいかと思います。

古フランス語 → 現代英語
buef (牛) → beef (牛肉)
porc (豚) → pork (豚肉)
moton (羊) → mutton (羊肉)
venesoun (鹿やイノシシなどの大きな狩りの獲物) → venison (鹿肉)

※ 厳密には、buef (現在のフランス語では bœuf) = 牡牛、porc = 牡豚など、牛や豚のすべてではありません。また、古フランス語の moton は、現代のフランス語では mouton となっています

古フランス語なんて難しそうですが、肉に限定して、わたしたちも翻訳要らずで理解できるかもしれませんね。あ、以前、大流行したムートンブーツ。あれも羊の皮でできてるんですね!

おまけ :海外ではしゃぶしゃぶや煮物に使うような、薄切り肉がなかなか手に入りません。海外生活の長い日本人に恋しい食べ物を伺うと、納豆や味噌汁ではなくて、「薄切り肉」という答えが返ってきたことが何度かあります。専用のスライサーを購入する人もいるようです。

「ノルマン・コンクエスト」の時期のフランス語の流入ですが、日本語に古来からの和語と後に中国から伝わった漢語が混在しているのと似た状況かもしれませんね。(前回お伝えしたこちらの記事も言語の混在を扱っています : QUICKTRANSLATE says……「草食男子」と「暴走族」に存在する共通点?!

photo : “‘Kalbi Beef Ribs – close-up, raw – Win Sam Butcher AUD8.99 per kg” by Alpha


「草食男子」と「暴走族」に存在する共通点?!

5月 27th, 2014 | Posted by Stella in 小ネタ - (「草食男子」と「暴走族」に存在する共通点?! はコメントを受け付けていません)

’HK seaview from the 9th floor of City Hall, Central, Hong Kong’ by Botaurus-stellaris

こんにちは!Stella です。日本語は、中国から沢山の漢字を輸入し、同時に漢語と呼ばれる語彙がたくさん流入してきたことがよく知られています。しかし、「漢字交流史」は、常に「中国から日本へ」という一方的なものではないんです。中国の後漢時代から、「日本から中国へ」輸出されたの日本発祥の和製漢語がたくさん存在しています。さらに、現在に至るまでに使われている和製漢字が多く、中国人自身もそれらが日本から来た漢字だと認識しないまま、ごく当たり前のものとして使っています。例えば、最近話題の「AKB 総選挙」は、中国語では「AKB 总选举」になります。この「选举」は、日本語の「選挙」が輸入されたもので、簡体字化のとき(1950 年に正式に制定された)に「选举」になりました。なので、「選挙」という単語は和製漢語なのです。そのような語彙はすでに数多く存在し、和製漢語を中国語から除外すると、相当困ったことになります。中国で新聞や本などが発行できなくなってしまうかもしれません。なぜなら、以下のような中国語単語も元はと言えば、実は和製漢語なのです。

经济(経済)、平等(平等)、革命(革命)、文化(文化)、客观(客観)、有机物(有機物)、方针(方針)、申请(申請)、解决(解決)、理论(理論)、商业(商業)、干部(幹部)、健康(健康)、法律(法律)、共和(共和)、美术(美術)……

いつの間にか漢語の逆輸入が止まってしまった?そんなことはありません。今でも止まっていませんよ。近年では、日常的に使っている語彙については、日本からの輸入はそんなに多くはありませんが、日本文化の浸透により、流行語として輸入した和製漢語がたくさんあります。

たとえば、本記事のタイトルの『「草食男子」と「暴走族」に存在する共通点?!』の答えは……もう、おわかりですね?そう!どちらも日本生まれの輸入語彙なんです!

草食男」と「暴走族」は、このふたつの語彙は、「日本のアニメ」という船に乗って、海を越え、中国まで輸入されてきました。中国で「草食男」は『西洋骨董洋菓子店』というマンガで輸入、「暴走族」は『GTO』で輸入。鬼塚先生は中国でも大人気です。

これら以外にも、写真料理花火といった一般的な言葉や、英語にも輸入されている便当(弁当)、「なんでこんな語彙まで取り入れた?」と思わせる欧巴桑(おばさん)、アイドルと一緒に海を渡った(?)艺能界(芸能界)……などなど、日本生まれのことやもの、文化が言葉だけでなく概念ごと流行語として中国で使われています。

これから、どんな日本語が中国で人気ものになるでしょうか。楽しみです。

photo : ”HK seaview from the 9th floor of City Hall, Central, Hong Kong” by Botaurus-stellaris


Bank Holiday(バンクホリデー)の由来とは? 自然を愛したラボック卿のメッセージ

5月 26th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (Bank Holiday(バンクホリデー)の由来とは? 自然を愛したラボック卿のメッセージ はコメントを受け付けていません)

The Bank of England' by James Mitchell

こんにちは、maggy です。 5 月 26 日は、イギリスやアイルランドは Spring Bank Holiday という祝日です。毎年、5 月の最終月曜日がこの日にあたり、日付は年によって変わります。5 月の第一月曜日には Early May Bank Holiday があったばかりで、次は 8 月の最終月曜日には Summer Bank Holiday が控えています。

Bank Holiday(バンクホリデー)というお休みは、1871 年に制定された Bank Holidays Act (銀行休日法)という、イングランド銀行の休業についての法律に由来するそうです。銀行の取引ができないので多くの企業もお休みになり、そして学校もお休みに。今では Bank Holiday = Public Holiday(国民の祝日)のような位置付けになるそうです。

ところでこの約 150 年前に制定された Bank Holidays Act について調べていたら、この法律の制定のために活躍した Sir John Lubbock(ジョン・ラボック卿)という興味深い人物にたどり着きました。

ラボック卿はイギリスの銀行家であり、かつ、自然を観察するのが好きで、チャールズ・ダーウィンと親しく交流した生物学者でもあります。考古学にも精通し、私たちも学校の歴史の時間に習った、石器時代を 2 つの時代に分ける旧石器時代(Palaeolithic)新石器時代(Neolithic)という用語を提案をしたのも彼だとか(詳しくは ジョン・ラボック – Wikipedia をご覧ください)。
※ pal(a)eo- = 旧 / neo- = 新 / lith = 石。『2001 年宇宙の旅』にモノリスなんてのが登場しましたね

さて、ラボック卿の生きた時代、銀行は休みの日がかなり少なかったので、「銀行のハードワーカーたちに、もっと休みを!」と戦い、勝ち取ったのが Bank Holidays Act だったそうです。

ラボック卿は後の 1894 年に出版した著書 The Use Of Life に、こんな名言も残しています。

“Rest is not idleness, and to lie sometimes on the grass under trees on a summer’s day, listening to the murmur of the water, or watching the clouds float across the sky, is by no means a waste of time.”
― John Lubbock (The Use Of Life)

休息とは怠惰とは異なる。時おり夏の日に、木々の下の草原に寝そべること、水のおしゃべりを聴くこと、空に浮かぶ雲を眺めることは、決して時間の無駄ではないのだ。

5 月や 8 月と、気候の良い時期にバンクホリデーが多いのですが、美しい時期に忙しい労働者も立ち止まって自然を愛する時間が取れるようにということなのかもしれませんね。

もっとも、彼の功績やこうした当初の想いについて、今では知っている人は少なく、忙しく過ごす人も多いようです。イギリスでは、ラボック卿のファンや自然愛好家から、バンクホリデーという名前ではなく聖ラボックの日(St Lubbock’s Day)に改名しよう! という声もあるようです(参考:Here’s to a happy St Lubbock’s Day – Telegraph)。

ということで、皆さんもせっかくよい季節ですので、平日はよく働き、そして休憩時間や週末は、自然を愛する時間を楽しんでくださいね!

おまけ :話が矛盾していて恐縮ですが、「スピード翻訳」の「スピード翻訳」サービスは、 24 時間 365 日、お見積りからご発注までご利用いただけます。

photo : “The Bank of England” by James Mitchell


海外で自転車をレンタル♪ ママチャリは英語で何という?

5月 23rd, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (海外で自転車をレンタル♪ ママチャリは英語で何という? はコメントを受け付けていません)

アラン諸島のママチャリ

こんにちは、maggy です。先日、ホリデーをアラン諸島Google マップ)のイニシュモア島で過ごしました。セーター ※ でも買いたいなというくらいで、これといったプランは立てていなかったのですが、港に着いてみたら「Bike Hire」と書かれた看板をあちこちに見かけます。「島を自転車で一周するのも、おもしろそう!」と思い立ち、急遽、自転車をレンタルすることにしました。
※ アランセーター、フィッシャーマンセーターと呼ばれる手編みセーターが人気

サイクルショップに立ち寄ると、渡された料金表に、下記のような種類のリストがありました。自転車ってこんなに種類があるんですね。それぞれに日本語訳と補足を付けてみました。

Mountain Bike = マウンテンバイク

City Bike = シティーバイク/シティサイクル

Electric Bike = 電動アシスト自転車
pedelec とも呼ぶそうです。
参考:Pedelec – Wikipedia

Tandem Bike = 二人乗り用自転車
参考:Tandem bicycle – Wikipedia

Childs Bike = 子ども用自転車

Buggy = 乳母車

Tag Along = 自転車の後ろに付けて、子どもを乗せる自転車拡張ツール

英語で自転車は bike(バイク)cycle(サイクル)bicycle(バイセクル)といろんな呼び方をします。bike や cycle は bicycle の省略形にあたり、ちょっとカジュアルな印象になります。

日本ではバイクというとオートバイを想像してしまいますが、そちらは英語では motorcycle あるいは motorbike になります。でも、これらも省略して単に bike と言うことがあるので、ややこしいですね。レンタル時には間違わないように、実物を見せてもらうのが良さそうです。

さて、ランニングか登山かというスポーティーな恰好をした人たちが、マウンテンバイクを借りてどんどん出発していく横で、おきらく観光客といった風貌の私は、「あなたには……バスケット付き(with basket)の city bike がいいわよね?」と勧められました。

この city bike(シティバイク)というのが何なのか、唯一イメージが湧かなかったのです。そしてお店の人が持ってきたのは、カゴの付いた、わたしにも大変馴染みのある自転車……いわゆるママチャリ(写真)でした!

調べてみたら、ママチャリというのは(もちろん)俗称で、正式名はシティサイクルや、シティバイクと言うのですね(参考:シティサイクル – WikipediaEuropean city bike – Wikipedia)。意外なところでママチャリに出合えたお陰で、軽快に島を移動して、美しい自然を楽しむことができました。

このように誰でも気楽に運転できるママチャリの良さは、海外でもじわじわと注目されているそうです。イギリスのロンドンでは、ママチャリを販売している、その名も Mamachari Bikes(ママチャリ・バイクス)というお店があるそうです。中東やアフリカ諸国でも人気が高まっており、日本からドバイ経由で中古品が輸出され、現地ではそのまま mamachari という名で浸透してきているのだとか(参考:ドバイで“ママチャリ”が大人気のワケ:ワールドビジネスサテライト:テレビ東京)。

世界の各都市で、自然環境保護のために自動車ではなく、もっと自転車を使おうという動きもあります。ママチャリは、こうしたニーズでも一層に活躍しそうです。ママチャリは世界の mamachari になっていくのでしょうか?

おまけ :日本の便利な製品を海外に輸出したい! でも言葉の壁が……という方は、「スピード翻訳」の「スピード翻訳」にお任せください。24 時間 365 日ご依頼可能。最短 30 分から納品可能です。軽快に海外に飛び出しましょう!


欧州国別対抗歌謡祭「ユーロビジョン(Eurovision Song Contest)」から見る政治情勢

5月 13th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (欧州国別対抗歌謡祭「ユーロビジョン(Eurovision Song Contest)」から見る政治情勢 はコメントを受け付けていません)

'Eurovision Song Contest Refshaleoen Copenhagen 20140506_005' by News Oresund

こんにちは、maggy です。先日の土曜日、欧州では Eurovision Song Contest(ユーロビジョン・ソング・コンテスト)という、毎年恒例の欧州国別歌合戦の決勝が開催されました。1956 年から開催されている歴史あるコンテストで、これまで ABBA(アバ)やセリーヌ・ディオンをはじめとしたスターを輩出してきました。

主催地は前年の優勝者の国と決まっていて、今年はデンマークの首都コペンハーゲンでの開催でした。今年の優勝者は、オーストリア代表の「黒髭の美女」こと、ドラァグクイーン(女装パフォーマー)歌手のコンチータ・ウルスト(Conchita Wurst)さん。日本のメディアでも取り上げられたので、コンチータさんの写真や映像を目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか(cf. YouTube – Conchita Wurst: Rise Like a Phoenix)。

さて、このユーロビジョン、単なる歌合戦ではなく、欧州の政治情勢が色濃く反映されることで知られているとか。例えば、優勝者は各参加国による点数投票の総計で決まりますが、これは純粋に歌やステージのパフォーマンスに対する評価……というわけでもなく、政治的に協力関係にある国や近隣国に投票したりするのだそう。

特に今年は、緊張状態にあるロシアとウクライナの両国が決勝に残ったため、二者の対決に注目が集まりました。ロシア代表のトルマチェフ・シスターズ(Tolmachevy Sisters)は、若手の双子姉妹デュオです(cf. YouTube – Tolmachevy Sisters: Shine)。かわいくフレッシュに歌い上げましたが、会場はなんとブーイングの嵐。逆に、ウクライナ代表のセクシーなマリーヤ・ヤレムチューク(Марiя Яремчук)さんのパフォーマンス(cf. YouTube – Mariya Yaremchuk: Tick – Tock)には各国から点数が入り、優勝には手が届かなかったものの、得点を伸ばしました。これは、各国のウクライナへの同情心からの投票もあったようです。

このコンテストについてもう一つ知られているのが、ゲイ(同性愛者)などの性的マイノリティにとても人気があるということです。今年の会場風景の中継でも、前方で同性同士がキスをしている様子がチラチラと映りました。

ロシアは同性愛に対する差別的な法案の成立で世界中から非難を受けている状態ですが、ロシアへのブーイングには性的マイノリティ(LGBT)に対する人権侵害への抗議も含まれていたとか。

なお、性的マイノリティ(LGBT)とは、下記の頭文字を意味します。

L = Lesbian (レズビアン – 女性同士の同性愛者)
G = Gay (ゲイ – 男性同士または女性同士の同性愛者)
B = Bisexual (バイセクシャル – 両性愛者)
T = Transgender (トランスジェンダー – 生まれもった性と、異なる性別を自認している人)

※ 厳密に言うと諸説あるのですが、便宜上、極力簡潔にまとめさせていただきました

なお、優勝したオーストリア出身のコンチータさんはドラァグクィーンであり、かつ、ゲイだそうです(ゲイではないドラァグクィーンの方もいます)。コンチータさんの優勝は、欧州の一つの意思表示と言えそうですね。

次回のコンテストでは、どんな各国のドラマが繰り広げられるのでしょうか。政治情勢、そして LGBT という観点から注目すると、欧州の未来の”ビジョン”が見えてくるかもしれません。

おまけ :ドラァグクィーンは英語では drag queen と書きます。drag = (スカートなどを)引きずるに由来するという説が主流です。drug(ドラッグ、違法薬物)と関係あるかのように勘違いされないよう、区別するために日本語表記ではドラッグではなく、通常ドラァグと書くそうです。詳しくは ドラァグクイーン – Wikipedia などもご参考ください。

photo : “Eurovision Song Contest Refshaleoen Copenhagen 20140506_005” by News Oresund


欧米セレブにも増えているローフード主義者(ローフーディスト)とは?

5月 9th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (欧米セレブにも増えているローフード主義者(ローフーディスト)とは? はコメントを受け付けていません)

'fresh fruits and vegetables yummy!' by Wild Tofu

こんにちは、maggy です。連休はお出かけが続いた方は、週末はゆっくりして食生活を整えて、デトックスしたいですね。
※ detox = de + toxic + (a)tion = (中毒状態から解放する → )解毒

食生活といえば、ロンドン在住の友人は菜食主義者(ベジタリアン)です。久しぶりに連絡を取ったら、肩書(?)に Raw Foodist(ローフーディスト)という一行が加わっていました。

聞けばローフーディスト(ローフード主義者)というのは、ローフード(raw food)、つまり、食材をなるべく生か低加熱で食べ、食材の酵素やビタミン、ミネラルを効率的に摂取しようとする食生活のことだそうです。

なんでも 1990 年代から欧米で提唱されてきたそうで、マドンナなどセレブも実践しているとか。具体的は、主に生の果物、野菜、スプラウト(もやしやブロッコリなどの植物の芽)、海藻、発酵食品などを食べるそうです。

生の肉や魚、海藻、発酵食品と言えば、もしや日本はかなり優勢なのでは?と思いましたが、やはりローフーディストは日本食にとても興味があるようです。ロンドンのノッティングヒルにはローフーディスト向けのレストランもあり、その名も「NAMA(ナマ)」と言うそう(参考:NAMA – Raw Food Restaurant, London)。

もっとも、このローフードレストラン「NAMA」は肉や魚、乳製品も食べないヴィーガン向けなので、正確にはローヴィーガン(Raw Vegan)レストランだそうです。このようにローフーディストのなかには、果物しか食べない主義の Raw Fruitarian(ローフルータリアン)、生食材のジュースしか飲まない主義の Raw Liquidarian(ローリキッダリアン)という、さらなる細分カテゴリも存在するそうで……。
※ vegan ≒ veg(etari)an : 完全菜食主義者(cf. Vegan vs Vegetarian – Difference and Comparison – Diffen

ちなみに私はローリキッダリアンの男性にも会ったことがあります。2010 年公開のドキュメンタリー Fat, Sick and Nearly Dead(アメリカ)を観たことが、食生活を変えたきっかけだったそう。オーストラリア人の肥満気味で不健康な男性(Joe Cross 氏)が 60 日間、アメリカで野菜と果物ジュースだけで過ごし、100 ポンド(約 45 キロ)の減量に成功し、体調が改善した、という内容です。

確かに生野菜やグリーンスムージーをたっぷり採ると、身体がスッキリしますよね。ただ、毎食ローフードだけで過ごすというのは、いささか行き過ぎているような気も。実際に、消化の問題や栄養バランスの問題も指摘されているようです。つい、「気が向いたときに、適宜取り入れるくらいでええじゃないか」と思ってしまった、主義という主義のない私は、あえて名乗るなら曖昧主義者ってところでしょうか。

おまけ :食品や医療、科学の資料、論文の翻訳は、「スピード翻訳」の「スピード翻訳」にお任せください。プロの翻訳家が、案件に合わせてバランスよく対応いたします。

photo : “fresh fruits and vegetables yummy!” by Wild Tofu


鯉のぼりは汚い?英語の carp のイメージ

5月 5th, 2014 | Posted by maggy in 小ネタ - (鯉のぼりは汚い?英語の carp のイメージ はコメントを受け付けていません)

'koinobori' by 
kazuletokyoite

こんにちは、maggy です。5 月 5 日のこどもの日といえば鯉のぼりですね。青空を悠々堂々と泳ぐ鯉の姿を見ると、この家には元気な子がいるのだろうと想像させられます。

鯉のぼりを飾る慣わしは、鯉が滝を登って竜になったという中国のお話に由来しているそう。それで鯉に子どもの健康や立身出世の願いが込められているのですね。

さて、英語で鯉は carp(カープ) ですが、なんでも欧米では鯉に対して持っているイメージが、日本と異なるのだそう。欧米では carp は泥の中に住んでいる汚い魚として、あまり良くないイメージなのだとか。carp を動詞として使って、「うるさくとがめだてする、筋違いの文句を言う」という意味もあります(参考:carpの意味- コトバンク)。

しかし、以前お会いした浮世絵に興味のあるアメリカ人は、「carp が大好き」と笑顔で語っていらっしゃいました。これは、日本の歌川(安藤)広重の描いた 鯉のイメージなどを共有しているからなのでしょうか。

池のなかの宝石のような美しいあの錦鯉に関しては、英語では Asian carp あるいは Koi、Koi fish、Koi Carp などと呼んで、一般的な carp イメージと区別することもあるようです。
※ ヨーロッパでは、錦鯉がブームらしく、こんな雑誌があったり、はるばる山古志村にまで買い付けに来る人もいるのだとか

鯉のぼりは直訳すると a carp streamer になるようですが、さて海外の人には、どんな風に聞こえるんでしょうね。

photo : “koinobori” by kazuletokyoite