2014 年は、閏年ではなく、閏月!

3月 10th, 2014 | Posted by maki in 小ネタ

''If The Sun & Moon Should Doubt, They’d Immediately Go Out' by Parée

こんにちは。maki です。先週は出張で韓国にいました。2014 年は閏月のある年なんだそうです。日本人にもお馴染みのではなく、です。

日本人にも馴染み深い閏年閏日)は 4 年に 1 回やってきて、閏年の西暦年は 4 で割り切れる年ということになっています。しかし、西暦年が 100 で割り切れる年は閏年ではなく、さらに 400 で割り切れる年は閏年(2000 年はこれに該当するレアケースでしたね)ということになります。こうした微調整を加えないと、地球の公転周期(太陽のまわりを一周回るのにかかる周期)が 365 日 5 時間 49 分 12 秒ですので、1 年 = 365 日でずっとカウントしていると、正しい暦とすこしずつずれていってしまうわけです。こうした調整が閏年(閏日)なのです。
※ 閏日 = 調整のために追加される 1 日

それと違って、太陰暦は、月の満ち欠け(約 29.5 日)を基準にしています。12 か月 = 354 日で次の年を迎えるという計算です。365 日と 354 日ではずいぶん違いがあります。3 年で 1 月ずれてしまうことになります。これではいかんということで、月を基準にしつつ太陽暦とも整合性をとる暦(太陰太陽暦)では、02/29 のように 1 日を追加するのではなく、1 月を加算しまして、調整します。19 年の間に 7 回ほど 1 年が 13 か月になる月があることで、太陽暦との誤差が修正できるのだとか。これが、2014 年に韓国のカレンダーに閏 9 月がある理由です。
※ 閏月が挿入されるタイミングは、月の周期で決まります。「9 月と 10 月の間に閏月を挿入する」という決まりがある訳ではありません

韓国や中国、台湾では旧正月を祝いますが、毎年日程が違うなーと思っていた理由もこの太陰太陽暦と太陽暦とのズレが原因なんですね。で、ようやく元の話題に戻るのですが、韓国では閏月に結婚式をおこなうのは避けられることが多いようです。そのため、この閏月は結婚式をしても費用が安くすみます。韓国はキリスト教の信者が多い国(人口の 30% 弱)ですので、クリスチャンのカップルは閏月を狙う……ということもあるんだとか。もちろん、原則的には、旧正月を休みにする以外は太陽暦に従っています。太陰太陽暦は、伝統やしきたり、ならわしなどにいまも生きているのですね(当然、市販のカレンダーにも、旧正月などの太陰太陽暦の重要なポイントは書いてあります)。

おまけ :明治の初期までは日本では太陰太陽暦をベースにして、朝廷の陰陽寮や幕府の天文方などで管理していたものを使っていました。明治 5 年(1872)に太陰太陽暦が廃止されたのですが、西洋文化を積極的に取り入れようというムーブメント以上に明治 6 年には閏月があるので、給料を 13 回支払わなければならない!という明治政府の厳しい台所事情があったようです。1 年に 13 回お給料がもらえたらいいですねぇ。

photo : “If The Sun & Moon Should Doubt, They’d Immediately Go Out” by Parée


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