こんにちは!liang です。日本語には「1 本」「2 本」の「本」、「1 枚」「2 枚」の「枚」のように、数量を表す語(数詞)につける助数詞があります。日本語の助数詞に相当するものは中国語にもあって、「量詞」と呼ばれます。量詞にはものを数える量詞と動作を数える量詞がありますが、ここではものを数える量詞について紹介します。
たとえば「パソコン 1 台」は中国語では量詞「台」を用いて「一台电脑」と書きます(「电」は「電」、「脑」は「脳」の簡体字)。この数詞+量詞+名詞の語順は決まっていますので、覚えておくと中国語を読むときに役立ちます。
名詞の多くは対応する専用の量詞がおよそ決まっています。また、「电脑」「パソコン」の「台」のように中国語と日本語で共通する場合もありますが、中国語の量詞と日本語の助数詞は異なることが多いので、きちんと使い分けるためには個別に覚える必要があります。いくつか例を見てみましょう。
【1】 一 匹 马 「馬 1 頭」 ※「马」は「馬」の簡体字
【2】 一 头 牛 「牛 1 頭」 ※「头」は「頭」の簡体字
【3】 一 辆 自行车 「自転車 1 台」 ※「辆」は「輌」の簡体字
【4】 一 架 飞机 「飛行機 1 機」 ※「飞」は「飛」、「机」は「機」の簡体字
『数え方の辞典』(小学館)によれば、日本語でも以前は馬を「匹」で数えていたようです。
ある名詞に対応する量詞がひとつだけとは限りません。量詞は数える対象の形状や性質などによって使い分けるのが基本だからです。たとえば「たばこ」には次のような量詞が使われます。
【5】 一 支 烟 「たばこ 1 本」
【6】 一 盒 烟 「たばこ 1 箱」
【7】 一 条 烟 「たばこ 1 カートン」
【5】の「支」は棒状のものを数えます。「铅笔」(鉛筆)も「支」で数えます。【6】の「盒」は箱を表しますから、容器が単位になっていますね。【7】の「条」は細長いものを数えます。「黄瓜」(キュウリ)、「路」(道路)なども「条」で数えます。
ちょっと変わっている量詞もあります。
【8】 一 把 雨伞 「雨傘 1 本」 ※「伞」は「傘」の簡体字
【9】 一 眼 井 「井戸ひとつ」
【8】の「把」は、柄のあるものを数えます。「剪刀」(はさみ)も「把」で数えます。【9】の「井」は、「口」でも数えます。いずれにしてもぽっかりと空いた井戸の穴からの連想なのでしょうね。
名詞に対応する量詞がわからない場合はどうすればいいのでしょうか? 中国語を勉強しているとよくあることですが、その場合はとりあえず量詞「个」(個、箇)を使って切り抜けます。
「个」は最もよく使われる量詞で、対応する専用の量詞がない名詞を数える場合に使うほか、専用の量詞がある名詞にも使うことができて、大変便利なのです。日本語でも、適切な助数詞がわからないときに「1 個」「2 個」などと言うときがありますから、同じような感覚かもしれません。
次の例は、ふつう「个」を使うものです。
【10】 一 个 人 「ひとり」
【11】 一 个 苹果 「リンゴ 1 個」
【12】 一 个 目的 「ひとつの目的」
「个」はもともと「箇」の略字で、中国で古くから使われていたようです。ちなみに日本語で「一ヶ月」と書くことがありますが、この「ヶ」は漢字「个」が変形したものだとか。カタカナではないのですね。
photo : “三眼井” by minghsuan