Fido といえばイヌ

5月 25th, 2012 | Posted by maki in 小ネタ - (Fido といえばイヌ はコメントを受け付けていません)

こんにちは、maki です。こどものころ毎日のようにテレビで『トムとジェリー』が放映されていて、飽きもせず毎日見ていましたが、当時の『トムとジェリー』は、いまケーブルテレビで放映されている『トムとジェリー』とは違って、30 分の枠に短編アニメーションが 3 本という構成で、1 本めと 3 本めのエピソードはおなじみのトムとジェリーが登場する作品ですが、2 本めは、別のキャラクター(ドルーピーなど)などが登場する別の監督による作品でした。

この 2 本めに放映された作品に「こんなお家は」(the House of Tomorrow)という作品があります。1949 年の作品です。未来の住宅を紹介するという作品でした。紹介される住宅は、手のひらに乗る大きさの箱が自動的にパタパタ展開して、豪華な家ができあがるものであるとか、税務署員が来たらボタンひとつでお金持ちの成金趣味のお家があばら家になってしまうとか。どれもおもしろいお家ばかりでした。

この作品の中に家族ひとりひとり専用の玄関を作ってはどうでしょうという提案がありました。その最初に紹介されたのがネズミ用の玄関。確かに絵で見ると、ジェリーのお家のように壁に小さな穴のあいたもの。しかし、なぜか違和感があります。玄関の脇にイヌの水飲み皿が置いてあるのです。ご丁寧に、その皿の上には、骨も置かれています。気になって、「ネズミ用の玄関」と紹介していたのは日本語吹き替え版だったので、オリジナル版を探して見てみたところナレーションでは、For Fido. と紹介されていました。Fido(ファイド)は、イヌの名前としてはかなりよく知られています。やはり、あれはネズミではなく、イヌ用の玄関だったのです。日本語吹き替えは、誤訳だったという結論でした。

あるサイトの掲載記事で紹介された 2008 年の(アメリカの)ポピュラーなイヌの名前ランキング・ベスト 100(ペットの保険会社の調査)には、残念ながら Fido はランクインしていませんでした……。ちなみにトップ 10 はこのような結果でした。

  • ♂ : Max / Buddy / Rocky / Bailey / Jake / Charlie / Jack / Toby / Cody / Buster
  • ♀ : Bella / Molly / Lucy / Maggie / Daisy / Sophie / Sadie / Chloe / Bailey / Lola

だったそうです。きっと、小型犬には付けるけど、大型犬にはまず付けない名前とかあるんだと思いますが、現地で生活していないとなかなか判別できませんね。
Barkworld – Top 100 most popular dog names より転載

とてもありふれている名前というわけでもないのに、なぜ Fido がとてもよく知られているイヌの名前なのかについては、Why is Fido such a common name for a dog when in reality no one really names their dog Fido?(実際にはそんなに名前を付けたりしないのに、どうして Fido はイヌの名前としてよく知られているの?)にあるように、ウェブでも質問をしている人がいます。回答としては「リンカーンの飼い犬で、『私は信頼する』(I Trust)という意味」などの諸説が書き込まれていました。実際には Fido という名前を付けることが少ないのであれば、この Fido は日本で言えば「ポチ」みたいなものなんでしょうかね。日本人が「ポチ」と聞けば、イヌを連想するように。

おまけ : ちなみに、Fido がイヌの名前であると覚えたのは、Frank Zappa の “Stink-Foot” という歌の歌詞でした。
Here Fido…… Fido……
C’mere little puppy…… bring the slippers.
“Arf, arf, arf!”

photo : “Fido” by Scott Beale / Laughing Squid